2014年01月12日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




爆発的に増えている地球付近を通過する小惑星。そして、スロースリップが発生し続ける太平洋



neo-2014-01-08-01-10.gif

▲ 2014年1月8日から1月11日までの4日間の地球近傍天体(すべて小惑星)。 NASA ジェット推進研究所の地球近傍天体プログラムより。4日のあいだに 10もの小惑星が地球近傍天体として記録されています。なお、距離は「1AU」が約1億5000万キロ。「1LD」が約38万キロ。




やはり何となく不安定な太平洋

正月早々に、

海外で囁かれる「日本で1月に巨大地震が発生する」という「噂」を否定できるのか、それともできないのか
 2014年01月02日

という非常に物騒かつ申し訳ないタイトルの記事を書いたのですが、そこに記しました海外の人たちの予測(のようなもの)は幸いなことに外れ、大きな地震は起きませんでした。

ただ、その頃、大ざっぱにいえば、巨大地震に近い状況ではあったようではあります。

昨日のニュースで下のようなものを見たのでした。


房総沖で「スロー地震」か=間隔最短、2年3カ月ぶり - 国土地理院
時事通信 2014.01.10

国土地理院は10日、千葉県の房総半島沖で、地下にあるプレートの境界がゆっくり滑る「スロー地震(スリップ)」とみられる現象を観測したと発表した。同様の現象は2011年10月以来で、観測史上最短の2年3カ月ぶりの発生という。

地震をもたらすプレートのひずみが小さくなった可能性がある一方、新たな巨大地震の前兆の恐れもあり、地理院は監視を続ける。 




ということで、スロー地震というようなものが起きていたようです。このスロー地震というものは、要するに「爆発的なエネルギーの伴わない地震」とでもいっていいものかもしれません。

この周辺には、スロー地震とかサイレント地震とか、いろいろな名称があり、区分がよくわからないのですが、 スロースリップ - Wikipedia を見てみますと下のような記述がありまして、専門的にも何となく曖昧なもののようです。


厳密には、地震によるすべりを伴わないスロースリップをサイレント地震、地震によるすべりを伴うスロースリップをスロー地震というが、使い分けは研究者の間でも正確ではない。



曖昧であるだけではなく、地震と同様に、そのメカニズムはよくわかっていないものだと思われます。

しかし、発生メカニズムを含めて曖昧ではありつつも、このスロー地震と巨大地震を結びつけて考えている学者もいるようで、例として、東京大学地震研究所副所長の小原一成さんという教授の記した、「スロー地震による巨大地震発生予測の可能性」という記事などがあります。


今回の 2014年1月10日に発表されたスロー地震については、独立行政法人の防災科学技術研究所が「房総半島沖でスロー地震を検出」というプレスリリースで詳細に解説してくれています。

下の図は、房総沖スロー地震に伴う地震の震央分布で、今回のスロー地震における地震の記録は赤で示されている場所です。

slow-2014-01.gif

▲ 防災科学技術研究所のプレスリリースより。日本語はこちらで入れています。


このスロー地震という現象が巨大地震と関係しているのかどうかは何ともいえないですが(個人的には否定的)、地殻の一種の変動であることは事実ですので、何らかの現象が今後、目に見えてくるということがあり得ることに関しては否定しません。

まあしかし、専門家も含めて誰にも予測できないのが現状ですので、気にすることでもないです。通常の防災の備えがあれば、それで十分だと思います。






熱波と寒波の続報

先日のオーストラリアの「 50度の熱波」の記事では、コウモリが高温で空から次々落ちている記事をご紹介したりしましたけれど、暑さで死亡しているのは、コウモリだけではなく、他にエミュー、カンガルー、オウムなどオーストラリアの多くの種に渡っているようです。

au-kangaroos-dead-01.gif

▲ インターナショナル・ビジネス・タイムスの記事を引用した 2014年1月10日の Extinction Protocol より。


上の記事で引用されていますオーストラリアのインターナショナル・ビジネス・タイムスによりますと、下のような状況だとのこと。



Kangaroos, Emus, Parrots Drop Dead as Australia Sizzles in Record-Breaking Heat Wave
IB Times 2014.01.10

記録破りのオーストラリアの焼けるような熱波の中で、カンガルー、エミュー、そして、オウムなどが死に陥っている

オーストラリアの記録破りの熱波の中で、動物は次々と倒れ、また、空からは焼け焦げるかのように 10万匹のコウモリが落ちてくる。そして、今度は、オーストラリア中で、カンガルーたちが「まるで失神するかのように」次々と倒れていく様子が目撃されている。

クイーンズランド州南部で、地面に落ちて死体で発見されたコウモリの数は、 25の別々のコロニーのコウモリたちで、10万匹にのぼるコウモリたちが地面で死亡している。そり地域では、死んだコウモリの腐敗による悪臭が地元の人たちを悩ませ始めており、地域の協議会では、コウモリの死体を回収するための大規模な清掃を命じた。

また、クイーンズランド州で最も気温の高いウィントンなどの地方では、カンガルー、オウム、そして、エミューなどが熱波で死亡しているのが発見された。オーストラリアの気象局は 1月 9日に奥地のピルバラ地方で 50 ℃の温度を記録したと発表した。

観測史上、オーストラリアで最も高い記録された温度は、南オーストラリアのウドナダッタで 1960年に記録された 50.7Cがあるが、気象専門家によると、この記録は数日中に破られる可能性があるという。

オーストラリア全体の温度記録は、すでに熱波の猛攻撃により、過去数週間のうちに次々と破られてきた。





とのことで、動物の大量死も絡んできていて、もはや「ホットな話題」ということにもいかなくなってきている様子があります。

米国の寒波は緩和されてきたようですが、ナイアガラの滝も凍ったようで、これはこれで見事な光景を作り出しています。

niagara-01.jpg

▲ 2014年1月11日の Times News より、凍結した米国のナイアガラの滝。


冬の寒さは(通常なら)これからが本番ですので、まだまだいろいろなことがありそうです。冬は寒く、夏が暑いというのは季節的には当たり前のことですが、度を過ぎると、現在の米国とオーストラリアのような「過酷な冬と夏」を行き来してしまうようなことになる可能性もあります。日本なんて軽くそういう状態ですしね。


しかも、あるいはこれから 50年から100年くらいの間は続いたり(長いなあ)。


というわけで、今回の本題の小惑星の増加について・・・といっても、冒頭に貼りました表だけですべてわかることではありますが、地球に接近する主に小惑星が今年になって急速に増えているという感じがあるのです。




地球へ接近する天体の増加の意味

2014aa-02.jpg

今年は、元旦の直後から小惑星が地球の大気圏を直撃としたという始まりだったことは、

「元旦に発見された小惑星はその翌日に地球を直撃した」 : そんな始まりを告げた 2014年
 2014年01月04日


に記したことがありましたが、その後も、1月の地球近傍小惑星は毎日毎日、新しいものが発見され続けている状態でした。下は、「ロシア・アメリカ両大国が同時に経験するマイナス 50度の日常」という記事に載せた、1月1日から1月8日までの地球近傍小惑星の状況です。

art-01-08.gif


上は、1月6日に書いた記事に載せたものですが、その後も、下のように毎日毎日新しい小惑星が発見され続けています。

ast-1-10.gif


さすがにちょっと多いかなあ」と思い、さらに多くの地球近傍小惑星が掲載されている NASA ジェット推進研究所地球近傍天体プログラムのサイトを見てみますと、記事最初に貼ったように、この数日間だけでも、えらい数の地球近傍天体が記録されていたことがわかったのでした。

最初に貼った表から天体の名前の部分だけをもう一度ご覧いただきたいのですが、天体の名前は「年代+分類の記号」というようになっています。

1999-2014.gif


年代だけを見ましても、最近、地球の近くを通過している小惑星が、ほとんど 2012年から 2014年の間に発見されたものであることがわかります。ここには「観測技術の進歩」というものが関係しているとしても、それにしても、あまりにも急速に発見が増加しているという感じは否めません。


ちょっと大きな表となりますが、 2014年 1月の今後の地球近傍天体の表は以下のようになります。ちなみに、これらは数こそ多いですが、地球からかなり遠い場所を通過していくものですので、地球に対しての直接の危害の問題はないです。

ast-2014-01-12-31.gif

地球近傍天体プログラムより。


気をつけたいのは、上の表のものは既知のものだけであり、「ここには、これから発見される分は含まれていない」ということです。実際には、通過直前(あるいは通過後)に発見される小惑星が大半ですので、実際に地球の近くを通過することが観測される小惑星の数は何倍にもなる可能性があります。


ここ2年くらいは天体の話を書くことも多かったのですが、今年 2014年は、1月1日に発見された小惑星がそのまま地球を直撃したという意味では、とても印象深い始まり方をしたわけではありました。

もちろん、これは単に 1月 1日だったから印象的なだけ、ということも確かでしょうけれど、「地球は常に巨大天体の直撃の可能性を持っている」ということを思い出す機会となった年のはじめではありました。


今の私たち人類は、天体による災害を忘れた生活を約 500年続けていますが、紀元前の人々もまた同じだったようです。紀元前 347年に没した古代ギリシアの哲学者プラトンの言葉を記しておきたいと思います。



プラトンの対話より

過去記事「良い時代と悪い時代(2): 天上の神々の地位」で抜粋したフレッド・ホイル著『生命はどこから来たか』 エピローグより。


「クリアチス、今は忘れられてしまったが、ずっと昔アテネそして人類に驚くべきような出来事が起こった。それは何度も起こり、一番ひどいのは火と水によって起きた。

そして次のような話がある。ヘリオスの息子バエトンが父の馬車を馬につないだ。だが彼は父の通り道を運転できなかったので、地球に落ちて燃え尽きてしまった。

これは神話の形をしている。しかし、地球を回っていた天体が地球に落下したという現象を示しており、地球上の大火事というのは長い間隔をあけて繰り返されたのである。

このとき、海岸や川辺よりも山の上の方が被害がひどかった。一方、神が大洪水で地球を清めるとき、羊飼いや町に住む人々を海に押し流す。-- 普通の時代では、天上から伝染病と同様に流れが降りてきて、少ない人のみを残していく。

そして昔起きたことを何も知らず、子どものように初めから始めなければならない -- 」





このプラトンの「天上から伝染病と同様に流れが降りてきて」という表現を見ると、プラトン没後のこの 2300年間ですっかり衰退してしまった地球の科学の理念と概念を思います。技術は進んだかもしれないですけれど、理念と概念が衰退し続けるのなら、技術の進歩は止まるか、あるいは「悪い方向」にしか進まないようにも思います。

Sponsored link


・ In Deep も» 人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。
  
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。