2013年11月29日



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アイソン彗星は「太陽への自爆」で消滅。しかし、それにより改めて「彗星の意味」を気づかせてくれたこの偉大な彗星に感謝します



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ちょっと速報的な記事です。

前々回の記事で、

アイソン彗星が死んだかもしれない
 2013年11月27日

と崩壊の可能性についてふれ、前回の記事、

アイソン彗星は死んでいなかったけれど、世界のほうはすっかり死んでるみたいな
 2013年11月28日

では、「やはりまだ生きていた」という流れだったアイソン彗星ですが、今朝のスペースウェザーの記事のタイトルは以下のものでした。

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Spaceweather より。


スペースウェザーの記事のタイトルにある「 R.I.P 」というのは、英語での追悼の慣用句で、 「安らかに眠れ( Rest in Peace )」というような意味の英語の頭文字で、かなり頻繁に使われます。ミュージシャンなどが亡くなった時などにも、多くの楽曲がこの R.I.P. を添えられて動画サイトなどにアップされます。

つまり、「追悼」です。

現在、アイソン彗星の痕跡は、ほぼ消えていて、太陽からの CME などとの接触の中で崩壊ししてしまったようです。

その全課程を NASA の撮影した画像と、それと、動画にもしましたので、後ろに貼っておきます。




アイソン彗星崩壊の日

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仮に、多少の断片が残っていたとしても、世紀の天体ショーを見ることのできる可能性はほとんどなくなったといえそうです。


思えば、このブログのタイトルに初めて「アイソン彗星」という名前が出てきたのは、2012年10月11日のことでした。

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▲ 過去記事「良い時代と悪い時代(3): 2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと」より。


上の写真の下には、


2013年11月頃に、「月くらいの大きさに光る」と考えられている近代の天体観測史上で最も明るく見える可能性のある彗星アイソン。それが夜空に見える時の想像図です。月よりも大きく輝く可能性が指摘されています。


と書かれていました。

なんだかんだ言いましても、「月より明るく輝く天体」というものを見てみたかったという気持ちはとてもありました。

なのでまあ・・・残念な感じはしますけれど、今回のアイソン彗星の崩壊を見ていて、「どうして、多くの彗星はこの場所で崩壊する軌道を取るのだろうなあ」と考えているうちに、重大な(多分)事実に気づきました。






生命の運搬に「太陽を利用する」ために自爆する彗星たち

アイソン彗星は太陽付近で崩壊したのですが、そこで撒き散らされた彗星の核の有機物は宇宙空間に撒き散らされ、そして、すぐに太陽風などによって太陽系の各惑星に運ばれるはずです。

地球にも。

太陽に接近して崩壊する彗星がどうしてそこで崩壊するのか・・・と考えているうちに、「驚異的なスピードと拡大範囲を持つ太陽風」のことを思ったのでした。

たとえば、太陽で発生した CME は、地球までのあの距離を「数十時間」という非常に早い時間で地球まで到達するわけですけれど、太陽風にはその速度がある上に、太陽系全域に影響を持つ。これは、生命の運搬には最適なものかもしれないとか思います。

サングレーザー(太陽接近型の彗星)が次々と太陽近辺の CME の中で崩壊していく(あるいはもともと、そういう熱崩壊をするメカニズムで彗星が組成されている)のはそういうことだと今回ふと思いました。

これはパンスペルミア説の話の範疇ですが、過去記事の、

消滅したエレニン彗星:そして、彗星の存在の意味
 2011年08月31日

の中で、米国 CNN で報道された、2001年に行われたカリフォルニア大学の研究チームの実験の結果の報道を抜粋しています。


地球との激しい衝突を生き残った彗星に乗った宇宙の有機分子が地球に生命の種子を蒔いたのかもしれない。そんな最新の科学レポートが発表された。

調査結果によると、当時地球上にすでに存在した原始スープから生物が生じたという伝統的な意見とは逆に、生命の種子となる化学物質が宇宙空間から来たという理論の証明への期待を高めている。

「今回私たちに示されたこの結果は、有機化合物が宇宙空間から地球にもたらされたかもしれないという、かなり想定外である概念を除外できないことを示している」と、カリフォルニア大学バークレイ校のジェニファー・ブランク教授は言う。




しかし、これだと、「生命を運搬するために、惑星に彗星が衝突しなければ有機物が運搬されない」ということになってしまう。巨大な彗星の衝突など、たとえば地球では何万年、何十万年に一度という滅多にない出来事です。

彗星の有機物の運搬と拡散の方法はそれだけではなく、たとえば、地球などの惑星に有機物や DNA の素材を運搬するもっと「確実」な方法が何かあるのではないかと思っていました。


それが「これだ」と今回思ったのです。


つまり、太陽の力を利用すればいいだけだと今回初めて気づきました。


太陽は太陽系全体へと「影響を波及させる」実際の力学的な原動力を持っている。だから、生命の素材が氷の核にある彗星は「どうせ壊れるなら、なるべく太陽の近くで壊れたほうがいい」ということなのだと。

そこで彗星は自爆して死ぬことにより、太陽系に新しい生命の素材を拡散させていく。


そして、これは他のすべての恒星系で同じことが行われているのだと思います。

他のどこの「太陽系」も形はほとんど同じですからね。

下は、2012年1月に、 NASA の探査機ケプラーが新たに特定した26個の「他の太陽系」です。私たちの太陽系以外の太陽系もほとんど同じ恒星システムであることがわかります。

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▲ 過去記事「さよならケプラー: ありがとうありがとう、本当にありがとう」より。


その彗星による「生命の拡散」のシステムとサイクルが宇宙全体の恒星系で永遠に続いているのだということに気づかされてくれたアイソン彗星は、やはり少なくとも私にとっては特別な存在だったといえそうです。


というわけで、今朝のスペースウェザーの記事をご紹介しておきます。
記事中に、動画も貼っておきます。




COMET ISON, R.I.P?
Spaceweather 2013.11.28


アイソン彗星、安らかに?


アイソン彗星が太陽の大気との接触の中で生き残らなかったことが、今朝の NASA の映像が証拠として示した。11月28日は米国の感謝祭だが、その日の午前1時45分(アメリカ東部標準時)にアイソン彗星は、太陽の表面から数百万キロメートル上空を通過することになっていた。

しかし、 NASA の太陽観測衛星 SOHO が送信してきた新しい映像では、アイソン彗星はすでに崩壊していた。彗星の頭の部分、つまり核に注目してほしい。




この映像では、アイソン彗星は、太陽に近づくにつれて、明らかに分断していっていることが見てとれる。アイソン彗星は太陽の大気中を通過していくことが予測されていたが、その痕跡はを確認することができなかった。

それにもかかわらず、下の映像では何かが太陽の大気中から浮上しているが、これは、アイソン彗星の核の残骸やや小さな断片であると見られ、おそらく、アイソン彗星は核の崩壊した残骸としてその破片の流れが映っているのだと思われる。




アイソン彗星は 11月27日に劇的にその光を増して明るくなったが、これは、彗星が崩壊する出来事を示していたのかもしれない。

しかし、アイソン彗星が部分的には生存している可能性はまだある。核は崩壊しているだろうが、世界の天文家の方々には引き続き観測を継続されることを期待している。





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