▲ 韓国では事故からの生還を祈るために始められた「黄色いリボン運動」というものが拡大していて、各地でこのように黄色いリボンが結ばれているそうです。 2014年4月24日の biz.heraldcorp より。
韓国のフェリー事故が起きた後に書きました、
・「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
2014年04月18日
では、フェリーが向かおうとしていた済州島(チェジュ島)が北緯 33度線上にあることから話が拡大し、ユダヤ教の「過ぎ越しの祭」の話にまで至りました。
この祭りは、つまるところは、旧約聖書 出エジプト記 12章 21節にある、
さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。
という「羊の命と血を捧げることによって、自分たちの初子を守る」という意味の祭であることがその時、私も初めて知りました。
その記事の最後に私は、
(何かが)「大規模な犠牲」を捧げ続けようとしているのでは?
というようなことを書いていますけれど、さて、それはさておいて、韓国のフェリー事故が意外な方向に向かっていることをご存じでしょうか。
韓国の「救援派」が過去に関係していたかもしれないこと
以下の2つの日本と韓国の報道を見出しを覧下さい。
▲ 2014年4月25日のレコードチャイナ「<韓国船沈没>船会社の背後に異端宗教団体、経営に関与し利益得る?―韓国メディア」より。
▲ 2014年4月24日の asiae.co.kr より。
韓国の沈没事件は、これまでの「単にずさんで卑怯な船長と船員たち」という構図が少し崩れる気配を見せています。
しかも、さらにもうひとつ。
2014年4月24日の新華経済「<韓国旅客船沈没>修学旅行で乗船の高校、当初はセウォル号に乗る予定ではなかった」からの部分的な抜粋です。
中国国営新華社通信は24日、「韓国メディア:檀園高校、当初はセウォル号に乗る予定ではなかった」と題した記事を掲載した。
なぜ修学旅行生が乗るフェリーが変更されたのか、疑念が噴出している。
同校の修学旅行を担当した旅行会社はセウォル号に変更した理由について、「清海鎮海運の責任者に聞いてほしい」と話している。
そして、ここで、上のほうに載せました韓国の報道「キリスト教福音浸礼会(救援派)の教義を見ると……「彼らは罪を犯しても罪にならない」に出ているこちらの方についての話にうつります。
この人は、ユ・ビョンオンという人で、沈没したセウォル号を持つ「清海鎮海運」の社長なんですが、それと共に、カルト宗教団体「キリスト教福音浸礼会」の代表でもあるのです。キリスト教福音浸礼会は一般的には、「救援派」と呼ばれているようで、いくつかの支部団体からなるようですが、下のような団体です。
というもので、その教義は、
(1)本当の救いは「救いを悟る」ことによってのみ得られる
(2)救いを悟っていない多くのクリスチャンは救われていない
(3)自分を罪人と思っている多くのクリスチャンは死後地獄に行く
(4)救われた者が犯す罪は成り立たないので悔い改める必要がない、悔い改める人は地獄の子だ
となっているとのこで、この「(4)」は、「盗み・殺人など何をやっても罪にならないし、悔い改める必要もない」というもので、なかなか激しいものです。
そして、この「救援派」が今から 27年前に関係した「かもしれない」事件が、下の事件でした。
五大洋集団自殺事件 - Wikipedia
五大洋集団自殺事件とは、1987年8月29日に大韓民国京畿道龍仁郡(現龍仁市処仁区)の、五大洋株式会社の工芸品工場で発生した集団自殺事件である。
1987年8月29日、朴順子を始めとする家族や従業員32人が工場の食堂天井裏で集団死しているのが発見された。
警察は、カルト教団特有の集団自殺事件であると結論付けた。しかし、集団自殺にしては疑問点が多いという意見もあり、真相は謎に包まれている。
▲ 1987年の事件発生当時の韓国の朝鮮日報。
ちなみに、現在の韓国は、新聞などでも「漢字」をまったく使用しなくなりましたが、当時は、韓国の新聞では、少なくとも見出しなどには漢字を多用していまして、上の新聞の全体の意味はわからなくとも、「集団」とか「狂信」などがあり、起きたこと自体はなんとなくわからないでもないという雰囲気があります。
私がはじめて韓国に行った 1990年代の初め頃でも、スタンドなどで売られている新聞の見出しには漢字が多く使われていました。この 20年くらいで急速に韓国から「漢字が消えていった」ということのようです。
今の韓国の報道では、北朝鮮を「北」、アメリカを「美」と書く以外は、漢字を見ることはまったくなくなりました。
さて、この「救援派」のユ・ビョンオンという人は、この五大洋事件の時、 Wikipedia によれば、
1987年終末論を立てて信徒たちが集団自殺した 「五大洋事件」の背後にいる人物と目され検察捜査を受けたことがある。救援派関係者たちの間では 「清海鎭海運は救援派信徒たちが多数関わっている会社」という証言が出ている。
ということで、どうも「血」と「犠牲」の匂いが満ちている感じの人物ではありそうなのです。
この「五大洋事件」は韓国では、今回のフェリー沈没と「人物がリンクした」ことにより、また脚光というのか、話題になっているようで、 Google で「五大洋集団自殺事件」の韓国語の 오대양 집단 자살 사건 で検索などをすると、事件当時の生々しい資料などがたくさん表示されます。
そして、五大洋事件は、アメリカの人民寺院というカルト教団が 1978年に南米のガイアナで起こした集団自殺事件と比較されたりしましたが、規模も歴史もまったく違いますし、人民寺院の場合、代表のジム・ジョーンズ自身が死亡しています。
思えば・・・このガイアナの事件というのは、私が二十代の中盤くらいから、「人間の精神の善悪の彼岸」をよく考えるようになったキッカケでもありました。それは事件そのものというより、ある本を偶然手にしたことから始まったことでした。
人民寺院が教えてくれる混沌
それは、二十代の時に古本屋で見つけた『ガイアナの虐殺』という一冊の本がキッカケなんですが、今回、ご紹介したくて、 Amazon とかいろいろと探したのですが、まったく見つかりませんでしたので、古本での流通もほとんどないものなのかもしれません。
表紙を写真に撮りました。
▲ チャールズ・A・クラウズ著『ガイアナの虐殺』(1979年)
この本は、何がすごいかというと、記した人自身が「集団自殺の時にガイアナの現場にいた」のです。
アメリカの議員と共にガイアナを取材に訪れたワシントン・ポスト紙のチャールズ・A・クラウスという記者が、現地を取材した直後に事件は起こり、議員は射殺され、クラウス記者はギリギリで助かった・・・という人が、「社からの命令で、アメリカに帰国後すぐに書き上げた本」なのです。
ガイアナの人民寺院の「ジョーンズタウン」集団生活の様子を細かく書き上げていて、そして、死の数時間前の人民寺院の代表たちとも会話をしていました。
そして、この本は、すでに事件は起きた後なのに、そして、自分も殺されそうになったのに、それでも、ジム・ジョーンズや人民寺院の人々とふれ合ったワシントンポストのクラウス記者が、
「どうしても人民寺院を一方的に悪だと決めつけることができない」
という混沌の中で締めくくられます。
ちなみに、人民寺院の集団自殺者の数は 914名でした。
人民寺院事件は、今にいたるまでもあまりにも大きな事件で、 Wikipedia には、
この事件の公文書の多くが現在でも非公開になっているが、「人民寺院」はその表向きには正義を標榜していたこと、影響力と資金力があったことから数多くの政治家や、有力政党と結びついており、公表することで多数の政治家が失脚するほどの影響力があったためだといわれている。
とありますが、非公開になっている理由はそれだけではないと思います。
いずれにしても、クラウス記者の『ガイアナ人民寺院の虐殺』という本は、私に、
「悪」と「善」
のそれぞれに「その区切りも、絶対性もない」ことを再確認させてくれた本でした。
興味のある方に読んでいただきたいと思いますけれど、ネットで調べた限りでは、 Amazon 、楽天、ヤフオクのどこにもありませんでした。
そして救援派からは
何だか、また妙な話の逸れ方となってしまいましたが、要は、今回の未曾有の大量死となってしまった韓国のフェリー沈没と、やはり、韓国の 1987年の大量死(集団自殺ではない可能性があるため)に共に、キリスト教系のカルトの代表者が絡んできている「かもしれない」という話となってきているということなのでした。
当事者である救援派は、昨日、「フェリーに乗船していた関係者の多くが救援派の信者だ」という報道を否定しました。
▲ 2014年4月24日の韓国 yonhap news より。
韓国での上の報道を要約しますと、下のようなものです。
キリスト教福音浸礼会(救援派) 「イ・ジュンソク船長は信徒ではない」
キリスト教福音浸礼会の安城教会の代表が 4月 24日午後、ソウル龍山区クラウンホテルで緊急記者会見を開き、「私たちの教団は五大洋事件とは関係がなく、そして、生存している船員15人のうち信徒はただ1人だけで、多くは信徒ではない」と明らかにした。
沈没したセウォル号を保有する清海鎮海運の関連会社と巨額の資金をやりとりしたことで知られているキリスト教福音浸礼会( あるいは救援派)が、検察の捜査の過程で提起された疑惑を全面否定した。
キリスト教福音浸礼会は24日午後、記者会見を開き、「最近、マスコミでセウォル号の船長イ・ジュンソクが私たちの教団の信徒と報道されたが、教会に確認した結果、船長は信徒ではなかった」と明らかにした。
そして、「最近マスコミで、清海鎮海運の従業員の 90%がキリスト教福音浸礼会の信徒であるかのように報道しているが、確認した結果、信徒は全従業員の 10%あまりで、ごく一部であることが分かった」と釈明した。
また、「某放送局では、キリスト教福音浸礼会の教義について『救われれば、罪を犯してもいい』と教えていると報道したが、キリスト教ではそのような主義を持ったところはない」と報道内容を否定した。
ということのようです。
事実はどの方向にあるのかわからないにしても、
・テキトーな船長たち
・いい加減なフェリー運航
という図式は正しいものではなかった可能性があり、そして、
・なぜか急に乗船フェリーが変更されていた
ということまで加わっている韓国のフェリー事件。
私は、過去記事の、
・赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
2014年04月06日
に貼りました下の皆既月食などと宗教的祭典の今後の流れを再確認してみようと思っています。
上に「過越」がありますけれど、沈没したセウォル号は漢字では「世越」号なんです。
過越は「過ぎ越していくこと」。
では、世越は・・・この世を越えていく・・・?
それはどこに行くのだろう。
そして、皆様。
注意深く・・・注意深く・・・。
生きている時には特に。