1月は隕石の突入で始まり、2月は「霧」で幕を開ける2014年
▲ 濃霧の中に浮かび上がる高速道路の交通警備員の姿。2014年1月31日の中国南都網より。
▲ 2014年2月2日の RT より。
ペルーでは2012年に数千頭規模の大規模なイルカの大量死が起きましたが、数日前、再び、ペルーの海岸に 500頭以上のイルカが死亡して打ち上げられました。また、以前から記しているアメリカ東海岸のイルカの座礁ですが、2013年の1年間のその数は「平均の10倍弱」という驚異的な数値であることが判明しました。
そのようなことを記録として記しておこうと思いますが、その前にちょっと、タイトルにも入れさせていただきました「霧」と関係する時事的な話題など。
世界は霧の中
昨日 2月2日は、関東全域で濃霧が発生していたそうで(私のところも関東ですが、なぜかまったく霧がありませんでした)、下のような、ちょっと映画「ブレードランナー」っぽい東京タワーの周辺の写真などが掲載されていました。
▲ 2014年2月2日の毎日新聞より。
この「濃霧」。
旧正月に入りつつある中国全土の多くでも発生しています。
最近は光景が「大仰」になりやすい中国ですが、濃霧の写真も、やや現実を逸脱しているような映画的な味わいがあります。冒頭に貼った写真も数日前の中国の報道です。視界が 500メートルもないのだとか。
中国は通常のスモッグの問題などもあり、どんどん「霧の国」となっていっている感じもあります。
また、旧正月は、爆竹や花火が、各地で多く打ち鳴らされるため、さらに大気の状態が変化する可能性があるとのこと。
▲ 霧とスモッグに包まれた 1月 31日の北京の夜景。2014年1月31日の新華網より。
中国では旧正月というのは一大イベントで、帰省と観光によって、想像を絶する数の人たちが移動します。中国国際放送局の報道では、現時点ですでに「 14億人以上」が移動しているとのこと。
春節連休2日目も濃霧で高速道路が通行止め
中国国際放送局 CRI 2014.02.02
広範囲に発生した濃霧の影響により、春節(旧正月)連休ニ日目となった1日に、依然として12省・市の53の高速道路の一部の区間が通行止めとなっています。
しかし一方で、人々の親戚回りや旅行などへの意欲は留まるところを知りません。交通運輸省によりますと、春運(旧正月の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)開始以来、全国の道路の旅客輸送量は前年比6.7%増の延べ14億1800万人に達したとのことです。
また、大勢の観光客が景勝地に詰め掛けており、中国南部の雲南省では1日だけでも139万人の観光客が訪れました。
とのこと。
さらに、少し古いものですが、下のような写真も幼少の頃の映画的な記憶を思い起こさせてくれます。
▲ 河北省の高速道路。 2013年12月9日の第一金融網より。
上の光景などは、学習障害の一種であるディスレクシアであることで有名なスティーブン・スビルバーグ監督の『未知との遭遇』に出てくるマザーシップの下にでもいるような感じにさせてくれます。
▲ 『未知との遭遇』(1977年)より、科学者たちの前に現れたマザーシップ。
話が逸れましたが、日本や中国の霧の報道を見て、
「なるほど、2月は霧で始まったか」
と、何となく思った次第です。
霧というのは、手探りの世界を示唆しているようで、趣深いです。
再度発生したペルーのイルカの大量死。そして、多分また増え始める「ソチ」でのイルカの大量死
2012年の春、ペルーで総数では数千頭のイルカが死亡して打ち上げられるという出来事がありました。その時の記事は、
・政府により立ち入り禁止となったペルーのイルカ大量死現場周辺の海岸
2012年05月09日
などにあります。
当時、最も多くイルカの死体が漂着したのが地図の下のあたりです。
そして、そのペルーで、またも、死亡したイルカが大量に打ち上げられる出来事が起きています。
その数、約 500頭。
冒頭に貼りましたような報道が南米のスペイン語圏で非常に多く報道されています。
まだ調査が始められたばかりで、原因はわかっていませんが、前回の 2012年の時も、結局、数千頭のイルカが死亡した理由は、様々な推測はあったものの、断定された原因は報道にはならなかったと記憶しています。
2012年のソチでの数百頭のイルカの大量死の原因は
そういえば、その同じ頃、黒海のソチでもイルカの大量死が起きていました。
今回の冬のオリンピックがおこなわれる場所です。
そのことについては、
・黒海の大量死: ロシアのリゾート地「ソチ」の海岸に連綿と連なるイルカたちの亡骸
2012年06月11日
という記事でご紹介したことがありますが、このイルカの大量死とオリンピックには、「もしかすると」関係があった出来事だったかもしれません。
▲ 2012年5月24日の Radio Free Europe より。
上の2年前の報道では、
イルカがソチの海岸に打ち上げられ始めたのは、数週間前のことだ。イルカは、ウクライナ側の黒海沿岸にも打ち上げられた。環境保護団体によれば、現在までに、イルカなどの大型生物を含めて約3百匹の海洋生物の死体が見つかっているという。
(中略)
ソチは 2014年の冬季オリンピックの会場に選ばれているが、それ以来、ソチ周辺の汚染物質の濃度が高くなったという。ソチでは建設ラッシュに制限が設けられておらず、このままではソチ独自の生態系が回復できない状態にまで破壊されてしまうのではないかと懸念されているという。
とありました。
オリンピックの地は、それが終われば、多くの人々に忘れ去られますが、仮に生態系が崩壊したままなら、さらに海洋生物の大量死はソチでも続いていくのだと思います。大量の金メダルの表彰台は大量のイルカの「死霊」で作られているという概念・・・なんてことは書いちゃいけないことでしょうかね。
ちなみに、黒海で死亡したイルカたちは、「アゾフ海」という内海から移動してきたものらしいのですが、そのアゾフ海の水はその年の夏に「真っ赤」になりました。
▲ 過去記事「赤の意味(1): 再び現れた赤い海と赤い雨」より。
「いろいろなことが連なっている」というようなことも今となって、気づいたりすることもあります。
そして、昨年から記していますアメリカ東海岸のイルカの大量死も、相変わらず続いています。
アメリカ東海岸の2013年のイルカの大量死の総数は平年の10倍に
これまで、こちらの記事やこちらの記事などに、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)のデータを掲載していました。
2013年 1月 1日から 11月 24日までのイルカのアメリカ東海岸のイルカの座礁数
▲ 過去記事「東の海ではイルカの大量死、そして、西の海ではザトウクジラの狂乱の渦中にあるアメリカ」より。
今年 1月 26日、アメリカ海洋大気庁は 2013年の1年間を通したアメリカ東海岸でのイルカの大量死のデータを発表しました。
▲ アメリカ海洋大気庁より。
上の総数で示されたアメリカ東海岸のニューヨーク州からフロリダ州とは下のエリアを指します。
▲ アメリカ海洋大気庁より。
その中で、最もイルカの漂着が多い、ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、ヴァージニア州、そして、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ジョージア州、フロリダ州の9つの州での正確なイルカの死亡総数は下の表の通りです。
▲ アメリカ海洋大気庁より。
これを見ると、2013年は平年の10倍近い数となっていることがわかります。
今のところ、減る気配を見せていません。
そんなわけで、どんな世界に生きているのかよくわからない、まるで、霧の中を歩いているような状態で生きている私たちですけれど、それでも世界は続きます。