2014年05月06日



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タイで観測史上最大の地震が発生。飛騨高山では群発地震に紛れて「地震ではない揺れ」までも観測



タイ・チェンライでマグニチュード6の地震が発生

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▲ 頭部が倒壊したタイ・チェンライの巨大仏像。 2014年5月5日のタイ banmuang より。





タイでの観測史上最大の地震を知り思う「変化してきている地球」

先日、東京で震度5弱などを記録したマグニチュード6の地震が発生しましたが、日本の場合と、他の国では、この「マグニチュード6」の意味はずいぶんと違います。

5月 5日、タイのチェンライという北部の地域で、そのマグニチュード6の地震が起きたのです。

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▲ 2014年5月5日のタイ字紙タイラット・オンライン版より。


写真を見るだけでも、建物などの大きな被害の状況が想像できます。
今のところ人的被害は伝えられていません(ちょっと奇跡的)。

今回の地震は、タイの災害警報センターなどによれば、1975年以降、タイで起きた地震の中で最も大きな地震となるそうですが、これは「過去 40年で最も大きい」という意味ではなく、「タイで地震の観測記録がとられ始めたのが 1975年だった」というだけのことで、観測史上で1位ということではありますが、タイでの地震の発生頻度(非常に少ない)を考えますと、かなり遡っても記録が出てこないくらい、あまりないことのように思います。

震源の深さも 7キロと比較的浅く(先日の関東の地震の震源の深さは約 160キロ)、これで今回、人的被害が出なかったのは幸いでしたが、ビル、家屋、仏教寺院などはかなり損傷を受けたようです。

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▲ 2014年5月5日のタイ nationchannel より。


2011年には、タイの隣国のミャンマーでマグニチュード 6.8 の地震が起きたことがあり、当時の CNN の報道によれぱ、 70名以上の方が亡くなっています。

日本は基本的に耐震設計がなされている建物が多いので、マグニチュード6だとか、震度でいっても6以下程度までなら、それほど大きな建物の被害はないのが普通ですが(状況にもよるでしょうけれど)、ふだん、地震の少ない地域では「耐震」という概念がないわけで、マグニチュード5〜6級程度の地震でも大きな被害が出ることが多いです。

ニュージーランドで 2011年に発生し、クライストチャーチなどに被害を出した地震では、マグニチュード 6.1(震源の深さは 5キロ)という中規模の地震でしたが、 カンタベリー地震 - Wikipedia によれば、

・被害家屋 40,000 から 50,000棟
・死者 185人


という非常に大きな被害を出しました。

過去記事の、

耐震設計環境のないスイスでの地震から思う「世界全体は環境の変化にどこまで耐えられるのか」という懸念
 2012年02月15日

で、世界の多くの国で建物が耐震性を持たないことを書いたことがあります。

たとえば、スイスの地震学者が、

「スイスの建物のほぼすべてに耐震性がないことを懸念している」

と述べていたり、また、アメリカでは「耐震設計されている建物がゼロ」という地域が多いことも書きました。

たとえば、高さ 443メートルで 102階建ての高層ビルであるエンパイア・ステートビルでさえ地下階は 11メートルで地下 1階だけ。そして、基礎工事はわずか 17メートルなのだそうです。

2008年 9月の産経ニュースに、「ニューヨークに地震帯 想定被害額は最悪21兆7000億円」という見出しの報道が掲載されたことがあります。

ビルが立ち並ぶニューヨークに地震帯が見つかったのですが、前述したように、アメリカの東海岸ではほとんど耐震という概念がないので、大地震といわれる規模の地震が発生した場合、「ほぼ倒れてしまう」ということについての記事でした。

ちなみに、アメリカのニューヨークは確かに地震がきわめて少ない場所ですが、


・マグニチュード5以上の地震が同地域で発生するのは100年に1度
・マグニチュード6以上は670年に1度
・マグニチュード7以上は3400年に1度の確率




の確率で過去に発生していることはわかっていて、つまり「ニューヨークでも、大地震は起きる時には起きる」のです。


地震つながりで、ちょっと興味深いことを見つけましたので、そのことを少し。






飛騨高山の群発地震の中に見え隠れする「奇妙な揺れ」

5月 3日から岐阜県の飛騨高山と長野県中部にわたり、異常とも言える数の群発地震が起きているのは多く報道もされているので、ご存じの方も多いと思います。

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▲ 2014年 5月 3日の NHK 「岐阜と長野の県境付近で地震相次ぐ」より。


5月 3日から 5月 5日まで飛騨高山と長野県中部で発生した地震をすべて羅列しますと、次のようになります。

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Yahoo ! 地震情報より。


上の中に、下のような部分が2カ所あることに気づかれるかと思います。

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この震源地が「 − 」で、マグニチュードが「 − 」で、「震度3を記録」した揺れの詳細ページを開いてみますと、

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▲ Yahoo ! 2014年5月3日 15時28分 の地震情報より。


やはり、震源地、マグニチュードは記録されておらず、しかし、「震度3」という揺れだけを記録している。

つまり、これは「地震ではない揺れ」ということになりそうです。

5月 3日にこの地震ではない揺れが2度発生していたようです。

地震ではない揺れについては、 2014年3月の、

マグニチュード「0」の揺れの正体: カリフォルニアでの轟音と振動を巡る思惑
 2012年03月02日

など、海外のものについては過去何度かふれたことがあります。


こういうものの原因はよくわからないのですが、今回の飛騨高山のものは、群発地震が続いている中で起きているものですので、何となく気になります。

要するに、地震ではなくとも、「地殻変動が起きていても揺れると思われるから」です。

そういうことが起きているというわけではないかもしれないですが、富士火山帯などで昨年から起きているさまざまなことは確かに何らかの地殻変動の兆しを感じないでもありません。

下の図は、記憶にあるだけですが、ここ1年くらいで、富士火山帯の周辺で起きた出来事などです。

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関連記事はそれぞれ以下の通りです。

房総沖のスロー地震

爆発的に増えている地球付近を通過する小惑星。そして、スロースリップが発生し続ける太平洋
 2014年01月12日



浜松市での地滑り

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大地を飲み込もうとしているかのような地球の上で: 世界中で頻発する巨大な地崩れ
 2013年04月26日



富士山の地盤崩壊

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富士山の林道で発生した大規模な「地盤崩壊」
 地球の記録 2013年04月10日


などです。

日本はマグニチュード7以下のクラスまでの地震なら十分に対応できる社会のインフラがあり、人々も、地震に対しての心構えを持っていますけれど、「地殻変動」というのは、また別の問題でもありそうで、富士火山帯や、あるいは太平洋で何が起きているのかを見ていたいとは思います。

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