2013年06月20日



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世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖



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▲ インド北部で早いモンスーン到来による歴史的な洪水が発生しています。洪水に飲み込まれたウッタラーカンド州にある聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。6月18日の BBC より。






 


洪水という言葉の意味


4年ほど前にクレアなひとときに「大洪水と向き合うこと」というタイトルの記事を書いたことがあります。

その 2009年も大変に洪水が多い年で、何百年に一度、というような形容がつけられる洪水が多く発生していたのですけれど、しかし、昨年2012年の、

洪水...洪水...洪水.. 世界中で異常な数と規模で発生し続ける洪水
 2012年08月26日

という記事では、それをさらに上回るような洪水が、2009年よりもはるかに多くの地域で、あるいは「世界の至るところ」で起きていました。それには、日本の九州での洪水も含まれます。


そして今年 2013年。

さらに洪水の規模は拡大しているように見えます。

先日の、

「夜光雲の様子がおかしい」と科学者たちが語るその下の地球は未曾有の洪水に覆われ
 2013年06月11日

では、ヨーロッパの大洪水の様子を取り上げていますが、ヨーロッパの最近数百年で最悪だったと考えられるこの洪水は、下の地域を壊滅的な状態にしました。

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今、ヨーロッパの洪水の舞台は、フランスに移っています。

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▲ この洪水は現在まだ進行しているものです。Channelnews Asiaより。


ドイツやノルウェーの洪水でもそうでしたが、このフランス南部でも「それまで経験したことのないような豪雨が短時間に降った」とされています。

そして、今現在、世界でもっとも激しい洪水に見舞われているのがインド北部なのですが、そのことは最後に報道の翻訳を含めてご紹介します。


その前に、日本のことを少し。

上に書きました「それまで経験したことのないような豪雨」。
これが日本でも昨日から起きています。

ちょっと前の記事までは「水不足が深刻化している」ことを書いていたのですが、西日本ではこの水不足は現在の雨で相当解消しそうなので、それはいいことだと思いますが、しかし、それだけでは済まない被害や影響なども起きそうな感じとなっています。今の気候は、どちらの方向に向いても「極端」に向かうということを感じます。

下の記事は今朝のウェザーマップからの抜粋です。


記録的な大雨続く 各地で観測史上1位
ウェザーマップ 2013.06.20

活発化した梅雨前線に伴い、西日本から東日本を中心に発達した雨雲がかかっている。和歌山県古座川町では午前3時頃に1時間降水量が73ミリの非常に激しい雨が降り、6月としては1位の降水量を記録した。

また、各地で記録的な大雨となっており、24時間降水量は、きのう6月19日までに石川県七尾市で219.0ミリ、島根県大田市で195.0ミリと観測史上最多となったが、20日午前5時40分現在、山口県萩市で310.0ミリなど、観測史上1位の降水量となり、記録を更新している。



上のようにいろいろな場所で、観測史上の雨量の記録を更新している状況で、しかも、地域によっては、雨の本番はこれからだと思いますので、いろいろとご留意されていただきたいと思います。


とにかく、世界のどこでも、「ほどほど」という部分があまりないのです。


そういえば、最近、4年前ほどのウェブボットを取り上げることが何度かありましたが、上のほうでふれました4年前のクレアの記事にも、ウェブボットからの抜粋がありました。


ALTA1109 パート3
ウェブボット 2009.01.24

数年前からの現象だが、2009年頃に「洪水」という言葉がピラミッドの頂点に来るようになった。

これは自然災害としての「洪水」だけではなく、「家の差し押さえの洪水」「破産の洪水」「通貨の洪水」「ハイパーインフレーションの洪水」などというように、「洪水」の言葉で形容できる様々な現象を指している。

このように、「洪水」は幅広い現象を説明できるキーワードなので言葉のピラミッドの頂点にくるのだ。




今回は最後に、インドで起きている壊滅的ともいえる洪水についての記事をご紹介しておきたいと思います。





インドの洪水


下の動画は、インドでの現地のテレビ報道からの抜粋です。




報道そのものはロシアの声から、写真は AP などのからご紹介いたします。このインドの洪水は、報道により犠牲者数はかなり違い、また、時間と共に増え続けていますので、被害状況は暫定的なものです。

ところで、このインドの洪水も上のほうに書きました「ほどほどという部分がない」ということを感じさせるもののひとつではあります。

どうしてかというと、ほんの少し前までインドの一部では「極端な水不足で人々が苦しんでいた」からです。

下は、日本のサンケイビズの6月1日の記事です。
リンク先に記事がありますので、興味のある方はお読み下さい。

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▲ サンケイビズ インド 水不足が招く悲劇より。


インドは広いですので、洪水も干ばつもインドの全体にあてはまるものではないですが、それでも「中庸が存在しない現在の気候」というものを感じます。

では、ここからインドの洪水の記事です。





インド北部 土砂崩れと洪水で少なくとも 130人死亡
VOR 2013.06.19

写真: Nation


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大雨による洪水と土砂崩れにより、インド北部のウッタラカンド州、ヒマチャルプラデシュ州、ウッタルプラデシュ州の3つの州では、少なくとも 130人が洪水により亡くなった。

なお、行方不明者は、数百名に上っている。



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首都ニューデリーを含めて、インド北部では今年、雨季のモンスーンが例年よりも早く始まった。その大雨により、ガンジス川をはじめ一連の河川が氾濫し、何百もの家や橋が被害を受けた。現在インド当局は、被災者を地元の学校やカレッジに収容している。


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またインド空軍は約 20機のヘリコプターを使って、洪水により屋根の上や水没した道路に取り残された人々の救助作業を続けている。

こうした救助作戦には、約 5千人の軍人が投入されている。インド当局は、市内を流れているヤヌナ川の氾濫を警戒し、沿岸に住む市民 1万 5千人を避難させた。





ここまでです。

世界中で起きているこのような大洪水は、どこの国にとっても人ごとではなくなっているはずで、もともとが雨の多い日本でも、その雨の記録さえ次々と更新されているわけですので、今後もどんなことが起きるかわからない面はありそうです。

何もかも気をつけることは無理ですけれど、特にお子さんたちが水場の近くに行くことはご注意されてほしいように思います。