2014年01月07日



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南極の氷の中から立ち昇った炎 : 科学誌ネイチャーが地球温暖化調査団のリーダーによる擁護記事を掲載。そしてそこで知る真実



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▲ 2014年1月6日の Nature News より。



(作者注)今回の記事を書いている途中で、個人的に、かなり大きな用事というのか、個人的な状況が出現してしまいまして、ネイチャーの記事の内容の翻訳自体は途中までとなり、全体を載せるのは後日とさせていただこうと思います。








視覚的にはほとんど現実化している近未来とされた光景

昨日、

ロシア・アメリカ両大国が同時に経験する「マイナス 50度の日常」
 2014年01月06日

という記事を記しまして、そこに記しましたロシアとアメリカ双方の気象局の予測通り、アメリカには大寒波が到来したようです。AFP の「体感温度マイナス53度も…米国に大寒波到来」という記事に、アメリカの各地の写真が掲載されているのですが、その光景はなかなかスゴイものです。そして、それと同時に、かつて小氷河期時代に描かれた光景などと重なるものがありました。


下はその AFP の報道にあった1枚で、シカゴの様子です。

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▲ 1月6日のシカゴ。凍りついたミシガン湖の前でなぜか喜んでいる二人。 AFP より。


これはミシガン湖が凍りついたことでの風景らしいですが、氷の向こうに、何だか廃墟のようにも見えてしまうビル群が立ち並ぶ光景などは、よく描かれる小氷河期としての近未来の光景のようにも見えたりいたします。


ちなみに、過去の「実際の小氷河期の時の光景」はどうだったかというと、たとえば、17世紀などの絵を見てみますと、下のようなものが見当たります。これは、英国ロンドンの 1976年か 1977年の様子で、テムズ川が凍りついた様子のようです。

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▲ 画家アブラハム・ホンディウス( Abraham Hondius )が描いた 1677年のロンドンのテムズ川の様子。 National Geographic より。


アメリカの写真でも男性たちは手を挙げて喜んでいるように見えますけれど、この 1977年のロンドンの光景でも、人々はどうも「喜んでいる」とか、「はしゃいでいる」というように見えます。踊っているような感じの人だとか(中央の帽子男)、銃を撃ってるのさえいる(右端)。犬は喧嘩しているようですけど。

やはり、ふだん起きない現象が起きると、興奮するものなのですかね。


まあ、そんなわけで、記録的寒波でもさほど悲壮感のないアメリカと、そして 17世紀のロンドンなわけですが、しかし、やや驚いたのが、 AFP の記事の下の部分です。太字はこちらでほどこしたものです。


モンタナ州カマータウンでは体感温度で史上最低となるマイナス53度を記録。これは南極で記録された体感温度マイナス 34度をも大幅に下回る。ノースダコタ、サウスダコタ、ミネソタ各州もモンタナ同様に凍てつく寒さとなっている。



南極より寒いということのようです。

とはいいましても、南極は、過去記事、

進化論の崩壊の序曲? : 「なぜ老いるのか」という理由がわからなくなった科学界
 2013年12月12日

の中で、下のような気温を記録しているわけで、地球上での最低気温の記録を保持し続けています。

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▲ 2013年12月10日の英国ガーディアンより。



それにしても、最近の南極の感じを見ていると、上の記録も、南半球が冬になる頃まには、また更新されてくるのではという気もします。

というのも、南極の氷の面積が相変わらず「過去最大クラスを更新し続けている」からです。

下は、昨年 10月までの南極の海氷の面積ですが、青い線で描かれる 2013年の氷の量が、過去平均を大きく上回って推移していました。

2013年07月から10月18日までの南極の海氷の面積の推移

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その後、南半球は夏に入りましたので、氷の量は減っていくのですが、それでも2014年1月5日時点でも、なお、過去の平均を上回って推移し続けています。

2013年10月から2014年01月05日までの南極の海氷の面積の推移

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▲ データは共に、アメリカ国立氷雪データセンター( National Snow and Ice Data Center )より。



というわけで、そんな氷の多い南極で立ち往生している「調査船」の話を最近、たまに記していますが昨日、科学誌「ネイチャー」が、その擁護のような形の記事を発表しました。それがトップに貼った記事です。

まあ、ネイチャーとしての擁護かどうかはよくわからないのですが、昨日の記事で記しました、今回の「調査団」のリーダーであるクリス・ターネイ( Chris Turney )さんという地球温暖化説の主張者のひとりである科学者の「南極からの文章」を急遽掲載したのです。






ロシア船のショカリスキー号はれっきとした砕氷船だった


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▲ 今回の救出劇を揶揄する漫画も米国メディアに登場。 2014年1月6日の Le・gal In・sur・rec・tion より。


科学誌「ネイチャー」が、突然、今回のような記事を発表した理由は、ここにきて、チラホラとメディアの報道の中に、「この船が地球温暖化の調査チームの調査船」であることが書かれ始め、また、今回の救出劇についての「非難」の論調が高まってきたことも関係しているのかもしれません。

たとえば、 2014年1月6日の AFP の

南極海、ロシア船乗客救助の中国船も立ち往生

という記事には、下のような記述があります。



ショカリスキー号の遭難は一部から批判を浴びている。同号を救助するために、これまでポーラースター号と雪龍号の他、オーストラリアのオーロラ・オーストラリス号、フランスのアストロラーベ号の4隻が、本来の任務を中断している。

中国「雪龍」の任務は中国にとって30回目となる南極大陸調査で、研究基地の新設なども含まれていたが、計画はすべて見直さなければならなくなった。

フランス極地研究所のイブ・フルノ所長は、同国のアストロラーベ号は予定していた2週間の海洋調査を中止せざるを得なくなったとしながら「われわれはまだ幸運なほうだ。中国の雪龍号は科学研究全体の中止を余儀なくされ、オーストラリアはひと夏全部を棒に振った」と非難している。





これは簡単にいうと、「多くの国の南極調査科学者たちが怒っている」のです。


そして、ネイチャーの記事には、ターネイさんによる以下のような下りがあります。


私たちが苦境に陥っているニュースが世界中で報道されて以来、私たちの科学的探検隊が受けている批判のレベルに驚いている。

この船は観光クルーズ船ではない。この科学的プロジェクトのために、2年の開発の期間を費やしている。そして、ニュージーランド保安局、タスマニア公園野生生物局とオーストラリア南極局に承認された計画だ。




自分たちが「怒りを買っている」ことを知り、科学者が科学者を敵に回すわけにはいかないということで、今回、科学者たちにとっての大きな代弁者のひとつといえるネイチャーが「擁護」にまわったことで、「南極の氷の中から立ち昇った火」を消そうとしている感じもうかがえます。

まあ、実際のところのネイチャー側の真意まではわからないですが。


ところで、タイトルに「真実」と入れたのは何かと申しますと、この最初に立ち往生したロシア船のショカリスキー号が、報道の最初の頃には、「観光船」のような響きを持って報じられていたわけですが、ネイチャーの記述を見れば、最初の時点から報道は方向性として違っていたことがわかります。

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Nature News より。


これは観光船どころか、「ロシアの砕氷船」だったのです。

もともと屈強な装備で南極に向かった調査船がどうして「観光船」というような響きの報道となっていったのかということにも少し興味があります。


今回の救出劇の構図は、ロシアの砕氷船が氷に囲まれて動けなくなったところを、中国とオーストラリアの砕氷船が救出に行ったということになるようです。オーストラリアのメディアに、それぞれの砕氷船の大きさや装備などの比較が載っていました。

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US ice-breaker Polar Star sent to rescue trapped ships as costs soar より。

南極の気候次第では、本当にさらに大変な事態となる可能性も出ています。



そのネイチャーの記事の内容も掲載したかったのですが、冒頭に注記させていただきましたように、記事を書いている途中で、突然連絡がありました。これが、私にとっては大きな出来事の連絡ごとでもありまして、まあ、バッドニュースのほうの大きな出来事でもあるののですが、いずれにしても、記事が途中になりまして、申し訳ありません。

後日、掲載できればしたいと思います。

しかし、他にもいろいろとニュースは多いです。

世界そのものが慌ただしい 2014年になりそうですが、その「津波のひとつ」が、まずは私個人にやってきたという感じもあります。

皆様におきましては穏やかに過ごされることを祈っております。