2014年02月19日



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1975年のジュネーブ軍縮会議で米ソが発表した「人工洪水攻撃、人工地震攻撃、極地の氷の融解攻撃、オゾン層破壊攻撃の禁止」の新聞記事を見て5年ぶりに記憶に蘇ること



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▲ 2014年2月20日の Real Science より。






 


昨日の、

70年前にも騒がれていた「地球温暖化」はその 1940年代にピークを打ち、 米国中央情報局は 1974年に「地球はこれから寒冷化に入る」という分析を報告していた
 2014年02月18日


で、「 1940年代の地球温暖化」や、1974年の CIA の「氷河期の到来の予測」に関しての文書などを、過去の新聞などからご紹介したのですが、過去のニュースはいろいろと面白いです。

トップに貼った科学系ブログ Real Science の記事にオーストラリアの日刊紙キャンベラ・タイムズ( Canberra Times )の 1975年の記事が紹介されていました。

これは、その前日の 1975年 8月 23日のジュネーブ軍縮会議の内容についてのものです。オーストラリアの国立データライブラリーで、過去の新聞などのデータを保管している Trove にあるものです。

1975年8月23日のキャンベラ・タイムズ紙より

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▲ Trove の The Canberra Times Saturday 23 August 1975 より。



この記事の中で、トップに貼りました Real Science の記事で抜粋されていたスクリーンショットの文章の意味は次のようになります。


米国 - ソ連 気象戦争を禁止する計画

アメリカ合衆国とソビエト連邦は、昨日の 30カ国によるジュネーブ軍縮会議において、戦争の武器としての人工津波や人工地震などのような違法な手段による脅威に関しての条約案を発表した。

今回の条約で禁止される人工津波や地震以外の技術としては、氷冠を融解させることや川の方向を変えることによって沿岸諸国に洪水を発生させることが含まれる。さらに、意図的に致死量の紫外線を人々に曝露させるために上層大気中のオゾン層を破壊する技術が含まれている。




というもので、どこまで実現していた武器なのか怪しい感じもしますが、いずれにしても、この時のジュネーブ会議で「これらは禁止された」という記事でした。

上で禁止された「兵器」を並べてみますと、

・人工津波
・人工地震
・極地の氷を溶かして洪水を起こす
・川の流れを変えて洪水を起こす
・オゾン層を破壊して人々に致死量の紫外線を浴びせる


となっています。

ちなみに、 Wikipedia によりますと、ジュネーブ軍縮会議では、過去に、

・部分的核実験禁止条約(1963年)
・核拡散防止条約(1968年)
・海底における核兵器等設置禁止条約(1971年)
・生物兵器禁止条約(1972年)
・環境破壊兵器禁止条約(1977年)
・化学兵器禁止条約(1992年)

などが締結されてきたそうですが、 Wikipedia には 1975年のこの禁止については記されていませんでした。


この中には、どうも冷戦下のハッタリ合戦の気配も感じないではないものもあるのですが、陰謀論などの話での関係としては、文章の最後の「オゾン層を破壊して人々に致死量の紫外線を浴びせる」というものは、高周波活性オーロラ調査プログラム、いわゆる「 HAARP 」というものを思い浮かべる方もあるかもしれません。






高周波活性オーロラ調査プログラムを調べ続けた5年前

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▲ 2007年7月6日の Wired の記事「米国防総省の「謎の新施設」、HAARPが完成」より。


ちょっと話は逸れますが、4年か5年くらい前に、実は執拗に HAARP について調べていたことがあります。ほとんどはその頃の「地球の記録」の記事にありますが、代表的なものとして、

HAARP での地震の原理? - HAARP と VAN法の逆説的相関関係
 2010年04月06日

HAARP の話題 3 (世界全滅装置?)
 2009年09月25日

などがあります。

結論としては、当時よく言われていたような「地震を起こす装置」ということは、原理として考えられないものであるとは確信したのですが、では、「何のために存在するのか」ということはわからないままでした。

HAARP についてメディアで最初に報道されたものとしては、 1994年に米国のアース・アイランド・ジャーナル誌( Earth Island Journal )が、独自で入手したアメリカの空軍と海軍の文書を元に「電離層を変化させる軍事計画」という記事を掲載したことが始まりだとされています。

その文章(英語)は現在、

The High Frequency Active Auroral Research Project (HAARP)

に残されています。

そのアース・アイランド・ジャーナルが入手した 1990年のアメリカ空軍と海軍の文書によると、確かに HAARP は明確に「兵器」としての用途が記されています。

なのでまあ、兵器ではあるようで、また、軍の文書では、


> 計画の最終目的として「1000キロメートル(621マイル)の広範囲にわたって、電離層を大きく変化させることが望ましい」


と書かれてあります。

この「 1000キロメートルの範囲」というのがどのくらいのものかというと、地図でいえば下の範囲です。

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▲ HAARP のあるアラスカを中心にして、濃い赤が半径 1000キロ。薄い範囲は、半径 5000キロです。


しかし、当時、調べているうちに、いろいろとわからなくなってきたのですね。

たとえば、 HAARP は「高周波活性オーロラ調査プログラム」という名称なのに、発信する信号は「超低周波」です。地球の記録のこちらの記事では、


> HAARPのInductionのシグナルを見ると、周波数が非常に低い特徴があることが分かります。僅か 5Hz 程度です。


とあります。

仮に、 HAARP が 1975年のジュネーブ軍縮会議で禁止されたという「高層大気の破壊」などを試みようとしているのなら、そんな周波数のシグナルで高層に何か影響させることができるのだろうかと。

たとえば、高層には「電離層」という層があります。

電離層は、厚さが 500キロメートル以上もある非常に厚い層ですが、超短波なら下のように最上部に位置するF2層という層を突き抜けて、その先に辿り着くことができるようです。しかし、 HAARP のシグナルはこのような超短波ではないようにしか見えなかったのです。

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このあたりになると、科学の基本を知らない私あたりにはお手上げで、考えるのをやめてしまいましたが、それから5年。

また、 HAARP のことを思い出すとは思っていせんでした。

ちなみに、上のアース・アイランド・ジャーナルの記事を翻訳したものがこちらなどにあるのですが、大変長いものですので、 HAARP というものの「概要」についてを記事から抜粋したいと思います。




1994年秋プロジェクト:電離層を変化させる軍事計画
筆者/クレア・ジカール( Clare Zickuhr )、ガー・スミス( Gar Smith )


アメリカ国防省は「 HAARP 計画」を極秘理に進めている。この計画はアラスカのアメリカ空軍基地に建設される予定であり、電離層を「暖める」という世界初の試みでもある。

しかし、科学者、環境保護論者、土地の人々は、これに懸念を表明している。なぜならHAARPの電磁波装置は、地球の電離層に1ギガワット(10億ワット)以上の電磁波を放射できるからだ。これにより人々は健康を損ない、野生動物は危険に曝され、環境にも予測できない影響が出る恐れがある。

HAARPは「高周波活性オーロラ研究計画」(HAARP)を略したものだ。これはアメリカ空・海軍が合同で行っている計画で、国防省による「電離層実験」の一環だが、この実験はあまり知られておらず、「EXCEDE」、「RED AIR」、「CHARGE4」というコード名で呼ばれている。

(中略)

米海軍研究局は1993年11月、「 HAARP 覚書」を公に発表した。
それには以下のように書かれている。

「アメリカ国防省は、通信分野での現在の能力を拡大し、また、大きな科学的進歩を遂げるため、 HAARP 計画を実行する」

ちなみに、この機密の HAARP 文書は、米国の「情報自由化法」により明らかになったものだ。

HAARP 計画の目的は、強力な電磁波を放射して電離層を『破壊』し、その後、電離層がダメージにどう反応し、最終的にどう回復するかを研究することにある。

HAARP 覚書では、この計画は「純粋に科学研究を目的としたものであり、敵国に何ら脅威を与えるものでない」と書かれている。

しかし「アース・アイランド・ジャーナル」誌が明らかにしたところでは HAARP 計画を提案したのは国防省・海軍研究局であり、さらに、アメリカ空・海軍が1990年2月に出した文書には HAARP 計画の軍事目的しか述べられていない。

例えば次のようなことが記述されている。


・大気上空に電離層レンズを作り、強力な高周波エネルギー焦点を作ること。

・電離層を変化させる手段を考案すること。

・反射装置を作る目的で、上空90キロメートル以内の電離層に変化を与えること。

・ミラーによって、地平線を超えた、広範囲に亙る監視システムを作ること。

・それによってクルーズ・ミサイル、あるいは他の飛行物体を探知すること。


HAARP 文書では、計画の最終目的として「 1000キロメートル( 621マイル)の広範囲にわたって、電離層を大きく変化させることが望ましい」と書かれている。

ほとんど知られていないが、 HAARP 計画のもう一つの目的は、敵国の通信能力を妨害しながら、アメリカの防衛通信手段は無傷で残しておくことにある。






記事は、その後、環境などへの影響も含めて記されていて、大変長い記事となっていますが、とりあえず、1990年代に軍部から計画が提出された時点では、 HAARP というのは上のようなものだったということです。

しかし、現状のシグナルの特性などから考えて、それが一体、どんな「本質」なのかということは想像することも難しいです。

そして、これは「想像で解決するようなものでもない」ですし、科学的に確実な視野で考えられるような方々がいればなあ、と思います。いずれにしても 40年前のオーストラリアの新聞の小さな記事が、いろいろなことを思い出させてくれました。

思えば、この5年ほどの間にいろいろと知ったような、実は何にも知らないままのような。