2013年11月12日



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光の尾が複数化し始めたアイソン彗星の今後の動きの予定をまとめてみました



ison-2013-11-11.jpg

▲ 11月10日に撮影されたアイソン彗星。尾が2つとなっています。スペースウェザーより。



不思議な彗星たち。不思議な小惑星たち

先日、

「6本の光の尾を放つ小惑星」と地球に近づく直径 20キロの超巨大小惑星
 2013年11月09日

という記事で、6本の光(塵)の尾を放出している不思議な天体について記しました。

あれは小惑星ということになっていましたが、そこから様々な方向に複数の光の尾が放たれるということ自体も奇妙な感じで、そして写真を見て、どうしてもわからないのは、この P/ 2013 P5 と名付けられた小惑星は、NASA によれば、「ホイールのように回転している」ということになっています。

つまり、自転というのか、クルクルと回りながら飛行している、ということになると思うのですが、「なぜ、回転している物体から複数の光の線が真っ直ぐに出るのだろう」とは思ってはいました。

P2013-P5.gif


なんかこう、線が円を描いていたりするのなら何となく理解もできるのですが、写真では比較的、それぞれの光が真っ直ぐに伸びているように見えまして、どういう物理法則に従って、こんなことになっているのだか。


不思議な小惑星といえば、2010年に NASA のハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「火星と木星の軌道の間にある小惑星帯を横切る物体」も「X」の形に光る不思議な形をしたものでした。

下の物体です。

p2010a2.jpg

▲ NASA Astronomy Picture of the Day より。


上の物体に関して、 NASA は、「2つの小惑星が衝突した残骸」と説明しています。

しかし、残骸なら、どうしてこんなに長い尾が? と疑問に思ったりもしたものでした。

彗星などの場合は、消滅した場合、尾が同時に消える光景は見たことがありますが、「これは本体は崩壊したとされているのに、こんなにいろいろとハッキリと見えているのはなぜ?」と思ったのでした。

まあ、どんなことにしても、確かに「科学的には」説明がつくのでしょうけれど、他に例が見られないような、このX型の天体や、あるいは先日の6本の尾を持つ小惑星にしても、「合理的な説明がつけば、それで全部OK」という姿勢はどうも夢がないというのか、「この世ってつまんなーい」と思う人が増えるばかりのような・・・


今回は、ずいぶんとはっきりとした姿で観測されるようになってきたアイソン彗星の近況を書いておきます。





尾がふたつになったアイソン彗星の今後

記事の最初に載せましたアイソン彗星の「ふたつの尾」についての説明がスペースウェザーにありましたが、下のような感じであるようです。


ison-size.gif

進行方向の後方に真っ直ぐ伸びているのが、イオンの尾というもので、その下のものは「塵(ダスト)の尾」とのこと。

なぜ、尾がまとまらずにバラバラになるかというと、スペースウェザーによれば、粒子の重さの違いによるもので、イオンの尾は軽い分子で、塵のほうは重いですので、それによって、尾が複数になるということです。

このあたりの理屈は、アストロアーツの「彗星の基礎知識」に図で説明されています。

下の図のイオンテイルというのが、上のアイソン彗星でのまっすぐのイオンの尾で、ダストテイルというのが「塵の尾」です。

iontail.gif


上の「コマ」というのは、彗星の核を包む部分で、いわゆる彗星の先端の丸いところのあたりです。


要するに、彗星の尾というのは、太陽風や重力などの影響で複雑に変化するようなのですが、過去には見事な「2つの尾」を見せていた彗星は多くあります。

1995年に撮影されたヘール・ボップ彗星

comet_hale-bopp.jpg

Tiverton and Mid Devon Astronomy Society より。



まあ、中には完全に尾が複数化していて、タコかイカのような姿になるものもあります。
下の彗星などがそうです。

1907年に撮影されたダニエル彗星

Comet_Daniel_1907.jpg

Comet Daniel - 1907 より。



たくさんの彗星の写真を見ていると、「理屈だけでは理解できない」というようなものも実際あるのですが、しかし、その対抗意見を説明できる理屈の知識がない私のようなものは、「沈黙する」しかないというのが今の社会らしい構図なのかもしれません。

最近は以前にもまして人と会っていません。そのあたりは先日の記事に載せた私の携帯電話の使用状況でもおわかりかと思いますけれど、家族以外の知人と会話したのがいつだったわからないほどで。

em-11-2.jpg

▲ 11月の私の携帯電話の使用状況です。


これも、「沈黙癖」が日常化してきたということなのかもしれません。



まあしかし、過去を振り返ってみると、この「太陽活動最大期が終わっていく頃」というのはいつもそのような「沈黙癖」の中にいたような気がします。サイクル 22の最大活動期の終わり頃( 22〜 23年前)などは、半年くらい知人とも一切会わないような生活をしたりしていたこともありましたしね。

そして、なぜかわからないですけど、そういう毎日が楽しくて仕方なかったのですよ。

まあしかし、そんな話はどうでもいいです。





アイソン彗星の今の位置と今後の位置

今後、アイソン彗星は下のようなルートで太陽に接近していきます。 11月29日に太陽に最も接近した後、去っていく予定となっています。まあ、あくまで予定で、軌道はズレる可能性はあります。

ISON-trajectory.gif


ちなみに、現在、アイソン彗星は下の位置にあるそうです。11月12日の位置です。ちょっとわかりにくいかもしれないですが、

com-icons.png

のマークはすべて彗星です。

skymap-1.gif

Spaceweather より。


現在、この方角の空には、ラブジョン彗星、リニア彗星、エンケ彗星、そして、アイソン彗星が観測できるようです。


そのアイソン彗星の「核の形」は、まだ撮影されていませんが、過去に撮影に成功した彗星の核は下のようなものでした。

size-of-comet-ison.gif

Fall of a Thousand Suns より。



どうも、彗星の核というのは「丸く」ないんですよね。

もっとも詳細に撮影されたハートレー彗星の写真は、過去記事の、

NASAの探査機ディープインパクトがハートレー彗星の中心核の近影に成功
 2010年11月05日

にありますけれど、NASAの探査機ディープインパクトが、中心核からわずか 700キロメートルという相当な近距離から撮影しているのですけれど、下のように、後ろの部分などから「自分自身から光を発して飛行している」ということが、よくわかるのです。

“images”

▲ 上の記事より、NASAの探査機ディープインパクトが撮影したハートレー彗星の中心核。


私は、フレッド・ホイル博士などが主張する「彗星が宇宙の生命の運搬役の最も大きな役割を持つ」と完全に思っている人ですけれど、今回のアイソン彗星も、通過後の数ヶ月の間に、目に見えない部分ではあっても、いろいろな変化が起きると思っています。

最も近づく頃にはどのくらいの大きさで見えるのですかね。

その日は、彗星内部にビッシリと詰まっている「凍った微生物たち」にお祈りでもしましょうか。