2013年12月23日



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光で語り合う自分の細胞と他人の細胞。そして、人間は「生きているだけで永遠を体現している」ことをはじめて知った日



混乱した自分の精神の中、溢れまくる時事ネタを制御しきれずに、今日は単為生殖とシンクロニシティについて出会った本のことなどを書かせていただきます。


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▲ 単為生殖(パルテノゲネシス)という言葉の語源となったギリシャ神話の処女の女神パルテノース( Parthenos / あるいはアテナ )。パルテノゲネシスの「ゲネシス」( Genesis ) は、起源、発生、生成などを意味します。パルテノン神殿はこの女神のために建てられたのだそう。






 



個人的に、どうも「精神の不調」が続いています。

特に、土曜と日曜は神経症的に久しぶりなくらいに調子が悪い日でした。頭痛やめまいはともかく、思考の混乱などまで伴って、なかなか大変な1日でした。

これまでの経験ではこういう精神的な不調というのは、結構、「全体的(多くの人たち)にそういう傾向が出てくる時が多い」ので、まあ、メンタル的に弱い部分があると自負される方はお気をつけて下さいね。

そんなわけで、今朝もまだその余韻が続いているのか、思考が理路整然としていない時ですので、脈絡を考えずに自動筆記的に書き散らす可能性がありますが、ご容赦下さい。

今日か明日、最近溜まった時事ネタをまとめて書こうとも思っています。
何だか本当にいろんなことが起こり過ぎているのですが、今回の記事は時事ではないです。





単為生殖のシンクロニシティ、そして新しい DNA の発見

先日、

女性200人のうちの1人は「処女懐胎」しているという調査結果に思う進むY染色体の終末時計
 2013年12月19日

という記事を書きました。タイトルは「処女懐胎」としていますが、実際には「ヒトでの単為生殖(単独で種の再生産をおこなう)」についての記事だったのですが、これは記事を書いた後にも個人的に興味があり、何かそれについて書かれた本はないのかと探してみましたら、「ものすごく」いい本を見つけたのです。


ドイツ人のマリアンネ・ヴェックス( Marianne Wex )さんという女性の著者が 1992年に出版した『処女懐胎の秘密』という本で、ここでも処女懐胎という言葉が使われていますが、単為生殖の現実性を科学的な観点と、そして、社会的な面(女性の処女性についての男性社会での視点の歴史など)から描いたもので、日本語に訳されている単為生殖についての総合的な本としては(多分)唯一のものではないかと思います。

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▲ マリアンネ・ヴェックス著『処女懐胎の秘密』。 Amazon にあります。新刊は存在しないようで、 Amazon には古本しかないですが、ご興味のある方はどうぞ。


ちなみに、この著作はその根本にあるのはスビリチュアル的な概念で、著者は、45歳の時に免疫系の機能不全となり、動くこともできなくなりかかっていた時に一種の「覚醒」(本人はそう書いていませんが)を起こしたというタイプの方に見えます。前書きに以下のような箇所があります。


ひとり、隠者のようにひきこもった生活をしていた私に、さまざまな内面的体験がつぎつぎに押し寄せ、自然治癒と再生、つまり肉体的、感情的、精神的、霊的といったすべての次元における自分の存在の死と誕生が、しだいに私の関心の中枢をしめるようになりました。そのころから、奇妙なほど頻繁に人の話や書物をとおして、「単為生殖」というものに出会うようになったのです。



というもので、いわゆる「単為生殖に関してのシンクロニシティに巻き込まれる」とでも言うべき状態になっていったようです。しかし、この方のすごいのは、それをスピリチュアル的な思考だけでは考えず、徹底的に過去の科学データと社会データの中から、「単為生殖の現実」を調べ上げ、記しているものです。巻末に掲載されている、おびただしい参考文献の数と種類が、この本が「学術書」に匹敵するものであることを示しています。

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▲ この方がマリアンネ・ヴェックスさんだと思います。marianne-wex.de より。プロフィールを見ると、1937年のお生まれということです。単為生殖などの研究をする傍ら、長くヒーラーをしているそう。






光線によって他人の細胞に介入する細胞と DNA

この本の中でも、私にとっては、特に、構造的な可能性として言及しているくだりは圧巻で、有糸分裂という「真核生物の細胞分裂における核分裂が単為生殖と深い関係を持つ可能性の話」や、あるいは、さらに、非常に興味深い事例として、

「光による受精」

というセクションがあり、これは、アレクサンダー・グルヴィッチという研究者がおこなった実験の際に、「細胞から出ている光線は他者、つまり他人の細胞に細胞分裂をおこさせることができることがわかった」というようなことなど、興味深いことがいろいろと記述されています。


細胞や DNA から光が発せられていることことは 1960年代からわかっているそうで、それを測定できるようになったのはフリッツ・アルバート・ポップ博士というドイツの高名な生物物理学者が開発した機械によるものだそう。


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▲ こちらは人工的に作られた細胞ですが、レーザー光線を発する細胞の写真。 2011年6月13日の米国 Tech News より。2011年にアメリカの研究グループが作り出したものです。しかし、このようなレーザーが自然的に人間の細胞から発せられている可能性が上の記述と関係します。



この「光による《自分の細胞》と《他人の細胞》のあいだのコミュニケーション」ということに、私は大変に興味を持ちました。


私自身は、人間と「他の人間」の間には、細胞、あるいは DNA 単位で何らかの「物質的な」コミュニケーション手段が存在すると考えている部分があります。そして、光は物質ですので、それが正しいかもしれないという興奮にもつながります。


シンクロニシティ的なことにしても、夢や、あるいは知人などと「偶然」同じことを考えていた・・・などの「偶然」は生きているとあまりに数多くあるのですが、これを曖昧に「神秘的なこと」として捨て去るのは私はイヤでした。なので、その原因がわかるまでは、私は最近では、そのようなシンクロニシティを「単なる偶然」として片付け続けるつもりでした。

しかし、この「光」の話で、漠然としていたものがハッキリとしてきたような感じがあります。

ひとりの細胞と他人の細胞や DNA との間に光線でのコミュニケーションが常に存在しているというのなら、「シンクロニシティ」というものは、人間に普通に存在するごく通常の現象だということがわかります。






次第に明らかになる隠された DNA の本当の力

DNA といえば、「隠されていた DNA 内のコード」が新しく発見されたことがニュースとなっていました。

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▲ 12月12日の Yahoo ! UK より。


上の記事は、その後、日本語版 AFP に掲載されました。

新たな遺伝コードを発見、遺伝子制御に関与か 国際研究
 AFP 2013.12.13

記事の詳細は上のリンクからお読みいただけますが、その記事の出だしは、


米科学誌サイエンスで発表された研究論文によると、遺伝子の制御に関して指示を出していると考えられる新たなDNAコードが見つかったという。科学者らはこれまで、DNA は細胞にタンパク質の作り方を教えるものと長年信じてきた。



というものでした。「これまで知られていなかった DNA の遺伝子に対しての指令システム」が見つかったというようなことのようです。

ちなみに、上でご紹介した『処女懐胎の秘密』には DNA についての記述も何度も出てくるのですが、当時は(あるいは今も) DNA の 90パーセント以上の働きはわかっていなく、「それらは機能していない」というような意味のジャンク DNA などというような呼び方もされていたこともあるわけですが、次第に DNA の働きというものが明らかになってきている気がします。

過去記事で、「ジャンクDNA解明への挑戦」という記事をシリーズで記したことがあります。2年以上前の記事ですが、ロシアでの DNA 研究についての記事を翻訳したものした。その中の3回目は、

ジャンクDNA解明への挑戦(第3回):DNAは生物の直感力とテレパシーを支配している
 2011年06月13日

というタイトルのもので、そこにも「光と DNA 」の関係が出てきます。

抜粋いたしますと、


幻の DNA 効果

ロシアの科学者たちは、ハイパーコミュニケーションが起きる際の人間の DNA の状態を調べるために、レーザー光で DNA のサンプルを放射線に晒し、状態の変化を調べることに着手した。その結果、ハイパーコミュニケーションが発生する際には、人間の DNA と、人間そのものに特別な現象が観察されることがわかった。

DNA サンプルは、レーザー光のもとで典型的なウェーブパターンを作るが、研究者たちが DNA サンプルを「除去した後でも」、そのウェーブパターンは消えなかったのだ。そして、取り除かれた DNA サンプルのほうにもウェーブパターンがまだ発生していることを実験は示した。

これを研究者たちは、「幻の DNA 効果」と呼んでいる。



というようなことでした。

ところで、この細胞や DNA という存在自体が、「私たちは無限の存在であるということの目に見える現象のひとつである」ということを、『処女懐胎の秘密』のマリアンネ・ヴェックスさんの文章ではじめて私は自覚することができました。

それは以下のような下りでした。


「 DNA は生命情報を受け取り、担い、送り出す物質であり、これは単細胞体、植物、動物、人間のすべてにあてはまります。 DNA は自らを複製するのです。細胞分裂というプロセスをとおして DNA を伝えることによって、物質レベルで私たちの生命は実質的には無限なのです」


というものです。

この記述が科学的に完全に合っているかどうかはともかく、確かに私たちは生きている中で、毎秒毎秒、「無限の複製を自分の体内で繰り返している」ということを知ってはいるのに、それは「永遠そのものである」ということを忘れているような気がします。


これはつまり、


「人間は生きているだけで永遠を体現している」


という表現でも構わないと思います。

もちろん、他の多くの動物も細胞と DNA の複製が無限なのは同じですが、ここでは人間としての永遠性の話として書かせていただいています。


いずれにしても、このマリアンネさんの著作は、疑似科学に類したデータの羅列でなく、優れた「思想と科学の融合本」と考えていいかと思います。

そして、ここには「人類の未来」と関係するテーマが書かれていると私は思います。何しろ、私が思う人類の未来には「男女の肉体的生殖行為が存在しない」ということが重要な部分を占めています(恋愛がなくなるわけではない)。

このあたりは、ずいぶんむかしに、クレアの

人類の未来(5):神話が教えてくれる「女性」
 クレアなひととき 2011年07月02日

という記事で、下のように記したことがあります。


「女性は、今すでに、男性性システムの社会が作り上げた男女の在り方の理想像の矛盾と違和感に気づき始めている」


というようなことも書いています。


まあ、何はともあれ、今回はこの話だけとなってしまいましたが、次回の記事には、精神が復調すれば、溜まりはじめてパソコンの画面から外へ噴出しかかっている最近のいくつかの時事をご紹介したいと思っています。

今回の締めは、マリアンネ・ヴェックスさんが著作の中で「所信の表明」として記している部分を抜粋したいと思います。




『処女懐胎の秘密』(1992年)「はじめに」より
 マリアンネ・ヴェックス著/伊藤明子訳

私は自分を、輪廻転生を繰り返している個人的存在、さらには集合的存在と認識しています。さらに、あらゆる生命と −− 過去・現在・未来のあらゆる生命と −− ひとつになった存在と認識しています。

宇宙のあらゆるエネルギーは存在するすべてのものの姿をとり、したがって、私という姿もとりながら自己実現しているという認識をもって、私は生きています。つまり、決して自分を被害者とみなすこともなく、誰をも、何ものをも非難することなく、私の人生形成について、いかなる権威にもいかなる状況にも責任を転嫁しないということです。

私は、自分を囲む世界や自分の存在自体に、つまり私自身のもつ限界のなかに自らが反映されていることを認識しています。その自己の限界のなかで、私という存在およびあらゆる生命に対する無条件の愛を感じつつ、できるかぎり自覚的になり、できるかぎり自覚的に行動しようと務めているのです。