2013年12月18日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




「地球温暖化調査」のために打ち上げられた観測衛星が明らかにした「 2012年から 50パーセント増えた北極の氷」



今日明日あたりは関東でも雪が降ることがありうるそうですが、ちょっと最近の雪に関連した話を少し書かせていただきます。




南国という言葉も返上されそうな気配の12月

以前はよく海外に旅行に行きました。

基本的にアジアが好きでしたので、寒い時には当然、南国へと向かいます。

今もそういう方々は多いと思いますが・・・さて、下の風景。

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▲ 12月17日のタイの Post Today より。


上は、タイ北部の、正確にはドーイ・インタノン国立公園というタイの観光客の人々が多く集まる場所です。上のように記念撮影をする人も多いのですが、もはや、どこの国のどんな場所での記念撮影かわからない格好となっています。

場所はタイ北部のチェンマイに近い山岳地帯で、もともと気温は低いところですが、このドーイ・インタノン国立公園では、12月17日にマイナス2度まで下がったそう。氷点下はさすがにタイの人には過酷な気がします。

ドーイ・インタノン国立公園はチェンマイの近くで、地図では大体、下のあたりです。

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その他もタイは全国で気温の低い状態が続いているようです。
タイの日本語報道メディア newsclip では下のように報じられていました。




バンコクひんやり、最低気温19度
newsclip 2013.12.18

タイ気象局によると、18日朝のタイ各地の最低気温はバンコクで18・6度、北部チェンライ市で7・8度、北部チェンマイ県パーン郡の山間地で1・7度と、今回の乾期に入り一番の冷え込みとなった。





アジアの他の国はどうかといいますと、たとえば、ベトナム。

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▲ ベトナムの英字メディア Vietnam Plus より。


ラオカイ省はベトナムの最北端のあたりに地位する場所ですが、緯度でいえば、香港などとそれほど変わらない場所です。上のベトナムメディアの報道記事の中にも「この前代未聞の天候が」という表現があり、こういう気候はかなり珍しいことのようです。

12月16日には、ラオカイ省全体で、気温が5度から、低いところではマイナス3度まで下がったのだそう。寒さと道路の凍結などにより、学校などの多くは休校となっているようです。

作物の被害も大きい模様ですが、このベトナムのラオカイ省というのは下のような美しい農村地帯が広がる場所のようです。

laocai1.jpg

Fiditour より。


そして、下の写真。

お嬢さん方が雪の中で微笑んでいるのは、中国南西部にある雲南省。
その 12月 16日の様子です。

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China Daily より。



雲南省にある「大理学院」という大学のキャンバス内の様子だとか。

この地域では最大で15センチの積雪を記録したそうで、この 18年間で最大の積雪量だそうです。


どこも厳しい寒さと大雪に見舞われているようですけれど、「日本は寒いから南国に旅行に行ったら、そちらはもっと寒かった」というようなことになる可能性もないではなさそうですので、旅行に行くときは現地のリアルタイムの気温などは調べて行くのがいいかもしれないですね。

場合によっては、タイやベトナムに行くのにも冬の北海道へ行く程度の防寒グッズが必要となるかもしれないです。実際、なっているところはなってますし。


そんな寒い中、さらに寒いニュースです。






南極の氷は面積だけではなく、質量も昨年より50パーセント増えていた


以前、

ついに地球が本格的な「寒冷化時代」に突入した可能性
 2013年09月09日

という記事を書きました時に、英国デイリーメールに掲載されていた「北極の氷の2012年と2013年の同時期の面積の比較」の写真を載せました。それによれば、今年は昨年の同時期より約 60パーセント、北極の氷が増加していることが確認されていました。

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▲ 上の記事より。


これは衛星で撮影されたものですが、あくまで面積での比較でした。


先日、英国 BBC で下のような記事が掲載されました。

arctic-now-01.gif

▲ 英国 BBC より。



これは、欧州宇宙機関( ESA )の地球観測衛星クライオサット( CryoSat )の観測により、面積だけではなく、「氷の質量そのものが昨年同時期より 50パーセントも増加している」ことがわかったというものです。


そして、これは皮肉な話のようにも聞こえますが、この地球観測衛星クライオサットは、 Wikipedia によりますと、


> レーダー高度計によって極圏の氷床・海氷を計測し、地球温暖化の進行が極地に存在する氷の融解に与える影響を調査する。


という目的のためにミッションを開始したものなのですが、そのクライオサットが今回明らかにしたのは、北極の著しい氷の増加でした。





2008年には

上の BBC の報道が出た後に、下のような記事も目にしたりしました。

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▲ 2008年12月13日に、ドイツでの講演会の場で聴衆にそのように言ったのだそうです。 News Commenter より。


まあ、「消える」と「増える」というだけの違いですので、大した差ではないかもしれないですが、いろいろと問題の露呈が激しくなっている感じはします。

主義や主張は様々あると思いますので、地球温暖化という「主義」そのものに対しては、そう主張する人たちがいて、そう信じている方々もいると思いますので、それは好き好きでいいと思いますが、実際に地球はどんどん冷えている気配を見せていて、北極の氷も南極の氷も大幅に増えているのは事実ですので、とりあえずはイデオロギーより、現実に従って生きる方が正しい方法のようにも思います。

つまり、「私たちはこれから寒い世界に生きていく」という準備というのか、そういう心構えがあってもいい時代になってきている雰囲気がますます強くなっているような気がします。


そんなわけで、 BBC の記事をご紹介しておきます。




Esa's Cryosat sees Arctic sea-ice volume bounce back
BBC 2013.12.16


欧州宇宙機関 ( ESA ) の地球観測衛星クライオサットが北極の氷の量が戻ったことを確認


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欧州のクライオサット地球観測衛星からのデータが、北極で今年の氷が溶けるシーズンの終わりにほぼ 9,000立方キロメートルの氷があったことを示した。

これは 2012年の同期と比べて 50%以上も増加している。

近年はこの地域での氷の急速な減少が目撃され続けていただけに、これは珍しく、そして良いニュースといえるかもしれない。

しかし、科学者たちは、 たった1年間の「氷の量の回復」であることに対して警戒している。

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのアンディ・シェファード( Andy Shepherd )教授は、

「北極海の氷の回復は確かに歓迎すべきニュースですが、しかし、ここ数十年の間に発生した北極の変化の背景を考慮しなければならないのです。 1980年代初頭の北極の海氷は 10月には 約2万立方キロメートルだったのです。今回の最小値は、まだ過去 30年間の最低のランクと推定されます」

と BBCニュースに語った。

クライオサット観測衛星は欧州宇宙機関の極地観測プラットフォームだ。北極海を覆っている流氷の厚さを測定することができる、高度なレーダーシステムを持っている。

観測開始以来の3年間では、2012年10月に 6,000立方キロメートルという、過去最低の北極の氷の量を観測して、氷量が着実に減少していることを示した。

しかし、北極では急激に気温が下がり、氷のボリュームが上昇している。

今年 10月のには 9,000立方キロメートルの氷を含有していることが判明した

英国の極地観測所「極地観測モデリングセンター」( CPOM )のレイチェル・チリング( Rachel Tilling )氏は、以下のように BBC に語った。

「私たちのデータでは、 2010年、2011年、2012年のそれぞれの年では、少なくとも氷の面積においてはほとんど変化がなかったのです。それだけに、私たちはこの 2013年の状況を見て大変に驚いているのが現状なのです」。

「観測された 10月という時期は氷の溶ける夏の終わりであるだけに、これほどの氷が残っているとは予測していませんでした。しかし、現実にこのようにそれが起きているわけです」。

今回の新しいクライオサットによる調査の結果は、毎年恒例の「北極圏報告カード( Arctic Report Card )が発行されるアメリカ地球物理学連合( AGU )の秋季大会があったサンフランシスコで発表された。





(訳者注) 記事の中のアンディ・シェファード教授という方が、「この 30年間、北極の氷は減少し続けている」というようなニュアンスのことを述べているのですが、これも実は正確にはあまり正しくない部分があると思われるのですが、そこは長くなりますので、そのうちデータなどでご紹介できる機会があればと思います。

実際のところ、「どのデータを使うか」によって「どのようにでも結論づけられる」のが科学の世界のひとつの側面というか事実でもあります。

そういうことをこのブログを書くために調べる中でたくさん見てきました。

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