2013年07月28日



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2013年の夏 : 北極の氷は溶けて「湖」に変貌し、南極での氷床の溶解は予想を遙かに上回るスピードであることが判明




予想を上回るスピードで南極の氷床が消えている


先日書かせていただきました、

「現代の社会で海水面が 20メートル上昇したら」: 過去の南極の氷床は繰り返し溶解し、海水面の上昇を起こしていたことが判明
 2013年07月25日

とう記事の途中に「南極が気候変動に反応するのはいつなのか」というような悠長な見だしをつけていたのですが、すでに反応していたのでした。


下は、米国テキサス大学オースティン校の 7月 24日のニュースリリースのスクリーンショットです。

texas-a1.jpg

テキサス大学 ニュースリリース より。


上の記事の内容は、テキサス大学の研究チームが、アメリカ国立科学財団のサポートを受け、南極大陸の氷床の溶解についての徹底的な調査をした結果、

南極の氷床の溶解は 2001年から 2012年まで一貫して増え続けて、その期間に調査地域によって溶解量が 10倍になっていた

ということを突き止めたというものでした。


サイトには、固定カメラでの撮影写真の比較なども出ておりまして、それが下の写真です。

2010年 11月から 2012年 1月までの南極ガーウッド渓谷の氷床の損失の定点観測

ant-2010-2012.jpg



最初、これを見た時には、「白い部分に目が行く」せいか、「氷、別に減ってないじゃん」と思ったのですが、見方そのものが間違っていたのでした。

写真を横にして比較すると、「たった1年ほどでの大量な氷の損失の様子」がよくわかります。

ant-yoko-01.png



そして、下の写真が上の写真を撮影した場所の近影です。

ice_cliff1.jpg


上空から見ると黒く見えるであろう部分も上の写真のように、「氷床の上に土砂が堆積している」というような状態の場所となっているようです。



そして、氷床というのは、さらに接近して撮影すると下のような感じのものなのですね。

ice-sheet-a003.jpg



白い部分が氷なわけですけれど、「これが猛烈な勢いで失われている」ということのようなんです。

今回のこのテキサス大学の記事を読みまして、先日ご紹介させていただいた「南極の洪水」の記事、

南極大陸で史上最大規模の洪水が発生していたことが確認される : 60億トンの氷底湖の水が海へと流れ込んだ計算に
 2013年07月03日

の意味というか、この洪水がどのような感じで拡大していったものだったのかもわかるような気がしました。上の記事では、南極の氷の下の湖(氷底湖)での洪水だったのですけれど、氷床の溶解も非常に速いペースで進んでいるなら、氷底湖の洪水と共に次々と南極の「質量」は海洋へと放出され続けているとは思うのですよ。


いずれにしましても、これまでは空中撮影や、衛星からの撮影などでの氷の「面積」の増減で、氷の溶解などを計測していたようなところはありそうなのですが、今回の調査は、実質的に「南極の質量そのものが減り続けている」ということと、それが非常に速い速度で進行しているということがわかったということのようです。

それが「予想を上回るスピード」であるのなら、地球の海水面の上昇に関しても予想を上回るスピードになる可能性はあるのかもしれないと素直に思います。


そして、今回のもうひとつの話題は、ほぼ同じ内容ですが、場所が「北極」です。






現在、北極は氷の平原が溶けたことによって「湖」に変貌中


下の写真は、米国の CBS ニュースの「溶解した氷が北極に湖を形成している」という記事です。

np-2013-04-07.jpg


同じ場所の写真で、左側の雪で覆われた写真が今年4月の写真、右の海のようになっているのは今年7月の北極の写真です。



北極の気候変動と、それに伴う氷の溶け方に関しては、昨年の記事、

強烈な気候変動の衝撃:氷が溶けた北極海で藻と植物プランクトンが大発生している
 2012年06月09日

で、北極のいたるところで氷が溶けて「池」となっていることが報じられていること。



▲ 米国沿岸警備隊による 2011年7月の北極海の調査の様子。


そして、さらに驚いたのが、北極海でプランクトンが大繁殖して、「北極の海水が緑色になっている」ことなどをご紹介したことがあります。



▲ 左が通常(以前)の北極海。右が植物プランクトンが大繁殖している北極海。


今回の CBS ニュースも夏の話とはいえ、急速に溶けている北極の氷について描かれています。

北極の7月は通常でも氷の溶けるシーズンらしいですが、これほど急速に溶けたのは、「北極としては異常に暖かい気温が2週間続いたため」となっていて、北極の天候も多少異常なようです。さらに、今週、北極にはサイクロンが来る予測だそうで、さらに多くの氷が溶けていく予測となっているようです。

もちろん、通常と同じなら、また秋になれば、北極の湖は氷に戻ります。

まあ・・・通常と同じならば。

というわけで、今回は上の CBS の報道をご紹介してしめたいと思います。
本文自体はとても短いものです。





Melting ice forms lake in the North Pole
CBS News(米国) 2013.07.26

溶けた氷が北極に湖を形成している

北極で2週間にわたって続いた異常に暖かい気候により、7月中旬に北極で氷が溶けて湖を形成する事態を引き起こした。

溶解した氷によって作られた湖は、約 30センチメートルほどの深さがある。国立雪氷データセンターによると、7月上旬の気温は北極海の大部分で平均より1度から3度高かった。

7月は北極の氷が溶けるシーズンで氷が薄くなっているため、溶解が急速に進んだと考えられる。

今週、北極でサイクロンが発生することが予測されている。このサイクロンによって、海の水と破砕された氷が撹拌されることにより、この夏の北極の氷の溶解がさらに進むと見られる。


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