2013年04月19日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し



そして次は同緯度の日本列島にそれは来るはず



関連記事:
21世紀のパンデミック: ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?
21世紀のパンデミック(2): 中国当局がネット上での「噂」を厳しく取り締まる理由
21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?

--


china-2013.png

▲ 先月以来、中国で起きている動物の大量死。種類は、豚、あらゆる鶏、そして犬です。「またも中国で豚の大量死: 河南省の村ですべての豚と犬が死亡」より。そして、下が大まかな「偏西風の流れ」です。

hensei.jpg


(※)今回は最初に本日付けの「ロシアの声」の「中国 鳥インフル患者87人に」という報道記事の最後の1行にある、


中国国内で、鳥インフルエンザ感染者は初めて報告されたのは、3月の末だった。なおこれまで、人から人に病気が感染した例は一例もない。



を念頭に読まれていただくと幸いです。





これから起きる「かもしれない」ことをパンスペルミア説から冷静に考えてみる


ch-kansen.jpg

▲ 2013年4月18日のロシアの声「中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」」より。
--

今年の春先には、今回書こうと思っていることを説明するのに、現象としてわかりやすい事例が起きました。それは、中国の大気汚染が日本にも影響を与えたというものです。

あの事例のように偏西風や、あるいはその他、大きな気流の流れによって、中国大陸で発生した「大気中の現象」の多くは、その後、日本へやってきます。

それも繰り返し繰り返しやってきます(大気の流れは基本的に止まることはないため)。


一番上に載せた図は最近の中国での動物の大量死で、世界保健機構( WHO )は、これらの大量死は鳥インフルエンザと「関係ない」としています。

なので、公的には関係ないということになりますが、公的にはどうであれ、私個人がどう考えてもいいのなら、「明らかに関係がある」と考えます。

そして、上の大量死のラインが偏西風、あるいはジェット気流に沿っていることを考えると、季節によって偏西風やジェット気流の位置が変われば、次は日本だと思います。もちろん具体的なことはわからないですが、中国の大気中にあるものは全部日本に来る(西から東に来る)と考えることはそれほど不自然ではないような気もいたします。



上のロシアの声の記事にある「インフルエンザの感染ルートがつかめない」という報道はロイターなどを含めて、世界中の報道で目にします。抜粋しておきます。


中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」
VOR 2013.04.18

中国の研究者らの調べによれば、鳥インフルエンザ(H7N9)の感染者の40%が最近トリとは接触していないことが分かった。中国ではすでに鳥インフルエンザで17名が死亡しているが、どのような方法で感染が広がっているのか、判明していないという。中国感染症管理予防センターのジェン・グアン専門家が明らかにした。

現在中国の研究者らはH7N9ウィルスの遺伝子構造の特徴を研究しており、武漢科技大学のシュエ・ユイ教授によれば、三種類のトリからウィルスを持つ遺伝サンプルが発見されたという。最新のデータによれば、中国では82名が感染し、そのうち17名が死亡した。多くは上海に集中している。







パンスペルミア説を今一度考える

今日は「パンスペルミア説」とは何かということを今一度書いておきたいと思いました。

いつも、この「パンスペルミア説」というものの言葉を出すわりには、最近ではきちんと説明したことがないような気もします。決して一般的な言葉ではないわけで、これをたとえば Wikipedia からの抜粋など、一般的な定義として今一度、ご紹介しておきます。

そして、

インフルエンザウイルスは、ヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである

という結論に至ったフレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の共著の中で、わかりやすく書かれてある部分を少し抜粋しようと思います。







パンスペルミア説の歴史とそのエンディングを飾る我々の時代まで


まず、パンスペルミア説というものの定義ですが、近代科学での歴史も含めて、「パンスペルミア仮説」から抜粋させていただきます。


パンスペルミア仮説

パンスペルミア仮説とは、「宇宙空間には生命の種が広がっている」「地球上の最初の生命は宇宙からやってきた」とする仮説である。



近代科学でのパンスペルミア説の歴史

1787年
ラザロ・スパランツァーニ(イタリアの博物学者。実験動物学の祖。生物の自然発生説を否定した実験で有名)によって唱えられる。

Lazzaro-Spallanzani.jpg

▲ ラッザロ・スパッランツァーニ (Lazzaro Spallanzani / 1729年 - 1799年) 。

--


1906年
スヴァンテ・アレニウス(スウェーデンの科学者。 1903年にノーベル化学賞を受賞)によって「 panspermia 」(パンスペルミア)という名前が与えられた

arrhenius.jpg

▲ スヴァンテ・アレニウス(Svante Arrhenius / 1859年 – 1927年)物理化学の創始者の1人。

--

アレニウスは以下のように述べています。


「生命の起源は地球本来のものではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が宇宙空間を飛来して地球に到達したものである」




DNA二重螺旋を発見し、 1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランシス・クリック博士もパンスペルミア説の強い支持者でした。

Francis_Crick.png
▲ フランシス・クリック。



また、2011年に、日本の独立行政法人海洋研究開発機構が、「生命の想像を絶する強さ」を証明する実験をおこないました。

以下は Wikipedia からです。


2011年、日本の海洋研究開発機構で、大腸菌など、5種類の細菌を超遠心機にかけ、超重力下での生物への影響を調べる実験が行われた。

その結果、5種とも数千から数万Gの重力の下でも正常に増殖することが確かめられ、中には 40万3627Gもの重力下でも生育した種もあった。地球に落下する隕石の加速度は最大 30万Gに達すると予測されており、この実験は、パンスペルミア仮説の証明とはならないが、このような環境を生き延びる可能性を示している。



私は以前から、大腸菌をはじめとする微生物の「異常な強さ」には感服していましたが、熱や真空状態だけではなく、「重力にも強い」。

「私たちはそう簡単には死なない」

という病原菌たちの一種の雄叫びをここに聞きます。

そして、このような微生物たちの異常な頑強さは、実は地球の私たちが今存在しているために必要な構造だったともいえます






身体は焼かれても信念は焼かれない


近代科学でのパンスペルミア説の歴史を簡単に書きましたが、歴代のノーベル賞受賞者が上に並んでいますが、「恒星内部での元素合成」という、天文学上の偉大な発見をしながら、ノーベル賞を「与えられなかった」学者のひとりがフレッド・ホイル博士でした。

このことについては Wikipedia にも書かれてあります。


フレッド・ホイルの共同研究者であるウィリアム・ファウラーは1983年にノーベル物理学賞を受賞したが、ホイルの元々の貢献は何らかの理由で見落とされた。

ホイルのような著名な天文学者の業績が受賞の対象とならなかったことに対して多くの人々が驚いた。



このことについては、ずいぶん以前の記事ですが、

現代のジョルダーノ・ブルーノを作り出さないために
 2012年03月01日

というものでも書いていますが、科学界は昔から「邪魔な意見の人間は焼いてしまえばいい」という方法で近代科学を確立してきました。


bruno.png


中世のジョルダーノ・ブルーノは実際に火刑という方法で焼かれてしまいましたが、ホイル博士は現代の人だったので、「身体ではなく人生を焼かれた」ということになります。彼の科学者人生を否定することで「ホイルを焼ける」と周囲は思っていたようです。ホイル焼きというやつですね(ここで駄洒落かよ)。

でも、ホイル博士の文章を読むと、賞とか名声とかよりも、人類文明の中で科学が「間違った方向に行くこと」について是正しようとして、ひたすらに実験を続ける一見地味な彼の姿だけが目にうつります。

そして今、残念ながら、科学の世界は「根元」が間違った方向の上(ビッグバン説と、いわゆる進化論)にありますが、やはり残念ながら、それはもう是正できないと私は思っています。少なくとも今の文明が滅びるまでは。 

もはや時間が足りないと思います。

なので、それはそれで仕方ないとしても、この先、何らかの理由で死んでいく私たちは、その死ぬ時に「なぜ私たちは死ぬのか」ということを認識してもいいと思ったりするのです。


たとえば、私たちがパンデミックなどの感染症で死ぬのだとすると、その理由は、ホイル博士によれば、


「人類全体の進化の可能性のため」


ということになります。

ホイル博士はこのような研究結果を素直に述べてしまう人で、つまり、一般受けしない人だったのですよ。大衆みんなが喜ぶようなことを言う科学者のほうがウケがいいですからね。でも、ホイル博士はそういうこと(大衆や全体の意見への迎合)は「科学には必要ないことだから」と、それはしなかった。


真実よりも「耳障りのいい方を選ぶ」というのは、私も含めて反省したいです。



そんなわけで、今回はホイル博士とその片腕的な存在であるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が「インフルエンザウイルスはどのように来るか」ということの研究を書いている部分の最初の概略の部分を抜粋します。『 DNA は宇宙を流れる』という著作の「宇宙から来た病原体」という章の中の部分です。

このセクションの前に「インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しない」ことについて、大量のデータと研究結果を書いた章を記していて、その続きですので、最初が

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

という部分から始まっています。

ここからです。

なお、文中に「瘴気(しょうき)」という単語が出てきますが、これは中世などに「熱病を起こさせるという山川の毒気」とされていたもののことだそうです。





インフルエンザウイルスはどこからくるか?
『 DNA は宇宙を流れる』第5章 宇宙から来た病原体 より

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

1833年、1937年、1947年のインフルエンザの大流行の際に、これが広い範囲でほとんど同時に発生するのを目撃した 19世紀の伝染病学者チャールズ・クレイトンは、瘴気(しょうき)がイギリス全土を覆ったのだと確信した、クレイトンの「瘴気」という言葉を「ウイルスを運ぶ気流」という言葉に置き換えれば、われわれの見方と一致する。

すでに前章でも検証したように、彗星から放出された粒子は、秒速 10キロメートルという猛スピードで大気に侵入してくるが、高層大気によって減速され、その後は空気抵抗と重力のかねあいでゆっくりと落下するようになる。

バクテリアなどは比較的すみやかに落ちてくるが、ウイルスのように微小な粒子になると、空気抵抗が非常に強くきいてくる。成層圏の中で下向きの空気の流れがなかったら、ウイルス粒子がここを 10キロメートル落ちるのに、 30年はかかるだろう。実際には、成層圏には弱い垂直方向の気流があり、これがウイルスの降下を助けている。

この気流を作り出しているのは、赤道と極地方との温度差であり、これが大きいほど気流は強くなる。したがって、緯度にして 40度から 60度の範囲では、冬に(北半球の中緯度地方では2月から3月にかけて、南半球では7月から9月にかけて)大規模な下降気流が発生することになる。

冬の下降気流にのったウイルス粒子は、雨や雪とともに地上に落ちてきて、動植物に出会うだろう。特に、ちょうど成層圏程度の高さのヒマラヤ山脈は、北緯 30度付近のウイルス流入の窓口となり、人口の多い中国や東南アジアで大きな被害を出す要因になっているはずだ。その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。

なお、同じ成層圏でも、東西方向の気流は強い。その最たるものがジェット気流だ、したがって、ウイルス粒子は東西方向ではほぼ一様に分布することになり、同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう





(訳者注) 抜粋はここまでにしておきます。上の最後に「同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう」とありますが、上のほうに載せた中国のほぼ同時期に起きた動物の大量死の地図をもう一度載せておきます。

china-2013.png

緯度として日本はやや北にありますが、ジェット気流など大気の流れは季節によって変わりますので、かなり広い(南北に太い範囲)部分で、同じようなことが今後起きる可能性は常にあると思います。

下の表は東京都健康安全研究センターにある「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料からのものです。1918年10から1920年5月までの死亡者数の変化を地域ごとに色分けしているものです。


spanish-1918.jpg


これを見た時、「当時のジェット気流の動きの変化がわかればなあ・・・」と思いました。多分この死亡数の地域ごとの変遷は気流の季節ごとの変化とリンクするはずです。

天候などに詳しい方なら、頭の中に偏西風とかジェット気流の季節ごとの変化と、上の分布を照らし合わせると、比較的すんなりと「気流とウイルスの関係」が、漠然とでも納得できる面はあるのではないでしょうか。

ただ、最近は大気の動きが荒い上に、唐突な感じの気流が常に発生していますので、予測できない出現の仕方もあり得るかもしれません。

幸いなのが、現在の中国の鳥インフルエンザは感染拡大の威力は弱いということです。

ただ、逆に「幸いではない」ことは、致死率の高さです。4月18日現在、中国では 82名が感染して、17名が死亡ということで、20パーセント近くの大変な致死率となっています。

なお、以前も書きましたが、予防法もワクチンも一切ありません

厳密には治療法も確立していません。

ワクチンを含めて、そういう(予防や治療できるという)情報があっても、現段階ではそれは多分真実ではないですので、冷静な判断で対応されて下さい。


今の状況ですと、パンデミックは「起きるか起きないか」という状況は完全に越えていて、「いつどの程度の感染力で起きるか」というだけになっている感じがいたします。もちろん、それは数年後になるかもしれないですが、パンデミックの回避は不可能だと感じます。



Sponsored link


・ In Deep も» 人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。