2013年10月11日



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現在の太陽は過去190年間で「最も弱い太陽活動」であることが明らかになっても世界各地では最高気温記録の更新が続いている現況の中で



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▲ 10月10日の英国エクスプレスより。イギリスも暑かったり急に寒くなったり、台風なみの桁外れの強風に見舞われたり、何だか無茶苦茶な天候のようです。



コタツとクーラーが同居した暑くて寒い 10月


今から1週間ほど前に書いた記事で、うちの奥さんが「コタツを準備していた」ということを書いたのですが、その後、この数日は関東でも気温はグングンと上がっています。

昨日などは、「コタツに座りながら扇風機を回し続ける」という、ややアヴァンギャルドな食事風景となった私の家ですが、今日あたりは扇風機どころか、クーラーさえつけたくなるほどの気温になっています。

今日(10月11日)の全国の気温の状況を見ると下のようになっています。

20131011-japan-kion.jpg

ウェザーマップより。


オレンジ色の地点が 25度以上で、赤いところは 30度を越えているということになります。「 10月としての観測史上 1位を記録」という場所もいくつかあります。


さて・・・。


そして、冒頭に書きました「1週間ほど前に書いた記事」のタイトルは、

10月にして世界各地からの記録破りの寒波の報告:米国では季節外れの暴風雪、チリでは非常事態宣言、ルーマニアでは100年ぶりの寒波
 2013年10月05日

という「並外れた寒さ」に関してのものでした。

しかし、一方で日本などは上のように「並外れた暑さ」というのが現状。

それどころか、一昨日は下のような報道さえありました。


新潟糸魚川で35.1度の猛暑日に 10月最高気温を更新
毎日新聞 2013.10.09

台風24号から変わった温帯低気圧に向かって南からの暖かい空気が流れ込んだ影響で、北陸を中心に真夏並みの高温が相次いだ。

新潟県糸魚川市では午後1時53分に、猛暑日となる気温35.1度を記録した。
10月としては国内の観測史上最高記録という。



私の住む関東などもこの2〜3日は、実際、日中は暑いわけで、こうなってくると、先日書きましたアメリカの大雪やら、ルーマニアの観測史上「最低」の気温記録とか、そういうのは「ホンマかいな」という気にもなるのですが、改めて最近のニュースを見ますと、アメリカのサウスダコタ州は、その時の大雪と寒波の影響による「悲惨な状況」が広がっていて、それが現実だったことを認識します。

何が悲惨かというと、現地では雪で死亡した数万頭の牛の死体が散らばったままになっているのです。






雪と政府閉鎖が生みだした米国サウスダコタの「悲惨」


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Extinction Protocol より。


上の記事は、エクスティンクション・プロトコルという米国のブログからのものですが、元記事は米国 CNN で、上にも少し写っていますが、本文は次のように始まります。

cnn-2013-1010.png


CNN の映像では、牧草地に延々と転がっている牛たちの死体が映し出されていまして、上の「終末的な」という形容もそれほど大げさでもない感じです。

cnn-3.jpg

CNN のニュース映像より。


この牛たちの大量死の原因は、もちろん主な原因は大雪なのですが、記事によれば、アメリカ政府機関の閉鎖によって、サウスダコタ州に農場を援助する予算が存在していないということも大きな原因のようです。

連邦政府は農業に関する法案を決議しないまま閉鎖してしまったので、すべてが宙に浮いたままの状態らしく、この死んでしまった牛たちの処分についても、農家が自分たちのできる範囲で穴を掘って燃やすということを繰り返し行うしかないようです。


ちなみに、上の記事では2万頭とありますが、この数値は大まかだと思われます。

地元メディアの記事では「 70,000頭の牛が死亡」というものも多くあり、あまりにも多い数の動物が死亡したため、正確な数の把握はまだおこなわれていないのかもしれません。

何しろ、その統計を行うのが政府機関である農務省のはずで、それが閉鎖している限りは、正確な数はわからないのかもしれません。



それにしても、「今、全世界の気候の状態はどうなっているのだろう」と思い、気象庁が世界の異常気象について毎週発表している「全球異常気象監視速報」を見てみました。






高温が低温を圧倒していた 2013年10月の第一週


下が10月2日〜10月8日までの、気象庁が記録した異常気象です。

anormaly-2013-10-08.png

気象庁 全球異常気象監視速報より。

赤い地域が平年より異常に高温だった地域ですが、パッと見ただけでも、高温の異常の地域が多かったことがわかります。日本などは北海道から沖縄あたりまですべて赤で覆われ、また韓国も高温で覆われています。

上の地図にある「高温」のそれぞれは下のようになっています。



2013年10月2日から10月8日まで平年より顕著に高温だった地域

(1) 日本〜朝鮮半島南部

・大阪府の大阪では、7日の日平均気温が26.7℃(平年値:20.7℃)、6日の日最高気温が32.7℃(平年値:25.1℃)となった。
・韓国のプサン(釜山)では、7日の日平均気温が25℃(平年値:約19℃)に達し、日最高気温は29℃に達した。


(4) 中国中部〜中央アジア南部

・中国シンチアン(新疆)ウイグル自治区のイーニン(伊寧)では、7日の日平均気温が18℃(平年値:約12℃)に達し、6日〜7日の日最高気温は29℃に達した。
・ウズベキスタンのサマルカンドでは、4日と6日の日平均気温が24℃(平年値:約17℃)に達し、5日〜6日の日最高気温は34℃に達した。


(8) 英国北部〜アイルランド

・英国北部のキンロスでは、7日の日平均気温が17℃(平年値:約10℃)に達し、3日と6日〜7日の日最高気温は19℃に達した。
・アイルランドのダブリンでは、7日の日平均気温が17℃(平年値:約11℃)に達し、5日〜7日に日最高気温は19℃に達した。


(9) アルジェリア北西部及びその周辺

・アルジェリアのメシェリアでは、4日の日平均気温が28℃(平年値:約19℃)に達し、5日の日最高気温は35℃に達した。




今回のページの一番上に貼りました記事の写真「英国が北極並みの気温に」という報道は、つまり、上の(8)にあるように、イギリスも日本と同様に、 10月の第1週は暖かい日が続いていたようで、それが突然、「氷点下の気温の状態にたたき込まれる予測」ということで、あのような見出しとなったものだと思います。


全球異常気象監視速報でこの1週間で「異常な低温」が記録されたのは下の地域だけのようです。

(7) ロシア西部・ヨーロッパ東部〜中東北西部

・ルーマニアのブカレストでは、4日の日平均気温が4℃(平年値:約13℃)を下回り、5日の日最低気温は-3℃を下回った。
・トルコ西部のブルサでは、4日の日平均気温が8℃(平年値:約18℃)を下回り、8日の日最低気温は3℃を下回った。


とのことで、先日の記事でご紹介しました最低気温を更新したルーマニアなどは確かに大変に寒かったようです。


それにしても、上のほうに記しました米国サウスダコタ州のあたりには異常気象としての記録はないということになっていまして、気温も降雪量も「通常だった」ということなんでしょうかね。

しかし、数万頭の牛たちが死んでいる。






現在の太陽活動は過去 190年の中で最も弱い・・・らしい


タイトルにも「現在の太陽は過去190年間で最も弱い太陽活動」と入れたのですが、上の見だしでは「・・・らしい」とあやふやな表現となっている理由は、その論文というか、記事がよく理解できないのです。

最近、このように「どうも理解できない」という記事によく当たりますが、これは何だかもう本格的な老化が始まっているのかもしれませんが、その記事のオリジナルはドイツ語の記事で、

Die (müde) Sonne im September 2013 und spektrale Fortschritte
(疲れているような2013年9月の太陽活動とスペクトルの進捗)
 Die kalte Sonne 2013.10.04

というものです。

そこには、数々のグラフや表があり、下のようなものもあります。

sun-190.png

▲ 青が平均値、赤が現在(サイクル24)を示しているそう。


これを見てみても「」という以上には理解できないのですが、しかし、現在、英語圏の数々のサイトでこのドイツ語の記事が英訳されて多く紹介されていて、そこで、「現在の太陽活動は過去190年間で最も弱い」という表現がされているという次第なのです。

ian.jpg

Ice Age Now より。

上に書かれてあるのは、


最近の温度低下は太陽活動に起因すると専門家たちは言う。

約 190年前にダルトン極小期が終わって以来、最近の7年間ほど太陽活動が活発ではなかったことはない。

太陽活動サイクル 24は現在も異常に弱い活動のままだ。



という感じのことが書かれてあるのですが、実際のドイツ語の論文からは、私自身は上のような結論を導くことができませんでした。なので、理解できる方に読まれて、あるいはご紹介していただれば幸いに思っています。

ちなみに、上に出てくる「ダルトン極小期」とは、 1790年から 1830年まで続いた、太陽活動が低かった期間のことだそうです。

この時期は、地球の気温が平均より低かったことがわかっていて、そして、この期間の気温の変動は約1度だったとか。

平均気温のことなのでしょうけれど、まあ、「たった1度だけか」と考えるべきなのか、「何と1度も下がったのか」と驚くべきなのかはよくわかりません。


何しろ、もう最近は実際の気温の上下幅があまりにも大きくて、何となく「たった1度か」というようにも思ってしまうのです。





突入すると、数十年間続く太陽活動極小期

しかし、現在の太陽活動が弱いままなのは確かで、この状態が続いていった場合、「たった1度くらい」とはいえ、過去に何度かあった「太陽活動の極小期」と同じような時代に突入していく可能性はあると思います。

その期間は過去においては、40年間(ダルトン極小期)とか、70年間(マウンダー極小期)とか、あるいは 100年間前後(シュペーラー極小期)のように、大体数十年単位で続くようです。

地球的に見れば、たった数十年という話ですけれど、人間にとっては、「数十年」というと人生の大半ですので、人生全体への影響を与えるくらいの期間になるのかもしれません。

まあしかし、現実には未来のことも、あるいはほんの少し先のこともどうなるかわからないですけれど、少なくとも今日と明日は私の家では、コタツと扇風機を同時に見ながら過ごす状況が続くことにはなりそうです。