2014年07月30日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




崩壊したかもしれない太陽活動 : 周期の「法則」はどこへ?



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▲ 2014年7月18日の米国ロサンゼルス・タイムズより。



ほんの少し前に「0個」を記録した黒点のその後

上のロサンゼルス・タイムズの記事は、太陽の状態が下のようになっていた時のもので、つまり唐突に太陽黒点が「ゼロ」になった時のものです。

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Spaceweather


この状態になる前の日に、

太陽から突然黒点が消えた日 : 過去1年半の中で太陽黒点数が最低数を記録
 2014年07月17日

という記事を書きまして、その時は、下のような勢いで、急速に太陽から黒点が減っていっていることを書きました。

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NICT 黒点情報


そして、この記事をかいた数時間後、黒点は「0」になりました。

2012年12月29日から 2014年28日までの黒点数の記録

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NOAA Sunspot Number


2014年内はもちろん、2012年以降、黒点がゼロになった日は1日もありませんでした。

しかし、上にリンクしました「太陽から突然黒点が消えた日」では、私は、最近の紛争と戦争と興奮性の強い暴力が台頭している世界情勢などを見ていて、アレクサンドル・チジェフスキー博士が見出した、

「黒点数の増加は、人間の興奮度や暴力行為の増加と比例する」

という言葉を思い出して、記事の中で、


「もうこのまま黒点が消えていってくれたほうがいいのかもしれない」



と思っているようなことを書きました。

その記事にも書きましたけれど、もちろん、黒点が消えたからといって、戦争や殺人がなくなるわけではなく、単に「興奮のあまりに」とか、「発作的な衝動で」というものが減るというだけで、むしろ、

計算尽くの上で冷徹に計画や攻撃が淡々とおこなわれることが多くなる


という可能性のことをも書いています。

黒点のない時代というのは、冷静に人が管理されたり、あるいは殺されたりしていく時代という意味では怖い時代の幕開けでもあるのかもしれないですが。これは、2008年頃から 2011年頃まで続いた「太陽黒点がゼロの時代」を思い出していただければよろしいかと思います。

いずれにしても、

・怒り
・興奮
・衝動
・ヒステリックな心境
・感情や行動の爆発


などの感情や衝動的行動が、太陽黒点と比例していることは疑いようがなく、太陽黒点が減ると、これらの感情や衝動が少しずつ自分でコントロールできるようになっていくことは、これまでの記事などでも書きましたけれど、過去の研究で比較的明らかです。

その生体的な仕組みとしましては、1951年に東邦医科大学の血液学者であった高田蒔教授が、「血液中の有機コロイドが太陽活動の変化により変動することを発見した」という偉大な研究を例に挙げておきたいと思います。

これは、

「太陽活動は人間の体液を通して脳活動や精神活動までにも直接影響する」という可能性


を示唆します。

このあたりを書いた過去記事は数多くありますが、3月に「今後の紛争や戦争、暴動などへの懸念」を書きました、

太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

という記事などご参考にしていただければ幸いです。

そもそも、黒点が多い時は、その理由を考慮しなくとも「死者の数そのものが増える」ということを示しているデータさえあるのです。

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▲ ロシアにおける死亡者数と太陽活動の変化を示すウォルフ数の相関を示すグラフ。A・レザーノフ『大異変 - 地球の謎を探る』(1973年)より。





再び急激に増え始めた黒点数

そんなわけで、このまま太陽黒点が減っていけば、世界も個人も少し落ち着くかなと思ったりもしていました。

ところが、黒点がまた増え始めたのです。

それも、穏やかにではなく、「急速に」増加しています。

上に載せました 7月 7日から 7月 16日まで「黒点が急速に減少していった状態」の表をもう一度載せます。

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NICT 黒点情報


そして、次は、最近 10日間、つまり、7月 20日から 7月 29日までの太陽黒点の増加ぶりです。

nict-0729.gif
NICT 黒点情報


7月17日には、下のように3年ほどの時間の中で初めて「0」になった黒点。

sunspot-zero.gif
Spaceweather


しかし、その数日後からはまた少しずつ増えていき、7月27日頃から一気に増加しています。

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Spaceweather


なお、一般的な指標としては、太陽黒点の数の多さの基準としては、

・ 40 個以下は「少ない」
・ 40 - 80 個は「やや多い」
・ 80 - 120 個は「多い」
・ 120 個以上は「非常に多い」


となっていますので、一番低いランクから一番高いランクまで、数日間で急上昇したということになります。


さて、しかし、今回最も書きたかったもっと大きな点は、黒点がまた増え始めた、というような話ではないのです。





太陽活動の「11年周期」はどこへ?

冒頭に貼りましたロサンゼルスタイムズの記事の概要としましては、


太陽の11年サイクルの太陽活動の最大期だと考えられる現在、太陽黒点数がゼロとなったことに、科学者たちは戸惑いを隠さない。何人かの科学者たちは現在の太陽のこの状態は奇妙だとの考えを表している。

米国の天文学者によると、現在、最近100年間の中で、太陽活動が最も低下している状態だという。




というようなものでした。

現在のサイクルの太陽活動が弱いことは事実ではありますけれど、そのこととは関係なく、ロサンゼルス・タイムズの記事にもあるように、そして、私たちが何度も聞いているように、


太陽活動周期は「 11年周期」のサイクルを持っている



という強い「法則」があるはずです。
多少の前後はともかく「およそ 11年」という太陽活動のサイクルの原則。

問題はこちらなのです。

今は 2014年の 7月です。

そして、たとえば NASA の科学者たちは「現在が太陽活動の最大期」だと述べています。

この「 11年周期」から考えると、その前の太陽活動の最大期は、2014年から 11年引けばいいだけですので、2003年ということになります

下は、2013年12月2日の AFP の「太陽活動の低下、地球への影響は?」という報道記事からの抜粋です。


「サイクル23」は2000年頃に「極大」に達し、その後、同サイクルの活動は徐々に弱まり、2008年に「極小」となった。



つまり、前回の太陽活動期の最大期は、今から 11年前の 2003年ではなく、今から 14年前の「 2000年」だったのです。

通常ですと、現在の太陽活動の最大期は、2011年頃には到来していなければならなかったはずです。
しかし、その頃には、まだ太陽には黒点すらまったく出ていないような状態でした。

2011年9月2日、つまり今から3年前の読売新聞に下のような記事が出たことがあります。


地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場
読売新聞 2011年09月02日

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。




この時点で、

> 太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

ということは確認されていたようです。

そして、その後に太陽で起きたのは、「磁場の4極化」という異常事態でした。

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▲ 過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した4極化する太陽磁場」(2012年04月21日)より。


もっとも、 NASA などは、かなり早い段階から太陽活動周期の「 11年サイクルの崩壊」を予測していたフシはあります。

下は、2009年 5月 27日の NASA の「新しい太陽活動の関しての予測」という内容の記事です。

2009-nasa-predict.gif
NASA


この時点で、 NASA は、次の太陽活動の最大期は、2013年 5月頃になるだろうとしていました。

これでも、通常のサイクルの 11年からはズレているのですが、実際にその後、上の読売新聞の記事にあるように、国立天文台は太陽観測によって「黒点の周期が 12.6年に延びた」ことを確認しています。

この状態でも、国立天文台の常田佐久教授は、

「観測されたことのない事態だ」

と述べていたのです。


しかし・・・もはや現在は 2014年の半ばを過ぎました。
NASA の予測も何もかも越えた時期で、前回の太陽活動のピークの 2000年から、実に 14年経つのです。

そして、その中で、先日のように「唐突に太陽黒点が減り始めてゼロになる」というようなことがあるかと思えば、そのまま減り続けるどころか、今回のように、また急速に黒点が増加し始める。

しかも、この1年、2年と、黒点の数に関わらず、太陽フレア活動そのものは弱いままなのです。

もし、今後も長い間このような状態を繰り返すのだとすれば、

「太陽活動サイクルは崩壊した」

そう思う他ありません。

冒頭のロサンゼルス・タイムズの記事の中に、NASA ゴダード宇宙飛行センターの科学者であるアレックス・ヤング( Alex Young )という人の以下のような談話があります。

「私たちは過去 50年間、詳細に太陽を観測してきました。それは長い期間だと思われるかもしれないですが、しかし、太陽は 45億年前から回っているのです」


要するに「太陽のこれからの予測は誰にもできない」ということを言っていますけれど、そんな億年単位の話を出さなくとも、少なくとも


過去「数百年の太陽の時代」は終わった



ということは言えそうな気がします。

新しい太陽の時代の始まりなのかもしれません。
それが人類にとって良い面が多いのか、そうではない面が強いのかはわかりませんが。

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