▲ 6月8日にスコットランドのエアシャー( Ayrshire )から撮影された夜光雲。Spaceweather より。今年は夜光雲の出現の時期が異常に早いようです。
超高高度の青く光る雲「夜光雲」がその高度も出現時期も以前と違ってきている
昨年の6月に、
・謎の「光る雲」がどんどん高度を落としてきている
2012年06月26日
という記事で「夜光雲(やこううん)」というものについて書かせていただいたことがあります。
この夜光雲というものは、 Wikipedia の説明をお借りすれば、
夜光雲
中間圏にできる特殊な雲で、日の出前や日没後に観測される気象現象である。通常の雲が地上〜10km付近にできるのに対し、夜光雲は地上約75〜85 kmの中間圏界面付近にできる。高度の高い位置に発生するため、太陽が地平線付近にあるとき下から日が当たり、青白く輝いて見える。
というものです。
上の黄色の枠で囲んだあたりが「中間層」といわれる高層大気圏で、夜光雲はこのあたりにできる雲とのことですが、このあたりはもう「ほとんど宇宙空間」なんですね。
下の写真は、過去記事に載せた写真ですが、「地球上空 30キロから地球を撮影した光景」です。
▲ 過去記事「手作りオモチャで宇宙から地球を撮影した親子の記録」より。
定義上はともかく、感覚的には高さ 30キロでも十分に宇宙空間のようなものですので、高度 75キロとなると、もっとさらに上の位置で、そういうところにできる特殊な雲です。
昨年の記事では、その夜光雲が
・以前に比べて頻繁に発生しており、かつ広範囲で発生している。
・高度が下がってきている。
・輝きが増してきている。
・高度が下がってきている。
・輝きが増してきている。
ということをご紹介したのですが、先日の NASA のサイエンス・ニュースでは、それに加えて、「今年は出現時期が異常に早い」ということが書かれていました。
その記事を翻訳してご紹介しようかとも思ったのですが、読みますと、要するに「太陽活動と関係ありそうだけれど、理由はよくわからない」ということで、あとは、夜光雲の一般的な説明となっていましたので、リンクを示すに留めておきたいと思います。
▲ NASA サイエンス・ニュース「Noctilucent Clouds Get an Early Start」より。
しかし、逆にこの NASA の理由を曖昧にした書き方が、何となく異常な感じを読み手に与えたのか、様々なブログなどで、「夜光雲の動きに異常があらわれる」というようなタイトルで紹介されていました。
太陽活動と夜光雲の関係ということを上に書きましたけれど、その関係は決してわかっているわけではないですし、そもそも、 Wikipedia の「夜光雲の発生のメカニズム」を読みますと、
夜光雲は古くから知られている現象であるが、近年の二酸化炭素やメタンの増加により、対流圏の気温が上昇し、それに伴い、中間圏の気温が低下したために発生しやすくなったとも考えられている。また、スペースシャトルからの排気に含まれる水蒸気が、一部の夜光雲の発生に関連しているとの学説もある。
のように書かれていて、「〜と考えられている」とか「〜との学説もある」という表現にあるように、今でもわからないことのほうが多い現象のようです。
この夜光雲とは関係があることではないですが、先日の記事、
・「穏やかな地獄の夏」へ向かう気配の中で : 噴出する様々な異常気象の原因
2013年06月08日
で取り上げました、現在ヨーロッパで起きています「過去 500年で最大の洪水」は、今もなお続いています。そのことにふれておきます。
▲ チェコの Volny より。
自然災害が人間、そして宇宙と繋がっているのなら現在の状況は?
最近は、何だか自然災害の関係の記事ばかりが続いているような気もしますけれど、しかし、過去記事「ロシア宇宙主義チジェフスキー博士の言葉でわかりかけてきたニルヴァーナの「3つのALL」の意味」などを含めて何度か記している概念ですが、
・地球上の生命現象は宇宙の物理的な現象とつながっている。
そして、
・ひとつひとつの人間の細胞は宇宙の情報に反応しており、大宇宙はこの情報を細胞のひとつひとつに浸透させている。
というような概念がロシア宇宙主義という昔の学問にあり、正しいかどうかはともかく、私自身はとても好きな概念で、そういう意味でも、現在、世界各地で止まることのない「自然災害の連続」は何を現しているのかということは考えるに値することのような気もします。
洪水被害がひどいのは、ドイツ、チェコ、ハンガリー、そしてポーランドなどのようですが、今朝のユーロニュースで、それらを地図と共にわかりやすくまとめていましたので、ご紹介したいと思います。
ちなみに、ハンガリーでは激しい雨ばかりではなく、雹(ひょう)を伴う雪嵐まで降っています。
▲ ハンガリーの HIR 24 より。
それでは、ここからユーロニュースの今朝の報道です。
記事には地図が出ていますが、国名が出ている国が現在、洪水被害を受けている国と考えていいようです。
そして、これらの国の中を部分的に、あるいは全域を流れる大河川のドナウ川やエルベ川といった川の水位が過去最高にまで上がっているということです。
No let up as ‘record floods’ sweep Germany and Poland
euronews 2013.06.10
「記録的な洪水」はその勢力が収まることなく、ドイツとポーランドを襲う
欧州の洪水は、 6月 10日にドイツ北東にあるフィッチベックでダムが決壊した後もさらに拡大し続け、被害を増大させている。
エルベ川(チェコ北部およびドイツ東部を流れる国際河川)の水位は、通常の 5メートルを大きく上回り、 7メートル 48センチにまで上昇した。エルベ川周辺のマクデブルクからは 23,000人の住民が避難した。
市内のボランティアの人々は、重要な変電所を保持するために厳しい作業を続けている。
ドイツのメルケル首相は、6月10日、洪水に見舞われたウィッテンベルゲ市などを訪れた。そして、首相は、洪水に対処する人々、あるいはボランティアで働いている人々を激励した。
▲ ドナウ川の洪水で浸水した家。ハンガリーの首都ブダペストから 20キロの場所にあるセンテンドレ市はドナウ川の過去最大の水位によって多くの家々が被害を受けた。 6月10日。
▲ ブダペストのドナウ川沿いにある観覧船のチケット売り場。ほぼ完全に水没している。 6月10日。
この洪水での被害額の推定は現時点で数十億ユーロ(数千億円)に上るだろうことが確実視されている。
ポーランドでは 6月9日の嵐によって3時間の間に1平方メートルあたり 30リットルという驚異的な豪雨に見舞われ、ワルシャワの機能は麻痺した。
予測では、ポーランド全体ではさらに雨が続くと見られている。
ここまでです。
この記事にはないですが、人的被害もかなり出ていて、6月11日現在で二十名以上の方が亡くなっています。
そして、国と地域によりますが、上のいくつかの国ではまだしばらく大雨が続くという予測が出されています。
そして、北半球では、日本を含む多くの国々がこれから「雨の本番」の季節を迎えます。