▲ 平均して毎日1個ずつのシンクホールが開き続けている死海。現在では死海周辺に 3000個のシンクホールが開き、死海の消滅は時間の問題だとされています。Daily Mail より。
少しだけまた余談で申し訳ありません
前回の記事や、その前の記事などは何だかよくわからない余談が長くなってしまったんですが、ああいうようなことを、つい書いたのは、結局、誰でも生きている目限り、幸せでありたい、とか、充実した人生でありたい、とか、そういうふうに思う場合が多いとは思うのですけれど、その「自分の幸せの価値」が他との比較だけでしか成立しないなら、一生、他との比較との追いかけっこで人生が終わってしまうと思うのですよ。
なので、他から左右されない絶対的な価値観を持てるように生きられればいいなあ・・・という程度の話で、大層な話ではないです。
ついでにいえば、「敵」とか「憎む相手」を作るというのも「自分の価値観と比べた上で人を貶める」という意味では比較の話なので、本来はあまり有益なことだとは思えないのですが、しかし、今の世の中は、誰にでも常に攻撃する対象や憎む対象がいるのが普通です。
いない場合は「探す」。
インターネット上の炎上などを見ても思いますけど、今では、みんな、敵作りに目を光らせて日々生きている。
でも、この根は深いです。
何しろ、今は幼稚園くらいから、勉強もスポーツも含めて、「人と競うこと」ばかり教えられます。「日本がいつ頃からそうなったのか」というのは、まあ・・・そのあたりは一種の陰謀論とも結びつきそうな面倒な話となりそうですので省きますけれど、いずれにしても、この「人生では敵を作りなさい」という無言の上からの命令と、それに従いながら子どもたちが成長していくという日常が、小学校とか幼稚園あたりから十数年も続く思想構造なので、変えることは難しいです。
子どもたちの目からみても、「エライと言われる人たち」の行動、たとえば、政治家の人たちの主な活動は「相手を非難することだけ」にしか見えないというのが現状じゃないでしょうか。相手を、より激しく非難したほうが勝つ世界。いわゆる「文明国」といわれる国はどこの国でも。
美しい光景だとは思えないですけど、子どもの中の一部は「他人を罵詈雑言で打倒すれば、将来、エライと言われる人になれるんだな」と、どうしても思ってしまうこともあるかもしれない。
まあしかし・・・そういう考えが根底にある上に今の文明社会が築かれていると考えると、この今の社会の思想構造は大変に強固で、「世の中が根本から変化する」には、大変な時間がかかると思います。
あるいは地球に現代の人類がいなくなるまで難しいのかもしれません。
地球の億年単位の環境のサイクルをふりかえれば、いつかはこの地球から今の人間はいなくなるかもしれないですが(それはこれから何度でもあり得ると思います)、しかし、その後またいつかは新しい人類は現れるはずで、そういう未来に夢を持ちながら、私たちは今の世の中で生きていくしかないのかもしれないですけれど。
・・・と、ここまでにしておきます。
実は昨日、気付いたら、そんなようなことをとても長く書いてしまっていたのですが、読み直しているうちに、そんな話ばかり書いていること私こそが、まるで「自己顕示欲丸出し」の馬鹿に思えてきて、そんな自分もイヤになりまして、書いた記事はアップせずに、テキストはゴミ箱に捨て、お酒を飲んで寝てしまいました。
なので昨日は結果としてお休みとなりましたが、今日は普通の話題に戻ります。
今日は英国のデイリーメールで見ました、「死海の周囲がシンクホールでボコボコになっていて、死海が消えつつある」という報道をご紹介しようかと思います。
▲ Daily Mail より。
ところで、その前に、どうしても書いておきたかったのですが、今、台湾のほうに「ものすごい台風」が接近しているのです。
中秋の名月の日にスーパー台風「ウサギ」が台湾と中国大陸に向かっている
下のは、今日( 9月 20日)の中国のメディアのものです。
▲ 中国新聞網より。
上の報道のタイトルに超台風というような文字が見えるかと思いますが、スーパー台風の意味で、しかも、この台風は昨晩までは弱い勢力だったですので、「あっという間にここまで発達した」のです。
下のは、気象庁の9月20日9時発表のデータです。
気圧が 910ヘクトパスカルとありますが、これはすごいもので、先日、日本に被害をもたらした台風 18号の最大の勢力の時で 960ヘクトパスカルとかそのくらいだったと記憶していますので、今回の台風はとんでもなく猛烈な台風だと思うのですが、台風情報を見てもおわかりでしょうけれど、皮肉にもこの大きな被害をもたらす可能性のある今回の台風19号のアジア名は日本語で、しかも、「ウサギ」。
日本では台風は 18号とか 19号とか、ロボットのように機械的な名称がつけられていますが、他の国で報道される際には、すほべてアジア名が使われます。
この説明は気象庁のサイトにあります。
台風の番号と名前 気象庁
平成12年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ,以後,発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて,その後再び「ダムレイ」に戻ります。台風の年間発生数の平年値は25.6個ですので,おおむね5年間で台風の名前が一巡することになります。
上にある「140個」の台風の中での 32番目が先日の台風 18号で「マンニィ」、そして、現在台湾に向かっている台風 19号は 33番目となり、「ウサギ」で、そのあたりは下のようになっています。国名は命名した国で、その国の言葉が台風名として使われます。
▲ 気象庁より。
昨日は、うちの子どもと奥さんが近所の和菓子屋さんで、お月見団子を買ってきたりしていて、夜に団子を手にして外で子どもと月を見たりしていました。
わたし 「むかしは月にウサギがいるっていっててさ」
子ども 「今もそうだよ」
わたし 「ああ、そう」
子ども 「ロシアではウサギじゃなくてカニ・・・いや、トカゲなんだって」
わたし 「ああ、そう」
というような話をしていたのですが、まさか、日本ではウサギを象徴するお月様の日に発生したウサギ台風が、こんな大きなスーパー台風になるとは・・・。
もちろん、台風は勢力が大きいからといって、必ず大きな被害が出るというものではないですので、今から大きな被害を想定するのはおかしいですが、最近の台風やハリケーン、あるいは単なる大雨にしても、少し前と比べても、さらにものすごくなっているのです。
先日の、
・世界でさらに拡大し続ける黙示録的な洪水
2013年09月15日
という記事で、アメリカのコロラド州の洪水のことについて書いたのですが、あの時の雨の量! これが最近わかったのですが、数値よりも、下のグラフがわかりやすいと思います。
被害の大きかったコロラド州ボルダーでの 9月10日から9月12日までの雨の量です。
その凄さがわかります。
上のグラフは、 9月10日までは平年並みに推移していた年間の雨量が、9月10日から12日までの「たった3日間の雨」で、今までもっとも雨の多かった年の同時期までの年間雨量を越えてしまったということです。
それと、「2つのハリケーンが同時に上陸した」メキシコでも非常に大きな被害が出ていて、被災者は100万人以上となっています。
・異なる2つのハリケーンに同時に襲われたメキシ南部が洪水で壊滅状態に
2013年09月19日
そのような報道の数々を見ている中でも今回の台風ウサギは、勢力だけなら今年発生した中で最も勢力の強い、文字通りのスーパー台風であるわけですけれど、上に書きましたように、勢力が強いからといって、必ずしも大きな被害が出るわけではないです。とはいえ、被害が少ないともまた思えないわけで。
人間の価値観の変化のキッカケには自然現象などによる「外部環境からの変化」というのが確かにありますが、それが今や力づくのような状態になっている感じもします。
というわけで、長くなりましたが、ここから本題の「死海のシンクホール」についてです。
「死海が枯渇しない限り時間はある」
死海は下の「A」の位置にあります。
イスラエルとヨルダンが東西にあり、周辺もシリアなど話題の多い場所ですが、このあたりは聖書とのゆかりの強い土地であるようです。
昨年、
・「死海の枯渇」についての報道が西欧と中東で相次ぐ理由
2012年04月13日
という記事を書いたことがあることを思い出しましたが、その記事を見ると、死海はこの数十年、一貫してその水深が浅くなっていて、つまり、枯渇し続けているようです。そして、ここに来て、どうやらそれが加速しているようなのです。
▲ 1972年から2011年までの衛星から撮影した死海の写真。黒い部分は深い部分で、青い部分は水深の浅い部分を示しています。青い色がどんどん増えているのは、水深が浅くなっていきていることを示しています。
ところで、上の過去記事には「 12万年前には死海の水はなかった」ということが判明したことが書かれています。
つまり、その 12万年くらい前から死海が出現し始めたと。
12万年くらい前というのは、大ざっぱにいえば、ミトコンドリア・イブなどと呼ばれている「現生人類の最も近い共通の祖先」の女性が地球上に現れた頃でもあり(正確には 16万年前プラスマイナス 4万年とされています)、むりやりこじつければ、「死海の水が出現し始めた頃に、地上に現世人類が現れた」というような時間軸ともなっていて、そこからさらに「超こじつけ」て言いますと、
・死海の水が消える時、また現世人類は消えていく
という未来の時間軸をふと思ったりした次第でした。まあ、そんなことはないでしょうけれど、いずれにしても、今、死海が消えつつあることは事実のようです。
今回はデイリーメールの記事をご紹介しますが、もともとは「モーメント・マガジン( Moment )」というアメリカの雑誌の記事にあったものようです。
▲ Moment より。
モーメント・マガジンというのが何だか知らなかったので調べてみますと、英語版の Wikipedia にありまして、アメリカ在住のユダヤ人のための雑誌だそう。
死海の枯渇はユダヤ人の人たちにとって、とても気になる現象のようです。
それでは、ここから記事です。
Will the Dead Sea be eaten by sinkholes? Huge chasms are appearing in the region at a rate of one per day
eaten-sinkholes-Huge-chasms-appearing-region-rate-day.html
Daily Mail (英国) 2013.09.18
死海はシンクホールに食べられてしまうのだろうか。巨大な裂け目が毎日1個の割合で死海周辺に出現し続けている
死海はシンクホールが原因となり、1年間に1メートルの速度で干上がり続けている。イスラエル側の死海周辺には 3000個以上のシンクホールが存在する。 1990年代には 40個だけだった。
死海が信じられないほどの速度で干上がっている。
そして、そこには巨大な割れ目が残される。
これらの割れ目は、大規模で壊滅的なシンクホールの中に出現し、これは死海全域で増えている。専門家によると、シンクホールは現在、1日に1個の割合で出現しているが、しかし、いつどのように出現するのかは予測しようがないという。
モーメント・マガジンの推計では、イスラエル側の死海の周辺には 3000個のシンクホールがあることが示された。シンクホールが最初に出現したのは 1980年代だったが、その後の 1990年代でも 40個のシンクホールが確認されただけだった。
シンクホールの増加は、年間1メートルのペースで死海が干上がっていることと直接関係している。
シンクホールは、土地の下が下降して穴が開くときに、基本的には丸い形状で土地が陥没する現象だ。死海の土地の下降は淡水と塩分の地価での反応の結果として表れる。過去数十年にわたり、増加する人々が死海に水を引き入れ続けた。これは塩を溶解し、地下により多くの空洞を作る原因となった。
死海の枯渇を防ぐ一つの解決策としては、紅海と死海のいずれかを結ぶ運河を作ることだ。しかし、環境保護論者は、これを行うと、死海の終わりをもたらすかもしれないと警告する。
専門家たちは、今よりもさらに死海の窮状を強調して訴え、そこから最善の解決策を探ることがが必要だと主張している。
ここまでです。
なんだか結局いろいろと長くなってしまいました。
なんかいろいろと「眠っている時に考えている」ことが最近また多いんですけれど(夢でなくて、普通に考えているけれど熟睡しているという意味です)、やはり、満月が関係あるのかなあ。