それなりに苦労してデザインを変えたのですが、自分で読んでいて違和感があったので、結局元に戻しました(笑)。こういう徒労が私には多いです。
ところで、最近、火星の無人探査機キュリオシティの撮影した火星の映像の中に「十字架」のようなものが写っていることを YouTube にアップした人が話題となっています。
▲ YouTube NASA CURIOSITY ROVER PIC REAL CROSS ON MARS より。
写真の実物は NASA のライブラリーの写真番号 0563ML2278000000E1_DXXX にあります。かなり広範囲を写した写真ですが、下の丸の部分のあたりを丁寧に見ると、どなたでもご覧になれるかと思います。
火星に十字架があっても構わないでしょうし、あるいは、「十字架みたいな形の岩」というものもあっても不思議でもないですので、これはこれでそういう話題があったということだけなのですが、このブログを読まれている方にはご存じの方もいらっしゃるかもしれないですが、実は私は結構な「火星写真ウォッチャー」なんです。
「太陽写真の閲覧」と同じほどの趣味の領域にもなっているんですが、記事であまりにも火星の写真を多く出すと、何だかそっちに偏ってしまうのもイヤですので、多分、今年2月の、
・そこではいろいろと動いている:火星探査機の周辺での「出現したり消滅する岩」の話題とその歴史のこと
2014年02月25日
という記事以来、火星についてはふれていないと思います。
上の記事は確かに私個人には興味深いもので、原因で何であれ、
・火星上で動いている存在がある
という可能性を強く示すキュリオシティの写真をご紹介したものでした。
ただ、この「火星の表面でものが動く」という理由なんですけれど、最近の報道で、「どうも、これが原因では?」というようなことが出てきてはいるのですね。
何がオポチュニティを清掃したのか?
その理由かもしれないこととして、「火星上では想像できないほどの突風や強風が吹いているかもしれない」ということなんです。
下の報道は、4月21日のアメリカの宇宙専門の科学ニュースメディアのニュースです。
▲ 2014年4月21日の Space.com より。
タイトルの意味がわかりにくく感じるかもしれないですが、前提として、
火星探査機は、砂嵐がたびたび発生する火星上ではすぐに砂まみれになる
ということがあります。
たとえば下の写真は、左が 2005年 8月に火星探査機オポチュニティを上から撮影した写真で、右は9年後の 2014年 1月のオポチュニティの写真です。
火星では(多分)清掃してくれる人がいないので、「どんどん機体が汚れていく」ということを前提に次の写真をご覧くださると上の「驚異の」という言葉がおわかりになるかもしれません。
上の写真でおわかりのように、最近のオポチュニティはずっと下のような感じだったんです。
茶色のは砂嵐などでのチリがこびりついたものです。
ところが!
今年1月の写真では上のような状態だったオポチュニティが、4月に送信されてきた写真では下のようにピッカピカ・・・とまではいかないまでも、かなり綺麗になっていたのでした。
並べると下のような感じで、並べた写真は Space.com にも掲載されていました。
さて、「何がオポチュニティを清掃したのか?」ということに興味が湧くわけですが、これは、 NASA によりますと、
「突風によるもの」
という明確な答えが出ています。
「なーんだ」と思われるかもしれないですが、私たちはここで、重大な事実をふたつほど考え直してみる必要があると思われます。
まず、「今までの9年間の中でこんな出来事はなかった」ということです。
そもそも、9年間も積もり、そして完全にこびりついていたであろう砂のダストを一瞬にして吹き飛ばす突風というのは、ちょっと想像を絶するものがあります。
まあ、もちろん NASA の言うように風によるものではない可能性もあるかもしれないですが、ここでは突風、あるいはそのような現象が原因として話を進めたいと思います。
まずは上に書きましたように、
・今までの9年間の中でこんな出来事(こんな突風)はなかった
ということと、そして、次は、
・そんな強風が大気の薄い場所で起きる可能性があるのか
ということです。
もっとも、下については、日本惑星科学会誌の「火星環境の模擬室内実験」という書類に、火星の大気構成から考えて計算したものとして、
火星表面で砂粒子の跳躍が起こる時, 地表付近でも50m/s 程度の高速度の風が吹いている。
とあります。
この秒速50メートルの風というのは、風速と感覚と被害というサイトによりますと、
50m/s たいていの木造家屋が倒れる。樹木は根こそぎになる
という激しい風だそうで、なるほど、これならオポチュニティを清掃できるだけの突風にもなりうるかもしれません。あるいは、上のほうに載せた過去記事の「何もないところに翌日、岩があった」という現象も、突風で飛ばされてきたと考えれば合点もいきそうです。
ただ、これとは関係ないことですけど、上の風速と感覚と被害のページには、
35m/s 自動車や列車の客車が倒れることがある
40m/s 小石が飛ぶ。
とあり、秒速 50メートルの風というのは、火星探査機自体、あるいはその部品をも破壊しかねないほどの風であることもわかります。というか、本当にそんな突風が吹くことがあるなら、(現在の)火星の地表は常に石が飛び交っているような場所であるというようなことになってしまうのでしょうかね。
ところで、なのに、オポチュニティの周囲の「小石」は残っているんですよね。
このあたりちょっと疑問はあるんですが、今回の主題はそちらではないです。
ここ2年ほどの「火星の大規模な異常現象」と、今回のことなどとも関係しているかもしれないという気もするのです。
最近の火星では何かが起きている
2012年に、火星で、「 240キロメートルの高さで何かが噴出している」ということが報じられました。
・火星の「超」異常現象: 地表から数百キロ上空まで吹き上がる現象は何か
2012年03月26日
この「地上から240キロメートル外に向かって煙のようなものが噴き出す」ということが、どれだけ異常な現象かというと、たとえば、地球の火山で考えてみますと、近年の地球で起きた噴火の規模としては最大級の火山噴火だったフィリピンのピナツボ火山の 1991年の噴火の火山灰の高さが約 34キロメートルでした。
さらに、昨年は、
・火星に何が起きた?: 太陽系の激変が続く中で「火星の大気から検出されなくなったメタン」
2012年11月04日
という記事で、火星上で「何かが起こり」以前は検出されていたメタンが検出されなくなったという内容の報道をご紹介しました。
また、以前までは「砂丘」だった場所が、今年3月に送信されてきた画像では、「岩肌を見せた場所」と変貌していることがデイリーギャラクシーで報じられていました。
下がその写真です。
▲ 2014年5月6日の Daily Galaxy より。
どうも、火星ではここ2年くらいで、大きな環境の変化が起き続けているというようなことに見えます。
まあ、火星といえば、
・片道のみの有人火星飛行計画に現在までに7万8000人の応募があったことが判明
2013年05月10日
でご紹介した、オランダの非営利団体が火星への有人計画「マーズワン」を募集したところ、何万も応募があった(最終的には 20万人の応募があり、現在、その中から1058人の候補者が選ばれています)というようなこともありましたが・・・火星まで行き着くテクノロジーのほうはあるかもしれないですが、むこうで人間は大丈夫なのかなあという感じもしないでもないです。
他にも、最近は、土星でも水星でも木星などでも、ほとんどの太陽系の惑星で何らかの正体のわからない現象が観測され続けています。
土星のスーパーストーム
天王星の謎の爆発現象
▲ 過去記事「太陽系が荒れている: 土星と天王星でスーパーストーム」より。
そして、私たちのいる地球も紛れもない太陽系の惑星のひとつです。
太陽系の惑星全体に連動しているこれらの異変を地球も受ける可能性はますます高くなっていると思われます。