2013年07月17日



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崩壊し続ける南極大陸 : 東京23区のサイズ以上の面積の氷山が南極の氷河から分離して漂流中



その一方で南極の海底に棲息する新しい生命たちが、氷床の崩壊によって地球上の海へと拡散されるときを待っているのかも

pine-island-01.jpg

Science World Report より。
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大海へ流出し続ける「南極の質量」


今月はじめ頃の記事、

南極大陸で史上最大規模の洪水が発生していたことが確認される
 2013年07月03日

の中で、南極の氷底湖から大きな洪水が発生していたことをご紹介したことがあります。

南極でどれだけ大きな洪水が起きても、直接的な被害が発生するわけではないのですが、それでは、何が問題なのかというと、

「南極の質量が減り続けている」

ということが問題のようです。

南極の質量というのは、まずその多くの「氷」と、そして氷底湖などの「海へ流出していない水」のことですが、どうやら上の記事でご紹介した BBC の記事によりますと、膨大の量の南極の氷や水(上の記事の洪水の例ですと 60億トンの水が海に流出したと推測されています)が比較的頻繁に海へと流出しているということのようです。

これは結果としては「地球の海水面の上昇」へと結びつく可能性もあることでもあって、そこに問題があるということのよう。

昨年も、南極ではいろいろなことが起きていまして、何度か記事にいたしましたが、今回ご紹介するのは、先日、南極大陸の「パイン氷河」という場所で非常に大規模な氷山の分断が起きて、現在、シカゴと同じほどの「氷の山」が漂っているというものです。

この巨大氷山の分裂は、昨年 NASA が、南極大陸に巨大な亀裂が生じていることを発見したことをご紹介したことがありますが、その亀裂がついに完全に分離して、氷河から非常に巨大な氷山が分断されたということのようです。

その昨年の記事は、

南極で 30キロメートルの長さに渡って出現した「巨大な亀裂」
 2012年02月05日



です。




漂流している氷山の大きさ

先にその今回の氷山の分断についての記事をご紹介しておきます。
米国のサイエンス・ワールド・リポートからです。

なお、記事では、分断した氷の塊の面積を「シカゴの面積より大きい」と表していますが、シカゴと言われましても今ひとつその面積が分かりづらいですので、日本で似たような広さを探してみました。

都市の面積を調べるには、 Google で「都市の名前 面積」と打ちますと、すぐ下に面積が表示されます。

chi-menseki.jpg

シカゴの面積は、600平方キロメートルくらいのもののようです。

日本でわかりやすい場所で同じような面積としては東京23区が、大体同じくらいのようです。

tokyo-23ck.png


そのくらいの大きさの氷の塊が現在、漂流しているとのこと。

ここから記事です。




Iceberg Antarctica: Ice Mass Size of Chicago Breaks Off Pine Island Glacier
Science World Report 2013.07.12

南極の氷山:シカゴサイズの氷山がパイン島氷河から分断


南極の氷山のひとつが、最近氷河から分断し、今は氷山は南極海を自由に漂流している。その氷山のサイズは驚くべきことに、米国シカゴの面積よりも大きなものだと報じられている。

ドイツの科学者たちによると、この巨大な氷山は先週、南極大陸のパイン島氷河から分離し、現在は、南極海の海域のひとつであるアムンゼン海を浮かんで漂流している。

この氷山は、ドイツ航空宇宙センターが運営する地球観測衛星 TerraSAR-X によって発見された。また、この場所の巨大な亀裂は先に NASA が特定していた。NASA は、パイン島氷河の上を飛行中、長さ260キロメートル、幅24キロメートルの亀裂を発見し、その後、衛星を通して、二つ目の亀裂が見つかった。

しかし、研究者たちは、パイン島氷河の氷山の分断は目新しい事象ではないし、特に珍しいものでもないと述べる。実際、 2007年と 2008年に、南極横断山脈の西にある氷床上で2つの大きな氷山が氷河から離れて漂流したという。

しかし、研究者たちは、このような急激な環境変化は氷河の急速な流出に繋がる可能性があると警告する。








このパイン島氷河の位置は、昨年の南極大陸の亀裂の際に地図に示したことがあります。


south-pole-pine-02.jpg


もともと上の地図は、その少し前の2012年1月の「南極で地震をはじめとした数々の地質的変化が増加中」に載せたもので、地図中にある日付けは 2012年のものです。





南極大陸と周辺の地殻的異変は収まっていない模様


上の図に「サウス・サンドウィッチ諸島での群発地震」という項目がありますが、つい先日、7月15日にこのサウス・サンドウィッチ諸島でマグニチュード 7.3の地震がありました。


英南大西洋でM7.2の地震 日本に影響なし
NHKニュース 2013.07.16

ハワイにある太平洋津波警報センターから気象庁に入った連絡によりますと、日本時間の15日午後11時4分ごろ、南大西洋にあるサウスサンドウィッチ諸島付近を震源とするマグニチュード7.2の大きな地震がありました。

気象庁によりますと、この地震による日本への津波の影響はありません。



ここでは「南大西洋」とあるのですが、サウスサンドウィッチ諸島は地球上で人間が生活している場所としては最も南極に近い地域のひとつだと思います。平面での地図上では下の位置になります。

south-sandwich-islands.png


人間が生活しているといっても、 Wikipedia によりますと、現在、サウスサンドウィッチ島に定住しているのは「2人だけ」ということですけれど。

グリトビケンという町にその2人は住んでいるそうです。

grytviken_museum.jpg

▲ サウスサンドウィッチ島の2人の定住者が住むグリトビケンの博物館。


いずれにしても、南極大陸から南米に至る周囲での地殻的変動のような動きは今も続いています。

そして、サウス・サンドウィッチ諸島ではついにマグニチュード 7.2というこの地としては非常に規模の大きな地震が発生したわけですけれど、今後、この動きがさらに肥大していくとした場合、何かいろいろと示唆してくれるもののような気がします。

なんといっても、北極と南極は地球の「極」ですから。

そこに変化が生じるということは、ポールシフトのようなことも含めて、大きな変動を意味する可能性もあるのかも。






南極の崩壊は「新しい地球の生命の散布」にもつながる可能性もあるのかもしれない


ところで、南極は確かに質量を激しく流出させていて、「崩壊」というような方向に向かっている感じもないでもないのですが、一方で、南極の海底は新しい生命の宝庫であることが最近わかってきています。

「南極の崩壊」という現象は、あるいは、ここに住むまったく新種と考えられる生物たちや DNA が海の底から地球全体に広がる契機となるのかもしれません。

地球の海の生命が刷新されるというような意味も含めて。



先日の WIERD の南極の生命についての記事から抜粋して今回の記事をしめたいと思います。




南極氷床4km下の氷底湖に、多様な生命体
Wired 2013.07.08


外界から約1,500万年切り離されていたボストーク湖から、さまざまな生物のDNAが発見された。ほとんどはバクテリアで、多くはまったくの新種だ。ほかに、さまざまな単細胞生物と多細胞生物が含まれる。

南極氷床の約4km近く下に埋もれていた氷底湖のボストーク湖に、推定3,507種類の有機体のDNAがあることがわかった。

ほとんどはバクテリアで、多くはまったくの新種だ。
ほかに菌類など、さまざまな単細胞生物と多細胞生物が含まれる。

この湖は約1,500万年にわたってほかの世界から切り離されていた

長い間孤立し、また、上にある氷の圧力が高いため、中の水には生物はいないのではないかと考えられていた。しかし、湖の水面からすぐのところで採取された氷床コアによって、たくさんの生物であふれていることが証明された。




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