2013年12月28日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




あと一年くらいの今の世界(2):凍えていく地球の中、アメリカ東海岸のイルカの死亡数は 1200頭を越えて



amsa-twitter.gif

▲ 南極海で立ち往生しているロシア船の救助に関して発信した、12月25日のオーストラリア海洋安全局の12月25日のツィッターの文章と写真。その後、中国の砕氷船が救助に向かうも失敗。ロシア船には 74人の観光客や科学者らが乗船していますが、救出の見込みは立っていません。後で、AFP の記事などもご紹介します。






「地球が向かう方向」が明確になり始めた年の終わりに

最近、東京工業大学大学院の丸山茂徳教授が 2009年に出した『地球寒冷化 人類の危機』という本 Amazon で見つけまして、それを買って、今日パラパラと読んでいました。

内容はタイトル通りのものですが、丸山教授は、地球と人類の将来の存亡そのものにかなり強い危機感を持ってらっしゃるようで、最終章の最後のセクションは、「カタストロフ(悲劇的な結末)」というタイトルでした。


この本が出された 2009年にはまだ「寒冷化」ということの実感は、学問上ではともかく、体感としてはあまり感じなかったように思いますが、今となっては、地球が全体として寒冷化に向かっているということはごく普通に感じたりもします。


思えば、ほんの2年ほど前まではほとんど自覚はなかったのですが、過去記事などでも段階的に、このことにはふれていたことを思い出します。

2010年には、翻訳だけの記事ですが、

地球温暖化と米国物理学会のありかたを非難して学会を脱退した科学者の辞表の全内容
 2010年10月10日

という英国テレグラフの記事を目にして、これを読んで、それまで「地球温暖化」という言葉に対して具体的な疑念を考えなかった自分自身を恥じたものでした。

t-2010.gif

▲ その時の 2010年 10月 9日の英国テレグラフの記事。イラストに使われているのはニュートン。キャプションにはニュートンの台詞として「科学者の名に値しない者」という言葉を引用しています。



そして、 2011年には、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来
 2011年11月07日

という長いシリーズの記事を書かせていただきました。


これは、太陽活動から見た今後の地球の気候の方向性についてを記したものですけれど、3回目の記事では、 NASA の太陽物理学者、デイビッド・ハザウェイ博士という人の話から、「 1945年から太陽黒点のカウント方法が変更されていた」ことなどを知ります。

400years-Sunspot_Numbers-02.gif

▲ 上の記事より。


そして、今年 2013年は、

ついに地球が本格的な「寒冷化時代」に突入した可能性
 2013年09月09日


という記事を記させていただきましたが、このあたりでは、それまで無自覚だった私自身の「地球の方向性」というものがかなり明確になった気がします。

あるいは、私自身には今でも信念も主張もないかもしれないですが、信念も主張もなくとも、様々な冷静な報道や主張を見ていると、今後の地球の進む方向の、少なくとも「気候」に関しては確信できる部分があります。


まあしかし、それは大きな声で主張しなくとも、そのうちやってくることだとも思います。






74人が南極海に閉じ込められたロシア船に見る極地の状況

トップに載せた写真は、現在、南極で厚い氷に阻まれて完全に行き場を失った船に関してのものです。

ant-afp.jpg

▲ 2013年12月28日の AFP より。


記事を抜粋しますと、下のようなことが12月24日から現在まで起きています。


南極海で立ち往生しているロシア船の救助に向かった中国の砕氷船が厚い氷に進路を阻まれ、救助作業が行き詰まっている。オーストラリア海洋安全局(AMSA)が28日明らかにした。

ロシアの「アカデミック・ショカリスキー」号の救助活動を取り仕切るオーストラリア海洋安全局によると、中国の砕氷船「スノードラゴン」は調査船から約6.5カイリの位置まで来ていたという。

オーストラリア海洋安全局の報道官は、「中国の砕氷船は、砕くことのできない厚い氷に進路を阻まれた。アカデミック・ショカリスキーには到達できないので引き返している。残念ながら救助計画は行き詰まってしまった」と述べた。

観光客や科学者ら74人が乗っているアカデミック・ショカリスキー号は、仏デュモン・デュルビル基地の東方約100カイリの地点で24日から立ち往生している。

スノードラゴンの他に2隻がアカデミック・ショカリスキー号の救助に向かっている。その中で最も高い砕氷力を持つオーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリスが現場付近に到着するのは29日以降の見込みで、スノードラゴンが到達したところより先に進めるかどうかは現時点では分からないという。




場所は、オーストラリア海洋安全局の情報から地図を作成してみますと、下の赤い星印の場所で船が行き場を失っているようです。

ant-no-manual-2.gif

▲ オーストラリア海洋安全局の情報などから作成した12月27日現在のロシア船の場所とその周囲。


地図を作ってみると、あらためて南極というのはものすごい場所にあることがわかります。

記事では「海里」という距離の単位で現されていますが、現在、このロシア船の救助にあたっているオーストラリア海洋安全局の本部があるのは、オーストラリア・タスマニアのホバート市という場所で、そこから現場までも約 2800キロ。

日本列島の北海道から九州までよりもさらに長い距離だということがわかります。

そして、下は BBC にあった写真ですが、現場一帯は最近の南極の寒冷化によって、下のような状態の模様。

ant-bbc-2013-12-27.jpg

▲ 12月27日の英国 BBC より。



先日、

「地球温暖化調査」のために打ち上げられた観測衛星が明らかにした「 2012年から 50パーセント増えた北極の氷」
 2013年12月18日

という記事の中で、北極の氷が昨年同時期より 50パーセント増えたことを記しましたが、南極の氷も過去最大を記録し続けています

アメリカの政府機関の閉鎖解除後に知り得たフードスタンプやイルカの大量死のデータ
 2013年10月20日

という記事に、アメリカ国立雪氷データセンター( NSDIC )の下のグラフを載せたことがあります。

antartic-2013-10-18.gif



どうも、ここ数年の中で今年は「突出して極地の氷が増えた年」だったようです。

そういう中で、今回のロシア船のような出来事も起きてしまっているのですが、オーストラリアは世界最強の氷破砕船を持っているということですので、多分、救助は大丈夫だと思いますが・・・。


そして、今、上にリンクした「アメリカの政府機関の閉鎖解除後に知り得たフードスタンプやイルカの大量死のデータ」という記事では、9月の時点でのアメリカ東海岸でのイルカの大量死のデータも載せていました。

strandings_sept_23-23.gif

▲ ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、ヴァージニア州の 2007年 - 2013年の 1月 1日から 9月 23日までのイルカの座礁数。


先日、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)が最新の、イルカの座礁数のデータを発表しました。それが下のグラフです。

dol-12-15.gif

アメリカ海洋大気庁より。


12月15日の時点で 1300頭を越えていて、9月からの3ヶ月間だけで 600頭近く増えている計算になります。

「結局、いろいろなことが何も収まっていないまま 2014年に突入する」

と思ったりもしますが、2014年はさらに極端な年になるのかどうか。

私は「なる」と思っていますが、それは合理的な理由というより、感情的な、あるいは単なる感性的な意味でもあるかもしれないですけれど、そのような予感はあります。

Sponsored link


・ In Deep も» 人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。