2013年09月04日



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アメリカの 2013年の竜巻の発生数は・・・なんと「激減」していた



sun-rises.jpg

▲ 米国オクラホマ州で 20名以上方が亡くなった今年最大の米国での竜巻被害の現場の翌朝。2013年5月28日。 NewstalkZB より。
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世界中で自然の猛威は相変わらず激しいわけですけれど、単なる思い込みとして、アメリカなんかは特にひどいような「感じ」はしていました。日本でも最近、竜巻の被害が続出していますけれど、竜巻の本場といえばアメリカ。「今年はさぞやひどいのでは」と思って、昨日発表されました米国のレポートを見てみましたら実は・・・という話です。

その前に余談ですが、最終的には自然災害とも関係するような話でもあります。




増え続ける廃墟の中で

今日、ちょっと調べたいことがあって、夏前の記事、

あやしげな血を流す樹を眺めながらウェブボットの「地獄の夏」を思い出してみる
 2013年06月12日

を見ましたら、その記事で、フランスのリゾート地で起きた珍しい竜巻の写真を載せていました。下の写真で、場所は映画祭で有名なカンヌのあたりの海上になります。




「そういや、カンヌでの竜巻というのも珍しい現象だったんだよなあ」と思い出します。

調べたかったというのは、その記事の最後に、旧約聖書のエズラ記というものの一節を書いた記憶があったのですが、それを読みたかったのです。

こんな部分です。


エズラ記 5章 1-8節

見よ、その日が来て、地上に住む人々は大いなる恐怖に捕らえられ、真理の道は隠され、国土は信仰の不毛の地となるだろう。そして不義が、あなた自身が見ている以上に、また、あなたがかつて聞いた以上に増えるだろう。

また、あなたが今見ているその国は世界を支配しているが、やがて乱れて廃虚となり、人はそこに荒れ地を見るようになる。

しかし、もし、いと高き方があなたに生き残るのをお許しになるなら、三日の後に天変地異を見るであろう。

突如として夜中に太陽が輝き、真昼に月が照る。その上、木から血が滴り落ち、石が声を発し、人々は恐慌を来し、星は軌道を脱するだろう。そして、地に住む人の望まぬ人物が支配するようになり、鳥さえもみな渡り去るだろう。

ソドムの海は魚を吐き出し、夜には得体の知れぬ妖怪が声を発し、すべての人がその声を耳にする。方々で深淵が口を開き、そこから繰り返し炎が吹き上がる。



この中に、


あなたが今見ているその国は世界を支配しているが、やがて乱れて廃虚となり、人はそこに荒れ地を見るようになる。


というくだりがあります。

この「その国」というのは、たとえば現在なら現在でいろいろな国の名前を挙げることは簡単でしょうけれど、しかし、聖書が書かれた時代からの年数を考えると、「やがて乱れて廃虚となり」といったような国がどけだけこの地球上に現れては消えていったか列挙できないほどの数にも思います。

ちなみに、「聖書の扱っている年代」というのは、こちらによりますと、

・6000年前〜紀元前1800年…モーゼ五書
・紀元前1200…ヨシュア記
・紀元前1200〜1000…士師記、ルツ記、サムエル記
・紀元前922〜587…列王記
・紀元前6〜5世紀…ダニエル書、エズラ記、ネヘミヤ記


という、相当な昔からのものだそうで、そこから考えると、今の私たちの文明での生活形態が根付いたような、まあ、せいぜい 100年とかその程度というのはほんの僅かな期間であることがよくわかります。まして、インターネットだとかウォシュレットだとか、レンジでご飯とか、そういうことが日常に溶け込むようになってからなどは、実に瞬間的な時代だと実感します。

そして、昔と違って今の時代で思うことは、「とても似た進行具合の文明の国が多くある」と。いわゆるグローバルというかなんというのか、車とか電話とか電気製品とか、そういうものに関してはほとんど似たような文明の下にある国が多い。

それだけに上の「その国はやがて乱れて廃虚となり」というのは、その時代の「どこの国」ということではなく、もうこの現在の文明全体そのものが、すっぽりと、つまり


(地球は)やがて乱れて廃虚となり、人はそこに荒れ地を見るようになる。


というようなことになっても不思議でも何でもないような気がします。


最近は、「強烈な速度で増え続ける廃墟を感じる 2013年の夏の終わり」というようなタイトルの記事なども書いたりしていて、実際、紛争地や自然災害の現場などを含めて、いたるところで廃墟だらけでありまして、そんな時に、キリスト教徒でもない私なども、ふと聖書のようなものを確かめてこたくなるという感じでしょうか。

areppo.jpg

▲ 現在のシリアのアレッポという街。混沌の街/鈴木雄介×アレッポより。


このシリアという国、上の写真の記事にある文章が正しいのなら、シリアは、


アルファベットと農業が生まれ、人類史の中で最も古くから連綿と生活、文化、歴史を積み上げてきたこの国



なのだそう。


何だかまた関係ない話で長くなってしまいましたが、先日の埼玉での竜巻、あるいは昨年のつくば市での竜巻などからも「廃墟」という概念は伺えるわけで、最近つくづくこの「廃墟」と「文明の滅亡」ということについて思います。

というわけで、タイトルにあります今回の本題である「アメリカの 2013年の竜巻発生数は実は激減していた」に関しての記事にうつりたいと思います。

これは9月3日に発表されたアメリカ海洋大気局( NOAA )のふたつの統計グラフをご紹介するだけのものですが、とりあえずご覧いただきます。






実は平年の半分程度しか発生していない 2013年のアメリカの竜巻の数


下は、 NOAA が発表しているアメリカの平年の竜巻の発生数と、今年2013年( 9月2日まで)の竜巻の発生数の比較です。上が平年の平均値で、下の赤いグラフが今年です。

tornado-2013-01.jpg

▲ 原寸のグラフのリンクはこちらです。

ちょっと縮小すると見づらいですので、数字の部分を拡大します。

tornado-big1.png


グラフは、8月あたりまで上昇して、そこからグラフはあまり動きませんが、多くの竜巻は5月から8月くらいまでの間に発生するからのようです。つまり、今のこの時期の竜巻の数が、大体、その年の全体の竜巻の発生数の目安となるようです。


そして、さらには下のグラフ。

これは、2005年から1年ごとのアメリカの竜巻の発生数をあらわしたものです。

tornado-2005-2013-02.png

▲ 原寸のグラフのリンクはこちらです。

上のグラフの年間ごとの色分けと数字は以下の通りとなっています。

tornado-small2.png


確かに2013年の発生件数は最近では非常に少ないようです。
では、「威力」のほうはどうか?。





竜巻の威力も 2013年は低いレベル

実はアメリカの 2013年は、威力のある竜巻の発生回数に関しても少ない年なのでした。

これを示すグラフも NOAA にあります。

竜巻のレベルを表す単位として、アメリカでは改良藤田スケールという等級を使用しているのだそうで、大ざっぱに書けば、上から強い順番で、

EF0
EF1
EF2
EF3
EF4
EF5


となります。

先日の埼玉の竜巻は、下から2番目の EF4 程度のものだと思われます。

NOAA に「1954年からの EF1 以上の竜巻の発生回数」を示したグラフがあります。
つまり、最も強いレベルの竜巻の発生回数のグラフです。

全体だとグラフが大きいですので、1970年からといたします。それでも縮小すると非常に見づらいですが、下のグラフとなります。

ef1-2012.png

▲ 原寸のグラフのリンクはこちらです。


最強レベルである EF1 以上の竜巻が 1970年以降でもっとも少なかったのは 2002年の「 311回」で、次が 1987年の「 316回」だそう。

今年 2013年は 9月 2日までに 340回の EF1 以上の竜巻が発生しているということですので、少なくとも過去数十年で最低ということはないですが、しかし、9月を過ぎると巨大な竜巻の発生数は一気に減るということを考えますと、 2013年は、全体の数と共に、威力もそれほど強くはない年だったようです。

もちろん、5月のオクラホマでの竜巻のように大きな被害が出ている竜巻は起きてはいるわけですけれど、全体としては今年のアメリカの竜巻の発生状況は、グラフの通り「穏やかな2013年」だったということのよう。感覚としてはちょっと信じがたい感じの事実ではあります。


oklahoma_tornado.jpg

▲ 2013年5月にアメリカ中西部のムーアという町が竜巻で壊滅した後の光景。廃墟と化した自分の町の中に座る男性。


私などは、今年のアメリカは竜巻の発生した回数やその規模も「絶対に増加している」と勝手に思いこんでいたわけですけれど、実際には、ムチャクチャ減っていたという、意外といっていいのかどうかわからないですが、そういうことを NOAA の発表で知ったのでした。

どんなことでも感覚や思い込みはよくないですね。

ただ、これは、先日の記事の、

この夏すでに聞こえていた小氷河期の足音 : アメリカのこの夏は記録的な「低温」が圧倒していたことが判明
 2013年08月27日

での「寒かったアメリカの夏」ということも関係しているかもしれないですね。

実は、 NOAA の発表の中に、さらに興味深いデータがありました。

それは「南極の氷の面積」に関してのものなのですが、次回になるかどうかわからないですが、そちらもご紹介できる時にご紹介したいと思っています。

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