2014年07月12日



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米国イエローストーンの道路が「地熱で溶けていく」中、デンバーでは男性が、非常に珍しい「空気感染の肺ペスト」に感染



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▲ 2014年7月10日の AP通信 より。




イエローストーン周辺の道路を次々と溶かしている原因は気温か地熱の移動か

7月10日に、上のように、イエローストーン国立公園の観光スポットへ到る道路の各地で、「熱でアスファルトが溶け、道路が通行不可に」ということが報じられています。

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▲ イエローストーン国立公園の他の道路。2014年7月10日の Traveler より。


道路のアスファルトがどうして溶けたのかということについては、記事には「最近の気温の高さ」ということと共に「地熱」という言葉も出てきます。

上の AP 通信の記事を要約します。


New hot spot in Yellowstone melts asphalt road, closes popular geysers, thermal features

イエローストーンの新しいホットスポットがアスファルトを溶かし、間欠泉や地熱の人気観光地点への道路が閉鎖

イエローストーン国立公園で刻々と変化する地熱がアスファルトを溶解し、人気の観光スポットへの道路を閉鎖したことを、公園当局は 7月10日に発表した。

また、その地帯は土壌に熱湯を含んでいる可能性があり、立ち入ることは危険で、観光客などに対して閉鎖しているエリアに入らないように呼びかけている。

地熱でアスファルトが溶けている様子には興味を抱くかもしれないが、今回の道路のダメージは深刻で、回復にまで日数がかると思われる。そのため、観光スポットへの訪問は先になるかもしれない。

1980年代の中頃、イエローストーンでは異常に暖かい天候と高い気温のために、道路が粘質の状態となってしまったことがある。




というようなものなんですが、確かに、あまりにも暑さが続いてアスファルトが溶けるというのは、ここ数年の中国などではよく見かけた光景です。

2010年7月の中国・上海 / 暑さで溶けたアスファルト

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▲ 2010年7月10日の英国テレグラフより。


でも、これらの中国の夏の場合、「気温 40度近くが何日も続く」というような形での出来事で、最近のイエローストーン周辺の気温はどうだったのか調べて見ました。

こちらは、報道のあった 7月10日のアメリカの最高気温です。

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Weather Underground

これを見ますと、(夏だから当たり前といえば当たり前でしょうけれど)アメリカは現在は、全体的に暑いようです。それでも、イエローストーンの周辺の最高気温は濃いピンクで、気温としては、32℃〜34℃くらいのあいだくらいのようです。

アスファルトが溶け出すほどの高温とはなっていないように思います。

それだと、気温 50℃とかになるラスベガスとかフェニックスなんかは夏はいつも道路が溶けていることになりそうですし。

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▲ アリゾナ州フェニックスの今日( 7月12日)の気温。 tenki.jp より。


全然関係ないんですが、下のは昨日の天気予報ですので、今日実際にここまで上がっているかどうかはわからないですが、私の住んでいるところと比較的近い場所の 7月 12日の予想最高気温です。

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このあたりのことを一連として考えますと、最近のイエローストーン周辺の程度の生ぬるい気温だけでは、道路のアスファルトは溶けないと思われます。

噴火と結びつけるつもりはないにしても、結局、普通の話として、

イエローストーンの地熱の位置が変化している

ということは言えそうです。

地熱の位置には、東西南北も、深さの問題もあるのでしょうけれど、それが変化していると。
上の AP 通信の記事に、

「イエローストーン国立公園で刻々と変化する地熱」

とありますように、もともと、イエローストーンの地熱の場所というのは変化していくもののようですので、これが何か(たとえば噴火とか)と結びつくようなものではないのでしょうけれど、でも、ふと思い出しますと、過去記事、

「地質の憂鬱」の中にいるアメリカ : 全土で多発する地震の中、イエローストーン火山で過去 30年来で最大のマグニチュードの地震が発生した日
 2014年03月31日

でご紹介しましたように、今年、イエローストーンで過去 30年ほどで最大の地震が起きていることは事実ですし、あるいは、

イエローストーン国立公園から動物たちが逃げ出している
 2014年04月02日

というような記事を書いたこともありましたが、

「動物も地面が熱くなったら逃げたくもなるかも」

と非常に当たり前のことも思ったりした次第であります。

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▲ イエローストーン国立公園を走るバッファローの大群。3月20日頃の撮影。これが、単に走っているのか、あるいは、逃げているのか、はわからないままです。


なお、今年になってからイエローストーンの話題がアメリカにおいて多くなっているのは、地震や今回のような出来事があるからというだけではなく、昨年になってわかった、「イエローストーンは想定されていたよりはるかに巨大な火山だった」ということも関係しているかもしれません。

下のように、過去に噴火した際の影響範囲もとんでもなく大きなことが最近になってわかっています。

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過去記事の、

想定よりはるかに巨大だったことがわかったイエローストーン
 2013年12月13日

に、英国インターナショナル・ビジネスタイムズの記事を翻訳して載せたものから抜粋しておきます。


Yellowstone: The Super-Volcano that Could Blow up America
IBT 2013.12.10

イエローストーン:この超巨大火山はアメリカを吹き飛ばしてしまうかもしれない

ワイオミング州のイエローストーン国立公園の超巨大火山は、科学者たちがこれまで考えていたよりも、さらに大きな米国への脅威になる事実が発見された。

ユタ大学の研究者たちは、イエローストーン国立公園の下の火山のマグマ溜まりが、これまで考えられていた推定値より 2.5倍大きなものであることを突き止めたのだ。

今の時代にこの火山が噴火した場合、火山灰の雲はイエローストーンから 1600キロメートル離れた範囲内の全体に影響を及ぼし、結果としてアメリカの3分の2は人が住めない状態となると科学者たちは予測した。




ちなみに、今、アメリカは、上のほうに載せました気温分布のように、暑いようですけれど、あと数日もすれば、「ものすごく気温が下がる」ことが予測されています。そのあたりは、

「寒い夏」:北米大陸で「北極からの旋風の到来」により7月中旬から異常な寒波に見舞われる予測
 2014年07月11日

をご覧下されば幸いです。

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Extinction Protocol


というわけで、久しぶりにイエローストーンの話題だったのですけれど、アメリカでは、もうひとつわりと広く報道されている「国内の報道」があります。





空気感染型の肺ペストの発生

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・ ペスト患者が発生したことを報じるテレビニュース。YouTubeより。


それは、コロラド州で「肺ペスト」に感染した男性がいることが明らかになったというニュースですが、このペストが、大変珍しい「空気感染(飛沫感染)」するタイプのものだとわかったため、感染拡大が起きる可能性はないのかどうかということが報じられています。

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▲ 2014年7月11日の米国ブルームバーグより。


今回は、ブルームバーグの記事を翻訳したものをご紹介しておくにとどめますが、なぜ、大騒ぎとなっているかというと、ペストはネズミから「ノミ」などを介して人間に感染するのが一般的で、空気感染(飛沫感染と同じ意味で使っています)は、少なくともアメリカでは「極めて珍しいペスト」だからということのようです。

下の図は、横浜市衛生研究所の「ペストについて」というサイトにあるものですが、一般的には、ペストというものは、

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というように、ノミが媒介して流行する場合が多いのですが、今回のアメリカの肺ペストの場合は、

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ということで、(今回はペットの犬から飛沫感染した可能性が高いとのこと)そうなってくると、周囲の人間、動物などから「ペストが広がっていくことはないのか」ということでの懸念が報道されているということのようです。

ちなみに、上記、横浜市衛生研究所のページには、1947年から1996年までのアメリカでのペストの発生状況が記されています。そこには、


1947-1996年にアメリカ合衆国では、390人のペスト患者の発生が報告されています。そのうち、84%が腺ペスト、13%が敗血症ペスト、2%が肺ペストです。致死率は、腺ペストが14%、敗血症ペストが22%、肺ペストが57%でした。ペストが散発の状況では、肺ペストは少ないですが、ペストの流行時には、肺ペストの割合が高いです。



とあり、肺ペストの致死率は 57パーセントもあり、肺ペストは現代医療をもってしても、致死率のかなり高いものだということがわかります。

ここから、ブルームバーグの記事です。




Deadliest, Rarest Form of Plague Contracted Near Denver
Bloomberg 2014.07.11

最悪に致命的で、かつ非常に珍しい種のペストにデンバー近郊の男性が感染

コロラド州の男性が、咳やくしゃみを介して広がる可能性を持つ空気感染するタイプの、最も珍しく、かつ最も致命的な種のペストを発病した。

肺ペストの発生はアメリカでは 2004年以来のケースだとコロラド州環境保健省の広報担当者は語る。

感染した男性の名前は公表されていない。男性はデンバーに近いアダムス郡でペスト菌に暴露した可能性が高いことを保健当局は声明で述べている。

当局は、男性は入院しており、治療中であると述べたが、男性の現在の状況や、その他の詳細についてはコメントしないとしている。

男性は、ペットの犬から感染した可能性があるという。その犬は突然死亡したが、そこから菌が運ばれた可能性があるという。





(訳者注)なお、今回、アメリカで患者が出ました「肺ペスト」は、横浜市衛生研究所のページによりますと、ペストの中でもっと生物テロと関係が深いそうです。

また、現在はいまだに黒点の数は多いですが、黒点数と感染症の関係なども、

「真実の太陽の時代」がやってくる:私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
 2013年07月11日

をはじめ、よくふれることがありますが、「黒点の多い時に感染症が増える」という理屈は多分、磁場によって変化する人間の白血球の数とも関係する「人間の感染抵抗力」の問題と関係あるのだと思っていますが、それはともかくとしても、たとえば、西アフリカのエボラ出血熱も、いよいよ死亡数が 500人をはるかに越えてきまして、すでに「制御不能」に陥っているようですし、世界中での「病気の話題」のほうも、まだ少し続くかもしれません。

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