2013年11月30日



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「私たちは今、完全な未知と対峙している」 : アイソン彗星は死の淵から蘇り、そしてふたたび増光を始めた



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「俺たち、もう終わっちゃったのかなあ」
「馬鹿野郎、まだ始まっちゃいねえよ」


▲ 北野武監督『キッズ・リターン』(1996年)より。YouTube





「葬儀はキャンセルだ!」

気温が下がり始めてから、テレビの天気予報で気温の予測は見るようにしているのですが、昨日も NHK の7時のニュースの前に流れる天気予報を見ていました。そして、その後に始まったニュースのオープニングは「アイソン彗星の消滅」でした。

「へえ、トップニュースなのか」と思いつつも、私はニュースそのものは見ない人なので、テレビを消して、奥さんに「でも、どうして彗星が太陽の横で消滅することが多いのか、この光景見ててわかった気がしてさ」と言ったりしていましたが、まあ、そんな話に奥様も興味があるはずもなく、すぐにやめました。

ちなみに、「どうして彗星が太陽の横で消滅するのか」というのは、昨日の記事、

アイソン彗星は「太陽への自爆」で消滅。しかし、それにより改めて「彗星の意味」を気づかせてくれたこの偉大な彗星に感謝します
 2013年11月29日

の後半などを読まれていただければ幸いです。

まあしかし、「いずれにしても、世紀の彗星は死んだんだ」と思いながら、お酒を飲んで眠りました。

ところが、あまりないことなのですが、夜中にお腹が痛くて起きるということになり、まあ・・・トイレに行って治るタイプの単なる腹痛だったんですけれど、そのまま眠れず、パソコンをつけてみると、スペースウェザーのトップ記事がこれでした。

ison-lives.gif

▲ スペースウェザー「アイソン彗星は生きている」より。


「な・・・・・」


昨日、私たちは NASA のカメラで下の光景を見ていました。

ison-dead-03.jpg


太陽の側を通過した後に、コマと呼ばれる彗星の頭部の光っている部分がほとんど消滅していました。しかし、スペースウェザーで「生きている」と言っていますので、 NASA の観測衛星の写真を見てみますと・・・。


2013年11月29日(アイソン彗星は前日に1度ほぼ消滅)

survive-5.gif


「おお、生きとるがな!」


と口の中で呟き、次第に私の頭の中で軽快なテクノ系のリズムがチャッチャッチャッと鳴り響き始めました。その時に頭に浮かんだのが、冒頭に載せた、1990年代を代表する日本映画である『キッズ・リターン』のラストの台詞でした。

今回、アイソン彗星が太陽の大気に突っ込んでから復活を遂げるまでの「アイソン・リターン」の光景を NASA の GIF から動画に起こして、そこにちょっと音など入れさせてもらったりしてみました。

ISON Returns




というわけで、いわゆる「継続確定」ということになった次第であります。


スペースウェザーの記事をご紹介しておきます。

記事では「栄光のサバイバル」というような形容をしていたりします。また、この「奇跡の復活」を予測した専門家は「誰ひとりとしていなかった」とのこと。

なお、記事中に「ラブジョイ彗星」という言葉が何度か出てきます。このことについては、記事の後に過去記事などから引用して振り返りたいと思います。




COMET ISON LIVES
Spaceweather 2013.11.29


アイソン彗星は生きている


葬儀はキャンセルすることにしよう。
なぜなら、アイソン彗星は死から蘇ったのだ。

昨日 11月 28日、アイソン彗星は太陽の大気中を飛んだ後、 NASA と ESA (欧州宇宙機関)の衛星探査機のカメラの前で崩壊したように見えた。この状況から、アイソン彗星の「死去」の公式な報告が促されることとなった。

しかし、現在、彗星は復活しており、急激に光を増している。

専門家たちは、アイソン彗星が太陽の近くを通過していく際に何が起きるかについての多くの予測をしていた。しかし、誰ひとりとして昨日の「完全な崩壊」を予測した人はいなかったし、また、この「栄光の復活」を予測した専門家もいなかった。

NASA のアイソン彗星観測キャンペーンのカール・バッタマス( Karl Battams )氏は以下のように述べる。

「チームの同僚も、そして私自身も頭を掻きむしっているところです。いったい何が起きたのか? 多くの人々もそうだと思いますが、私たち科学チームも、何が起きたのかを知りたいのです」。

「これは仮説ですが、アイソン彗星は太陽に向かって進んで、そしてバラバラになった。巨大な断片は残らなかったが、適度なサイズのものががたくさん残ったのかもしれません。NASA の観測衛星 SOHO の写真に見られる彗星の太い尾の部分の巨大な塵がその証拠になっているともいえます」。

「アイソン彗星は 2011年のラブジョイ彗星のように、太陽のコロナの中で、急速に分解していき、その尾と、コマ(彗星の頭部の光っている部分)を失っていきました。太陽から戻った時の出現した時には、非常に小さくなりつつも、一貫して、彗星の核は生き残っていたのでしょう。そして、アイソン彗星は再び塵の放出を始めたのです」。

バッタマス氏は、復活したアイソン彗星が、最終的にどの程度明るくなるかということについて言及するのは時期尚早だと強調している。

「私たちは今、『完全な未知』と対峙しているのです。こんな奇妙な、そしてクレージーで、そしてダイナミックな物体。きっと最後まで私たちに驚きを与え続けてくれるでしょう」。

アイソン彗星に何が起きたのかについてのデータ分析には一両日が必要だとしている。

天体写真家のババク・タフレシ( Babak Tafreshi )氏は SOHO のコロナグラフから映像を編集した。彼はこのように言う。

「アイソン彗星は 12月 2日か 3日頃から肉眼で見られるものとなるものと思われます。 2011年のラブジョイ彗星より光は弱く、アイソン彗星はすでに世紀の彗星でなくなったことは確かですが、しかし、非常に興味深いこの彗星の光景をもうじき私たちも見ることができるはずです」。







ラブジョイ彗星を振り返る

記事に何度か出てくる「2011年のラブジョイ彗星」。

この時も私は妙に感動したことを覚えています。

突然出現して太陽に飛び込んでいった巨大な彗星。その名は「ラブ&ジョイ」
 2011年12月14日

史上最大の太陽接近型彗星「ラブジョイ」の太陽からのサバイバル
 2011年12月16日

などの過去記事があります。

ラブジョイ彗星( 正式名 C/2011 W3)は、 2011年 12月 15日に下のように太陽の大気に向かって飛び込んでいきました。

lovejoy-2012-15-01-b.jpg


その後、今回のアイソン彗星のように消滅したと思われたラブジョイ彗星は、太陽の大気から飛び出してきたのです。

lovejoy-2012-15-02.jpg



また、2011年の12月に、ISS 国際宇宙ステーションの当時の司令官が、宇宙ステーションからラブジョイ彗星を撮影した際の報道を、

「光の洪水」: 国際宇宙ステーションから撮影されたラヴジョイ彗星の奇跡的な映像
 2011年12月24日

という記事に載せたことがあります。

これは本当にスゴイもので、下のような光景でした。

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映像も貼っておきます。
12〜13秒の短い映像です。


国際宇宙ステーションから撮影されたラヴジョイ彗星の映像




上のような美しい光景を作り出している、その彗星の頭の中心部分(核)は、たとえば、下みたいな得体のしれない形をしているものなのですけれど。下は、2010年に撮影されたハートレー彗星という彗星の核です。

103P-Hartley2.jpg

▲ 過去記事「NASAの探査機ディープインパクトがハートレー彗星の中心核の近影に成功」より。
 

上の記事は2010年のものですが、この記事のサブタイトルに「私たち人類はついに(生命の運搬役であるかもしれない)彗星の正体に迫ることができるのか?」というような見出しを私はつけていますが、上の記事から約3年経ちますが、変化はありましたでしょうかねえ。


いずれにしても、ラブジョイ彗星に合掌・・・じゃなかった。


アイソン彗星に乾杯。



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