2014年06月23日



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環太平洋火山帯の目覚め? : アリューシャン列島とアラスカで続く群発地震から2年前に発表された「地球の磁場の反転と巨大火山活動が関係する」という論文を思い出す



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▲ NASA の国際宇宙ステーション ISS によって撮影されたパブロフ火山。2014年6月23日の MINING より。


最近、ポールシフトに関しての記事を久しぶりに続けて書いたりしました。

ポールシフトに関する最近の緊迫(1) : 磁場の反転時には「地球から大量の酸素が消滅する」とする科学論文の発表…

ポールシフトに関する最近の緊迫(2) : 北の「磁極」がシベリアにまで移動しつつあるという情報の真偽…

などです。

そして、今回は報道としては少し古いものですが、2012年に、英国の名門国立大学であるリバプール大学から発表された論文について書かれたサイト記事をご紹介したいと思います。

その内容は、

過去の地球の磁極の反転(磁場のポールシフト)は、巨大火山活動と連動した

というものです。

このことを思い出したのは、最近の「環太平洋火山帯」の動きの活発化と関連します。

今、ロシアのアリューシャン列島からアメリカのアラスカにかけて、大変に活発な火山の噴火、そして地震活動が続いています。





アリューシャン列島とアラスカで増加し続ける地震と噴火

先日、アラスカにあるブルックス山脈というところで、謎ともいえる群発地震が続いていることを記したことがありました。

全世界の地震の連動:アラスカのブルックス山脈で極めて珍しい群発地震
 2014年06月15日

そして、ロシアからそのアラスカまで続く「アリューシャン列島」の地震の回数と、火山噴火の数が記録的なものになっていて、噴火に関しては過去 26年間で最大になっていることが、アラスカ火山観測所の発表で明らかになりました。

米国アラスカのブルックス山脈の位置は下です。

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そして、北米からロシアまで続くアリューシャン列島の位置は下の地図で白く囲んだあたりです。

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アラスカ火山観測所によりますと、現在、アリューシャン列島では、噴火の可能性のある黄色(コード・イエロー)の警告が出されている火山が3つあり、噴火が差し迫っていることを示す警告(コード・オレンジ)の火山も3つあることを発表しています。

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▲ 左上から、クリーブランド火山(コード・イエロー)、シシャルディン火山(コード・オレンジ)、パブロフ山(コード・オレンジ)、ベニアホフ火山(コード・イエロー)、セミスポチノイ火山(コード・イエロー)。MINING より。


特に、冒頭の写真に写っているパブロフ山という火山の噴火は、すでに火山灰の高さが、9,144メートル、つまり上空9キロメートルにまで達しており、これでさらなる大噴火を起こした場合は、想像を絶する大噴火になりそうです。

しかし、科学者たちがこの活動が今後どうなっていくのかということについての情報と推測を持っていないということも明らかになっています。

ある科学者は、アリューシャン列島の噴火の連続について、「これは火山の噴火が偶然集中したものに過ぎない」と言っていることが MINING の記事に書かれてありますが、同じ環太平洋帯でのアラスカのブルックス山脈の地震は、4月18日から始まり、今なお続いています。

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▲ 2014年6月16日の The News Tribune Swarm of earthquakes in Alaska puzzles scientists より。


そして、後述しますが、今年の環太平洋の地震活動の活発化を見ても、これらは「偶然」ではないと私は思います。


下の図は、アメリカ地質調査所( USGS )の、6月23日の時点の「アラスカ地域においての過去30日間のマグニチュード 2.5 以上の地震」の発生状況です。

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30 Days, Magnitude 2.5+ Worldwide より。


ブルックス山脈は火山ではないので、この地震は地元の科学者たちからも、大変に「不気味」というようなとらえ方をされています。

ちなみに、アリューシャン列島の同時期の地震回数は下のような状況で、大体、1ヶ月間で、マグニチュード 2.5以上の地震が 270回前後発生しています。

アリューシャン列島の5月26日からの30日間のM2.5以上の地震

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USGS より。


アリューシャン列島に関しては、通常での地震の回数の基準を知りませんので、これが特別多いのかどうかはわからないですが、アラスカ火山観測所が、火山噴火と共に、「地震も顕著に増えている」と述べていますので、通常より多いのだと思います。






全体として活動が活発になっている環太平洋火山帯

環太平洋火山帯は、英語では「火の輪」(Ring of Fire)と呼ばれていて、その名のとおり、地震のほうではなく、「火山の集中している場所」という意味ではあるのですけれど、結局、この地帯はくまなく地震が多いのも事実です。

今年は特に活発です。

大きな人的被害の出た地震が少ないため、今年あまり地震が頻発しているイメージはないかもしれないですが、たとえば、今年3月には、

2014年 3月 15日に環太平洋火山帯で「同時多発的な連鎖発生」を起こした中規模地震群
 2014年03月16日

というようなこともありました。

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▲ 2014年3月15日の USGS より。この日、インドネシア、フィリピン、日本、イースター島、コロンビア、チリ、西アフリカ、ギリシャ、アゼルバイジャン、インドなどでマグニチュード5程度の地震が連続して発生しました。


そして、最初のほうにも書きましたけれど、最近は「ポールシフトが加速している可能性」を感じてもいまして、それと関係のある 2012年の記事を翻訳してご紹介したいと思います。

磁場の反転と火山活動に関係があるというものです。

ここで言われる「地球内部の構造」の理論そのものは、私はあまり信用できない面もあるのですけれど、それはそれとして、ご紹介します。この記事の作者自身も、リバプール大学の調査そのものには大きな興味をいだきつつも、「火山活動と磁極の反転の関係」について、研究発表と「逆の因果関係」を述べていますが、私も、このサイト記事の作者と同じような考え方です。

いずれにしても、ここからその記事をご紹介します。




Magnetic Reversals Linked to Massive Volcanism
Magnetic Reversals and Evolutionary Leaps 2014.08.12


磁気の逆転は大規模な火山活動と関係している


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リバプール大学の科学者たちは、大規模な火山活動が磁極の反転のトリガーとなる可能性を示唆する研究を発表した。この科学者たちは、地球の磁場の長期反転率の変動が地球の核からの熱流の変化によって引き起こされ得ることを発見した。

約 2億年前から 8000万年前の間の磁極反転の「発生の間隔」に焦点を当ててみると、この期間には磁場の反転が非常に多く起きていたことがわかった。この時期はまだ恐竜が生きていた時代だが、磁場の反転は、10万年に 10回ほどの頻度で起きていた。

ところが、それから 5000万年後に磁場の反転が発生しなくなり、それから約 4000万年もの間、磁場の反転は起きなかったことを述べている。

ただし、磁場には 11,500年周期のサイクルの「周遊」が存在しており、このことに関して、リヴァプール大学の科学者たちは考慮しなかったようだ。

いずれにしても、これらの「磁極の反転の間隔」にバラツキが生じる理由として、何百万年にもわたって発生する地球の核とマントルの境界を越えての熱損失の変化のパターンと関係している可能性が発見された。

そして、磁場の反転が少なくなった時には、巨大火成岩岩石区(Large igneous provinces / 広大な範囲に渡り火成岩が分布している地域およびそれを生成した火山活動)も少なくなっていたこともわかったことで、磁場の反転とマントル活動に関係があることを見出した。

しかし、全体としてみると、リバプール大学の科学者たちは、「マントルの活動が磁場の反転を引き起こした」としているが、私(サイトの作者)自身は、同時期にその現象が起きていたことは事実だとしても、相関関係はその「逆」だと思う。

つまり、磁場の反転が巨大な火山の噴火のキッカケとなったと考えられる。

なお、2011年のネイチャーに、巨大火成岩岩石区が急激に作られた時代と、過去のペルム紀の大絶滅( 2億5200万年前の大量絶滅)と、恐竜の絶滅(約 6500万年前)の時代がリンクしていることについての論文が掲載されたことがある。


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▲ 2011年9月14日の Nature より。




(訳者注) 記事の後半にはネイチャーに掲載された「大量絶滅と巨大火山活動の関係」についての論文が紹介されていますが、この、過去の「大量絶滅」については、現在でも、それぞれについて確固たる原因は確立されていないわけですけれど、「原因のすべてではなく、ひとつだけ」ではあるにしても、大量絶滅の原因のひとつに「広大な地域で火山活動が活発になる」ということはあったのかもしれません。

それでも、結局は、「大量絶滅の理由」とは複合的なものではあるとは思われます

今月のはじめ頃に書きました、

「地球の海が急速に酸性化している」という論文を6度目の大量絶滅の中にいるかもしれない今の時代に読む
 2014年06月03日

などのように、「海の水」そのものが大きく変化していけば、多くの海洋生物は生き残れないわけですし、先日の「ポールシフトと酸素の消失の関係の記事」のように、地上から酸素が大幅に少なくなれば、地上の生物もかなりの種類がダメージを受けることになります。

酸素の減少量によっては、哺乳類から昆虫などに至る、あらゆる大型生物が生き残れない可能性はあります。

しかし、その一方で、酸素がなくても生きられる微生物も多くいるわけで、それらはまた「次の進化の主役」となっていくのかもしれません。2010年には「単細胞生物」ではなく、「多細胞生物」で、酸素を必要としない生物がギリシャで発見されました。

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▲ ギリシャのクレタ島近くの海底の堆積から発見された「酸素を必要としない生物」の姿。2010年04月14日の過去記事「酸素なしで生きる多細胞生物が発見される」より。酸素を必要としない多細胞生物が発見されたのは、これが初めてのことでした。


いずれにしても、現在の地球に生物が定着して以来、「微生物(ウイルスのような非生物も含めて)が存在しかったことは一度もない」ということだけは事実で、地球の生命の歴史はそれらが見続けてきています。

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