2014年02月17日



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突然ドイツに現れた 16世紀の『奇跡の書』という名のアルマゲドン書物



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▲ 最近存在が明らかとなった 16世紀の『奇跡の書』より。「終末の日」の様子が描かれています。この絵は、西暦 1531年に起きたと書かれているフランスのストラスブールでの「天空の城の戦士と、地上の軍隊との戦争」を示したもの。 2014年2月16日のドイツのシュピーゲルより。






 


ややグチ的余談(命の軽さ)

本文とは全然関係ないですが、先日の大雪の時はいろいろと個人的なこと(子どもの熱とか、母親が上京するとか)などもあり、夜中に「速報くらいは見ておこう」と、深夜の NHK を回すと、何とオリンピック一色でした。明らかな災害下なのに。しかし、「何がテレビの優先なのかわかりやすいわな」とテレビを消しました。

しかし、被害のあまりないこちらはともかく、山梨なんてのは大雪2日目の今日 2月 17日でも、

7都県3400世帯が孤立 山梨で電車内に900人
 毎日新聞 2014.02.17

という状況で、人命と直結した危機となっていますが、オリンピック優先放送体制のために、こういうニュースもあまりご存じない方も多かったのではないでしょうか。NHK 以外の民法は回していないので、わからないですが、似たようなものだと推測されます。

メダルも結構でしょうが、人の命をほんの少しは重く見てもいいのでは?と思う次第です。

まあ、 Yahoo! ニュースの「なぜNHKは山梨の大雪災害を報じないのか?」という記事には、真偽はわからないですが、


日本の場合、オリンピックの放映権は、数年前からNHKと民放で構成される「JC」(ジャパンコンソーシアム)で決定し、電通を中心として広告出稿などのスポンサー割当までをも振り決めていく。

年々高騰する膨大な放映権料は、テレビ局に取っては死活問題であるゆえに、五輪関連番組はアンタッチャブルな絶対的な「商品」となっているのだ。




とありましたので、放映権料を回収するためには、他の事件どころではないということなのかもしれません。

切ない話ですけれど、これが私たちの生きている環境の現実のようです。


さて、本題です。






ドイツの16世紀の奇跡の書が公開される

つい最近、ヴォイニッチ手稿についてのことを記事にしたことがありました。

ヴォイニッチ手稿とアステカ文明のリンク(1) : 植物学者とアメリカ国防総省の元情報技術者がつきとめた「古代メキシコの植物学、消滅した古典ナワトル語」とヴォイニッチの共通性
 2014年02月09日

ヴォイニッチ手稿とアステカ文明のリンク(2) : 論文「ヴォイニッチ手稿の植物学、動物学、および鉱物学に関しての予備的分析」
 2014年02月10日

です。

ご紹介した内容の真偽についてはわからないとしても、上でご紹介した論文に好感を持ったのは、ヴォイニッチ手稿につきまとう「不思議」という感覚を一切捨てて、完全にドライな状態で分析を進めていたことでした。

しかし、ヴォイニッチ手稿に関しては、現在でも様々な思い入れや、あるいは、他の観点からの研究もありますので、上のものはあくまで様々な推論のひとつということでよろしいのだと思います。


さて、昨日、「不思議な書」の報道を目にしました。

16世紀に記されたと考えられる書物が、2008年に突然、ミュンヘンに現れたということを紹介しているドイツのシュピーゲルというメディアを見つけまして、それをご紹介します。シュピーゲルの母体は、発行部数がヨーロッパで最も多いニュース週刊誌デア・シュピーゲルで、記事の信憑性はそこそこにあると思います。

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▲ 2014年2月16日のシュピーゲルより。



その書物のタイトルは『奇跡の書』というもので、1552年に発行されたと推測されているのですが、2008年にミュンヘンに登場するまでその存在は知られていなく、どのように保管されてきたかも不明だそうです。

内容はすべて「この世の終わり」を描いたものですが、興味深いのは、未来の話ではなく、実際に起きていたこととして書かれていることです。


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▲ 『奇跡の書』より「テベレ川の怪物」。テベレ川はイタリアの川で、1496年の1月、その川岸に奇妙な動物の死骸が見つかったそうです。この絵のような動物だったそう。


この書物の内容は、聖書の記述にならっている部分を感じさせるものです。最近は、キリスト教関係の記事も多かったですので、そのあたりのこともあり、ご紹介しようと思いました。



スピーゲルの記事は、本文とは別に『奇跡の書』の図版が数点紹介されています。本文はそれほど長いものではないですので、本文の翻訳をご紹介してから、その本のイラストをご紹介します。




Feuer und Fluten: Buch aus 16. Jahrhundert zeigt Endzeitphantasien
Spiegel (ドイツ) 2014.02.16


火災、洪水、天空の戦士: 16世紀の『奇跡の書』は、「最後の審判の日」の光景を描写している。


この書は何世紀にもわたって失われていたもので、ごく最近になって、再び現れたものだ。現在は、再度、印刷発行されている。この書の内容はとてもミステリーに満ちている。

人間が「この世の終わり」を考えだした頃、太陽は欠け、嵐が大地に涙を落とし続ける。空は黒くなり、その黒い空から火、石、そして血が降ってくる。地震が村や町を飲み込んでいく。書はアウグスブルクによる『奇跡の書』( Book of Miracles )というタイトルで、 167ページから構成される。

この書では、古代からルネサンスまでの人々が、「世界の終末」をどのように想像していたかがわかる。全般としては恐ろしいものであり、その中にいくつかの肯定的な天体現象が描かれている。

「この書物はそれ自体に何か奇妙なものを秘めている」と、美術史家ジョシュア・P・ウォーターマン( Joshua P. Waterman )氏は述べる。ウォーターマン氏は、この書が 1552年に出版されたと推測する。それは、書の中の様々な描写方法の年代鑑識によるものだ。

このような、主に宗教的なテーマ、あるいは家族のために書かれた書はとても貴重といえる。

この書の存在にはいくつかわからない点がある。

書は 2008年に、ミュンヘンのオークションハウスがロンドンに売却した。その後、アメリカのコレクターの手に渡った。

しかし、それ以前の持ち主や、辿った痕跡などはまったく知られていない。ミュンヘンのオークションハウスでは、封印して保管されていた。そのミュンヘンから先のこの書の経緯はわからない。

書では、落雷、彗星、そして未知の現象などが、それぞれ神の罰と考えられており、あるいは、悪い出来事の前兆として記述される。

旧約聖書では、イエスが十字架にはりつけられた後には洪水が起き、大きな地震が起きたと教えている。太陽は暗くなり、月は血の色となる。

新訳聖書では、飢饉、疫病、バッタによる荒廃、そして空からは星が落ちる描写が語られるが、それらに準じたような出来事の描写が見られるのだ。






1552年の『奇跡の書』の図版より


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ドルドレヒト(オランダ)での雹(ひょう)

1552年5月17日。オランダのドルドレヒトで、激しい嵐が雹と共に降り落ちた。人々は、ついに、審判の日が来たと思った。この嵐は約 30分間続いた。降った雹の多くは3キログラムか、それ以上あった。

それが降った場所には、耐えられない悪臭が漂った。





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底なし地獄からやってきた怪物

誰であろうと、底なし地獄(the bottomless pit)からやってきた怪物を痛めつけようとした者は、口から吐く炎に見舞われ、むさぼり食われる。誰であろうと、怪物を攻撃しようとしたものは、必ず殺される。

これらは、天国を閉鎖する力を持っている。
海を血にする力を持っている。
そして、地球にあらゆる荒廃を与える力を持っている。
すべては彼らが望むようにおこなうことができる。
そして、彼らがすべての証明を終えるであろう時に、彼らは深海の中から外へ上昇してきた獣と戦いを始める。そして、それらをなぎ倒し、殺す。

彼らの死体の数々が大きな都市の道に転がるだろう。





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ボヘミアの天国の騎手

1533年10月に、ボヘミアやフォークトラントでこれらの姿が見られた。龍のような頭をし、豚のような鼻を持ち、2つの羽を持つ。

これらは時に、400匹以上が空に飛んだ。大きなものも小さなものもいた。その光景が描かれている。





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剣を持つ天空の戦士

1531年に起きた、フランスのストラスブールでの「天空の城の戦士と、地上の軍隊との戦争」を描いている。

この年のストラスブールや、他の地域でも、血まみれの大気の精霊エアリアルが剣を持ち現れた光景が目撃された。その際の地上で燃えた城や、軍事作戦について描かれている。





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彗星

1506年。この年には何度か夜空に彗星が現れ、スペインに向かって尾を描いた。この年には、多くの果実が毛虫やネズミによる作物被害を受けた。イタリアでは巨大地震が発生した。





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輝く球体

ローマ人の地でイエスが誕生する 73年前、空から黄金の球体が大地に下りてきて、地表を周回した。その後、黄金の球体は再び太陽の方向に向かって飛んでいった。
その大きさで太陽が隠れた。
これはローマ時代の戦争に続いて起きた出来事だった。





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海の怪物と小羊のような角を二本持つ獣

十本の角と七つの頭を持つ獣が、海から陸へ上がるのを見た。角にはそれぞれ冠が乗っていた。そして、その頭には不浄である名前が書かれていた。見た時にはヒョウのようだった獣は、脚は熊のようだった。口はライオンのようだった。

ドラゴンが、その獣に力と大きな権威を与えた。
そして、すべての世界はその獣に驚愕して、そして服従した。





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燃えつきる聖火

キリストの生誕から1009年目の年に、太陽は暗くなり、月は血のような色となった。そして、巨大な地震があった。
空から得体の知れない音や雑音が大音量で鳴り続き、聖火は燃えつきた。

これらは、ドイツとイタリアで飢饉により多くの人々が亡くなった後に起きた。この飢饉は生きのびた人より死んでしまった人の数のほうが多かった。





ここまでです。

全体として、

・太陽が暗くなる
・月は血のようになる
・巨大地震
・空からの謎の音
・バッタによる不作
・大飢饉


などの現象についての予兆的な意味として描かれているもののようです。

上の中にはすでに起きているものもありますし、これからますます起きそうなものもありますけれど、いずれにしても、今は自然災害も経済崩壊もパンデミックでも掻き消され「やすい」社会の状況にありますので、ご注意深くお過ごしされますように。