2013年11月06日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




海水面は上昇しない : 今世紀末までの大規模な海面上昇の「証拠はない」という観測結果がエルサレムの大学から発表される



flood-new-york.jpg

▲ 海面上昇によって起きるこういう光景のイマジネーションというのは、過去から現在までずっと存在していますが、実は「訪れない光景」なのかもしれません。写真は、in Serbia というセルビアのメディアの「悪魔は地球上にすでに存在する」という記事より。




気候変動に関する政府間パネルが語った世界の未来と、そして「現実の現在」

先日、イスラエルのヘブライ大学というところの研究チームの調査で、「これまで言われていた海面上昇の速度は誇張されていた」ということが判明したことが発表されました。

そして、彼らの調査では、21世紀の終わりまでの海面の上昇の度合いは「1ミリから最大 10センチ」という結論となったというものです。それも、上昇する海域は全体の3分の1と限られていて、他の約 60パーセントは「今と同じ」という結果となったとのこと。


この海面上昇という概念については、2008年頃からの私個人としても、やや怖れ続けてきた「未来の地球の変化」のひとつであり、その2008年頃からのウェブボットなどの未来予測プロジェクトにも数多くの海面上昇に関しての記述がありました。

そんなこともあり、 In Deep の過去記事でも、海面上昇を取り扱った記事はいくつかあります。

代表的な過記事としては、

「現代の社会で海水面が 20メートル上昇したら」: 過去の南極の氷床は繰り返し溶解し、海水面の上昇を起こしていたことが判明
 2013年07月25日

海面上昇: 太平洋上のキリバスで「国民全員をフィジーに移住させる計画」が議会に提出される
 2012年03月10日

などがありますが、この海面上昇について、公的に大きく語ったのは、いわゆる地球温暖化の提唱者の中心機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」でもあります。

下は、2013年8月22日の毎日新聞の記事です。


IPCC:温暖化で海面最大81センチ上昇 報告書最新案
毎日新聞 2013.08.22

今世紀末の地球の平均海面水位は、最近20年間と比べて最大81センチ上がり、平均気温は最大4.8度上昇すると予測した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書案が明らかになった。報告書の改定は6年ぶり。



上の報告書の内容はすぐにリークされ、過去記事の

「この 15年間、地球の気温は上昇していなかった」ことが判明
 2013年09月21日

で、ご紹介した下のような英国の報道となっていくわけです。

“climate


これは、実は気温は地球全体として見れば、この15年間上昇していなかったし、今後に関しては寒冷化の可能性が強いというようなことが書かれてある記事です。


そして、それに続き、今度は海面が大幅に上昇するという予測も「怪しい」ということになってきています。


上の毎日新聞の記事では、IPCCは「今世紀末の地球の海面水位は81センチも上昇する」とあり、また、2007年には米国のアル・ゴア氏が、「今世紀末には地球の海面は7メートル上昇する」と言ったりしていますが、イスラエルのヘブライ大学の研究では「最大で 10センチ以下」という予測が出たというものです。


というより、このヘブライ大学の調査は「海水面レベルは基本的には変化しない」という感じのものとなっていると言っていいものだと思います。


IPCCとヘブライ大学のどちらが正しい未来予測なのか(あるいはどちらも間違っているのか)は、現状、私にはわかりませんが、今回はそのイスラエルのヘブライ大学の研究論文を紹介していた記事を翻訳します。

それにしても、今回の学術論文を発表したのが「イスラエルの大学」ということもあり、何だか宗教的なものも感じてしまいまして調べてみますと、 Wikipedia によりますと、ヘブライ大学というのは下のような教育機関で、宗教的な色彩はなく、また学問的に非常に優秀な大学であるようです。


ヘブライ大学


エルサレム・ヘブライ大学は、エルサレムに本部を置くイスラエルの国立大学である。1925年に設置された。

学風は宗教的でも正統派的(正統派とはユダヤ教の一派)でもない。また、ヘブライ大学は国際的にみても非常に優秀な大学であるとみなされており、例えば世界大学ランキング・センターによると、2012年にはヘブライ大学は世界で 22位にランク付けされている。



とのこと。

ちなみに、2012年の世界大学ランキングでは、日本の東京大学は 32位です。




セルビアの予言者が語った世界の未来

ところで、冒頭に米国の自由の女神像が海に流されているイラストを載せていますが、これはセルビアのイン・セルビアというメディアの記事で、「セルビアの予言者」に関しての記事なのでした。

セルビアの予言者といえば、19世紀の予言者ミタール・タラビッチが有名かもしれません。

“images”

▲ ミタール・タラビッチ( 1829 - 1899年)。


ミタール・タラビッチが「第三次世界大戦の勃発から世界の最終平和」までを語った予言の全文は、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

という記事の最後のほうにあります。


しかし、このイン・セルビアで取り上げられていた「セルビアで最も有名な預言者のひとりである」という冠がついた人物はタラビッチではない人でした。セルビアには名だたる予言者がたくさんいるのか、あるいはセルビア人が予言が大好きな国民性なのかわからないですが、その予言者は「グランパ・ミロイェ」という20世紀の人だそうで、記事に書かれてある予言の内容は「21世紀の世界を見たもの」だそう。

ちなみに、グランパというのは「おじいさん」という意味ですので、「ミロイェじいさん」というような親しみをこめた感じなんでしょうか。そのミロイェじいさんによれば、「審判の日には、神が地上に悪魔を解き放つ」のだそう。

また、ミロイェさんは地球上に開くオゾン層について「45」という数字を述べていたらしいんですが、それからしばらく後に、 NASA がオゾン層が北緯45度にまでに開いたと発表したりしたことがあったそう。

そのミロイェじいさんが予測した未来の地球をイン・セルビアの記事から少し抜粋します。



The Devil Is Already On Earth – Grandpa Miloje
in Serbia 2013.09.29

悪魔は地球上にすでに存在する

ミロイェは、たくさんの人がすでに起こきている気候変動のために死ぬと述べた。気候変動で死亡する人々が最も多いのはアメリカだと予測し、フランス、イタリア、イギリスなども大きな影響を受けると言った。

そして、ミロイェは、

「ロシアと中国では大地が揺れるだろう」

「大きな病が地球を支配し、数多くの命を奪うだろう」

「数多くの石が空から落ちて、多くの命を奪い、多くの都市が破壊されるだろう」

と語っている。





と言っていたそうです。


前置きが長くなりましたが、イスラエルのヘブライ大学の論文をご紹介します。

ヘブライ大学の論文そのものは PDF で読める状態になっていて、原文は、

TIDE GAUGE LOCATION AND THE MEASUREMENT OF GLOBAL SEA LEVEL RISE

にあります。

これは大変に長いもので、また、学術論文なので科学記号などが私にはわからなく、探してみると、ドイツ人のブログでそれを短くまとめてくれていた記事がありましたので、それをご紹介します。

なお、記事の冒頭に出てくる「最近のナショナルジオグラフィック誌の記事」は、2013年9月号の「加速する海面上昇 - 海面上昇がもたらす、地球の危うい未来」という特集のことだと思います。


それでは、ここから記事です。





Wissenschaftler entwarnen beim globalen Meeresspiegelanstieg
Donner und Doria (ドイツ) 2013.11.02


検潮の位置と世界全体の海面の測定

科学者たちは、世界的な海面上昇について「完全にない」とする示唆を提示する


海面上昇の真実は一体どのようなものなのだろう。最近、ナショナルジオグラフィック誌では、ヨーロッパの半分は水没してしまうというようなシナリオを記事にしている。そして、海面上昇の速度が上がっていると指摘する。

しかし、その記事で取り上げられている海面に関するデータは、特定の場所での干潮と満潮での測定を含んでいるもので、あまり好ましいものとは思えない部分がある。

海水面は干潮や満潮、あるいは天候によって数センチどころか、数メートル単位で変動する。そのため、地球的な範囲での海面の変動を記録するには、衛星からの観測を含めた数百の海岸での観測ステーションから測定が必要となる。

そのような中、海岸上の複数の観測ステーションで顕微鏡観察的な視点から非常に詳細な計測をおこない、そこから計算をしたイスラエルにあるエルサレム・ヘブライ大学がおこなった科学的研究によると、現在言われている地球の海面上昇の規模と速度は「誇張されている」という結論に達した。

米国のアル・ゴア氏は 2007年に「地球の海水面は今世紀末に最大で7メートル上昇する」と語ったことがあるが、ヘブライ大学の詳細な研究では「最大でも今世紀末に今より10センチの上昇」という予測となった。

しかも、海面が上昇するのは全体の3分の1の海域だけで、61パーセントは現在と同じであり、全体の4パーセントについては「海水面が降下する」という予測となった。

海面上昇が確認されているのは、アメリカの東海岸、南部バルト海、そして、「リング・オブ・ファイヤー」と呼ばれる環太平洋の諸国とロシアの北極圏だ。

対して、アフリカおよび南アメリカ、カナダ沿岸の北太平洋、北部北大西洋、インド洋の海面上昇はまったく見られない。

現在、水没のリスクが取りざたされる太平洋の諸島でも、海面上昇が加速している証拠は見つけられなかったとイスラエルの科学者は述べる。

むしろ、それらの島のリスクは急速な人口の増加と、天然からの搾取と関係がある。

また、海面の変動には 60年周期などの「周期性の上下」があることにも留意してほしい。これは、米国のデューク大学のニコラ・スカフェッタ( Nicola Scafetta )教授の研究で明らかになったものだ。スカフェッタ教授の記した「海面上昇率は自然での固有振動によって制御される」(原文はこちら)というタイトルの論文では、海流と太陽活動による海面の上下のサイクルについてが書かれてある。

post-glacial_sea_level.gif

▲ スカフェッタ教授の論文より後氷期の海面上昇。後氷期とは約1万年前から現代までの時代。


これらの論文は、近年の議論では、地球の気候に対しての CO2 の強い作用が「誇張されていた」ことが示されている研究としても意味がある。

しかし、残念なことに、これらの研究は、最近提出された IPCC (気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書の編集の締め切り後に公表されたために、報告書の内容への影響を持たなかった。

いずれにしてもいえることは、少なくとも人為的な要因での気候変動による海面上昇は、人類に差し迫った深刻な爆弾ではない。

科学者たちの多くは、この人的要因による「気候の黙示録」として描かれた図式に対しての表面的な抵抗を試みようとはしないが、その代わりに、データを統計的に構築することによることで、抵抗と同じ意味の試みを続けている。


Sponsored link


・ In Deep も» 人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。