2013年09月10日



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世界の人々の「地球寒冷化」への興味の大きさをテレグラフの記事へのコメント数で理解した日



昨日の記事、

ついに地球が本格的な「寒冷化時代」に突入した可能性
 2013年09月09日

で、英国のデイリーメールの記事等をご紹介しました。

その後に、同じ英国のテレグラフのサイトにも下のような記事が出ていたことに気付きました。

telegraph-1.jpg

Global warming? No, actually we're cooling, claim scientists より。


この記事を見てちょっと驚いたことがあったんですね。

記事の内容自体は昨日ご紹介したデイリーメールとほぼ同じものなんですが、では、どうして驚いたのかというと、それは記事に寄せられているコメントの数なのです。普通、テレグラフなどでは、特に話題性のあるニュースでなければ、コメントはせいぜい数十から、多くて数百といった感じなのですが、9月10日現在、つまり記事掲載から2日か3日の時点でのコメント数。

comments-2353.png


あまりにも多いので、「コメント数での記事ランキング」を見てみると、見た時点では下のように第2位のコメント数でした。

comment-ranking-03.jpg

▲ 第3位の記事は見だしだけでは何の記事かわかりませんでしたので、適当になってしまいました。


この順位はリアルタイムで頻繁に変化して、たとえば、この時にコメント数1位だったシリアの記事を見てみましたら、コメント数は 2289で、総コメント数では、シリア関係の記事より寒冷化の記事のほうがコメント数が多かったのでした。

いずれにしても、「こんなに多くの人々の関心があることなのか」と、多少驚いた次第です。


ちなみに、昨日ご紹介したデイリーメールは、いわゆる大衆向けのメディアといっていいのだと思いますが、テレグラフは母体の新聞のほうが英国の新聞発行部数で1位であり、いわゆる高級紙の範疇にあるものです。もっとも、 デイリー・テレグラフ - Wikipedia によりますと、


保守党との個人的つながりを持っているジャーナリストが多く、保守党への影響力がある。また、同じく保守的な論調を張るタブロイド紙のデイリー・メールを擁護しがちだと指摘されたことがある。



という側面もあるようですので、デイリーメールと記事が重なるということは理解ではなくもないようです。ただ、上の説明ではテレグラフは「保守党への影響力がある」ということで、このあたりは微妙な感じで、「地球温暖化説というものの現在の政治的位置」というあたりも関係することなのかもしれません。


ところで、テレグラフもデイリーメールも英国のメディアということでの話としましては、今年の英国は、日本と同じく暑い夏だったのですね。




英国の2013年の夏

下の図は英国の気象局による2013年の英国全体での平均気温の平年との差です。

uk-2013.jpg


ほとんどの地域で、平年よりも高い気温の夏だったことがわかります。日本も同じような状況でしたが、それだけに「地球温暖化」という言葉が、再び登場しはじめていたということもあるようです。

まあ、確かに今年の日本のあの壮絶な暑さの中で「今は寒冷化に向かっている」と実感しろと言われても難しいものがあったと思いますし、私なんかも、太陽活動の観点からは今は「小氷河期」に向かっているというようなことを、いつも書いていながらも、

「この暑さはそんなことを考えているどころではない」

というような部分はありました。


しかし、日本も、そして英国も夏が終わりに近づき、暑さのピークも過ぎ、ふと冷静になってくる・・・という面があるようで、英国人のあるブログでは、下のようなデータを引用していました。

1660年から 2013年までの約 350年間の中央イングランドの平均気温をグラフ化したものです。

central-1660-2013.png

Britain’s Warm, But Unremarkable Summer より。


これを見る限り、 350年くらいの(地球単位では)短いサイクルの記録では、平均気温は、2度前後の幅の中で上がったり下がったりしているだけというようにも見えます。

上の図で、オレンジで囲んだところはマウンダー極小期という、数十年に及んで太陽黒点がでなかった時期ですが、こう見ると、マウンダー極小期も、確かにやや平均気温は低いとはいえ、そんなに激しいものでもないこともまたわかります(本当の氷河期にはマイナス5〜8度の幅で低下していました)。

つまり、今後ふたたび太陽黒点がまったくない、かつてのマウンダー極小期のような時代に入っても、人々がどんどんと死んでしまうというような時代になるわけではないということなのかもしれません。


もちろん、多少、過酷な時代にはなる部分はあるでしょうけれど。




数万年単位での地球の気温の変化を見て

地球の気温も数百年の単位では、そんなにダイナミックな変化が見られるということでもないようですが、これが数万年単位だと結構激しいものがあって、下のは、 1万 5000年ほど前から最近に至るまでのヨーロッパと北米の平均気温の変化です



良い時代と悪い時代(1)より。出典はフレッド・ホイル著『生命はどこから来たか』。


上の表を見る限り、極端な環境の場所を除けば、地球の気温は 6000年くらい前からは比較的安定していたということも言えそうです。


6000年前・・・といえば、何か最近書いたような気がする・・・。


ああ、思い出しました。

少し前に書きました、

アメリカの 2013年の竜巻の発生数は・・・なんと「激減」していた
 2013年09月04日

の中で旧約聖書のエズラ記というもののことを書いたりしていたのですが、そこに「旧約聖書の扱っているとされている年代」を引用しました。

・6000年前〜紀元前1800年…モーゼ五書
・紀元前1200…ヨシュア記
・紀元前1200〜1000…士師記、ルツ記、サムエル記
・紀元前922〜587…列王記
・紀元前6〜5世紀…ダニエル書、エズラ記、ネヘミヤ記


というわけで、どうやら聖書というのは、その始まりとしては、 6000年くらい前の出来事だとされていることからを扱っているもののようです。文字として書かれたのは紀元前6世紀とかのあたりらしいですけれど、口頭を含めて伝承されてきた部分としては、6000年くらい前のこととなるよう。

つまり、「聖書でのエピソードは、地球の気温が比較的安定して温暖となってきた頃から始まる」というもののようです。

長かった地球の氷河期が終わり、1万年前から6000年前くらい前、地球が暖かくなってきた頃に、神様やその使いといった人々も活動を始めたということなのかもしれません。

多分ですけれど・・・全世界の神話の多くがこの頃にスタートしたのではないでしょうか。




数十万年単位の気温変動のサイクルから見ると現在が平均気温の上限


さらに、期間の長い気温の変化のグラフがあります。

下のグラフは、米国エネルギー省の二酸化炭素情報分析センター ( CDIAC )による南極の氷床のデータから分析した「過去 42万年」の間の気温変化のグラフです。




▲ 過去記事「あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(1)」より。



パッと見にはとても激しい動きに見えますが、しかし、気温の上下幅はその上の「1万4千年前からの気温変化」の気温の幅とそれほど変わらないことがわかります。

すなわち、サイクル的にやってくる氷河期(ミニ氷河期ではなく、本当の氷河期)に向かって、平均気温が現在よりもマイナス8度前後まで低くなっていく。

そして、また気温は上がっていくのですが、結局、上のグラフを見る限り、少なくともこの 42万年の間には、現在の平均気温以上に大きく平均気温が上がった時代というのはなかったということがわかります。


数億年単位ではわからないですけれど、数十万年単位では、どうやら、今の私たちが生きている気温というのが地球の気温の基本的な上限というような感じにも思えます。


それにしても、不思議なのは、下がる時には何万年もかけて、ゆっくりと平均気温は下がってくるのに、上がる時は数千年で一気に上がるのですよね。これを地球は繰り返していたようです。


急激な気温上昇のキッカケが何だったのかは今もハッキリしていないと思いますが、「下がるほう」に関して、フレッド・ホイル博士は彗星の関与について述べていまして、『生命はどこから来たか』 のエピローグで下のように書いています。


氷河期が終わった紀元前8000年(1万年前)頃からの地球の気温の変遷を調べてみると、約1000年周期の変動があることがわかる。気温は華氏3〜6度の間で変動している。

地球だけ考えていてこのパターンを説明するのは難しいが、彗星の衝突を考えるときれいに説明できる。地球上空もしくは地球の近くでバラバラになった彗星は成層圏に塵をまき散らし、太陽光線を錯乱するようになる。その結果、太陽光線の届く量が減少し地表温度が下がる。計算によると温度を華氏 50度(摂氏で 10度)下げるために必要な塵の量は現在の1000倍も必要ではなく、これは今まで述べてきた彗星の衝突を考えれば可能である。



まあ、どんな理由であっても、 10万年単位での話となると、地球の位置・・・というか、太陽系の銀河系の中での位置そのものも大きく動きますし、太陽系が(星間などから)受けるエネルギー自体がサイクル的に変化しているということもあるのかもしれないですね。

sun_in_milkeyway.jpg



話が逸れてしまいましたが、要するに、最近の英国メディアの報道に対しての読者のコメント数を「反応」と考えると、予想している以上に多くの人々が地球寒冷化ということに興味を持っていることがわかるような気がします。

なお、テレグラフの記事は昨日の記事「ついに地球が本格的な「寒冷化時代」に突入した可能性」で取り上げたデイリーメールの内容とほぼ同じですので、そちらをお読みくだされば幸いです。

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