2013年08月21日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




太陽表面に「全面の爆発の光の輪」を作った CME に突っ込んでいった彗星



そして、もしこの規模のCME (コロナ質量放出)が地球の面した場所で発生した場合は?



cme_comet_top-01.jpg

▲ 太陽の背面の全域に暈(光の輪)を形成した巨大な CME が 8月20日に発生しました。
--




太陽の背後がすべて爆発したような太陽面爆発の中で


8月20日に、太陽で上の写真のような「太陽の全域をグルッと囲む」ように巨大な光の暈を拡げた CME が起こりました。

この CME の巨大さもなかなかのものなのですが、特筆すべきは、「まるで CME の発生をあらかじめ知っていて、そこに飛び込むように」太陽に突入していった彗星の光景が NASA の太陽観測衛星 SOHO の太陽画像に写されていたことでした。

上の「彗星」と丸く囲んだ部分ですけれど、少しわかりにくいですので、もう少し画質のいい NASA の写真からピックアップすると下のような感じです。

comet-s1.png


どうして「 CME の発生をあらかじめ知っていて」というような書き方をしたかというと、この彗星、巨大 CME 発生の直前に突然、太陽観測衛星の画像上に現れたからです。

下の写真は、 CME 発生直前の別の SOHO のカメラの画像です。

finder_s2013-08-19.jpg


そして、この直後、太陽では巨大な CME が発生して、彗星は CME のエネルギーによって「消滅」してしまいました。下の写真は彗星が消滅する直前です。

comet-disap-2013.jpg





太陽に飛び込む彗星の意味

ところで上の図にある「レグルス」という星を私は知りませんでしたので、 Wikipedia で調べてみると、「しし座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ。黄道上の唯一の1等星で、航海位置の計測の基準となる常用恒星」というものだそう。

ちなみに、この「レグルス」という星は、下のように巨大な恒星らしいです。

regulus_sun.jpeg

▲ 太陽とレグルスのサイズの比較。earthsky.org より。



話がそれましたが、今回の彗星について、スペースウェザーの記事をご紹介しておきます。



SUNDIVING COMET AND FULL-HALO CME
Spaceweather 2013.08.20

太陽に飛び込んでいった彗星と、太陽を完全に光の輪で覆った CME

小さな彗星が、今朝、太陽に突入し、そして、その彗星が太陽に到達する直前に、太陽は壮大な全面の光の輪の暈( Full Halo )を形成した CME を発生させ、この彗星を消滅させた。

写真では、彗星が最後に激しく気化して消滅していく様子が見てとれる。おそらく数十メートル程度の直径の核の彗星では、この太陽の激しい放射の攻撃の前には、生き残ることは無理だったであろう。

この CME の爆発は、地球から見て太陽の裏側で発生した。画像で見ると、 CME と彗星は交差しているように見えるが、直接的な交差はなかったと考えられる。

彗星は地球から見て太陽の前面を通っており、 CME は裏側だ。

このような「太陽に飛び込む彗星」が太陽フレアなどの太陽表面での爆発のトリガーになっているのではないかということを質問されることがある。

しかし、既知のメカニズムでは、彗星と太陽の爆発活動には関係がない。彗星は、太陽の磁場を不安定にさせるためにはその大きさがあまりにも小さい。

この消滅した彗星は、クロイツ群(近日点が太陽に近い軌道を持つ彗星)、あるいは、サングレーザー(太陽に非常に接近する彗星)の1つだった。これらのサングレーザーは、単一の巨大な彗星が破壊した断片であると考えられている。

太陽では毎日のように、小さな彗星が飛び込み崩壊しているが、今回のように観測できる大きさの彗星の場合は、注目を集めることも多い。






ということです。



太陽と彗星の勝負


ところで、上に、スペースウェザーの意見として、


「太陽に飛び込む彗星」が太陽フレアなどの太陽表面での爆発のトリガーになっているのではないかということを質問されることがある。しかし、既知のメカニズムでは、彗星と太陽の爆発活動には関係がない。



という部分ですけれど、これですね・・・まあ、確かにメカニズムとしては関係ないでしょうし、確かに太陽と彗星では大きさに差がありすぎて、その比較というのは難しいとは思うのですけれど、しかし、たとえば「地球上での勝負」ということを見ると、大きさの差というのはあまり関係ないということにも気付きます。

たとえば、「ウイルス vs 人間」というあたりの勝負はつい近代になるまで、どうやっても体積的に巨大な人間は勝てなかったですし、今でも根本的には勝てていません。

まあしかし、そういうことはともかく、過去に、「どう見ても太陽と彗星が戦っている」という光景の写真を、 SOHO が捕らえていたことなどを思い出します。


下の様子は、2012年3月14日に「スワン彗星」と名づけられた彗星が、太陽に飛び込んでいった前後の数日間の流れです。「今の太陽は自分自身も爆発を繰り返しながら何かと戦っている模様」という過去記事からです。



2012年3月14日から16日までの太陽でのバトル

・03月14日 太陽に巨大な彗星が接近

sun-04.jpg



・彗星はそのまま太陽に突っ込む

sun-05.jpg



・彗星が突っ込んだのとほぼ同時に、太陽の反対側の面から大爆発(フレア)が発生。同時に、コロナ質量放出(CME)が発生

sun-06.jpg



・その翌日、彗星が突っ込んだ場所が爆発。そして、反対側から再び巨大なCMEが発生

sun-07.jpg



というような、派手な太陽での爆発事象などもありました。


今回の巨大な CME の発生は、彗星とは関係ないとは思いますが、太陽の周辺で様々に起きている現象は、「既知のメカニズム」だけでは説明できないレベルに達しているような気もしないでもないです。




2013年のキャリントンの嵐

しかし、仮に、今回のような巨大な CME が地球の方に向いて発生した場合、過去記事の、

スーパーフレア(超巨大太陽面爆発)とは何なのか
 2012年05月18日

アメリカ国立科学財団が太陽CMEによるテクノロジー破壊を警告
 2010年03月20日



といったような自体に「やや近い状態となる」可能性はあることは事実かもしれません。ただ、上のような出来事も、太陽で巨大 CME やスーパーフレアのようなことが起きてから地球に到達するまで数十時間のタイムラグがあり、十分に準備できます。


まあ、そのような大規模な災害についてはともかくとして、これから数日から1週間ほど、地球は磁気の影響を受けるかもしれません。

どんな影響かというのは何ともいえないですが、たとえば、過去記事の下のような相関グラフなどもありますので、体調など含めて、ご留意下さい。



▲ 過去記事「21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか? : 全世界が地獄の様相を呈した6世紀と酷似してきている現在に思う」より。オリジナルの出典元は、前田担著『生物は磁気を感じるか』(1985年)。

私なんかはもう最近すでに体調悪いのですけれど、これが単に暑さのせいなのか、「社会を覆う毒的なもの」にやられているのかわからないにしても、地球全体の社会も個人も、今ひとつ安定や安寧とはほど遠い感じを受けざるを得ません。