2013年11月07日



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米国の海に広がる衝撃的な光景 : まるで絶滅に向かおうとしているような「ヒトデたちの自殺」



自分で手足を次々と落として死んでいくアメリカ沿岸のヒトデたち



hitode-1.jpg

▲ ヒトデの大量死について報じる米国のテレビ報道。 YouTube より。



自らを助けない自切を見て

現在、アメリカ西海岸から東海岸、そしてカナダの東海岸を中心として、極めて大規模な「ヒトデの大量死」が進行しています。

このこと自体は、わりと以前から知っていたのですが、このヒトデの大量死が、単なる大量死ではない非常にショッキングな状況で起きている可能性があることを知りまして、今回はそのことを書きます。

ところで、私は今回のことを調べていて、現象は知っていたものの、それを表現する単語があることを初めて知った日本語があります。それを最初に書いておこうと思います。それは「自切」(じせつ)という言葉です。Wikipedia からです。


自切

自切は、節足動物やトカゲなどに見られる、足や尾を自ら切り捨てる行動(ないし反応)。

なぜ自ら体の器官を切り捨てるかは状況により異なると思われるが、主に外敵から身を守るために行われる例が多い。すなわち外敵に捕捉された際に肢や尾等の生命活動において主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り、個体そのものが捕食される確率を下げるための適応であると考えられている。

そのため自切する器官はあらかじめ切り離しやすい構造になっていたり、喪失した器官を再生させる等の機能を持つ種が多い。



トカゲが自分の尻尾を切って逃げる、ということに代表されて言われることの多い現象ですが、上の表現で、


 > 自らの体の器官を切り捨てるのは、主に外敵から身を守るために行われる例が多い


という意味の表現があります。

現在起きているアメリカでのヒトデの大量死では、まさにこの「自切」行為が発生しているのですが、しかし、普通の自切と違うのは、「自分を守らず死んでしまう」ところです。


つまり、ヒトデたちが自分の腕を自分で落としていってから死んでいっているということが、明らかになろうとしているのです。


なお、これらの現象は決してミステリーの類いではなく、このヒトデの大量死が「消耗性疾患」という名前の病気だということは判明しているのですが、過去にないほど拡大し続けていることと、こんな状態を「どんな科学者も今まで見たことがなかった」ということで、脅威を与えているようです。

AP 通信によれば、ある種ではその棲息エリアで 95パーセントが死滅しているそう。




海洋研究者が日々見ている光景

下はカリフォルニア州のサンタクルーズにあるロングマリン研究所( Long Marine Laboratory )という海洋研究所の人のサイトの記事にある写真です。

hitode-2.jpg


内容は下のようなものですが、このタイトルの「 And then there were . . . none 」というのが私にはどうにも日本語として訳せなくて、タイトルなしで概要を記します。

このヒトデの種類は Pisaster ochraceus と書かれているのですが、これも日本語が探せなくて、こちらのサイトによりますと、これは日本語で「マヒトデ」というものに属するもののようです。



And then there were . . . none
Notes from a California naturalist 2013.09.13


研究室にあるすべてのマヒトデが死ぬまで、すなわち、最後のマヒトデが自分自身の体をバラバラにしていくまで、私は丸3日間、そこにいた。

そしてこの写真(上の写真)が、今朝、私の飼育する生き物に起きた光景だった。

ヒトデの本体はまだ残っているのだが、彼らは気まぐれに自切していくので、私は切断された触手を検査しながら、さらに時間を過ごした。

彼ら(バラバラになった手たち)は、自分が死んでいることを知らない。

私はこの数日間、彼らが幽霊になることを諦める前のそれらのバラバラの状態の触手を10個前後見てきた。その切断された手は、自切した後もかなり長く動き続ける。少なくとも1時間くらいは手だけで動き続ける。

私は、この、もともと美しく複雑な「海の星」の切断された腕を解剖スコープの下のボウルに入れて写真を撮った。

私は、この研究所で、ヒトデのこの病気を扱っている唯一の研究者ではなく、隣の部屋でも、そして、他の研究所では Pycnopodia helianthoides (俗名ヒマワリヒトデ)を失っている。また、学生たちがサンタクルーズの海中でヒトデの大量死を見つけたという話も聞いている。

この数週間で海で起きている様々なことは、もしかすると、何か本当に悪いことの始まりなのかもしれないとも思う。





という何となく切なさも感じる記事です。

上に「切断された手は、自切した後も長く動き続ける」とありますが、その様子を研究者が YouTube にアップしたものを短くしたものがあります。

あまり気持ちのいいものではないとは思いますが、ヒトデというのは、自切した後も、1時間近くも、このように単独で腕が動き続けるもののようです。





ところで、上のロングマリン研究所の人の記事は9月のものです。

そして、アメリカのメディアで、ヒトデの大量死に関しての報道が大きくなったのは最近のことで、つまり、この2ヶ月間、事態は拡大し続けているということになりそうです。


記事に書かれてある「もしかすると、何か本当に悪いことの始まりなのかもしれない」という予感は、当たってしまったのかもしれません。


そして、もう一度、 Wikipdia の「自切」の説明を見ていただきたいのです。



なぜ自ら体の器官を切り捨てるかは状況により異なると思われるが、主に外敵から身を守るために行われる例が多い。すなわち外敵に捕捉された際に肢や尾等の生命活動において主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り



とありますが、このヒトデたちにはそんな理由が見当たらないのです。

それとも、私たちにはわからない「何か」から身を守るために自切している?

しかし、一般的な自切の意味である「主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り、個体そのものが捕食される確率を下げるための適応であると考えられている」というサバイバルの概念を完全に逸脱しているのは、「そのまま彼らは死んでしまう」というところにあります。


自らの体を切断しながら死んでいく。

それがアメリカ西海岸の広範囲に起きている。

一体、アメリカの海岸で何が?



ところで、確かに最近、アメリカの西海岸は災難続きというのか、いろいろなことがあったりします。 Walk in the Spirit さんの記事で知ったのですが、2011年の東北での地震の津波で海に流された瓦礫が、テキサス州ほどの面積の塊となって、アメリカに進んでいるのだそう。

下のは、英国のデイリーメールの記事です。


tsunami-us-2011.gif


下の図は NOAA (アメリカ海洋大気庁)がコンピュータシミュレーションで出した、現在の瓦礫の分布の様子ですが、密度が濃い範囲だけで日本列島の面積以上にありそうな感じです。

debris-2011.gif


思えば、大震災から2年と8ヶ月。
http://lolipop.jp/

2011年の10月には震災の瓦礫がハワイに押し寄せると米国のメディアで大きく報道されたことがありました。

3月11日の日本の震災の数千トンの瓦礫がハワイに押し寄せるという観測をハワイ大学が発表
 2011年10月22日

なお、今回のヒトデの大量死は、消耗性疾患ということが確定しており、日本からの瓦礫とはまったく関係はないものと思われます。

関係ないという理由としては、これはアメリカ西海岸だけではなく、北アメリカ大陸の沿岸のあらゆる場所で起きていることでもあるからです。

このことは、以前の「アメリカの政府機関の閉鎖解除後に知り得たフードスタンプやイルカの大量死のデータ。そして3日に1度起きるM6以上のプレート地震」という記事に少し書いたことがあります。

“images”


上にあるアメリカのニュージャージー州とメイン州はアメリカの東海岸で、非常に多くの海岸で発生し続けて、そして拡大しているということになるようです。


上の記事でも書きましたけれど、


アメリカの海から「海の星」が消える


という概念も誇大ともいえない面があります。


星がどんどん消えていくアメリカ。

いや、アメリカだけなのかどうかはよくわかりません。

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