2013年09月11日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




太陽活動の最大期と予測されていた時期に消えていく太陽黒点



最初に今朝のスペースウェザーの記事をご紹介します。




ALMOST-BLANK SUN
Spaceweather 2013.09.11

ほとんど空白の太陽

2013年は、太陽活動が最大の年であると仮定されている。

なるほど、確かに、太陽の磁場は反転しようとしており、その点からは太陽活動の最大期に達している態勢ではあるように見える。

ところがである。
下の今日の太陽の写真を見てほしい。

この状態はどう見ても太陽活動最大期ではなく、太陽活動の「最小期」にしか見えない。何しろ、黒点がほぼまったく見えない状態なのだ。


blank_sun_2013-09.jpg


太陽の表面を慎重に見ると、活動の弱い小さな黒点群が2つあることがわかる。しかし、 NOAA の予報官は次の 24時間にMクラスかXクラスの太陽フレアが発生する確率は1%以上に満たないと推測する。

実際、今回の太陽活動最大期は、この 50年の中で最も弱いものだ。

研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。そうだとすれば、私たちは今、ふたつのピークの谷の中にいるとも考えられる。次には 2013年と 2014年の間に急速に太陽活動が増加する可能性がある。





ということなんですが、 NASA の他の写真で見ると、「ほとんど空白の太陽」というこの記事の表現がよくわかる気がします。

mdi_sunspots-09-11.jpg

NASA SOHO サイトより。



記事にあります2つの小さな黒点群は上の写真にも番号がありますが、下のふたつです。

sunspot-2013-0911.png


これはそれぞれが「群」で、この中に黒点が複数存在します。

その2つの群の中の全部の太陽黒点数が現在 23個ということなんですが、この「 23」という数がどのくらいのものかというと、たとえば、 8月 12日から 9月 11日までのこの1ヶ月間の黒点数の推移を見ますと、上の記事でこの記事を書いた人が、


> 今の状態は、どう見ても太陽活動の「最小期」にしか見えない。


と書いた理由がおわかりになるかと思います。

下の表は宇宙天気情報センター( NICT )の「黒点情報」というページからのものです。

sun-0812-0910.png

NICT 黒点情報より。


また、この「太陽活動最大期というより、最小期にしか見えない」という表現に関しては、これまでのそのふたつの時期(最大期と最小期)の太陽表面の感じの比較でもわかります。

下の写真は、 2001年 3月の太陽活動最大期の頃の太陽の黒点と、最小期に近い頃の 2005年 1月の太陽の比較です。

sunspot_max_min.jpg

Windows To Universe より。


少なくとも少し前までは、今頃の時期は上の写真の「左側」の状態になっているはずだったと予測されていました。

それどころか、現在の太陽活動の最大期の活動は「今までになく大きくなる」という予測も数年前までは主流でさえありました。

つまり、 2013年の夏頃は太陽表面は黒点だらけで、毎日のように太陽フレアが噴出し、地球の至る場所が電磁パルスで停電に至る・・・・・というような 2013年が本当に想定されていたのです。ほんの2〜3年ほど前まで。

いや、私だってその頃にはそう思っていました。

たとえば、ちょうど3年ほど前の 2010年 9月 23日の In Deep の 記事のタイトルは「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋」でした。

solarflare-2010-2013.jpg


しかし、実際には今年 2013年の夏は、太陽フレアの活動も大きなのものはほとんどありません。

そして、すでに昨年の 2012年の時点で、下の過去記事のタイトルのようなこと言われはじめていました。下の記事は余談が多いですが、昨年 11月のものです。

「太陽の休止」の現実化: 2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日








すでに4ヶ月間発生していないX級フレア


ところで、この夏、どのくらい太陽活動が静かだったかというのは、たとえば、どのくらいの規模の太陽フレアが発生していたのかということを調べてみてもわかるように思います。

太陽フレアは規模の大きさで上から「X」、「M」、「C」、「Bクラス以下」というようにわけられます。「X」が最大です。

これは NICT にその年の毎日の記録があり、そこから抜粋させていただきます。

赤い部分が「X」クラスのフレアが発生した日です。

2013-x-flare.png

NICT 太陽活動の現況より。


5月 16日にXフレアが発生して以来、約4ヶ月もの間、大きなフレアであるX級のフレアが発生していないだけではなく、黄色にも注目していただきたいのですが、Xフレアより弱いクラスの「M」クラスのフレアもほとんど発生していないことがわかります。



今年 2013年は現在までのすべてにおいて太陽活動が弱いです。

下は、今年の 9月 11日までのすべての太陽フレアの状況ですが、「赤」の部分は、すぐに数えられると思いますが、それがXフレアです。

9月 11日までの 2013年の太陽フレアの全状況

2013-all-flare.jpg



スペースウェザーの記事では「 2013年から 2014年に太陽活動が大きくなる可能性がある」というように書いていますが、それに対しては今では否定的な意見のほうが多いかと思います。

つまり、「太陽活動はこのまま増大しない状態で現在の太陽活動(サイクル 24)が終わるのでは」ということを考えるほうが確かに現状ではわかりやすいような気もします。


なお、上のスペースウェザーの記事で、


> 研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。


という言い方となっている部分がありますが、これは、多分、過去記事の、

「太陽に何か我々の予測できないことが起きている」: 太陽活動の今後についての NASA の物理学者の見解
 2013年03月03日

の翻訳でご紹介した記事に出てくる NASA ゴダード宇宙センターのディーン・ペスネルという太陽物理学者の人のことだと思います。

今となっては、この科学者の言っていることは時期としては否定されていますし、私自身もどうしてもそうは思えない部分がありますが、このような意見もあるということは思い出してもいいとも感じましたので、内容を短くして再度掲載します。




Solar Cycle Update: Twin Peaks?
NASA 2013.03.01

太陽活動サイクルについて: ふたつの峠が来る?


太陽に何か予測できないようなことが起きている。

2013年は、11年周期で訪れる太陽活動期での最大の太陽活動が予測されている。しかし、いまだに太陽活動は弱いままの状態で推移している。太陽の黒点数は2011年の数を下回っており、太陽フレアも強いものはほとんど発生していない。

この太陽の静けさは、予測官たちの予測ミスなのではないかという意見さえ出ているが、しかし、 NASA のゴダード宇宙センターの太陽物理学者ディーン・ペスネル博士には、異なる見解がある。

ペスネル博士は以下のように述べる。

「これは間違いなく太陽活動の最大期ですが、私たちの期待していたものと違うというように見えるということです」。

太陽活動は 11年周期の中で太陽活動が活発な時期と静かな時期を繰り返す。しかし、天文学者たちは「現実には太陽活動はもっと複雑だ」と言う。太陽黒点は、この何世紀にもわたってカウントされてきたが、その活動周期は、必ずしもいつでも規則的だったわけではない。過去を見ると、10年から13年の間で変動していた時期を見いだせる。つまり、太陽の活動サイクルの周期の幅は変化するのだ。

ペスネル博士は下のようにも語る。

「たとえば、1989年と 2001年頃の最期の太陽活動サイクルの極大期では、1つではなく、2つの太陽活動のピークを持っていました」。

ペスネル博士は、今同じことが起きている可能性があるという。

「2013年にもうひとつの太陽活動のピークが起き、2014年に終わると私は考えています」と、ペスネル博士は述べた。

現実には太陽に次に何が起きるかは誰にもわからない。それでも、 2013年は、その初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になるという可能性は高いと考えられる。






(訳者注) この記事は今年3月のもので、記事の最後の「2013年の初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になる」という部分に関しては、現時点で中盤を過ぎていて、その可能性は現実として否定されてしまった感じです。

いずれにしても、現時点では、急速に太陽活動が大きくなる傾向はないわけですので、太陽活動に影響を受ける地球の環境の部分でも、「太陽活動の小さいな時」と照らし合わせたほうがいいのかもしれないと最近は思っています。そして、そこを契機とする「長い太陽活動の休止の時期」に入っていくのかどうかということが、今後の数十年の地球を考える上で大事なことかもしれないです。

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