関連記事:
・開戦前夜(2): 中国人民解放軍の機械化師団が北朝鮮との国境に向けて大規模な移動を開始
・開戦前夜(3): 米国当局はずっと EMP 兵器実験としての北朝鮮の実験の成否を監視していた
・開戦前夜(4):「朝鮮半島からブラックスワンが現れた」と題する記事を書いた米国記者
--
(※)これらの記事で使っている「開戦前夜」という言葉は、H・G・ウェルズの 1800年代の小説「宇宙戦争」の序章タイトルということで使っています。
そして、3月18日に始まった「第一次サイバー世界大戦」とさえ呼べる史上最大のサイバー攻撃により全世界のインターネットの崩壊が現実として見えた日
昨日、NHK に下のような報道が出ていました。
北朝鮮 「米攻撃できる状態で待機指示」
NHK 2013.03.29
北朝鮮の国営通信は、キム・ジョンウン第1書記が29日未明に軍の幹部と作戦会議を開き、「アメリカをミサイルで攻撃できる状態で待機するよう指示した」と伝えました。
アメリカ軍は、北朝鮮が挑発的な言動を繰り返していることから、韓国軍と合同で行っている軍事演習に、レーダーに捉えられにくいB2ステルス爆撃機を投入するという異例の措置を取りました。
これに対し、北朝鮮の国営通信は、キム・ジョンウン第1書記が、29日午前0時半に、軍の最高司令部で総参謀長や戦略ロケット軍司令官ら幹部4人を集めて緊急の作戦会議を開き、「重大な決心をした」と伝えました。
この中でキム第1書記は、アメリカ本土と、ハワイ、グアムなどの太平洋地域や韓国にあるアメリカ軍基地を、「いつでもミサイルで攻撃できる状態で待機するよう指示した」として、攻撃に関する準備計画に署名したということです。
国営通信が公開した写真の1枚には、弾道ミサイルが飛行するルートを示したとみられる地図が写っており、そこには「アメリカ本土攻撃計画」と書かれています。北朝鮮が、軍の最高司令部で開いた作戦会議の様子を明らかにしたのはこれが初めてとみられ、アメリカを重ねて威嚇するねらいがありそうです。
というものでした。
この中にある「アメリカを重ねて威嚇するねらいがありそうです」というような政治関係とか、国際関係のことは私は全然わかりませんが、ただ、この金正恩という人の「気質」はこの1年くらいで少しわかった気がします。
また、これは後述しますが、3月19日から「全世界が影響を受けているサイバー攻撃」が始まっていて、今でも続いています。
▲ 3月28日のロシアの声の「史上最強のサイバー攻撃で全世界のインターネット速度低下」より。
この10日間くらいのあいだで「どうもインターネットが遅い」と感じることがありましたら、その影響だったかもしれません。
そんなわけで、政治だとか国際関係だとかのことは抜きとして(金正恩という若者はそんな「大人的なこと」を考える人ではないと思います)、北朝鮮が、韓国と米国を相手に戦争を開始して、「北朝鮮が勝利できる可能性」があるのかどうかを考えてみました。
最初に書けば、「具体的な先制攻撃」としては2つしか選択肢はないわけで、
・米国本土へは EMP 攻撃
・韓国へは国境近辺の複数のダムの破壊でソウルを水没させる
・韓国へは国境近辺の複数のダムの破壊でソウルを水没させる
のふたつです。
基本的には北朝鮮には開戦の最初にはこの方法しかないということを金正恩という人が知っていれば、最終的にどうなるかはともかく、すぐに反撃される可能性は低くなると思われます。
つまり、「突然、世界は地獄に叩き落とされる」ということですが、では、上の2つをひとつずつ見てみます。
上にあるうちの韓国への「ダム攻撃」というのは、なんだか情けない攻撃のように感じる方もあるかもしれないですが、北朝鮮が韓国へ大きな被害を与える第一弾の攻撃としては「最大の効果を得られる」ものだと思われます。
北朝鮮は短距離ミサイルを複数持っているらしいですので、複数のダムの同時破壊(または破壊の前に過剰放流をおこなう)はそれほど難しいことではないのではないかと思われます。
ですので、この「ダム」のことを書いてみたいと思います。
EMP に関しては、これまでも、
・EMP シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
2012年04月17日
・北朝鮮はスーパーEMP兵器を完成させたのか?
2011年06月27日
などこの数年で何度も取り上げていますが、今回も後半で簡単にご説明いたします。私はこの EMP 兵器こそが「世界終末兵器」だと信じて疑いません。
北朝鮮が着々と作り上げてきた「ソウルを 100メートルの水深の洪水」で沈められるダムの存在
下の記事は 2010年 7月 22日のサーチナの報道です。
記事のラストを抜粋します。
北朝鮮がダム放流、下流の韓国で水位6メートル上昇
サーチナ 2010.07.22
韓国統一省によると、北朝鮮は22日朝、軍事境界線にある臨津江のダムで、22日午前6時から放流すると通告した。中国新聞社が報じた。実際に通告がとどいたのは、午前6時40分ごろだったという。下流では午前10時半ごろ、水位が6メートル程度、上昇したとされる。
(中略)
韓国では、北朝鮮が境界線近くに建設したダムを放流することで、下流の韓国に大被害を与える計画があるとの見方が強い。北朝鮮が北漢江に建設した金剛山ダムは放流によりソウルを水没させることができると分かり、韓国は急増水を防ぐダムを建設した。
この記事に「北朝鮮が建設した金剛山ダムは放流によりソウルを水没させることができる」とありますが、同じ目的かもしれない意図の下で建設されたダムはこのダムだけではないのです。
たとえば、下の3つのダムなどもすべて一度に決壊させた場合、ソウルの3分の2が水没するとされています。
それぞれ Wikipedia などから短く抜粋します。
平和のダム
1986年10月30日、イ・キュヒョ建設部長官は、北朝鮮に対して金剛山ダム建設計画を中止するよう求めた。
金剛山ダムが北漢江を通じて休戦ライン以南に流れ込む年間18億トンの水供給を遮断するとし、金剛山ダムを崩壊させ200億トンの水が下流に流れ込めば「63ビルの半分まで水没させられる」とし …… (中略)
北朝鮮の金剛山ダム建設による水攻めと洪水に対する予防及び上水道供給のため、1987年2月に着工されたのが「平和のダム」である。
▲ 平和のダムにある碑。
華川ダム
朝鮮戦争中の 1951年4月8日深夜、北朝鮮軍と中国軍はダムの余水路から下流へ超過放流を行い、国連軍の5つの浮き橋を使用不可能にした。ダムの水力発電能力と下流地域を氾濫させる能力が、その地域におけるキーとして注目された。
流域面積3,901平方キロメートル、総貯水容量1,018,000,000立方メートル。
というようなものですが、「平和のダム」の記事に、
「63ビルの半分まで水没させられる」
とありますが、ソウルの63ビルとは、当時と今では高さなどが違うかもしれないですが、ソウルのヨイドというところにある、地上60階地下3階からなる超高層ビルです。
▲ ソウルの 63ビル。1985年に完成。
このビルは、東京の池袋にあるサンシャイン60(高さ239.7m、地上60階)より高く、現在は、305メートルあるようですが、上のイ・キュヒョ長官が「63ビルの半分まで水没させられる」と発言したのは 1986年でしたので、当時の高さを調べてみると、現在の池袋のサンシャイン 60程度だったと思われます。
すなわち、高さ 240メートル程度の高層ビル。
「その半分まで水没させられる」と言ったということは、「ソウルを 120メートル以上水没させられる」ということになると思います。
水没の規模が 120メートルというと、ソウルではどの程度の被害となるのか。
World Flood Map(世界洪水被害想定地図)を使ってシミュレーションしてみました。
比較したほうがわかりやすいですので、1メートルの洪水と、韓国の建設部長官が想定した 120メートルの洪水を比較してみました。「青い部分」がソウルで水没する場所です。
ソウルでの1メートルの洪水の場合
ソウルでの 120メートルの洪水の場合
上のようになりました。
かなりの部分が水没するというとにはなるようです。
もっとも、これを先制攻撃として使うと、下の報道にある先日の北朝鮮の発表にありました、
「開戦3日で韓国は陥落」北朝鮮がプロパガンダ動画を公開―米華字メディア
レコードチャイナ 2013.03.24
華字ニュースサイト・多維新聞は記事「北朝鮮が動画“3日で韓国を攻め落とす”を公開=韓国の専門家が嘲笑」を掲載した。
(中略)
朝鮮半島全域を掌握し、韓国に住む15万人の米国市民を人質にする。同時に戦車4000両、装甲車3000両が38度線を越えて進撃。ソウルを目指す。
3日目には北朝鮮は情勢安定化に努め、電力、飲料水、燃料、通信など各方面で麻痺した韓国を回復させるとしている。
の「開戦3日目には麻痺した韓国を回復させる」というのは難しくなりそうです。
ちなみに、上の記事では、「韓国の軍事専門家は荒唐無稽だと冷淡な反応」とありながらも、続いて「空軍の圧倒的優位を考慮していないシナリオだと指摘」と、真面目に対応しているあたりにこれらの記事の迫力があります。
ちなみに、よく軍事力の比較というものが図などで表されることがあると思いますが、そんな比較はその国の軍部が一番よく知っています。なので「図では示されていない部分」が脅威になるということになると思われます。
あとはよくわからない部分も怖いです。
その国の「飢えの状態」(参考記事)とか。
全土的な飢えの時には戦争に突入しやすいことが過去の歴史で証明されています。
ここまで、ダム攻撃について書いてみました。
ちなみに、アメリカへの本土攻撃は、何度も書いていますように、「本当に攻撃しようと思っているのなら」ということが前提ですが EMP 攻撃で簡単に壊滅的な攻撃を与えられることは、米国の保守系シンクタンク自身が認めているわけですので、その過去記事を再度掲載しておきます。
ヘリテージ財団というレーガン政権などでの政策提言などをおこなっていた保守系の財団です。
なお、今から 16年前の 1997年にアメリカの下院「国家安全委員会」の公聴会上で提出された、「米国が EMP 兵器で攻撃された場合」の資料からの部分的な抜粋を記しておきます。
電磁波兵器が北米大陸の中央部上空 50kmの高さで爆発した場合、半径 770kmに及ぶ地域が破壊される。
そして、上空 200kmの高さで爆発すれば半径 1,600 kmに至る地域が破壊され、上空 480kmの高さで爆発すれば、半径 2,360 kmに及ぶ地域が破壊されることが示された。
▲ 1997年にアメリカ議会に出された EMP 攻撃の被害想定図。
以下の記事は、2010年11月のものです。
関連記事:
・開戦前夜(2): 中国人民解放軍の機械化師団が北朝鮮との国境に向けて大規模な移動を開始
・開戦前夜(3): 米国当局はずっと EMP 兵器実験としての北朝鮮の実験の成否を監視していた
・開戦前夜(4):「朝鮮半島からブラックスワンが現れた」と題する記事を書いた米国記者
(※)これらの記事で使っている「開戦前夜」という言葉は、H・G・ウェルズの 1800年代の小説「宇宙戦争」の序章タイトルということで使っています。
そして、3月18日に始まった「第一次サイバー世界大戦」とさえ呼べる史上最大のサイバー攻撃により全世界のインターネットの崩壊が現実として見えた日
昨日、NHK に下のような報道が出ていました。
北朝鮮 「米攻撃できる状態で待機指示」
NHK 2013.03.29
北朝鮮の国営通信は、キム・ジョンウン第1書記が29日未明に軍の幹部と作戦会議を開き、「アメリカをミサイルで攻撃できる状態で待機するよう指示した」と伝えました。
アメリカ軍は、北朝鮮が挑発的な言動を繰り返していることから、韓国軍と合同で行っている軍事演習に、レーダーに捉えられにくいB2ステルス爆撃機を投入するという異例の措置を取りました。
これに対し、北朝鮮の国営通信は、キム・ジョンウン第1書記が、29日午前0時半に、軍の最高司令部で総参謀長や戦略ロケット軍司令官ら幹部4人を集めて緊急の作戦会議を開き、「重大な決心をした」と伝えました。
この中でキム第1書記は、アメリカ本土と、ハワイ、グアムなどの太平洋地域や韓国にあるアメリカ軍基地を、「いつでもミサイルで攻撃できる状態で待機するよう指示した」として、攻撃に関する準備計画に署名したということです。
国営通信が公開した写真の1枚には、弾道ミサイルが飛行するルートを示したとみられる地図が写っており、そこには「アメリカ本土攻撃計画」と書かれています。北朝鮮が、軍の最高司令部で開いた作戦会議の様子を明らかにしたのはこれが初めてとみられ、アメリカを重ねて威嚇するねらいがありそうです。
というものでした。
この中にある「アメリカを重ねて威嚇するねらいがありそうです」というような政治関係とか、国際関係のことは私は全然わかりませんが、ただ、この金正恩という人の「気質」はこの1年くらいで少しわかった気がします。
また、これは後述しますが、3月19日から「全世界が影響を受けているサイバー攻撃」が始まっていて、今でも続いています。
▲ 3月28日のロシアの声の「史上最強のサイバー攻撃で全世界のインターネット速度低下」より。
この10日間くらいのあいだで「どうもインターネットが遅い」と感じることがありましたら、その影響だったかもしれません。
そんなわけで、政治だとか国際関係だとかのことは抜きとして(金正恩という若者はそんな「大人的なこと」を考える人ではないと思います)、北朝鮮が、韓国と米国を相手に戦争を開始して、「北朝鮮が勝利できる可能性」があるのかどうかを考えてみました。
最初に書けば、「具体的な先制攻撃」としては2つしか選択肢はないわけで、
・米国本土へは EMP 攻撃
・韓国へは国境近辺の複数のダムの破壊でソウルを水没させる
・韓国へは国境近辺の複数のダムの破壊でソウルを水没させる
のふたつです。
基本的には北朝鮮には開戦の最初にはこの方法しかないということを金正恩という人が知っていれば、最終的にどうなるかはともかく、すぐに反撃される可能性は低くなると思われます。
つまり、「突然、世界は地獄に叩き落とされる」ということですが、では、上の2つをひとつずつ見てみます。
上にあるうちの韓国への「ダム攻撃」というのは、なんだか情けない攻撃のように感じる方もあるかもしれないですが、北朝鮮が韓国へ大きな被害を与える第一弾の攻撃としては「最大の効果を得られる」ものだと思われます。
北朝鮮は短距離ミサイルを複数持っているらしいですので、複数のダムの同時破壊(または破壊の前に過剰放流をおこなう)はそれほど難しいことではないのではないかと思われます。
ですので、この「ダム」のことを書いてみたいと思います。
EMP に関しては、これまでも、
・EMP シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
2012年04月17日
・北朝鮮はスーパーEMP兵器を完成させたのか?
2011年06月27日
などこの数年で何度も取り上げていますが、今回も後半で簡単にご説明いたします。私はこの EMP 兵器こそが「世界終末兵器」だと信じて疑いません。
北朝鮮が着々と作り上げてきた「ソウルを 100メートルの水深の洪水」で沈められるダムの存在
下の記事は 2010年 7月 22日のサーチナの報道です。
記事のラストを抜粋します。
北朝鮮がダム放流、下流の韓国で水位6メートル上昇
サーチナ 2010.07.22
韓国統一省によると、北朝鮮は22日朝、軍事境界線にある臨津江のダムで、22日午前6時から放流すると通告した。中国新聞社が報じた。実際に通告がとどいたのは、午前6時40分ごろだったという。下流では午前10時半ごろ、水位が6メートル程度、上昇したとされる。
(中略)
韓国では、北朝鮮が境界線近くに建設したダムを放流することで、下流の韓国に大被害を与える計画があるとの見方が強い。北朝鮮が北漢江に建設した金剛山ダムは放流によりソウルを水没させることができると分かり、韓国は急増水を防ぐダムを建設した。
この記事に「北朝鮮が建設した金剛山ダムは放流によりソウルを水没させることができる」とありますが、同じ目的かもしれない意図の下で建設されたダムはこのダムだけではないのです。
たとえば、下の3つのダムなどもすべて一度に決壊させた場合、ソウルの3分の2が水没するとされています。
それぞれ Wikipedia などから短く抜粋します。
平和のダム
1986年10月30日、イ・キュヒョ建設部長官は、北朝鮮に対して金剛山ダム建設計画を中止するよう求めた。
金剛山ダムが北漢江を通じて休戦ライン以南に流れ込む年間18億トンの水供給を遮断するとし、金剛山ダムを崩壊させ200億トンの水が下流に流れ込めば「63ビルの半分まで水没させられる」とし …… (中略)
北朝鮮の金剛山ダム建設による水攻めと洪水に対する予防及び上水道供給のため、1987年2月に着工されたのが「平和のダム」である。
▲ 平和のダムにある碑。
華川ダム
朝鮮戦争中の 1951年4月8日深夜、北朝鮮軍と中国軍はダムの余水路から下流へ超過放流を行い、国連軍の5つの浮き橋を使用不可能にした。ダムの水力発電能力と下流地域を氾濫させる能力が、その地域におけるキーとして注目された。
流域面積3,901平方キロメートル、総貯水容量1,018,000,000立方メートル。
というようなものですが、「平和のダム」の記事に、
「63ビルの半分まで水没させられる」
とありますが、ソウルの63ビルとは、当時と今では高さなどが違うかもしれないですが、ソウルのヨイドというところにある、地上60階地下3階からなる超高層ビルです。
▲ ソウルの 63ビル。1985年に完成。
このビルは、東京の池袋にあるサンシャイン60(高さ239.7m、地上60階)より高く、現在は、305メートルあるようですが、上のイ・キュヒョ長官が「63ビルの半分まで水没させられる」と発言したのは 1986年でしたので、当時の高さを調べてみると、現在の池袋のサンシャイン 60程度だったと思われます。
すなわち、高さ 240メートル程度の高層ビル。
「その半分まで水没させられる」と言ったということは、「ソウルを 120メートル以上水没させられる」ということになると思います。
水没の規模が 120メートルというと、ソウルではどの程度の被害となるのか。
World Flood Map(世界洪水被害想定地図)を使ってシミュレーションしてみました。
比較したほうがわかりやすいですので、1メートルの洪水と、韓国の建設部長官が想定した 120メートルの洪水を比較してみました。「青い部分」がソウルで水没する場所です。
ソウルでの1メートルの洪水の場合
ソウルでの 120メートルの洪水の場合
上のようになりました。
かなりの部分が水没するというとにはなるようです。
もっとも、これを先制攻撃として使うと、下の報道にある先日の北朝鮮の発表にありました、
「開戦3日で韓国は陥落」北朝鮮がプロパガンダ動画を公開―米華字メディア
レコードチャイナ 2013.03.24
華字ニュースサイト・多維新聞は記事「北朝鮮が動画“3日で韓国を攻め落とす”を公開=韓国の専門家が嘲笑」を掲載した。
(中略)
朝鮮半島全域を掌握し、韓国に住む15万人の米国市民を人質にする。同時に戦車4000両、装甲車3000両が38度線を越えて進撃。ソウルを目指す。
3日目には北朝鮮は情勢安定化に努め、電力、飲料水、燃料、通信など各方面で麻痺した韓国を回復させるとしている。
の「開戦3日目には麻痺した韓国を回復させる」というのは難しくなりそうです。
ちなみに、上の記事では、「韓国の軍事専門家は荒唐無稽だと冷淡な反応」とありながらも、続いて「空軍の圧倒的優位を考慮していないシナリオだと指摘」と、真面目に対応しているあたりにこれらの記事の迫力があります。
ちなみに、よく軍事力の比較というものが図などで表されることがあると思いますが、そんな比較はその国の軍部が一番よく知っています。なので「図では示されていない部分」が脅威になるということになると思われます。
あとはよくわからない部分も怖いです。
その国の「飢えの状態」(参考記事)とか。
全土的な飢えの時には戦争に突入しやすいことが過去の歴史で証明されています。
ここまで、ダム攻撃について書いてみました。
ちなみに、アメリカへの本土攻撃は、何度も書いていますように、「本当に攻撃しようと思っているのなら」ということが前提ですが EMP 攻撃で簡単に壊滅的な攻撃を与えられることは、米国の保守系シンクタンク自身が認めているわけですので、その過去記事を再度掲載しておきます。
ヘリテージ財団というレーガン政権などでの政策提言などをおこなっていた保守系の財団です。
なお、今から 16年前の 1997年にアメリカの下院「国家安全委員会」の公聴会上で提出された、「米国が EMP 兵器で攻撃された場合」の資料からの部分的な抜粋を記しておきます。
電磁波兵器が北米大陸の中央部上空 50kmの高さで爆発した場合、半径 770kmに及ぶ地域が破壊される。
そして、上空 200kmの高さで爆発すれば半径 1,600 kmに至る地域が破壊され、上空 480kmの高さで爆発すれば、半径 2,360 kmに及ぶ地域が破壊されることが示された。
▲ 1997年にアメリカ議会に出された EMP 攻撃の被害想定図。
以下の記事は、2010年11月のものです。
Report warns Obama about 'new' Dark Ages
WND 2010.11.28
「新しい暗黒時代」をオバマ政権に警告する報告書
米国の国家安全の専門家2人がヘリテージ財団を通して、オバマ政権の当局者たちに電磁パルス(EMP)攻撃への準備を進めるように進言した。
「想像も及ばないような未曾有の災害」の被害を最小限に食い止めるために、早急に作業を進めるべきだという。報告書には以下のようにある。
どんなグローバルな人道的努力も、何億人ものアメリカ人を飢餓と放射線の暴露と医療不足による死から救う方法はないだろう。
ヘリテージ財団はこの「EMP での攻撃 - 米国は何をすべきか?」という報告書を「あくまで非公式の見解」としている。しかし、米国政府はコミュニケーション手段を保護することに対して動くべきだと以下のように説明されている。
EMP 攻撃はアメリカ合衆国の日常生活に必要な様々を破壊してしまう能力を持つ。電気・電話網、輸送網、ATMシステム、食料、上下水道インフラなど多くが破壊される。北アメリカ上空の大気圏で高高度核爆発を起こした場合、結果として生じる電磁放電によって、ほぼすべての一般社会と軍のインフラがほぼ永遠に復旧できないだろう。
さらに報告書にはこうある。
米国への巨大な EMP 攻撃は、想像も及ばないほどの荒廃をもたらす。通信機能は破壊され、輸送システムは止まる。電力は、そのものが存在しなくなる。過去、米国の近代社会に起きた災害や惨事は、 EMP 攻撃がもたらす破局の前には色褪せてしまう。電磁パルスの影響によって、米国の 1億3000万台の自家用車と 9000万台のトラックが動かなくなる。米国での食料インフラは、輸送セクターに強く依存しているので、食料供給もストップする。
電磁パルス攻撃への対策委員会の委員長であり、レーガン政権の科学アドバイザーだったウィリアム・R・グレアム氏は、「これは、米国を壊滅的な危険にさらす可能性があると考えられている数少ない脅威の中のひとつだ」と言う。
グレアム氏は以下のように語る。
「高高度核爆発による電磁パルス攻撃をアメリカ合衆国に仕掛けることができる能力を持つ敵が若干ながら存在する。あるいは、他にもその技術を獲得しようとしている国があるようだ」。
そして以下のように言う。
「EMP 攻撃は、それほど高いレベルの技術を持たなくとも実行が可能なものだ。たとえば、敵が米国へ EMP 攻撃を実行しようとする場合、その敵は長距離弾道ミサイルを持つ必要はない。 EMP 攻撃は、高高度に核弾頭を高く打ち上げればいいため、たとえば、米国の海岸沖で貨物船を使って、短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまうのだ」。
ここまでです。
私が昨年書きました、
・EMP シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
2012年04月17日
は、上のヘリテージ財団の懸念の「攻撃方法」を忠実に再現したミサイル実験を北朝鮮がおこなった光景を目のあたりにした時に書いた記事でした。
北朝鮮に関しての記事は以上ですが、実は私がさらに気になっているのが、「今現在起きている世界的なサイバー戦争」のことです。
そのことについて、日本語でも記事になっていますので、CNN のニュースから抜粋してご紹介しておきます。
過去最大規模のサイバー攻撃、世界のネットインフラに影響
CNN 2013.03.28
インターネット上で過去最大規模といわれるサイバー攻撃が発生し、世界中のユーザーがサービス速度低下などの問題に見舞われた。
今回の攻撃には分散型サービス妨害(DDoS)と呼ばれる攻撃手法が使われた。しかし一般的なDDoS攻撃に比べてさらに高度な手口でネットインフラが攻撃され、無関係のサイトでも速度が低下したという。クラウドフレア経営者のマシュー・プリンス氏は「これまでに見た中で最大規模の攻撃」だったと指摘している。
ところで、上の攻撃などに「無関係の私たちの多くも自分で知らないうちにサイバー攻撃に参加させられている」という可能性は常にあるのです。
これは、先日記事にした、
・Windows での Java プラグインの無効化の具体的な方法
2013年03月19日
と関係した話です。
Java を(悪意として)有効に使えば、何億台ものパソコンをサイバー攻撃機の端末として使うことができるはずです。そして、パソコンの持ち主自身は、自分が攻撃に荷担していることに気づくことはできません。
ですので・・・できれば、でいいのですが、上の記事に書きました方法で、しばらくの間、 Java というものをオフにしていただければ幸いに思います。
インターネットの世界の崩壊は、今はまだ勘弁してほしいと私は思っています。
こんな「インターネットの世界の崩壊」という表現は、大げさだと思われるかもしれないですが、しかし、下の今日のニュースの見出しをご覧下さい。
J-CAST ニュースの記事の見だしに「ネット世界崩壊に発展する恐れ」という文字が書かれてあるのがおわかりでしょうか。
いずれにしましても、どうも、これまで懸念していた様々なことが一気に「発芽」をはじめているかのようにも思えます。地球も宇宙も人間も戦争も文明も。
私個人は 2013年は文明はもつと思いますけれど・・・こうなってくると、それ以降はよくわかりません。