2013年04月09日



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開戦前夜(4):「朝鮮半島からブラックスワンが現れた」と題する記事を書いた米国記者



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▲ スイスに留学していた時(左)と、現在のキム・ジョンウン第1書記。
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昨日と今日の朝鮮半島のニュースをいくつか記録しておきます


北朝鮮の状況は、「単なる威嚇だ」と考える意見が多いようですので、単なる威嚇なのかもしれないですが、今ひとつそうとも思えない面もないではないわたくしだったりいたします。

なお、さきほどの報道では、下のようなものが日本語メディアでも報じられていました。


北朝鮮「韓国の外国人は退避計画を」
日本経済新聞 2013.04.09

北朝鮮は9日、首都ソウルなど韓国内の外国人に退避計画を作成するよう警告した。

「戦争が起これば、韓国にいる外国人に被害が及ぶことは我々は望んでいない」としたうえで、「朝鮮半島情勢は核戦争前夜に向かっている」と指摘した。

朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官が同日、談話を発表した。「朝鮮半島で戦争の導火線に火がつけば、我々の無慈悲な報復戦争になるだろう」と強調した。



正直に書きますと、韓国だけに限らず、こういう時期に「海外旅行」というのは考えものかとも思いますが、しかし先に予定が決まっていたものは仕方ないでしょうですので、アジア全域・米国(ハワイ、グアム含む)などに旅行に行かれる方は周囲の「気配」にお気をつけ下さい。

仮にですけれど、戦争か、それに類することが起きて、現地が混乱した場合は政府も救援にいけない可能性は高いと思います。


今回は、タイトルにしましたように、現在の朝鮮半島情勢に対して、「ブラックスワン」という言葉を使用している記事を見かけましたので、ご紹介します。

米国の記者がウォールストリート・ジャーナルに書いたものを朝鮮日報が紹介したものです。


その前に、2日前に北朝鮮が発表した新たな動画に字幕(日本語と英語)をつけたものをアップしましたので貼っておきます。韓国のキム・グァンジン国防相の人形を犬に襲わせたり、銃で撃ったりしているものです。

この中で最後に出てくる兵士は、

「朝鮮半島で戦争が起きるかどうかの問題ではなく、いつ起きるかという問題だ。命令が下れば、いつでも出動できる」


と言っていました。


北朝鮮の国営放送が4月7日に放映した映像




というわけで、ここから朝鮮日報の今朝の報道です。

実際にどのように収まるかはともかく、韓国だけではなく、様々な国で非常に緊迫した様子がうかがえるということは確かです。

何しろ、海外の人間はどんなにトップクラスの人でも、誰も北朝鮮の内部の実情など知らないのですから。

誰ひとりとして。

それはキム・ジョンウンの父親の時代から一貫した主義で、金正日は、「秘密主義こそ安全保障」だと考えていたフシさえあります。

なお、文中に出て来る「ブラックスワン」とは記事にありますように、経済用語としてのブラックスワンです。金融経済用語集から意味を引用しておきます。


ブラック・スワン

マーケットにおいて、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことをいう。

また、認識論学者で元ヘッジファンド運用者としての経験を持つナシーム・ニコラス・タレブが、2006年に刊行した著書「ブラック・スワン(The Black Swan)」で説明している考え方を「ブラック・スワン理論という。これは、従来、全ての白鳥が白色と信じられていたのが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく崩れることになった出来事から名付けられ、確率論や従来からの知識や経験からでは予測できない極端な事象が発生し、その事象が人々に多大な影響を与えることを総称したものである。




では、ここからです。




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朝鮮日報 (韓国) 2013.04.09


「第二次朝鮮戦争は起きるだろう」というウォールストリートジャーナルの衝撃的な記事

朝鮮半島にブラックスワンが飛んでくるというのか?


米国のウォールストリート・ジャーナル( 以下、 WSJ )が、危機の朝鮮半島に関しての寄稿文を掲載しており、それが関心を呼んでいる。

WSJは 4月8日、アジアセクションにある「リアルタイム韓国」というコーナーに

「2回目の朝鮮戦争。虎の尾とブラックスワン」

というタイトルの寄稿文を掲載した。

アジア太平洋研究グループの創設者であるキム・ジャスパー( Kim Jasper )が寄稿したこの記事は、朝鮮半島の戦争の可能性に関して、「起きる確率は少ないが、仮に発生した場合には壊滅的な打撃をもたらす」とし、 そこに経済用語である「ブラックスワン」を使ったことが目を引いた。

また、寄稿文では、金正恩(キム・ジョンウン)はスイスに留学した経験のある若い指導者という点で、彼の柔軟性に期待したが、しかし現実は逆の方向に現れているとした。これは、強硬な軍部との瀬戸際戦術に沿っていこうと努力しているリーダーシップの未熟さだと分析している。

寄稿文は、 現在の朝鮮半島の状況は、「隠れているブラックスワンだった」としながら、「偶発的な小さな挑発に対応をしていく中で、戦争が拡大していく可能性を否定できない」と警戒した。

続いて 、「一発の銃声が第1次大戦を引き起こしたように、ブラックスワンはどこから飛び上がるかわからない。つまり、わからない部分が韓国戦争の引き金を引くかもしれない」と憂慮した。


第2の朝鮮戦争が勃発する可能性について、具体的には寄稿文では以下のように記している。


ほとんどの専門家は、開戦は北朝鮮政権の終末をもたらすだけであり、そんな自滅を選択することはない(なので北朝鮮は戦争の選択はしないだろう)と言う。 しかし、現在の北朝鮮の若き司令官(金正恩)は、何の経験のない、まだ三十歳にもならない人物だということを考えてもらいたい。

老いた将軍たちが、幼くて経験の浅い指導者から指令を受ける。こんな図式は米国では、決して考えられることではない。米国では、司令官は 35歳以上でなければ任命されないことが憲法上に明記されているからだ。

しかし、実際には米国よりも儒教的な意味合いの強い北朝鮮では、年上に従うという秩序を基本としており、現在の状態はその意味でも危険を感じる。

キム・ジョンウンに政権が移行した時、スイスで教育を受けたキム・ジョンウンなら、北朝鮮のスターリン主義を開放的に変えていくのではないかという期待が私たちにもあった。しかし、皮肉にも、現実は以前よりも事態は逆行してしまったのかもしれない。

非武装地帯の南北朝鮮軍は、現在、極度の緊張状態にあり、偶発的な事故や攻撃が起きる可能性はあり得る。これに"反撃"が加えられた場合、戦争が拡大するという可能性もある。

戦争に発展する可能性は小さいが、起きてしまうと終息が難しくなる可能性もある。






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