2013年05月01日



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終わらない冬 : 記録的な寒さと降雪に見舞われる北半球。そして、コントロールを失ったジェット気流



関連過去記事:
あらかじめ予測されていた小氷河期の到来
 2011年11月07日

国立天文台が「太陽の磁場異変の進行」を確認し、その状態が過去の「小氷河期」と類似していることを発表
 2013年02月05日
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先週のアメリカの科学メディアであるライブサイエンスに「どうして、この春はこんなに雪が多いのか?」というタイトルの記事がありまして、今回は、日本や世界の最近の気温などと共に、その記事をご紹介します。


ところでその前に、今回の天候の記事とは全然関係ない写真ですが、ぜひご紹介したかった写真がありますので、まず貼っておきたいと思いました。



悪魔的な様相を見せ始める「太陽系の荒れた天候」


sat-hex.jpg

Daily Galaxy より。

上が何の写真かおわかりでしょうか。
少し前の過去記事に載せたことがある場所ですが、最近その様子が変わってきたようです。

これは、今年3月の

木星・土星などに続いて「金星の極点」でも確認される奇妙な巨大渦巻き
2013年03月26日

という記事に載せたこともある「土星の北極で起きている嵐」です。その時は下のような写真の様相でした。




どうにもこの数ヶ月で「成長」しているようです。

というか、この色彩はなんというか「悪魔的」というか、こう・・・「地獄の何とか」というような形容がつけられるような壮絶な雰囲気を醸し出しています。


無声映画時代の、月の目にロケットが刺さるという下の描写で有名な 1902年の『月世界旅行』という映画があります。

m-moon-1.jpg


この映画を作ったジョルジュ・メリエスという人が後年に撮った『極地征服』( 1912年)というメルヘン調の映画があります。

その映画では「太陽系の中で土星だけが悪者の顔」で描かれるんです。
下がそのシーンです。

dosei.jpg


土星、悪そうでしょう(笑)。


どうして土星だけ悪者扱いか以前はわからなかったんですけれど、土星で今実際に起きているストームの色彩を見ていますと、「ああ、なるほど」と認識したり。ジョルジュ・メリエスが『極地征服』を作ってから今年で 101年目ということで、土星の悪魔ぶりも地球に向けてのハナムケなのかもしれないですが。


また、上の土星のストームですけれど、その大きさは下の比較図でおわかりになると思います。

earth-size-2013-04.jpg


中心部だけで地球何個か入る大きさというすごいサイズなのですよ。

太陽系の荒れ方もカオス的な状況となっているかもしれない現在ですが、地球も太陽系の一員として十分にカオスを連動させているように思います。





春はいつ来るのか?


昨日、知り合いと電話で話していた時に、「そういえば、北海道、雪すごいらしいね」と相手が言います。

私 「いくら北海道でも5月近くで雪降らないよ」
相手「ニュースでやってたぞ」


ということで、見てみますと、なるほど、下のような報道がたくさんあります。

hokkaido-01.jpg

▲ 4月 22日の北海道新聞の記事 春どこへ…道東で降雪 より。



さらに、一昨日の報道、

hokkaido-02.jpg

▲ 4月 29日の北海道新聞の記事 道東、冬に逆戻り ウトロで降雪45センチ より。


ついでに今日( 5月1日)の北海道の天気予報を見てみますと・・・。

hokkaido-03.png

Yahoo! 天気・災害 より。

明日( 5月2日)の札幌の天気予報に雪のマークがついているのでした。


これは前言を撤回して、知人に「5月も雪は降るみたいだね」と言い直さなければならないようですが、まあしかし、これは普通とは言い難い部分はあるとは思います。



この「なかなか終わらない冬」に関しては、北半球の多くの地域から報告されていて、北米大陸などでは、カナダもアメリカも「観測史上で最も寒い春」を迎えている地域が多いそうで、下はカナダの報道からです。

100-cool.jpg

CBC ニュース より。


アメリカの状況もひとつニュースを翻訳してご紹介しておきます。

先週のワシントンポストの記事からです。


Historic cold records fall in Southern Plains
Washington Post 2013.04.23

歴史的な寒さがアメリカ南部の平野部を見舞っている

米国の南部平野部の人々はこの4月、歴史上で最も寒い春の日々の中で凍えて暮らしている。オクラホマシティでは、氷点下 0.6度まで気温が下がり、これは 1891年の低温の記録を越える寒さだ。南部では平野部全般で平年より平均で1度程度気温が低い。

temp-2013-04.jpg


他の地域でも、テキサス州ラポックで氷点下 3.9度まで気温下がった。これは 1911年の記録された以来のできごとだ。同じテキサス州のアマリロでは氷点下 6.1度という記録的な低温となった。

4月 22日には、米国の 489観測地点で観測史上最低気温の記録を更新した。カンザス州ウィチタでは 1889年に観測を開始してから初めてとなるこの季節の降雪を記録した。

NOAA (アメリカ海洋大気庁)は、このアメリカの一部の地域での記録的な低温が世界全体の傾向を示しているわけではないと述べている。



ということです。

NOAA は「世界全体が寒くなっているということではない」と言いたいようですが、寒くなっている国と地域が多いのも確かです。


その理由は結局よくわかっていないながらも、「ジェット気流の異変」などもあげられていて、通常とはかなり違う動きとなっていることなどが今年の初めから観測されていたようです。そのジェット気流についてもふれていましたライブサイエンスの記事をご紹介しようと思います。

記事はここからです。




Why Has There Been So Much Snow This Spring?
LiveScience 2013.04.24


なぜ、この春はこんなに雪が多いのか?


2013年のアメリカの春は、特に東部のロッキー山脈と中央部西部などで平年よりかなり寒く、雪の多い春の始まりとなっている。

たとえば、ミネソタ州のダルースでは、今年4月に 130センチの雪が降った。この地域に4月に雪が降ることは今回だけでなく、過去には 80センチの降雪があったこともある。しかし、公式の記録でも今年の4月の雪は特別なものだとわかる。

この4月22日には、全米で 995の観測地点で降雪の記録を破った。
昨年の同時期に 195の観測地点で降雪の記録を破ったばかりだ。


snow-depth.JPG


気象学者のジェイソン・セイムナウ( Jason Samenow )氏は、天候のブログに「過去10年の記録でも4月にこれほど雪で覆われている地域が多いということはなかった」と記している。

なぜ今年の春は、「春にならない」のか?

その理由はジェット気流にあると、コロラド州の大気研究大学連合(University Corporation for Atmospheric Research)のジェフ・ウェバー( Jeff Weber )氏は言う。大気研究大学連合は米国の多くの大学と協力関係を結んでいる研究機関だ。

この米国の凍りついた気候は、メキシコ南部で記録的な寒波をもたらした冷たい大気がジェット気流でやってきたことによるとウェバー氏は言う。

それが雪をも降らせている?

ウェバー氏によれば、このジェット気流が太平洋から東のロッキー山脈に降雪をもたらした。コロラド州ボルダーでは、過去に記録した 112センチの4月の降雪記録を破り、119センチの降雪が記録されている。

このジェット気流が、メキシコ湾からミネソタ州に向かって北に進んだとウェーバー氏は語った。同様のシステムがアメリカ東部の大部分の地域に記録的な寒波をもたらしているという。

しかし、今、北大西洋上に暖かい大気が形成され、今週からは、コロラド州からミネソタ州の気温が高くなることが期待されるとウェーバー氏は語った。この地域の気温は最近では、マイナス 12℃にまで下がった地域もあるが、これらの地域も週末まで 27℃以上に達する可能性があるという。

この急激な気温の上昇は、アメリカ中西部で、雪解けによる最悪の洪水を引き起こす可能性につながるので注意してほしいとも付け加えた。

ウェーバー氏は、長く続く寒さと乾燥した空気、そして、その真逆の暖かく湿った空気。これらが相互に作用することにより、竜巻やダウンバーストなどの荒れた天候が多く出現する可能性があるという。また、東南アジアでは、近い将来に多くの厳しい天候や竜巻に見舞われる可能性があるとも言った。





(訳者注) ジェット気流は、日本も直接的に影響を受ける国のひとつですので、今後の気候が、上のウェーバーさんの言っているようなことになるのならば、今年は、というか、今年も大変に荒れた天候に連続して見舞われる可能性は常にあると思います。

上の記事にもありますが、ジェット気流のような早いスピードで大きな影響を与える大気の循環が「カオス化」してきますと、最近ではよく見られます「突然の強風や竜巻」などの現象や、あるいは、寒さとは逆に「突然暑くなる」(そしてまた寒くなる)というような予測しにくい天候の状況も日常になる可能性もあるかもしれません。

しかし、なんだか少しずつ「荒れた気候」にも世界の人々は慣れてきたような感じもあります。天候は天荒ですし、それを悲観しても仕方ないわけですし、怪我したり死んだりしないように注意をしながら、しばらく続く「かもしれない」この荒れた世界の中で生きていくというしかないということも言えるのかもしれません。


日本もまだ少し寒いようです

記事を書き終わってから知ったのですが、気象庁から北・東日本の長期間の低温に関する全般気象情報というものが発表されていました。

内容は下の通りです。

tei-2013-04-30.png

長野の平年との温度差の「マイナス 4.2」というのはかなりのものですね。

連休は寒いままで終わる地域も多いようです。

春はきっと来ると思いますけれど、なんだかそう言い切る自信もないような。