2013年11月25日



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世界中で空から光が落ちてくる中で「観測史上最大の宇宙の爆発」とガンマ線バーストが確認される



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Daily Mail より。






 


今回は最近のデイリーメールで見かけた上の記事をご紹介しようと思うのですが、翻訳しているうちに気づいたことなのですが、この同じ内容のことをかつて記事にしていたことに気づいたのです。上のデイリーメールの記事は最近のものなのですが、 NASA が観測したのは4月27日のことです。

それは今年5月の下の米国スミソニアン博物館のニュースをご紹介した時のものです。

宇宙観測史で最も明るい光を伴った史上最大級のガンマ線バーストが観測される
 2013年05月13日

sms-23.jpg


しかし、あれから半年以上経っていて、記憶も曖昧になっていますし、衝撃的な宇宙の出来事であることには変わりませんので、改めてご紹介することにしました。


ところで、3年位前にも、それまでの観測史上もっとも強力な謎のガンマ線バーストにより NASA の探査機が観測不能になったことがありました。過去記事は、

観測史上もっとも強力な謎のガンマ線バーストにより NASA の探査機が観測不能に
 2010年07月17日

にあります。


デイリーメールの記事をご紹介する前に、余談となりですが、ガンマ線バーストは光の話ですので、なかなかご紹介する機会がなかった最近の「光に関係した話題」などを書いたおきたいと思います。






いろいろな場所で報道される様々な光


米国オレゴン州の空から落ちてきたもの

fox12-2013-11-20.gif

FOX12 Oregon より。


上の記事は、数日前に FOX ニュースのオレゴン州ローカルのニュースとして報道されたニュースです。

この火球のようなものは、地元のいろいろな人たちによって撮影されていて、それが載せられていたのですが、ニュースのタイトルそのものが「今朝の空のあの物体はいったい何?」というもので、ミステリー系の報道として扱われていたようです。

下は別の場所から撮影されたものです。

oregon-light-01.jpg


飛行機雲が夕陽に照らされた場合に、同じような感じで見えることがありますが、その場合でも、飛行機雲の「尾」の部分は上のようにひらひらとはあまりしないもののようですので、確かに何だかよくわからない光の現象ではあるのかもしれません。

次の「ギリシャの光」は、個人的にとても興味深いものです。



「ギリシャの光」と「空飛ぶ棒」の関係

ギリシャの気象サービスで、気象の状況などをリアルタイムの映像でカメラで提供してくれている、日本語でいえば、「ウェザーステーション」という意味のサイトがあります。

Meteoacharnes

下がそのトップページですが、黒い画面がそれぞれリアルタイム映像カメラです。

gr-weather.jpg



そこに 11月 23日に、「何かものすごい速さで光のようなものが通過していく様子」が写ったことがギリシャで話題となっています。

gr-light-01.jpg




上のような風景のところに、下のような「光」が一瞬通り過ぎていったのです。



gr-light-02.jpg



いろいろな可能性を考えましたけれど、こういう光の形はちょっと何であるかの想像も難しいです。

ただ・・・実はちょっと思い当たるフシがありまして、まあ・・・変な話になるんですけど、ギリシャというわけではなく、世界各地で「ものすごい高速で飛ぶ生き物か何か」のことがずっと話題にはなっていて、何かわからないんですけれど、「肉眼で見えないほどの速さで移動するものがいる」という話で、それと形が似ているなあと感じたんです。

その「高速で飛ぶもの」は海外の一般紙などでも取り上げられています。

下の写真は、昨年 12月にマレーシアの Daily Express というメディアに載せられたもので、マレーシアのサバ州で撮影された、その飛ぶ「何か」の写真です。

mathew.jpg

Daily Express より。


下は YouTube にある動画です。
途中から表示される時間のコンマ1秒の動きと比較して、この物体の動きの速さがおわかりかと思います。




ほとんどオカルトの領域に感じる話にも聞こえるかもしれないですが、実際に世界各地で撮影されていて、地域によって、「空の魚」とか「太陽の実体」とか「空飛ぶ棒」など、いろいろな呼び方をされているようです。

かつては、トリック撮影とか光の見間違いとされていたこの物体も、撮影技術の向上で姿が捉えられるようになってからは、科学者の中でもこの存在に対しての懐疑的意見は少数派となっているということだそうです。

このことについては、下の記事に書いたことがあります。

世界中で撮影される「驚異的なスピードで移動する小さな物」は知られていない生物かもしれないという説
 地球の記録 2012年12月23日


あと、国際宇宙ステーションの話を。



・国際宇宙ステーションの周囲でたわむれる光

ESA (欧州宇宙機関)に Space In Images という写真のギャラリーサイトがあり、国際宇宙ステーションの写真なども数多くありますが、下の写真は撮影されたのは 2007年のことですが、最近になって、脚光を浴びているものです。

ISS-001.jpg

▲ オリジナルの写真はこちらにあります。

国際宇宙ステーションの周囲にいろいろなものが写っているのですね。

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すべて何らかの「合理的な説明」はつくものなのでしょうけれど、国際宇宙ステーション関係の写真には不思議なものが写っている写真が非常に多いです。搭乗されている若田さんなども、こういう様々な光や現象を日常的に見てらっしゃるのだろうなあと思ったりいたします。


他にも「光」関係のいろいろなニュースなどを目にするのですけれど、あまり余談が長くなるのもあれですので、このあたりで本題に入ります。







史上最大のガンマ線バースト

この「ガンマ線バースト」というものは、Wikipedia の説明をお借りしますと、


ガンマ線バーストは、天文学の分野で知られている中で最も光度の明るい物理現象である。



ということになるのですけれど、しかし、その原因については諸説が存在しますけれど、


天体物理学界ではガンマ線バーストの詳細な発生機構についての合意は得られていない。



というものであります。

「宇宙で最も明るい光の現象」だけれど、発生原因はよくわからないということになるようです。


また、ガンマ線バーストが「地球の生命の絶滅に関与する」とする考え方もかなり根強く、たとえば、上の Wikipedia には「地球上での大量絶滅」というセクションがあります。

今回のデイリーメールの記事にも、スタンフォード大学の物理学者が 4億 5000万年の地球の大量絶滅とガンマ線の関係に言及していたり、「ガンマ線バーストが地球に近づいた場合、地球を破壊する可能性がある」というような感じの記述がありますが、しかし、私は個人的には、ガンマ線バーストでの地球の生命の絶滅というのは「ない」ことだと思っています。





774年にも地球は強力なガンマ線バーストを浴びていた

たとえば、西暦 774年(あるいは 775年)にも、地球に非常に強力なガンマ線バーストが降り注いでいたことが、名古屋大学の研究者たちの調査によって判明しています。 774年といば、日本では奈良時代ですが、その時代に「地球の人類が絶滅した」という記録はないですし、世界の記録などにも、壊滅的な大量死の記録もないように思います。

この774年のガンマ線バーストに関しては、 AFP の記事が今でもリンクが生きています。

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▲ 2013年01月21日の AFP の記事「8世紀の強烈な宇宙線、ブラックホールの衝突が原因か」より。



ガンマ線バーストは「極端に明るい光の現象」ということがわかっているだけで、これが地球の生命に大きな害を与えるというたぐいのものではないという感じが私はいたします。

もちろん、実際には何もわかりません。

何しろ、地球にはガンマ線バーストの真実を知る人はひとりもいないのです。

というわけで、観測史上最大のガンマ線バーストの記事をデイリーメールよりご紹介いたします。





The biggest cosmic explosion EVER seen: 'Monster' gamma ray burst blasts into space 3.7 billion light years away
Daily Mail (英国) 2013.11.22


観測史上最大の宇宙の爆発 : 「モンスター」ガンマ線バーストが 37億光年離れた宇宙から放たれた


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▲ ガンマ線バースト観測衛星 スウィフト ( Swift ) のイメージ図。


これまで目撃された中で最大であり、かつ最も明るい宇宙の爆発が 37億光年離れた宇宙で起きた光景が捉えられた。

この爆発は、これまでで最大の宇宙での爆発として知られていたものより5倍以上ものエネルギーを放出している。仮に、このガンマ線バーストが地球に近づいた場合は、我々の惑星が破壊されるような可能性があるため、天文学者たちは、このガンマ線バーストを「モンスター」と呼んでいる。

NASA の天体物理学部門の責任者であるポール・ヘルツ氏( Paul Hertz )は、「このような爆発は、1世紀に1度あるかないかの出来事です」と言う。 NASA の宇宙望遠鏡は過去 20年に渡って、宇宙の様々な規模の爆発を観測し続けてきた。宇宙での爆発は2日に1度は観測される。

4月 27日に観測され、サイエンス誌に発表されたこの爆発は、これまでの観測史上の記録となった。

ガンマ線バーストは、一般的には、宇宙で最も巨大な爆発であり、そして、その中でも今回の爆発は最大の規模のものだった。


“images”

▲ 赤い部分が NASA の観測衛星スウィフトがとらえた今回のガンマ線バースト。 NASA より。


ポール・ヘルツ氏はこのガンマ線バーストを「モンスター」と呼んだ。さらに、「ビッグバンそのもの以外では存在する最大の現象かもしれません」と述べる。

NASA のガンマ線バースト観測の主任であり、米国スタンフォード大学の物理学者であるピーター・マイケルソン( Peter Michelson )氏は、以下のように述べた。

「バーストは宇宙の中の生と死と誕生のサイクルの一端を担っています。私も、そしてあなたがたも、すべて超新星爆発で生成されたものから作られているのです。また、4億5000万年前の地球上の大量絶滅は、銀河系近くでのガンマ線バーストによって引き起こされたという主張もあるのです」。