2013年07月30日



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本来なら「100年に1度の災害」がもはや特別な出来事ではなくなっている世界に生きている



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▲ 日本の豪雨を報じる 7月29日のウォール・ストリート・ジャーナル「Japan Soaked by Downpours, East and West」より。






 


昨年の7月に、

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
 2012年07月13日

という記事を書いたことがあります。

昨年も洪水の多い年でしたが、しかし、「1年後の夏はどうなっているのだろう」ということに関しては、どういう方向に行くのかよくわかりませんでした。世界の気候は、すでに、少し先の気候に対しての予測ということ事態ができないような混沌を見せ始めていました。

今あらためて上の記事を読み返しますと、私は下のように書いています。


正直な思いを書けば、今後も、この「洪水」というものとは向き合い続けなければならないことのように感じています。

その理由は、たとえば、九州の「前例のない雨量の雨」というものを見てもそうですが、「もはや天候は過去とは違う」ということがあるからです。

また、こちらの記事では、先日発生したロシアの洪水についてふれたのですが、そのロシアの洪水の状況も「異常」だったことが続報で明らかになっています。



これは予測とかではなくて、文中にありますように単なる「正直な思い」なのですが、この文章の中にある 2012年 7月に起きたロシア・クバン地方での洪水というのは、当時としては「かつて経験したことのない雨」という表現を言い尽くしているような雨と洪水でした。



▲ 豪雨で水没したロシアのクバン地方西部。2012年7月。


そこで起きた洪水について、ロシアのモスクワ国立大学の気象学者が述べた言葉が下のものです。


今回洪水が起きたクバン地方ゲレンジク地域は乾燥した亜熱帯地方に属する。

ところが今回、ゲレンジクでは1昼夜に300ミリの降雨量を記録した。これは7月としては6ヶ月分の降雨量に相当する。

300ミリがどれほど多いものであるかを理解するためには、1平方メートルあたりの面積に10リットルのバケツの水を30回注いでみれば想像がつくだろう。




上の中に「これは7月としては6ヶ月分の降雨量に相当する」という言葉があります。

私は昨年、上の言葉に「驚き」を感じながらも、それでも何となく「ひとごと」のような感覚はありました。


「何ヶ月分の雨が1日で降るとかは特別なことで、そうそうあるものではないだろう」


と。

しかし、今の日本・・・

下の記事は 7月28日の毎日新聞のものです。


記録的大雨:数十年に1度の「特別警報」相当 気象庁発表
毎日jp 2013.07.28

山口、島根両県で28日、局地的に猛烈な雨が降った。気象庁は「経験したことのないような大雨となっている所がある」と発表。

8月30日以降、数十年に1度の災害が迫った場合に発表される「特別警報」に相当する豪雨として警戒を呼び掛けた。

気象庁によると、山口県萩市で正午過ぎまでの1時間に138.5ミリ、島根県津和野町で明け方の1時間に91.5ミリの猛烈な雨を観測、いずれも地点観測史上最多となった。両地点とも午後2時過ぎまでの24時間降水量が350ミリ前後となり、7月の平均降水量を上回った。


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▲ 大雨で氾濫する山口県萩市の蔵目喜川。7月28日。時事通信より。



上の記事の、

> 24時間降水量が350ミリ前後


という部分。

昨年のロシア・クバン地方の洪水被害で降った「当地での6ヶ月分の雨量」が 300ミリだと書かれてあった部分を思い起こしていただきたいと思います。


そんな途方もない量の雨が、日本の各地で毎日のように降っている。


上の記事にもあります「観測史上最多」という文字を今年何度見たことでしょうか。


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▲ 7月30日の Google ニュースより。


そして、他の国の多くでも豪雨と洪水に関して、相変わらず毎日のように報じられています。






巨大洪水の報道を見ない日のない夏


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▲ 英国にも大きな嵐が迫っているようです。デイリースターの 7月28日の記事



中国では歴史的な洪水と歴史的な干ばつが同時に発生している

洪水はいろいろな国や地域でひどい被害を出していますけれど、中国の甘粛省というところで発生している洪水の被害はひどく、現在まだ進行しているかもしれないですが、昨日までの時点では、50万人近くが被災しているとのことです。

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▲ 甘粛省の天水市というところで洪水で破壊された村。この天水市だけで 22名の方が洪水で亡くなっています。 huanqiu より。



しかし、中国では、その一方で激しい干ばつに見舞われているという現実もあります。

新華社から現在の状況を抜粋します。



Lingering drought scourges parts of China
xinhuanet 2013.07.25

長引く干ばつが中国の地方を苦しめ続ける

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▲ 中国湖南省の邵陽県。干上がった大地がえんえんと続く。

中国中部で7月上旬以降続いている干ばつにより、湖南省では 53万3000人が飲料水の不足にあえいでおり、また、14の市と107の郡の約 600万ヘクタールの農地の作物が損傷を受け、 31万1000頭の家畜の水が不足している。

また、湖南省の 186の河川と 252の貯水池がすでに干上がっている。



この中国の洪水のほうの被害なんですけど、下のようなニュースにあるように「この60年の間で最も多くの洪水による避難民を出した」とありますが、他の洪水の報道でも「そのような見だしの報道ばかり」なんです。この何十年で、あるいは、この何百年で・・・という形容のことです。

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▲ 中国のニュースサイト sohu より。


先月の記事「世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖」などで取り上げた、欧州やインドなどの洪水でも「何十年に一度」、「何百年に一度」という報道の文字が躍ります。

こう頻繁にこれらの表現を見ていますと、もう、これは特別な出来事だとはいえない頻度だと思わざるをえません。


最近は以前にもまして「全世界を飲み込む洪水」のようなことを考えることもありますけれど、最近、記事にしています「北極、南極の氷(永久凍土)の溶解」と、今のこの「毎日毎日、新しい降雨記録を生み出すような豪雨の中の生活」を見ていますと、その思いもまた強まります。


まあ・・・・・。


いろいろな理屈や原因はともかく、ともかく、実際に私たちは今そういう時代に生きている。


それにしても、まだ8月にもなっていないわけで、台風などを含めて、気候が本格的に荒れるのは通常ならこれからです。

10月頃を迎えるまでに、これらの気候の劇的な変化と「平行」するように、私たちの精神にも何らかの変化があるのかも・・・とも思いますけれど。

そのあたりについて、また過去のウェブボットの記述や、他のいろいろな観点からまた続けて書いてみたいと思います。