2013年11月10日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




宇宙観測史上で最大クラスの巨大さを持つ地球近傍小惑星が相次いで「突然」発見される



2013US10.gif

▲ 今年10月23日から10月31日にかけて連続して発見された3つの巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)。共に地球の軌道上にはかなり近づきますが、地球そのものに近づく可能性はないとのこと。NASAジェット推進研究所/地球近傍天体プログラムより。ちなみに、小さなドット(点)はすべて小惑星。ー
--





終わらない米国のイルカの大量死

なんだかいろいろなニュースがあります。

夏に書きました、

心地よい「死の園」からの帰還後に気付いたイルカの大量死と人間の大量死をつなぐ曖昧なライン
 2013年08月10日

という記事以来、アメリカの、特に東海岸でのイルカの異常な大量死について、たまに書くことがありますが、ここ数日、海外メディアでまたよく取り上げられています。

d-2013-11.jpg

アルジャジーラ米国版より。


これらの記事では、今年の 7月から 11月までのアメリカ東海岸でのイルカの打ち上げ数が 750頭に達したことが NOAA (アメリカ海洋大気庁)によって発表されたことが書かれていますが、 2013年を通して見ると、下のようにその数は 900頭を越えています。

annual_strandings_2013-1-11.gif

NOAA より。


ここ数年の平均の4倍から5倍程度の数値となっているのがわかります。

イルカの座礁(死亡)が特に増えたのは7月からですが、現在も増え続けているようです。

ここでいうアメリカの東海岸というのは、具体的には、ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州の7州ですが、特にヴァージニア州の沿岸や海岸でのイルカの死亡数が突出して多いです。

avg_strandings_july_1_-_nov_4.gif


Map_of_USA_VA.gif


ところで、上のアルジャジーラの記事の見出しに「はしか」とありますが、これは確定した理由、あるいは全体に共通した理由ではありません。可能性のひとつとしてのものです。何らかの病気だろうとは考えられているようですが、確定した発表が NOAA からあったというわけではないはずです。


それにしても、先日、


米国の海に広がる衝撃的な光景 : まるで絶滅に向かおうとしているような「ヒトデたちの自殺」
 2013年11月07日


という記事で、アメリカでヒトデがものすごいペースで「消滅」していっていることを記しましたけれど、イルカにしてもヒトデにしても、実質的な人間の生活への影響はともかくとして、最近は、「人間にとって、海のイメージとして印象深い生物が大量死している」という感じは受けます。

米国のペリカンの大量死なんかもそういう感じがします。

(参考記事「キリストの象徴でもあるペリカンの大量死がペルーに続き米国でも発生している」)


そういや、海で印象深い生き物といえば、クラゲなんかもそうだと思いますけれど、タイ東部のトラート県というカンボジアと近い海岸で、様々な色のクラゲが大量に発生して、観光客たちがそれを見るために数多く訪れていることがタイ紙で報じられていました。

krg-thai.gif


krg-tahi-02.jpg

▲ タイの海岸に出現した色とりどりの大量のクラゲと、その海に入る観光客たち。タイの Post Today 他より。






これまで見つからなかった理由が判然としない超巨大な地球の軌道に近づく小惑星

さて、今回の本題は、昨日の記事、


「6本の光の尾を放つ小惑星」と地球に近づく直径 20キロの超巨大小惑星
 2013年11月09日


でも書きました「地球の軌道に接近する超巨大小惑星」についての NASA ジェット推進研究所( JPL )のニュースリリースをご紹介します。


宇宙関連といえば、最近、若田さんの国際宇宙ステーションへの登場の報道などがありましたけれど、国際宇宙ステーションが撮影している映像は、ライブ ISS ステーションというサイトでリアルタイムで見ることができるんですが、11月4日の映像に、ドーナツみたい形のものが ISS から見て地球側に写っていました。




動きがカメラの動きと一致しているので、カメラのレンズに何か映り込んでいるた類の現象だと思いますけれど、なかなか印象的ではありました。


というわけで、宇宙もいろいろですけれど、ここから3つの巨大小惑星の記事をご紹介させていただきます。

なお、記事に「今回発見されたほど巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)は他に3つしかない」とありますが、地球近傍小惑星は、11月10日現在で、1438ありますので、今回の小惑星の巨大さが地球に接近するものとしては、いかに珍しいものかおわかりかと思います。

neo-2013-11-10.gif

スペースウェザーより。



それでは、ここから NASA ジェット推進研究所の地球近傍天体プログラム事務所( Near-Earth Object Program Office )のニュースです。

なお、記事にもありますが、現状ではこの3つの小惑星とも地球に危害を与える可能性はありません

まあ・・・直径 20キロの小惑星が仮に地球に衝突した場合、「地球全体の一時的絶滅」ということになり得るものですので、そういう出来事がそうそうあるとも思えないですしね(過去にはあったのですから、絶対ないとも言えないわけですけれど)。

しかし、そのことよりも、今回のように「突然発見された」ということのほうに脅威を感じます。

今後もきっと「突然」見つかると思います。
いろいろなものが。





Surprising Recent Discoveries of Three Large Near-Earth Objects
NASAジェット推進研究所 / 地球近傍天体プログラム 2013.11.05


最近の驚くべき3つの巨大な地球近傍天体の発見


big-three-2013.gif


驚くべき巨大な地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)が、先週にかけて相次ぎ発見された。その時期に、もうひとつの比較的巨大な小惑星が発見されている。

何より驚くべきことは、これらの小惑星は地球に危害を与えるに十分な距離にまで接近する可能性がある小惑星であるにも関わらず、これほどの巨大な小惑星が、これまでまったく検知されていなかったことだ。

地球近傍小惑星で直径 20キロメートルを越えるようなものは、1983年以来発見されていないが、今回発見された3つの小惑星のうちのひとつは、直径が約 20キロメートルあると推測されている。これまで知られている地球近傍小惑星で、それほど巨大な小惑星は、他に3つあるに過ぎない。

重要な点として注記しておきたいが、短期間のスパンでは、これらの小惑星が地球に脅威を与える距離にまで接近する可能性はない。

これらの巨大な地球近傍小惑星は、アリゾナ大学の月惑星研究所が行っている全天捜査プログラム「カタリナ・スカイサーベイ」が、ハワイにある NASA の赤外線望遠鏡施設を使用した捜索によって発見された。

10月23日に直径 19キロメートルの小惑星 2013 UQ4が発見され、10月31日には小惑星 2013 US10が発見された。

小惑星 2013 US10は、スペクトルの反射率がまだ決定されていないため、その正確な直径は不明であるが、その直径は、約 20キロメートルある可能性が高いと見られている。

この規模の大きさの地球近傍小惑星で、これまで知られているものは、

・小惑星ガニュメート( 1036 Ganymed )
・小惑星エロス( 433 Eros )
・小惑星ドン・キホーテ( 3552 Don Quixote )

の3つしかない。


eros.jpg

▲ 小惑星エロス( 433 Eros )。


それにしても、なぜ、これほどの大規模な地球近傍小惑星を発見するまでに、これほど時間がかかったのか?

その理由は、 2013 UQ4(10月23日に発見された直径 19キロの小惑星)に関しては、地球へと近づく軌道が何世紀にもわたる非常に長い期間での軌道周期を持っているために、発見が遅れたものだと理解される。

しかし、直径20キロの巨大小惑星 2013 US10の発見がこれほどまで遅れた理由の説明は難しい。

現在の小惑星探査から考えると、この大きさと軌道のほぼすべての地球近傍小惑星は、すでに発見されていなければならないことが示されている。それにも関わらず、直径20キロメートルの 2013 US10はこれまで発見されなかったのだ。

考えられる理由としては、この小惑星が地球の軌道へと最大に近づく場合でも、その距離は地球から約 8000万キロメートルと非常に遠いことが関している可能性がある。

また、やはり、ハワイの全天捜査観測グループの「パンスターズ」 ( Pan-STARRS )の観測チームが 10月25日に直径約2キロの地球近傍小惑星 2013 UP8 を発見した。

この小惑星は「地球に潜在的に危険な小惑星」 に分類され、地球の軌道から 550万キロより内側にまで接近する可能性がある。