2014年01月26日



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ホーキング博士の「ブラックホールは存在しない」という発表が物理学界を震撼させている時に「太陽の 1,000,000,000,000,000倍」以上の大きさの銀河団が発見されたことに考え込んだ2日間




計算の宇宙の中に生きる科学者もまた真実に到達しつつあるのかもしれない

何だかもう異常に長いタイトルになってしまっていますが、最後の「考え込んだ2日間」というところが本題で、つまり、昨日は「あるふたつの記事」を見まして、しばらく考え込んでしまいました。そして、考えるだけで終わって何も書けなかったのですが、今日もうまく書けそうにもないです。

そのふたつの記事とは、まず下の記事。

hawking-no-blackhole-03.gif

▲ 2014年1月24日の英国デイリーメールより。


タイトルの通り、スティーブン・ホーキング博士が、「ブラック・ホールというものは存在しない」と発表して、物理学の世界は大騒ぎとなっているという話です。

これは、他にも多くの科学系メディアで報じられています。

翻訳しようと思ったのですが、その「なぜブラックホールが存在しないという結論に至ったか」という理論の部分が私にはとても難解でした。待てば数日のうちに、日本のどこかのちゃんとした科学サイトが内容を紹介してくれるだろうということで、詳細はともかくとして、同じ日にもうひとつの下の報道を目にしたのです。

The Most Powerful Black Hole in the Univers

▲ 2014年1月24日の Daily Galaxy より。


タイトルにある英語のクァドリリオン( Quadrillion )という単位は、辞書的には、アメリカなどでは 1,000の 5乗ということで、

1,000,000,000,000,000

というような単位。

ドイツやイギリスでは 1,000の 8乗ということで、

1,000,000,000,000,000,000,000,000

というような単位になるそうで、とにかく果てしなく大きい単位であるわけですが、 NASA のチャンドラ観測衛星が、太陽の数千兆倍から 数京倍もの大きさのある銀河団を観測していることに関しての報道でした。

そして、この RX J1532 と名付けられた銀河団の中心には「知られている中で最大のブラックホール」が存在していると考えられるということが書かれています。


さて、しかし。


ホーキング博士が「ブラックホールは存在しない」と述べ始めた。

そして、実は私も以前から「ブラックホールというものは存在しないものなのではないか」と考えることがありました。別に難しい理論からそう考えたのではなく、単純なことからそう思っただけですが、そのあたりは過去記事の、 2012年に「発見された 130億年前のブラックホールが放つ矛盾」などに記したことがありました。

CLG-J02182-05102.gif


上の記事で、私は「私たちがブラックホールと呼んでいるものの正体は何なのか」として以下のように書いています。


ところで、そもそもブラックホール(と呼ばれているもの)とは何なのか

報道(新聞やテレビでさえも)などでも「ブラックホール」という言葉は完全に定着していて、あたかも「確定した現象であり存在」として報道されたりしています。

今回の記事に興味を持ったのは、そこに私と同じような疑問のコメントがあったからです。その130億光年の場所のブラックホールの報道記事のコメントに下のようなものがありました。


「今の宇宙モデルでは、ブラックホールは、惑星や銀河より先に形成されるのですか? 誰か教えて下さい」


確かに、ビッグバンとされる130数億年前の「直後」にブラックホールがあるということは、このブラックホールは「他の惑星や銀河より先にできた」ということが考えられます。

(@_@) ?





そもそも、ブラックホールという名称は、ブラックホール - Wikipedia を読みますと、


ブラックホールとは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない天体である。名称は、アメリカの物理学者ジョン・ホイーラーが1967年に命名した。



というように、概念として命名されてから、また 40年しか経っていないとても歴史の浅い概念です。

また、上の記事で Wikipedia から下の部分を抜粋しています。
気になる部分をこちらで赤字にしてあります。


ブラックホール - Wikipedia より。(赤字は私によるものです)

ブラックホール

ブラックホールとは、きわめて高密度で大質量で、きわめて強い重力のために物質だけでなく光さえも脱出できない天体のこと。きわめて強い重力のために光さえも抜け出せなくなった時空の領域、とされている

21世紀初頭現在、ブラック・ホールは仮説的存在であり、ブラックホール自体を直接観測することにはまだ成功していない。だが、宇宙の特定のエリアにおいて、ブラックホールが存在すると想定すれば、理論的に予想される物質の運動に相当する宇宙ジェットや、降着円盤やブラックホールに吸い込まれていく物質が出すと理論的に予想されるX線は観測されていることから、ブラックホールが実際に存在することはほぼ確実だろうと多くの科学者から見なされている。



全編を通して、仮定の表現が使われていることを知ります。


まあ、ホーキング博士に関しては、「科学は創造者の助けなしで宇宙を説明することができる」というような奢った言葉の連発を聞くにつれて、実はあまり好きではない科学者のひとりでした。しかし、その「計算の宇宙」に住む彼の生き方も何となく理解できるようになってきました。




ホーキング博士への感情の寛解

2011年の記事ですが、

理想を持たない科学: ホーキング博士の言葉をきいて
 2011年11月23日

という、やや感情的に書いたようなものもありました。

そこでは、ホーキング博士の言う、「銀河系で知的生命がいる星は地球だけで、地球にエイリアンは来ない」という意見に行き着いた理論的な思考があまりにも単純で失望したということもあります。

たまに書くことがありますが、私もホーキング博士と「結果としては同じ」ように、地球に宇宙のエイリアンが来ているとは今では思っていません。これは3年くらい前から確信に近いものがあります。しかし、その理由は「ホーキング博士とはまったく逆の意味」なのです。

過去記事から抜粋しますと、下のような概念が「地球に宇宙から宇宙人は来ない」と思う理由の根幹だと私は考えているのです。



宇宙にはどこまでも太陽系と同じような形とシステムの恒星系があり、その中の多くにも「太陽」と「地球」が存在していて、その数は文字通りに無数にあり、人類が存在する数もその通りに無数の数だと考えられる。



からです。


star-system.gif

▲ 最近、天文学者たちは「銀河系には数百億以上の地球と似た惑星がある」と発表しました。上の図は、この数年間で大量に発見されている「太陽系と似たような恒星システム」の一部です。2013年11月4日の米国 newsy より。





物理学的にはどれだけ未来になっても行くことのできない地球型惑星

この数年くらいは、地球型の惑星が非常に多く見つかっていますが、それでも、どの惑星も近くても十数光年以上の距離です。

(参考記事)
・別の太陽系の「地球の双子」が NASA により「確定」される
 2011年12月06日

kepler-22-23.jpg

▲ 上の記事よりNASA が発表した「ケプラー22システム」という恒星系と私たちの太陽系を比較した図です。


仮に、地球に「光の速さで動く乗り物」が作られるとします。あるいは、量子テレポーテーション技術のような、光の速さで物質さえも転送できる技術が確立したとします。

しかし、上のケプラー22b にしても、「行くのに 600年」。
戻るのにも 600年かかります。
ひとつの通信にもそのくらいの時間がかかります。

あるいは、比較的近い生物が住めそうな惑星とされているグリーゼ581までなら、たった 20光年

gliese581.jpg

▲ グリーゼ581 の想像図。 Boston.com Gliese 581g より。

20年かけて到着。

グリーゼから当地の状況を無線で地球に送っても地球に届くのが 20年後。
地球からグリーゼに返信して、また 20年。

連絡と往復だけで、あっというまに 100年近く・・・。


馬鹿馬鹿しいことを書いていると思われるかもしれないですけれど、これが現実であって、そして、これがいかに現実的なことではないことかということもおわかりかと思います。

近い近いといっても、「光年」というのは十分に遠いです。

この状況を打破するには「光の速度が最も速い」という物理学が完全に崩壊するしかないでしょうが、それはかなり難しい。

現状の科学では、上の惑星などと比べると比較にならないほどすぐ近くにある火星にまでさえ有人飛行はいまだできない。


じゃあ、話を変えて、もっともっと科学も人類も進化して、例えばそのうち、人類には肉体的な形も必要ないような「精神的な存在」の時代になるというようなスビリチュアル的な時代がくるとする。

つまり、「時間も空間も関係ないような人類の時代」が来るとする。

それならそれで・・・なんと、もう他の惑星にいく必要さえないわけです。
なぜなら、時間も空間も関係ないなら、物理的な移動には何の意味もないからです。

どう転んでも、遠い宇宙に物理的な移動を目指すことにはどこかに無理が生じてしまいます。


まあ、しかし、このような不毛な話はともかくとして、ホーキング博士の話からずいぶんと逸れてしまったのですが、確かに、ホーキキング博士は今でも「計算だけで作られる宇宙のお花畑」の中にいる人のようです。

それでも、その「計算の中の宇宙」からも真実が生まれ出てくるのかもしれないと思うと、ホーキング博士の、一種、奢ったように聞こえる言葉の数々も、「彼の特性」として寛容に考えるべきだったと、短気な自分を情けなく思います。

そんなわけで、ホーキング博士との自分の中の軋轢も消えつつあり、そして、次は、ビッグバンも進化論も、あるいは有限の宇宙すべてが消えていく時にさしかかっているのだと思います。


というわけで、今日はほとんど無駄話のようになってしまいましたが、過去記事に記した「お釈迦様の言葉」を引用したフレッド・ホイル博士の文章で締めたいと思います。

ブッダの安堵: 科学が到達しつつある「宇宙に存在するあまりにもたくさんの他の地球と生命」
 2011年05月25日

という記事からのものです。



フレッド・ホイル著「生命はどこからきたか」 第15章より

紀元前六世紀に、ゴータマ・ブッダの世界観はすでにコペルニクス革命以後に入っていた。彼は宇宙が、各々がわれわれの惑星系と似た数十億の ”小さな宇宙” から成り立っていると記している。ブッダの対話形式になっている古い仏教の教典のなかに無限の宇宙について述べられている。

「無数の太陽、無数の月、・・・、無数のジャムブディパス、無数のアパラゴヤナス、無数のウッタラクラス、無数のブッダビデバス」

ジャムブディパスとは当時の北インドの人々が知る限りの人の住んでいる地域を表す単語である。この対話から、ブッダが生命と意識(彼はすべての生命に意識があると考えていた)が宇宙の構造に全体として結びついていて別々にできないものと捉えていたことは充分に明らかである。





この文章に宇宙構造の根本が示されていると私はずっと思っています。