2013年06月09日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




西日本に覆い被さる「龍の顔」を見て思い出す日本で最強の火山:薩摩硫黄島



昨日の、

「穏やかな地獄の夏」へ向かう気配の中で : 噴出する様々な異常気象の原因
 2013年06月08日

という記事で「水不足」の話を書いたすぐ後に、今度は「台風が発生した」というということを気象庁が発表していました。

yagi-01.jpg


台風3号が発生
tenki.jp 2013.06.08

気象衛星画像を見ると、日本のはるか南の海上にある雲が渦を巻いています。
この熱帯低気圧の雲は、8日21時に台風3号になりました。
今年は1月と2月に台風が1個ずつ発生しましたが、今回はそれ以来のことです。



とのことです。
この台風3号の英語名は YAGI (ヤギ)ですが、意味はわかりません。


台風とは関係ないですが、今日なども九州や四国などでは相当の雨が降っているようで、水不足どころか、地域的には逆の心配が出てきているようです。

台風が日本に近づくとしても、あと3日後くらいで、しかも大した勢力の台風でもないので、普通なら何の心配もないような話なのですが、やはり、昨日の記事にも書きました「最近の自然の出来事はなんでも前代未聞」というような面は確かにありますので、簡単に「何の心配もない」とは言い切れない面はあります。

なぜか知らないですけど、米国の Accu Weather という天気予報サイトでは下のような図を載せて、なんだか煽っていました。

acc-ttf.png

アメリカは日本について、政治や経済のことはあまり報道しないですが、日本の災害のことについては一生懸命報道します(苦笑)。自然災害や熱帯低気圧は、アメリカのほうが今、深刻なはずなんですけれど。






「 30分で1ヶ月分の雨」が降った例も


台風そのものの威力はどうであれ、梅雨前線などと結びつくと昨年の7月に九州であったような、とんでもない量の雨が降る可能性もないではないかもしれないですので、どんな自然現象でも今は侮らないのがよろしいかとは思います。

昨年の九州の豪雨は海外でも大きく報道されていました。お忘れの方もいらっしゃるかもしれないですので、その時の海外での報道の動画をはっておきます。

2012年7月の九州の豪雨




ちなみに、「最近の前代未聞の降雨の例」としては、5月31日に、ロシアのヤロスラヴリという街で、「30分間で1ヶ月の降水量と同じ量の雨が降った」という例があります。

vor-61.jpg

ロシアの声より。


ロシアのヤロスラヴリというのは下の場所にあります。
モスクワに比較的近い場所です。

yarosraburi.jpg


ロシアでは、昨年も南部のクバン地方という場所で「1昼夜で6ヶ月分の降雨量に相当する雨が降った」ということがありました。それに関しては、昨年の7月の記事、

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
 2012年07月13日

でふれていますが、その中で私は下のように記していました。


最近の日本や世界各地の自然災害を見ていますと、「もはや今までと同じような気候や天候が繰り返される時代ではない」ということが今年は特に明らかになってきている気がします。

「今まで」というのは、この 2000年とかそういう区切りですが、文化、生活、そして農作なども今までは違う形に変貌させていかなければならない時期の始まりということなのかもしません。もちろん、先のことはわからないですが、しかし今後、突然、穏やかな気候に戻るというような気はあまりしません。



この1年前に記した感想は今でも同じか、あるいは確信めいてきている感じがあります。

それでも、どんなに気候が変動したり激しいものとなっても、人間はある程度は順応してきた歴史があるわけで、今までも人類はそうやって変化の中で生きてきたものでもあります。

なので、環境の変動に過度の心配をする必要もないとは思いますが、しかし環境の変動が「ある程度を越える」と、順応できる人の数も減ってくるということは言えそうで、上の「私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない」という記事には、2008年に米国スタンフォード大学の研究として、「人類は7万年前に人口が 2000人にまで減少していた」という可能性を発表した記事を抜粋しています。

このことはいつも私が思い出す出来事でもありますので、再度、一部抜粋しておきます。


Study says near extinction threatened people 70,000 years ago
AP 2008.04.24

人類は7万年前に全世界でわずか2000人にまで減少し、絶滅しかけていたことが研究で判明

遺伝学研究によると、ミトコンドリア DNA の追跡により、現在の人類は約 20万年前にアフリカに住んでいたミトコンドリア・イブと呼ばれる単一の母親の子孫であることがわかっている。そして約6万年前から全世界へ人類の分散が始まった。

しかし、この「人類の全世界への分散までの間に何が起きていたか」については今までほとんどわかっていなかった。

最近のスタンフォード大学の研究によると、今から7万年前に極端な気候変動によって、人類の数は一時 2000人にまで減少し、絶滅の危機に瀕していた可能性があることがわかった。



多少の誤差はあるだろうにしても、この研究の数値がある程度信頼できるものなら、この 2000人がその後の7万年で 70億人にまで増えたということになるわけです。 350万倍?(計算違うかもしれません)。いずれにしても、比較的短い期間にものすごい増え方をした人類なわけですが、急激に上がったものというのは、落ちる時はストンと落ちるものが多いです。


今がその「落ちる時期」なのかどうかわからないですが(後になってわかることだと思いますので)、イメージ的には「近い」感じもします。




雲が描く龍の顔

ところで、今回の記事のタイトルに「龍の顔」と書きまして、まあ大した意味はないんですが、気象庁の天気図などを見ていた時に、現在(2013年6月9日午前)の雲の形を見ていると、日本付近の雲が「龍のかたち」に見えたんです。

dragon.jpg

▲ 6月9日午前10時の日本付近の雲。


北海道のほうにあるのが尻尾で、西日本のほうにあるのが頭。

そして、東北の太平洋上の沖の上でグルッと尾が円を描いているような感じ。


ちなみに、戦時中の海外のイラストには下のような日本の描かれ方もありますし、「龍 vs 龍」といった感じですかね。


j-dragon-576.jpeg

▲ 過去記事「土星を周回する月の龍」より。



さらに記事のタイトルには「日本で最強の火山:薩摩硫黄島」と入れたのですが、このことに関して少し書いておきます。薩摩硫黄島は上の「龍の雲」では顔の中心あたりにある火山です。





日本で最大規模の火山は鹿児島の海底にある


日本最大の火山というと、どうしても「富士山」というものを筆頭に考えますが、象徴としてはそれは非常にわかりやすいし、正しいようにも思います。

しかし、単純に「大噴火の比較」としては、日本の過去数万年で、他と比較できないほどの最大の大噴火をしたことが確実となっているのは、鹿児島の薩摩硫黄島、あるいはそこにある海底の火山なのです。

地球には「7大超巨大火山(スーパー・ボルケーノ)」と呼ばれているものがあり、それは、


1.セージア渓谷 (イタリア)
2.イエローストーン (米国)
3.薩摩硫黄島 (日本)
4.トバ火山 (インドネシア)
5.ニュージーランド北島のカルデラ群 (ニュージーランド)
6.シャツキー海台 (太平洋の日本側)
7.オントンジャワ海台 (ソロモン諸島)


とされています(7つの超巨大火山より)。


現存している火山の中で、スーパー・ボルケーノとされる火山は日本では、薩摩硫黄島と、あるいはそれを含む海底にある「鬼界カルデラ」だけのようです。

この火山が噴火したのは、放射性炭素年代測定法では今から約 6300年前ほど。その規模は、巨大噴火に埋もれていた幻の縄文文化というサイトによりますと、


爆発規模は、フィリピン・ピナツボ火山の 10〜 15倍ぐらい、雲仙普賢岳のおよそ 100倍と驚異的で、過去一万年の日本火山史のなかで最大の噴火だった。

上空 3万mの成層圏にまで達した大量の火山灰は、遠く東北地方にまで飛散したほどで、南九州一帯は 60cm以上の厚さで埋め尽くされた。



という噴火でした。

そういう超巨大火山であるというせいもあるのでしょうが、少しでも噴火活動があると、わりと海外のサイトなどでも取り上げられます。今、薩摩硫黄島は小規模な噴火を起こしているのですが、海外のサイトでは、早速、下のような図入りで説明されていました。

kikai.jpg

New activity reported at Japan’s Satsuma-Iwo-jima (Kikai) volcano (日本の薩摩硫黄島(鬼界)で新たな火山活動) より。



ちなみに、今、薩摩硫黄島で起きている噴火は小さなものです。
日経新聞の記事を抜粋しておきます。


薩摩硫黄島の警戒上げ、小規模噴火
日本経済新聞 2013.06.04

気象庁は4日、薩摩硫黄島(鹿児島県三島村)の噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げた。火山灰の状況から小規模な噴火があったと判断した。噴火の発生は2004年10月以来。

今後も小規模な噴火の恐れがあり、火口から約1キロ以内で警戒が必要としている。ただ火山性地震は少ない状態が続いており、地殻変動もないという。



ということで、現時点では何の心配もない薩摩硫黄島ですが、この薩摩硫黄島とその下にある巨大な「火山の母体」である海底火山が、縄文時代以来の日本での最大の噴火を起こしたエネルギーを持つ火山であるということは事実のようです。

ちなみに、この噴火のせいかどうかはわからないですが、九州の縄文文化が、この噴火を境に忽然と姿を消したことが上記の巨大噴火に埋もれていた幻の縄文文化に書かれてあります。

薩摩硫黄島の噴火前までは、南九州の縄文文化は、他の地域と比べて並外れて進んだ文明の発展を見せていたようです。それが「瞬時」に途絶えてしまった。

確かに巨大な火山の噴火は文明に大きく影響する可能性が常にあります。そういう意味では、富士山も日本を変化させる可能性を持っているのかもしれません。