2013年10月07日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




アメリカの空で悪魔が笑っている



アメリカの各地で荒れ狂う別タイプの悪天候。中部では暴風雪とトルネード、南東部では熱帯低気圧により非常事態宣言

そのアメリカでは政府機関の閉鎖により「1億人」に配給されているフードスタンプの配給がじきに停止する可能性




前回の記事、

10月にして世界各地からの記録破りの寒波の報告
 2013年10月05日

の中で、アメリカが 10月に入ったばかりだというのに、暴風雪の天気予報が出ているということにふれたのですが、今朝( 10月 7日)、テレビの BS の海外ニュースを回してみましたら、アメリカのテレビ報道が出ており、そこでは多くが気象のニュースに割かれていました。

その雪の降り方も半端ではなく、下の写真などでもおわかりのように「大雪」で、10月だという時期的な問題ではなく、当地の観測史上の中でも記録的な大雪となっている場所もあるようです。

acc-snow-2013-10-05.jpg

▲ サウスダコタ州リード市。10月5日。AccuWeatherより。


その BS での米国テレビニュースでは、報道画面の上にずっと「 October Surprise 」(10月のサプライズ)と出続けていたのが印象的でした。

その降雪量なんですが、前回の記事でも書きました、米国の政府機関の中で閉鎖していない数少ない機関のひとつ「アメリカ国立気象局」が、昨日までのワイオミング州のキャスパーという都市の降雪量をウェブサイトに載せています。



Casper Snow Record October 4 2013
アメリカ国立気象局

ワイオミング州キャスパーの 2013年 10月 4日の雪の記録

キャスパー空港での計測

・降雪量 41センチ。これは 1937年に観測が開始されて以来、10番目の降雪記録

・10月 4日の一日での降雪量 31.5センチは一日での降雪量の最高記録

・10月 4日は最高気温が氷点下 0.6℃にまでしか上がらず、 1969年の低温記録を更新

・非常に多くの高速道路が閉鎖

・広範囲にわたり雪により木が倒れ、停電が発生している

・10月 4日の時点ですでに10月としては観測史上4番目の降雨(降雪)量





ということで、早いというだけではなく、時期は関係なく「記録やぶり」という表現ができる大雪のようです。





Wacky な時代

ところで、 USA トゥディの昨日の天気情報の見出しに下のようなものがありました。

wacky-weather-2013.jpg

USA Today より。


「 Wacky Weather 」とあるのですが、これを見て懐かしく思ったのは、ここの「 Wacky 」がついたアニメが、私が生まれて初めて見たアメリカのテレビアニメだったのです。小学生の低学年くらいだったと思います。

それは「チキチキマシン猛レース」という 1960年代のアニメで、この英語の原題が「 Wacky Races 」だということを後で知りました。

wacky-races.jpg


もっとも、当時、私の家にはまだテレビがなく、近所でカラーテレビのある子どもの家に集まって見ていたものでした。

そして、今のアメリカは天候にしろ、その他の問題にしても、もしかすると、アメリカ建国史上でも希に見る、「 Wacky 」な状態なのではないかとも思います。


大雪だけではなく、ネブラスカ州などでは、トルネードでいくつかの地域が壊滅的な被害を受けています。ネブラスカ州は大雪が降っている地域のすぐ隣で、雪と竜巻が同じ時に起きるということ自体がすでに「きわめて奇妙」なことなのだそうです。

us-st-01.jpg

CNN より。


なお、雪と竜巻や嵐が吹き荒れる地域がある一方で、メキシコ湾の周辺には「熱帯暴風雨」が接近していて、広い範囲で被害を及ぼす恐れがあるとして、非常事態宣言が出されています。

karen.jpg

As Tropical Storm Karen Approaches, Gulf States Declare State of Emergency より。



低温と高温とか、あるいは、大雪と熱帯暴風、というような対極にある状態の気候の猛威が、同じ国の中で無秩序といってもいい感じで出現しているわけですけれど、それに加えて、そのうち現在の「政府機関の閉鎖」ということが被害に遭う人々の中で大きな影響となっていきそうな気もします。

軍や警察や治安機関などは機能しているとはいえ、役所的な手続きや、あるいは、国立の医療関係なども閉鎖しているところが多いようですので、ちょうど悪い時期に荒れ狂った天候がアメリカのあちこちで起きているということが言えそうです。


そういえば、アメリカの政府機関の閉鎖のニュースを聞いた時に、私が最初に思い浮かべたのは、「フードスタンプはどうなるんだろう?」ということでした。





アメリカ政府から食糧を与えられている「1億人の米国民」の明日


フードスタンプは文字通りアメリカの食料支援プログラムのことですが、2012年には 4600万人のアメリカ人がこのフードスタンプを受け取っているということが報じられていました。つまり、米国民の6人にひとりほどは「アメリカ政府から食糧券をもらって生きている」という計算となります。券といっても、実際にはカードなどですが、それで生きている。

最近の報道には、アメリカ農務省のデータで 2013年に「フードスタンプの受給者が1億人を越えた」というものもあります。

cns-2013-07-08.jpg

CNS ニュース より。


上の記事の内容の概略は、


アメリカ農務省の報告によると、連邦政府からの補助食糧援助(フードスタンプ)を受けたアメリカ人の数は米国の人口の約三分の一にあたる 1億 100万人に上昇している。農務省は昨年1年間で食糧援助に 1140億ドル(約 11兆円)の財政支出をおこなっている。

連邦政府からの補助食糧援助で生活している米国人の数は、民間企業で働いている労働者人口を上回っている。労働統計局の発表によると、2012年の時点でのフルタイム労働者人口は 9,718万人だった。



というものです。

これが本当かどうかを確かめるには、アメリカ農務省のサイトを見ればいいのですが、農務省のウェブサイトも政府機関閉鎖に伴いシャットダウンしていて確かめられないですが、これが本当だとすると、フードスタンプで食べ物を得ている人たちの数は膨大なものとなります。

そして、政府閉鎖によってのその人たちの行く末というものが確かに案じられます。


それでも、政府機関の停止中でも「米国民の生命・財産に関係するもの」は維持されるとありますので、このフードスタンプもそれに該当するものであるとは思いますが・・・。

10月 4日の米国ロサンゼルスタイムスでは、「アメリカ政府機関閉鎖に関するQ&A」という特集を組んでいるのですが、その中に下のような項目がありました。


問い:フードスタンプや学校給食のような栄養プログラムは政府機関閉鎖の影響を受けるでしょうか?

答え: 補足栄養支援プログラムとして知られるフードスタンプは継続されます。また、学校給食など子どもの栄養プログラムに関しては、少なくとも 10月中に関しては資金が供給されています。



と書かれてあります。

しかし、その一方で、実際に市民たちにフードスタンプを支給する業務をおこなっている州政府などでの反応は違うようです。

たとえば、下の記事は、上のロサンゼルス・タイムズと同じ日のミシガン州のローカルニュースです。


Food Stamp Benefits To Be Cut if Government Shutdown Drags On
WILX10 (米国)2013.10.04

連邦政府の閉鎖が長引けば、ミシガン州はフードスタンプ配給を打ち切る

連邦政府議会が予算に対しての合意に達せず、政府の事業に資金を供給することができない場合は、フードスタンプを受け取っている世帯はその利益を失う可能性がある。

ミシガン州予算局は、もし、米国議会の膠着状態がさらに2〜3週間続いた場合は、フードスタンプカード保持者のカードに金額は追加されないだろうという。

ミシガン州は、栄養補助プログラムの実施を連邦政府の補助金に依存しており、連邦政府の助けを借りずに行うことはできないのだ。



とあり、州によるのでしょうけれど、連邦政府の補助金によって食糧援助をおこなっている場合は、連邦政府機関閉鎖が長引いた場合、「フードスタンプの受給が止まる」ということになるようです。


そして、フードスタンプを受け取っている数は「1億人」・・・。


さすがにあと2週間も3週間も議会の膠着が続くことはないと思いますけれど(そんなに続いた場合、アメリカがデフォルトしちゃうので)。


しかし、それにしても、気付けばアメリカという国は、


・国家の3分の1が正規の労働者

・国家の3分の1が政府から食糧を援助されている


という国でもあるという事実を知ります。

ところで、最近のアメリカの問題を見ていて、5年前のウェブボットに書かれてあった文章を思い出しました。





ウェブボットがかつて描いたアメリカの近い未来


これは、2008年の終わりから2009年を予測した、つまり「外れた過去の予測」なのですけれど、それでも、今読むと印象深いものがあります。

今回は締めとしてその時のウェブボットをご紹介いたします。
文中の年代はすでに意味がないですので、それを外して抜粋させていただきます。




非対称型言語分析報告書 709 パート6
ウェブボット 2008年10月18日配信


・ 「ドルの死」によって引き起こされる「経済のメルトダウン」は、世界 190 カ国に駐留している「アメリカ帝国の軍隊」と「兵士」、そして「人員」に思ってもみない影響を与えることになる。

・ こうしたことが起こるのは、「アメリカ軍全体」の「予算の欠乏」から「兵士」を含む「すべてのもの」 が「輸送不可能になる」という「予期しない結果」が発生するからだ。

・ この時期にはおもしろい現象が相次ぐ。北東部では厳しい冬とエネルギーの遮断のため外からの援助を必要とする状況になる。

・ 「配給」にかかわる「配給券」というキーワードが強くなってくる。 「配給」の対象となるのは、「食料」「電気」「エネルギー」「燃料」などだが、その他にも「食用油」「小麦/イースト菌」「塩」などが「突然に発生した不足」のために「配給制」になる。

・こうした処置は「連邦政府」の「崩壊/機能停止」の結果として発生する。さまざまな機能障害が「連邦政府」の「行政」と「軍」に発生するようになる。だがこの「崩壊/機能停止」は、一回きりの事件ではなくプロセスである。

・ 「官僚の大きな過ち」によって引き起こされた「金融崩壊の悪化」は、 「ハイパーインフレーション」を「合衆国」にもたらす。 「ハイパーインフレーション」は「コントロール不能」となり、「螺旋を描いたような死の上昇」を始める。

・ 「ハイパーインフレーション」は「アメリカの債務不履行宣言(デフォルト)/ドルの死」が宣言される「一週間前」ないしは「8日前」に起こる。





(編者注) ここまでですが、「ハイパーインフレーション」などという言葉は最近忘れていましたけれど、仮にアメリカがそのようなこと(デフォルトや、デフォルトではなくとも混乱の継続)が続けば、ドルだけではなく、他の通過にも異変は起きうるのかもしれません。

たとえば、いわゆるお金などをが刷り邦題に刷っているのは日本も同じですので、ハイパーインフレーションのようなことだって、可能性はゼロとは言えないというあたりに、現在の世界のスゴさがあるように実感します。

先日の「ある日の朝、私はミスター・ラスティ氏になっていた」という記事でふれたような、安部公房さんなどの世界のような、

朝起きたら世界が変わっていた

という不条理な世界を私たちは見ることになるのかもしれません。

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