2014年07月31日



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賑やかになってきた天体と太陽



7月30日に太陽が放出した巨大CME(コロナ質量放出)の様子

cme-0730-top.gif

▲ 黒点群からの太陽面爆発ではなく、「磁気フィラメント」と呼ばれるものの爆発により発生した CME 。地球の方向には直接向いていないので、地球が受ける影響は限定的です。影響があるとすれば、日本時間で 8月 3日頃になると思われます。 2014年7月31日のスペースウェザーより。


昨日、

崩壊したかもしれない太陽活動 : 周期の「法則」はどこへ?
 2014年07月30日

という記事を書きまして、太陽活動が再び活発になってきたを含めて「どうにも奇妙な太陽活動」というようなニュアンスを記しました。

再び急激に増え始めた太陽黒点

nict-0729.gif
NICT 黒点情報


そして、上の記事を書いた直後あたりに、冒頭のような太陽からのコロナの巨大な噴出( CME )が発生したことを知りました。

この CME は、黒点の爆発から発生したものではなく、磁気フィラメント( magnetic filament )と呼ばれる太陽表面にある部位が爆発して起きたものです。この磁気フィラメントについては、過去に何度かふれたことがありますが、昨年の、

太陽の表面にこれまで見たことのないサーペント(蛇)のような磁気フィラメントが多数這い回っている
 2013年06月14日

では、かなり不気味な磁気フィラメントが太陽に唐突に出現したことを取り上げたことがあります。

下の黒い線状のものが、その時の磁気フィラメントです。

filaments_2013-06-13-02.jpg
Spaceweather


上の写真の中の複数の磁気フィラメントの中で最長のものは、端から端までの長さが 40万キロメートル以上あります。地球の直径は約 1万2400キロメートルですので、その長さがわかると思います。

この、磁気フィラメントは「ハイダーフレア( Hyder flare )」と呼ばれる「黒点とは関係しない非常に強力な太陽フレアを誘発させる要因となる」とされていますが、今回、太陽で発生した CME も磁気フィラメントからの噴出でした。

そして、実は今、地球の方向に向かって、新たな磁気フィラメントが回り込んできているのです。

スペースウェザーの最新の記事からご紹介します。


DARK FILAMENT ON THE SUN
Spaceweather 2014.07.30

太陽の上の暗い磁気フィラメント

太陽の黒点数は7月中旬に0個を記録して以来、リバウンドを続けており、その数を増やしているため、黒点群からの太陽フレアの発生の可能性が高まっている。

しかし、現時点では、太陽フレアに関しての最大の脅威は、黒点ではないかもしれない。私たちの注意は、今、太陽表面の長い磁気フィラメントに注がれている。

filament-jul-30.jpg

写真は、天体写真家のジャック・ニュートン( Jack Newton )氏が 7月 29日にカナダのブリティッシュ・コロンビア州の展望台から撮影したものだ。

この磁気フィラメントは、端から端まで 10万キロメートル以上にわたって伸びており、その内部は高密度のプラズマで満たされている。自由自在なフィラメントは太陽の磁場によって位置を保持されている。

この磁気フィラメントが崩壊する時に、黒点の爆発とは関係のない「ハイダーフレア」と呼ばれる太陽面爆発を起こす可能性があることが知られている。




これまでの数年で、地球に向けて発生したハイダーフレアは1度もなかったはずですので、今回もないと思いますけれど、もし地球に向けて起きたとした場合、相当パワフルな CME が地球に直撃することにはなります。

そして、理屈がどうであろうと、昨日の記事に書きましたように、この数年、「太陽がおかしい」のは確かなんです。

特にこの2年間ほどは。

確かに、昨日の記事の中でご紹介した NASA の科学者の人の言葉のように、

「私たちは何十億年も活動している太陽の動きの何百年間だけを知っているに過ぎないのです(だから、誰にも太陽活動の予測はできないのです)」


というようなニュアンスを言われてしまうと、確かにその通りだとは思うんですが、「それだと、NASA の科学者の意見も全部不要になってしまうのでは」と、つい反応してしまいそうになりますが、しかし、冷静に考えれば、世界中の多くの科学者とか太陽物理学者などが、

「結局、太陽活動がどうなっているのか、あるいはどうなっていくのかが、もはやわからない」

というような意見を語る光景に頻繁に出くわすということ自体は、太陽の科学にしても、地球を取り巻く宇宙の科学にしても「科学者の絶対的意見」が崩壊しつつある部分もありそうです。

それならそれで、私たち素人が、想像力のもとで考える「これからの太陽」と、専門家の見方との差は以前よりは小さくなっているのかもしれません。





地球上空も火球で賑やか

太陽活動も派手さを見せてきていますが、地球の上空も今とても「派手な状態」になっています。

下は、7月30日の「地球上空を通過した火球の数と、それぞれの火球の軌道」です。

all-sky-0730.gif
Spaceweather


今の時期は、ペルセウス座流星群というものの出現する時期ですので、そのせいで、多くの火球が報告されているのかと思いましたけれど、内訳を見てみますと、

・独立した火球 17個
・ペルセウス座流星群 7個
・みずがめ座δ流星群 5個
・やぎ座α流星群 2個


ということで、「何にも属していない単体の火球が最も多い」のでした。

単独の火球 17個が地球の空を通過するのは多いほうだと思います。

そんな感じで、空のほうも賑やかなようなんですが、そういえば、流星群というのは、多くは「彗星が母体となっている」と考えられています。

最近、ある彗星の「核」の奇妙な姿と動きが撮影されました。





ESAにより撮影された「彗星の核の奇妙な姿」

流星群という現象がどうして発生するのかということについては、Wikipedia - 流星群を見ますと、


流星群の成因

流星現象を引き起こす原因となる物質を流星物質という。軌道計算により、流星物質は主に彗星から放出されると考えられているが、なかには小惑星起源のものもあるようである。




というわけで、多くは「彗星」から放出される物質によるものだとされているようです。

その母体である彗星の中心となる「核」の正体となりますと、最近まで撮影することはできませんでした。始めて撮影されたのは 2010年になってからのことで、 NASA の探査機「ディープインパクト」が、ハートレー第2彗星( 103P/Hartley 2 )の核を撮影することに成功しました。

その核の「形」は予想外の下のようなものでした。

ハートレー第2彗星の核

103P-Hartley-2 .jpg

▲ 過去記事「NASAの探査機ディープインパクトがハートレー彗星の中心核の近影に成功」(2010年11月05日)より。


そして、最近、欧州宇宙機関( ESA )が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星という、名称を覚えるだけでも大変に時間がかかりそうな彗星の撮影に成功したのですが、その形は、ハートレー第2彗星よりもさらに奇妙なもので、下のような形でした。

67P-CG.jpg
ESA


とにかく天体としては奇妙な形としかいいようがないのですが、中心核の大きさは最大の部分で5キロメートル程度のようです。

この彗星の動きは動画にもなっています。

ESA の観測衛星が明らかにしたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の奇妙な形状




それにしても、彗星というのは、イメージとしては、まばゆい光の核と、長い光の綺麗な尾を持つ華麗なものですが、その彗星の中心(核)では、これらのような奇妙な形をしたものがクルクルと回りながら、しかも、壮絶なスピード(時速 6万キロ〜時速 200万キロくらいまでの速度があるようです)で進んでいる。

com-core.gif


クルクルまわりながら。
そして、その核から生命の素材をばらまきながら・・・進んでいる。

(この「彗星と生命の素材」という関係については、カテゴリー「パンスペルミア」や、あるいは In Deep の初期の記事「フレッド・ホイルさんの霊に捧げる」などの記事をご参照いただけると幸いです)


最近、たまに、宇宙のいろいろなことに対して、最終的には「奇跡」という言葉でしか表せない部分を感じることを書かせていただくようなことがありますけれど、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の「健気な回転」を見ていても、やはり思います。

いずれにしましても、この先しばらく、太陽絡み、あるいは天体絡みでやや騒がしい状態になっていく可能性はありますけれど、仮に奇跡のショーが起きるならば、それがどんなことであろうと甘受してみたいとも思ったり・・・あるいは、思わなかったり。

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