▲ アメリカ地質調査所( USGS )より。この3月15日に、インドネシア、フィリピン、日本、イースター島、コロンビア、チリ、アフリカ大陸南部、西アフリカ、ギリシャ、アゼルバイジャン、インドなどでマグニチュード5程度の中規模地震が連続して発生しました。
太陽に現れた巨大な亀裂
本題とは関係ないですが、今、太陽に巨大な「フィラメント」が出現しています。
▲ 2014年3月15日の Spaceweather DARK FILAMENTS ON THE SUN より。長さは 10万キロメートルから 25万キロメートル程度の間で変化しています。
このフィラメントは、磁気の帯のようなものですが、これまでも大きなフィラメントが出現した時にはご紹介していました。
その理由は、 NASA や NOAA (アメリカ海洋大気庁)によれば、巨大な磁気フィラメントには以下のような特性があり、「ハイダーフレア」と呼ばれる、一般の太陽フレアとは違った構造の巨大な「太陽の表面爆発」を発生させるのだそう。
磁気フィラメントが崩壊する場合、太陽の表面に衝突して「ハイダーフレア」と呼ばれる巨大フレアを作り出すことがある。磁気フィラメントの構造が不安定になり太陽の外側に噴出し、その後に太陽自身に向かっても衝突することがある。
2013年6月14日の過去記事「太陽の表面にこれまで見たことのないサーペント(蛇)のような磁気フィラメントが多数這い回っている」より。
要するに、フィラメントが崩壊する際に、崩壊したフィラメントが太陽の表面を「叩く」状態となり、それにより広範囲で非常に規模の大きなフレアが発生するということだそうです。
上の説明を載せた際の太陽のフィラメントは、下のようなもので、「太陽の表面のあちこちにフィラメントが突然現れる」という、一種不気味な現象を起こした時でした。
▲過去記事より。
また、2012年 8月にも下のような非常に長いフィラメントが出現しました。
▲ 2012年8月10日過去記事「太陽に突然現れて急速に拡大した『巨大な亀裂』」より。
このフィラメントの長さは大体、「地球から月までの距離」くらいでした。
この時は、ロシアの報道などでは下のように、「太陽に出現した亀裂」というような見出しで報じられました。
▲ 2012年8月9日のロシア vesti より。
NASA は、「太陽のヘビ」( SUN SERPENT )というタイトルで報じていました。
これらの現象は、確かにハイダーフレアという巨大な太陽面爆発を起こす原因となり得るとされていますが、少なくとも、私がこのハイダーフレアという言葉を知った4年前からは、巨大なフィラメントは何度か出現していますが、ハイダーフレアは起きていません。
なので、余計な心配をする必要はないとは思いますが、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)の宇宙天気予報官は、巨大なフィラメントが出現するたびに、「ハイダーフレアと、巨大な太陽活動の発生の可能性と、その注意」に言及しますので、一応書いておきました。 NOAA は、今回も言及しています。
環太平洋火山帯で連鎖した地震
さて、今回の本題は、「地震」なんですが、昨日 3月 15日に「 24時間以内に環太平洋火山帯で一斉に、そして連鎖的に地震が起きた」ということについてです。
これも、だからといって何か大きな地震がありそうだとか、そういうことではないのですが、ちょうどその前日の 3月 14日に瀬戸内海の西部にある伊予灘という場所が震源のマグニチュード 6.2の強い地震が発生したばかりですので、何となく「連鎖しているなあ」と思った次第で、記事にしました。
▲ 地震情報 - 2014年3月14日 2時19分 より。
3月 15日に起きた地震のうちで、比較的規模の強い地震の場所をすべて書き出していた米国のエクスティンクション・プロトコルの記事をご紹介します。
Planet shaken by spasm of moderate earthquakes over last 24 hours
Extinction Protocol 2014.03.15
地球はこの 24時間内での中規模地震の突発に揺さぶられる
過去24時間、環太平洋火山帯上(リング・オブ・ファイヤー)のすべてで起きた中程度の規模の一連の地震で、この地域が揺れている。
ここは、地球上で最も地質学的活動が大きな領域だ。
環太平洋火山帯は、馬蹄形のような形をし、長さは4万キロメートルある。この領域のほぼ連続した海溝、火山地帯、および、プレートの動きは関連があるとされている。
この場所には 452の火山があり、これは、世界の活火山および休火山の 75%以上を占める。
そして、環太平洋火山帯では世界の地震の約 90%が発生し、世界の歴史の中で最大規模の地震の 81%が発生している。
過去24時間では、インドネシアでマグニチュード 5.3とマグニチュード 5.6の中規模の地震が発生し、フィリピンのサン・イシドロでマグニチュード 5.4の地震が起きている。また、日本の硫黄島ではマグニチュード 5.3の地震が起きた。
ペルー中央南部は、マグニチュード 6.1の地震に見舞われた。
イースター島の南東ではマグニチュード 5.0の地震が起き、コロンビア南東部ではマグニチュード 5.4の地震が発生。チリのサンタクルスではマグニチュード 5.4の地震が起きた。
アフリカ大陸南部では、マグニチュード 5.4の地震が発生。また、西アフリカのオーウェン破砕帯では、マグニチュード 5.2と 5.0の地震が起きている。
ギリシャではマグニチュード 4.5の地震が発生し、アゼルバイジャンの北東部ではマグニチュード 4.0の地震。インドのモーヒーンではマグニチュード 4.8の地震が起きたことが報告された。
世界中のプレートの周囲では、毎年、春分のあたりに地震活動の発生がピークに達することが多い。該当する地帯にお住まいの方は、大地震の可能性について警戒していただきたいと思う。
というものですが、この最後の部分の、
毎年、春分のあたりにその地震活動の発生がピークに達することが多い
に関しては、そういうデータがあるのかどうかはよくわかりません。
ただ、昨年も2月頃から環太平洋火山帯で、比較的大きな地震が「連鎖的に」続いたことがあったことを思い出します。
2013年に環太平洋火山帯で連鎖した地震
環太平洋火山帯は、太平洋の周囲を取り巻く火山帯のことで、英語では、リング・オブ・ファイヤー(Ring of Fire / 火の輪地帯)という呼び方がされます。
トップに貼りました地図の上で示しますと、かなり大ざっぱですが、大体、下のピンクのあたりです。
昨年 2013年 1月の下旬からの1週間の間に、この環太平洋火山帯で、マグニチュード6以上の地震が連鎖的に発生したことがあります。
▲ 2013年2月18日の過去記事「極寒のカザフスタンで2月に咲いた日本の桜の報道を見て思う、新しい地球の時代」より。
その後も3月くらいまで、中規模以上の地震の発生が多く続きました。
ただ、「多い」といっても、過去のデータと照らし合わせたわけではないですので、「どの程度多いのかはわからない」というのが実際のところです。
それにしても、ある程度、時期的にまとまって地震が起きるという傾向はありますので、昨日 3月 15日のように1日の地震の数が妙に多い日が続く場合は、多少は、「起きる可能性もあるかもしれないな」という風に、何となく身の回りの防災チェックなどをしてみてもよろしいのかしれません。
これは、予知や予測ではないです。単に「時期的にまとまって発生する傾向が多少はある」というだけで、3月 15日の地震の集中が今後の何らかの大地震と関係するかどうかは当然わかりません。
それでもまあ・・・・・いろいろなことが起きている世の中ですから、いろいろと起きてもあせらない心の準備も必要なのかもしれないです。
ちなみに、「国家の全領域が環太平洋火山帯に入っている」という国はチリと日本ぐらいのものです。
私たち日本人は「地震が日常的に起きる」という土地を国土として、数万年・・・初めて文字としての文献〔魏志倭人伝〕に登場してからでも 1700年、この地で生きてきました。つまり、これからも、何が来ても「終わる」ということはないはずです。