▲ 2012年12月3日、エジプトのガザのピラミッドの上空に水星、金星、土星が整列しました。今そのエジプトは大変な状況になっています。次にこの整列が起きるのは 2,736年後のこと。
暗黒の3日間とエジプト
なんだかタイトルそのものに整合性がなくて、「これも暑さのせい」と割り切っていいものかどうかわからないですが、何だか世の中が混沌としています。人も気候も環境も。
そんな中、特にそれを示唆する何かが起きたというわけでもないのですが、急に「暗黒の3日間」というフレーズが気になっています。
エジプトが大変なことになっていますが、最近、米国の BBS で「米国とオーストラリアのそれぞれの国の女性が相次いで、近く、暗黒の3日間が訪れることを予言した」という投稿などを目にしたりしたことも関係あるのかもしれません。
その内容自体はほとんど曖昧なもので、その女性のブログから部分的に抜粋して翻訳すると、
まず、すべての人類に影響を与える可能性のある大変動を伴う出来事があるでしょう。その次にすべての地球上に闇が訪れます。その時、地球上のすべての人類の罪深い本質が露出され、彼らは神の必要性を認識するでしょう。そして、地球を覆う闇が3日間続くいている間、神が人類に自分自身を現す時となります。
というようなキリスト教的なフレーズが延々と続くもので、個人の想念という域を越えたものではなく、ここでご紹介するようなものではないので、このブログそのものはしません。
けれど、こんな混沌とした世の中では、何となく「暗黒の3日間」というフレーズそのものは目立ちます。
この「暗黒になる3日間」という概念は、もともとは聖書から来ているもののようで、旧約聖書の「出エジプト記」や「ヨエル書」、あるいは新約聖書の「マタイによる福音書」など、聖書のいろいろなセクションで目にします。
エジプトは現在、非常事態宣言下というより事実上の戒厳令下にあり、大変な争乱状態となっています。そして、まあ関係のあることではないですが、聖書の「出エジプト記」にはエジプト全土が3日間、暗黒に包まれるという記述があります。
旧約聖書「出エジプト記」 10章 22-23節
モーセが手を天に向かって差し伸べると、三日間エジプト全土に暗闇が臨んだ。
人々は、三日間、互いに見ることも、自分のいる場所から立ち上がることもできなかったが、イスラエルの人々が住んでいる所にはどこでも光があった。
▲ こちらは現在のエジプト。英国のテレグラフより。
さらには、ヨエル書とマタイによる福音書。
旧約聖書「ヨエル書」 2章 11節
地はおののき、天は震える。太陽も月も暗くなり、星も光を失う。
新約聖書「マタイによる福音書」 24章 29-30節
苦難の日々の後、たちまち太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。
そのとき、人の子の徴が天に現れる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。
死者の世界の王の警告もスルーされ
エジプトといえば、6月に「死者の世界を司る」とされるオシリス王という古代エジプト神話に登場する神の彫像が「自分で回転する」という報道をご紹介したこともありました。
・死者の世界の王「オシリス神」の像が動き始めた年に浮かび上がる「洪水の概念」
2013年06月25日
▲ デイリーメールの記事より。この「ファラオの呪いが実際に存在するという兆候なのか」というやや大げさなタイトルも、この2ヶ月後に実際にエジプトが現在のような「死の世界へ突入したような状態」となってしまったことを考えますと、考える部分もあります。
とはいえ、気候にしても、自然変動にしても、そして社会的な争乱や変化などにしても、「まだ始まったばかり」なのかもしれません。
本当に何もかも肥大して拡大して、私たちひとりひとりが「ギブアップ」というような状態になるまで、これは続くのかもしれないと思ったりするような「やや疲れる未来感」というものも確かに存在します。
2012年12月に太陽は3日間の暗黒を見せていた
この「暗黒の3日間」について、昨年の暮れに、次のような記事を書いたことがあります。
・地球に向けられた「太陽の暗黒の3日間」: 初めて観測衛星が地球の姿をとらえた時に「その光は消えた」
2012年12月27日
これは、簡単に内容を書きますと、「 2012年 12月 17日から 21日までの間の3日間、太陽からの光が消えたように見えていた」という現象をご紹介したものです。
原因はよくわからないですし、もっとも可能性の高いのは、観測衛星のデータ上の何らかの状態か、あるいはトラブルだと思いますが、しかし、ちょうど3日間、太陽から光が出ていなかったように見えたという現象は大変興味深かったです。
何が起きたというわけでもないのですが、「暗黒の3日間」について、いろいろと書いてしまいました。
そして、もうひとつの記事としては、「あれからもう1年・・・。時間が経つのは結構早いものだなあ」と思った下のニュースをご紹介しておきます。
修復マリア様の新しい人生
下のワインを持ってキリリと立つレディがどなたかご記憶でしょうか?
▲ e-consulta より。
この女性こそ、ちょうど今から1年前に下の「新しいキリスト像」を生みだしたというか、修復したセシリア・ヒメネス( Cecilia Gimenez )さんなんです。
▲ キリスト画の修復前(左)と修復後。
In Deep でも、
・2012年にスペインで生まれた「新しいキリスト像」の価値観が瞬く間に世界を席巻
2012年08月27日
という記事や、その後日談の記事(こちら)をご紹介したことがあります。
何しろ上の修復キリスト画がメディアで紹介された途端に、世界中のアートは下のような状態に。
さらにインターネット上には次から次へと「自分的修復」を施したキリスト画も出回ります。下はその一部です。
▲ e-consulta より。
その後、修復されたキリスト画のあるスペイン北東部の町ボルハの教会には、観光客と寄付金が殺到して、修復したヒメネスさんが「教会に収益の一部を要求」というようなヒール化も果たしたりしたこともあったのですが、一番上の写真の記事は、そのヒメネスさんが現在、スペインで「個展」を開いているというニュースです。
日本語の記事を探してみましたら、驚いたことに NHK のニュースにありましたので、抜粋しておきます。
宗教画一変させた女性 個展で汚名返上
NHK 2013.08.14
スペイン北東部で、宗教画を修復したところ、キリストの姿が一変し、歴史ある絵が台なしになってしまったと大きな反響を呼んだ80歳の女性が、このほど風景画などを描いた個展を開催し、見事、汚名を返上しました。
スペイン北東部の町ボルハに住むセシリア・ヒメネスさんは、通っている教会の歴史ある宗教画の傷みがひどくなっているのを見かね、善意で修復を試みましたが、キリストの姿が一変し、台なしになってしまったと大きな反響を呼びました。
ヒメネスさんは、このほど、みずからが描いた絵画の個展を開催し、海に浮かぶ帆船や丘の上に建つ建物など風景画を中心に20余りの作品が展示されました。
会場には、教会の関係者など多くの人が駆けつけ、ヒメネスさんと抱き合うなどして祝福していました。
ヒメネスさんが修復した宗教画は、世界中のメディアに取り上げられたこともあり、教会を訪れる人が相次いだほか、絵をプリントしたTシャツなどの関連グッズも登場し、一転して、町おこしにつながっています。
「汚名返上」という表現が気になりますが、それよりどうにもこのニュースだけでは私には満足がいかない部分がありました。
それは「ヒール(悪役)的部分」です。
上の報道だけでは「いい話」として終わってしまう。
「いい話だけで終わる神話」というものはこの世には存在しないと思われます。この世はきっちり半分ずつの「善」と「悪」で均衡がとれているわけで、イエス・キリストの姿に一大改革を施したヒメネスさんは、新しいマリア様であると同時に自らの中に「悪と善」を同居させてほしいというという願いが私にはあります。
上の記事にはそれがない。
もう少し他の記事を見てみますと・・・。
こちらの記事にありました。
ヒメネスさんは来週にも地元当局と修復画の商品化権の契約をする予定。利益の49%を受け取ることになるという。
これこれ(笑)。これですよ。
ところで、上のワインを持ったヒメネスさんの横にあるキリスト画のようなものも、ヒメネスさんが今回の個展のために描いたもののようなのですが、「ちゃんとした絵じゃないの」と私は思いましたが、多くの人がそのことを感じたようで、スペインのメディアで「修復キリスト」と並べているものもありました。
▲ 左が昨年の修復キリスト。右が今回の個展に出品されたキリスト画。elsol より。
こんなにちゃんとしたキリスト画を描けるのに、どうして昨年の修復キリストはあのような姿に?(苦笑)
まあ、いずれにしても、御年 80歳にして、世界で最も有名な画家のひとりとなったヒメネスさんのご健闘を祈ります。
そして、ヒメネスさんが大胆に変化させたキリスト像のように、私たちひとりひとりも、「何か大きな価値観の変化」を獲得していくべき時が近づいているのかもしれません。