2014年08月23日



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エボラ・パニック : アメリカでは 30州において「エボラ検査」が依頼され、WHO が「死亡者の実数が過小評価されている」と語る中、コンゴ民主共和国では「エボラと似た別の感染症」で多数の死亡が進行中



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▲ 2014年8月21日の米国 Breitbart より。赤い州が、 CDC にエボラの検査依頼のあった州。


いろいろなニュースがあるのです。

ジャンルの違う部分で様々なニュースがあって、たとえば、

国際宇宙ステーション( ISS )の表面が海のプランクトンで覆われていた

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Inquisitr


という報道があったりして、しかも、このプランクトンは宇宙ステーションの外壁、つまり真空の宇宙空間で「生きた状態」で付着していたという非常に刺激的な話で、パンスペルミア説など絡めて考えると、大変興味があります。

あるいは、つい先日、

メキシコで一夜にして数キロメートルにわたる亀裂が出現した

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Expreso

という出来事が起きています。

これは、下の動画でその規模がおわかりになるかと思います。




あるいは最近、「オゾン層を破壊したのは人間の生産活動ではない可能性」を示すデータが NASA の研究チームによって発見されたという NASA のニュースリリースもありました。

これは、オゾン層を破壊するとして 1987年に採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」により製造が禁止され、1996年に全廃された四塩化炭素という化学物質、これは、 2007年〜2012年までの排出が「ゼロ」となっていたものなのですが、排出が「ゼロ」なのに現在も「謎の放出源」から大気中に出ていることを NASA の研究チームが発表したものです。

ふと「人為による地球温暖化説」という概念を思い出したりした次第ですが、いずれにしても、上のどのニュースも興味深いのですが、上のそれぞれは大変興味はありますけれど、緊急性のある報道というものでもないですので、今回は、またも、エボラの話を書きたいと思います



複雑化してきたエボラ流行の周辺の事情

ここにきて、エボラ出血熱のニュースは、患者数や死亡者数の急激な増加だけではなく、その内容も「多彩」となってきています。

たとえば、冒頭に示しましたように、アメリカの 30州から CDC(アメリカ疾病予防管理センター)に、エボラ疑い症例の検査の依頼が来ているというようなことになっているようで、結果として、現時点では、そのほとんどが、エボラではない何か他の発熱で始まる病気だったあるようです(ただし、3人は未確定)。

そして、これは人々の「エボラ出血熱に対しての恐怖心」の現れとなっている数字に見えます。

以前の、

始まった「エボラ戦争」のこれから
 2014年08月16日

という記事では、「アメリカ人の 10人に 6人が、アメリカでエボラ患者が発生すると懸念している」という世論調査のことにふれましたけれど、それ以上に、

報道による人々に対しての「エボラへの恐怖の植え付け」

というものも関係しているのかもしれません。

もちろん、実際にエボラ出血熱は恐ろしいものですが、感染の流行に関しては、(今のところ)そこまで神経質になるものではないはずです。しかし、まあ、そこはアメリカ。いろいろな「民衆コントロール」に対しての思惑の一環の中には、このような「病気」という存在もあるのかもしれませんし。


話をアメリカから、流行地の西アフリカに移しますと、この1週間ほどで以前とは比較にならないペースで死者数、患者数が共に「急増」していることには確かに、「やや不安な感じ」を私も受けないではないです。

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▲ エボラ出血熱の一日あたりの新しい患者数と、一日あたりの死亡者数。2014年08月22日の来たるべき地球のかたちより。


そして、最近、世界保健機構 WHO の事務局長から、やや自棄的ともいえる発言が出ていることが報じられています。




WHO 事務局長マーガレット・チャンの2つの発言

下の記事は、マーガレット・チャンさんが、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン( New England Journal of Medicine )に記した「エボラ出血熱の流行には終わりが見えない」という文章がそのままタイトルとなった、 USA トゥディの記事です。

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▲ 2014年8月20日の USA トゥディ No end in sight to Ebola outbreak, official says より。


これは、 国境なき医師団の会長が「エボラ出血熱の流行の収束には6ヶ月程度かかる」と言った内容(ロイター)ともまた違うニュアンスで、WHO の事務局長は「終わりが見えない」という、かなり悲観的な見方を示しているようです。

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▲ WHO 事務局長のマーガレット・チャン(陳馮富珍)さん。


ただ、この現在の WHO 事務局長のマーガレット・チャンさんは、たとえば、 2009年の「パンデミック宣言」の時には、


WHOのマーガレット・チャン事務局長は、顕著な感染や死亡の被害が著しい事態を想定した警告であるフェーズレベル6/6と警告し、パンデミック(世界的大流行)を宣言した。

しかし、新型インフルエンザは、他の季節性インフルエンザと大差ないレベルのインフルエンザで被害も小さなものであった。一連のWHOの誤報を重く見た欧州議会は、パンデミック宣言に至った経緯の調査に踏み出す事態となった。(Wikiepdia



というようなこともしてしまっている方ではあるのですが、しかし、まあ、過去のことはともかく、マーガレット・チャンさんは、今回の医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに、「これまで西アフリカの医療関係者が 80名以上、エボラ出血熱で死亡している」という事実も記しています。

毎日新聞の「エボラ出血熱:医療関係者80人超死亡」という記事にもあり、これまでに約 160人の医療関係者が西アフリカでエボラ出血熱に感染し、80人以上が死亡したことについて報道しています。

それにしても、流行地で医療に取り組んでいる現地の医療関係者の方々には、敬意を持たずにはいられないですが、しかし、その医師たちも次々と倒れていってしまっている。

しかも、後述しますが、現地の医療スタッフたちが病院を捨てて逃げているという状況が各地で、特に、流行が拡大している地域で蔓延し始めているようで、 マーガレット・チャン事務局長は、

「流行を抑え込むための貴重な人材が枯渇してしまう」

と懸念していましたが、それは他の面も含めて事実となってきています。


また、 WHO は、以下のような発表もしています。

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▲ 2014年8月22日の英国インディペンデントより。


これは、現在の西アフリカのエボラ患者数の検知システムに入っていない「膨大な数の患者がいる」ことがほぼ確定的となっていることに関して書かれているもので、書かれてある点を箇条書きにしてみますと、



・エボラは治らないと考える家族が「せめて自宅で死なせたい」と患者を家の中に隠す。

・そもそも、多くの医療スタッフたちが逃亡していて、機能していない医療施設が多いので、病院に行かないケースが多い(病院に入っていないエボラ患者は、統計の数に含まれない)。

・特に夜間外出禁止令を出したリベリアでは、事実上すべての医療サービスが閉鎖されているため、統計につながっていない。

・現在、雨期のため道路事情が悪い西アフリカでは都市部から遠い村へは行けず、エボラ出血熱の感染の状況がまったくわからない場所が多い。

・遠隔地の村では報告されることのない多数のエボラの犠牲者と思われる墓を発見している。




などが書かれています。

最新のエボラでの死亡者数は CBC などによりますと、 1427人となっていますが、 WHO は「これは過小評価された数字だ」と見ていて、実際にはもっと多くの人びとが亡くなっているはずだと考えているようです。

しかし・・・。

問題としては上にあるように、医療関係者の多数がエボラに感染して死亡したり、あるいは医療施設から逃げているという「医療システムが崩壊しようとしている今後」に、さらに大きな危機が待ち受けているのではないのだろうかということを、多くの関係者が考えているようです。

もちろん、いつかは終息はするのでしょうけれど。

かつてのエボラも、あるいは、治療やワクチンのない時代のあらゆる過去の感染症も「自然に終息していった」のですから、エボラもいつかは自然に終息するでしょうけれど、それがいつかわからない。

それと、気になるニュースがアルジャジーラに掲載されていました。

エボラと似ているけれど、エボラ・ウイルスによるものではない感染症がコンゴ民主共和国で大流行している」という報道です。




コンゴ民主共和国の「エボラと症状と似たウイルスの正体」

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▲ 2014年8月21日のアルジャジーラより。


「コンゴ」という名前がつく国はコンゴ共和国と、コンゴ民主共和国(かつての国名は「ザイール」)がありますが、今回の病気が流行しているのは、コンゴ民主共和国のほうです。

8月21日に WHO は、コンゴ民主共和国で、592人が出血性胃腸炎に感染して、そのうち、少なくとも 70名が死亡したと発表しました。

アフリカということで、エボラが疑われたのですが、現地に専門家を派遣した WHO の報告は、これがエボラであることを完全に否定しました。つまり、エボラと似た症状だけれど、エボラではないウイルスによる病気が、また出現したということになります。

死亡率も約 600人の患者のうち 70名の死亡と、致死率は 12パーセント程度で、エボラ出血熱よりかなり低いですが、症状そのものは、嘔吐や体中の内出血といった点でよく似ているのだそうです。ただ、この病気、そういう病気が流行し始めたという報道を見たことがなかったので、エボラウイルスより感染が早いものかもしれません。

国境なき医師団は「この病気が何であるかを確認するのは時期尚早だ」と述べたとのことですが、死亡率の違いから、エボラではないのでしょうけれど、何だか、

出血性の病気をもたらすウイルスが次々と地上に登場する

という気もいたします。

今回は冒頭の、「アメリカの疾病予防管理センターに多くの州から検査要請が届けられている」ということについての報道を紹介して締めます。




CDC: 30 STATES PLUS D.C. HAVE REQUESTED HELP WITH POSSIBLE EBOLA CASES
Breitbart 2014.08.21


CDC(アメリカ疾病予防管理センター)に全米 30州とコロンビア特別区からエボラ疑い症例の検査支援の要請


全米 30州とコロンビア特別区から、疾病予防管理センター( 以下、CDC )に、エボラの疑いのある症例の疾病を特定するための支援の要請があったことがわかった。

相談者の検査の際、CDC は、その患者に血液検査が必要かどうかを判断するために、患者の症状、そして行動と履歴を調査する。ほとんどの場合、それによって、 CDC は血液検査をおこなう前に、エボラ患者ではないと確定することができる。

ABC ニュースによると、 CDC は、7月の末から 68回の検査要請の連絡を受けたことを報告した。これらのうち、58の症例はエボラではないと確定した。残りの 10人に CDC は血液検査を要請した。

そのうちの7人は血液検査をパスし、すでに帰宅している。
残りの3人はまだ病気の種類が確定していない。

試験を受けた 10人の居住地について、 CDC の報告書によると、ニューヨーク州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州、メリーランド州、およびオハイオ州で、それぞれ少なくとも1人の患者が血液検査を受けた。

検査結果を待つ、まだ確定していない3人の患者は、カリフォルニア州とニューメキシコ州在住となっている。

西アフリカでエボラ治療にあたる中で感染し、アトランタの病院に搬送された2人のアメリカ人医師は今週退院した。2人とも ZMapp と呼ばれる試験前の薬を使っての治療後に病気から回復した。

CDCは声明を出し、このアメリカ人医師は2人とも完全に治癒し、「彼らはもはや血液中にエボラウイルスを持たないため、家族や公共へのリスクはありません」と発表した。


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