2014年09月17日



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「3000人のアメリカ人」を新たにエボラウイルスの最前線に向かわせるという行為の中で再び思い出す「生物兵器」というキーワード



もうすぐ、ユダヤ教の新年祭( 2014年 9月 25日)で、その後、「仮庵の祭り」という、ユダヤ三大祭りのひとつが始まります。

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▲ 2014年04月06日の記事「赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった」より。

それらが近づくと、また人の命が……とふと思えてしまう昨今ですが、そんな中、アメリカは、2つの「強い国際政策」を発表しました。




エボラともイスラム国とも戦うとアメリカは言うけれど

今日、「エボラ出血熱感染拡大、米軍3000人を派遣へ」という報道を見ました。3000人のアメリカ兵をエボラの流行地の、主にリベリアに派遣して、水や交通手段などライフラインを確保したり、治療施設の設営などにあたるそうです。

3000人・・・。

今のリベリアの感染状況の中で、「果たして、この中のひとりも感染も保菌もせずに帰還できるのだろうか」と、ふと正直に思いました。

何しろ、西アフリカでは今でも「エボラという存在そのものがアメリカ人が作った陰謀だ」と本気で信じている人たちが少なからずいます。

そういう地域で、米兵に対して好意的かどうかは何ともいえない面もあるかもしれません。このあたりは、AFP 報道を引用したライブドアニュース「エボラ出血熱に渦巻く「不信感」→一部では存在自体否定する人々が増加」などをご参照いただければよろしいかと思います。

そして、同時に、数日前にあった下の事件を思い出します。

これは久しぶりに「ちょっとコワイかも」と感じたニュースでした。

アメリカ航空警察官、注射針で刺される ナイジェリアの空港
CNN 2014.09.09

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米連邦捜査局(FBI)は、ナイジェリアの最大都市ラゴスの空港で米国の航空警察官が何者かに襲われ、「正体不明の物質」を注射されたと明らかにした。

刺されたのは7日。その後、航空警察官は帰国便に搭乗し、12時間後に米テキサス州ヒューストンに到着した。飛行中、体調に異変は起きなかった。

襲撃前に犯人との言葉のやり取りはなかった。捜査筋によると、当局は米国人に狙いを定めた犯行だったのかどうかを調べているが、今のところ大規模な攻撃の一環だったとは考えられていない。


注射での攻撃・・・

これに何とも言えない恐さを感じるのは、かつて実際に「細菌注射を使った暗殺」という出来事が記録されているからです。

ジョン・ミネリー著『ザ・殺人術』(1987年)からの抜粋です。

マルコフ暗殺用装置 = ブルガリアのこうもり傘

1979年はじめ、ジョルジ・マルコフというブルガリアの亡命者が下の図に示したこうもり傘型の細菌接種器で暗殺された。鉄道の駅にいたマルコフが、大腿上部の裏側に突然、何か刺されたのを感じたのが事の起こりだ。

ふりむきざま、マルコフは傘をぶらぶらさせている暗殺者をにらんだ。暗殺者はマルコフに非礼を詫びた。約 24時間後、マルコフは死んだ。マルコフを殺した毒は、敗血症菌で、猛毒をもつ病原菌だった。

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これは「傘」に仕込んだ注射による暗殺の事例ですが、今回のナイジェリアの事例は、こんなに凝った装置ではなく、単なる注射のようですけれど、実際にエボラの患者が発生しているナイジェリア( 9月 10日の時点で患者数 22人、死者 8人)で起きたというあたりに、何ともいえないものを感じます。

「真似する人たちが出てきませんように」と思った次第でした。

何しろ、この方法はウイルスを感染させる手段として簡単な上に有効ですしね。

リベリアの首都モンロビアなどでは、路上に多くのエボラ患者が倒れたままとなっているということがよく報じられますけれど、そのような状況下でのエボラウイルスの取得は(自分を防御する多少の知識があれば)かなり簡単だと思われ、そして、その単なる注射が、

場合によっては最強レベルの兵器となる

というあたりのコワさがあります。

さらに、ウイルスを冷凍保存や運搬できる技術があるのなら「汚染された注射を量産して他の地域に出荷する」ことも可能かもしれません。

これ以外にも、過去記事の、

エボラ患者がアメリカへ搬送された理由。あるいは生物兵器として有効化し始めたかもしれないこと
 2014年08月07日

の中でご紹介した記事の中で、英国ケンブリッジ大学の生物学的人類学者が、

テログループが粉末としてウイルスを管理し、それを使用した爆弾を人口密度の高い公共エリアで爆発させると、恐ろしい数の死者が発生する可能性がある。

と述べていたことが記されています。

こういう書き方は良くないかもしれないですけれど、「 3000人」もの(医者ではなく)兵士を、戦争目的ではないのに、治療法の曖昧な病気の流行地の最前線へと送るという話を聞いていますと、「アメリカにエボラを上陸でもさせたいのかねえ・・・」と、疑問に感じる部分もないではないです。





もうひとつの「アメリカの敵」のおこないそうなこと

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▲ 2014年8月23日の Epoch Times より。


エボラの最前線に兵士を送るアメリカは、現在、エボラに対しての取り組み宣言と共に、

「イスラム国」にも事実上の「宣戦布告」をしている

という状態です。

今朝 9月 17日のウォールストリート・ジャーナルには、

米軍首脳、対「イスラム国」で米地上軍投入の可能性示唆

というタイトルの記事まで踊っています。

文面だけ見れば、アメリカの勇ましさの漂う面もありますが、それでも私などは、

「イスラム国の幹部クラスは喜んでいるだろうなあ」

と感じます。

その理由については、私が書いても説得力がないですので、やはり今朝のウォールストリート・ジャーナルの他の記事、

イスラム国との戦い、3つの隠れた不安

から部分的に抜粋します。

世界最強の(アメリカという)国に名指しされることは、思想的過激派の中では、名誉なことと思われるのかもしれない。今回のケースでは、イスラム国は自分たちがイスラム教過激派の中で最高の地位を獲得したしるしとして利用する可能性がある。

イスラム国はこの戦争を望んでいるとの見方は、2人の米国人ジャーナリストと1人の英国人支援者の首を切断して処刑するおぞましいビデオを公開したことによっても強まった。イスラム国の指導者らは多分、この恐怖が米国民を震え上がらせて逃げ腰にさせるとと考えたのだろう。しかし彼らは、これが米国世論をして政府に対応を迫らせる可能性のあることも知っていたはずだ。

反米的な感情を持っているイスラム教徒たちならば、同じ戦うのなら、他のイスラム教団体よりも、アメリカをして「本気で殲滅する」と言わせしめたイスラム国の戦闘員として戦いたいと思っても不思議ではない気もしますし、戦闘員は今後、ますます増えそうな勢いです。

そもそも、イスラム国は、もはや「過激派」というような単純な組織ではなく、簡単なレベルの「行政単位」を持つ非公認国家といえるシステムを構築しているようです。

下の図は 9月 15日の毎日新聞にあったもので、イスラム国の現在の構成を示しています。

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毎日新聞

記事は、

イラクとシリアで勢力を拡大するイスラム教過激派組織「イスラム国」が、イラクの旧フセイン政権の残党を取り込み、単なる過激派集団の枠を超え国家同様の統治を行っていることが、複数の対立組織のメンバーや研究者の証言で分かった。

という出だしで始まるもので、上の図が示すように、イスラム国の最高指導部は

・バグダディ指導者
・元イラクの将校
・元シリアの将校


からなり、その下に、

・評議会(10名前後)

があり、この評議会は、戦闘担当、勧誘担当、広報担当などに役割分担され、さらには支配地域に、

・その地区の知事

を置くという「小さな国家」としての機能を持つ上、構成員の中には、国家の軍隊の中で戦略計画作りの経験を持っている人物がいたり、イラクでの政治経験を持つ人物なども多いらしいのです。



メキシコにも拠点を作ろうとしているイスラム国

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▲ 2014年9月6日の Permian Basin より。


メキシコに「フアレス」という、アメリカのテキサス州と国境を接している街があります。まあ、このフアレスは、「戦争地帯を除くと世界で最も危険な都市」と言われたりしている街ではあるのですけれど、上の記事は、このフアレスで、イスラム国のメンバーが活動している可能性について書かれてあるものです。

ただ、現時点では実態についてはほとんどわからないようです。

しかし、何にしてもこのフアレスは「アメリカの隣」。

このような場所に、「支部」を持つことがあるとすれば、イスラム国の脅威は、アメリカ人にとって、今よりも身近なものになる可能性もあります。

そんな感じで、最近の「エボラ」と「イスラム国」という二大脅威に立ち向かおうとしているアメリカですが、それぞれの戦いに勝てるのかどうなのか。

それとも、そもそも「勝つという目的ではない」のか。

そのあたりが気になるところではあります。

ところで、やや話題として外れるかもしれないですが、エボラ関係で、最近になって気になったことがありましたので、記しておきたいと思います。




なぜか曖昧にされていたブラントリー医師の本職

さきほどもリンクしましたが、過去記事の、

エボラ患者がアメリカへ搬送された理由。あるいは生物兵器として有効化し始めたかもしれないこと
 2014年08月07日

で記しましたが、8月の始めに、リベリアでエボラ出血熱に感染した「アメリカ人医師」ケント・ブラントリーさんが「ジーマップ( ZMapp )」という未承認薬での治療により(その薬のせいで助かったどうかは確定できていないながらも)元気に退院しました。

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▲ 左の男性がケント・ブラントリーさん。


このケント・ブラントリーさんについて、当時の多くの報道で「ぼやかされていた」部分があります。

それは彼の職業です。

実は、ケント・ブラントリーさんは、「キリスト教の宣教師」として、リベリアに行っていたのでした。つまり医師「兼」宣教師というのが正確なところですが、この「宣教師」の方の肩書きを記した日本語報道は、まず見ませんでした。

ひとつを除いて。

それはクリスチャン向けのメディア「クリスチャン・トゥディ」でした。

クリスチャン・トゥディの 8月 28日の記事「エボラに感染したケント・ブラントリー医師が退院 「今日は奇跡の日」」には、下の記述があります。

ブラントリー医師は、米キリスト教団体「サマリタンズ・パース」の医師兼宣教師で、同僚の宣教師ナンシー・ライトボルさんと共に、リベリアで活動中にエボラウィルスに感染した。2人は今月早々アメリカに移され、米国内最高のエボラ治療施設の一つであるエモリー大学病院で特別治療を受けていた。2人は実験的治療薬ZMappによる治療を受け、常に水分補給を受けながらモニタリングされた。

ライトボルさんは夫と共に8月19日に退院しており、家族とプライベートの時間を持つため、家族のことはニュースに出さないようにとリクエストしている。

「神に栄光あれ」とライトボルさんが退院前に語っていたことを、ブラントリー医師は自身の記者会見で報告した。

このケント宣教師が所属していた「サマリタンズ・パース」という団体については、私はよく知らないですが、アメリカのクリスチャンによるチャリティ団体のようで、 CEO は、フランクリン・グラハムという人。この人は、 Wikipedia によりますと、

フランクリン・グラハムは、もっとも成功したNPO団体CEOとして広く認知されている。USA Today紙によると、2008年のフランクリン・グラハムの収入は、印税や講演等による収入を除くと、ビリー・グラハム伝道協会からの退職金36万6千ドルに加え、自身の団体であるサマリタンズ・パースの年収48万3千ドルを合わせた、63万3千722ドルであった。

というもので、まあ、いろいろといろいろな面はあるようです。

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▲ キリスト教系チャリティ団体「サマリタンズ・パース」の CEO フランクリン・グラハム氏。


そして、このフランクリン・グラハムという人は、キリスト教原理主義的な発言もとても多いようで、イスラム教を「非常に邪悪で不道徳な宗教」とコメントしたことで批判を受けたり、「イスラムは憎悪の宗教であり、戦争の宗教である」と、 CNN の取材に対して答えていたりする人でした。

あるいは、アメリカ同時多発テロ後の「テロとの戦争」に関しての CNN の取材に対して、

われわれはこの敵を倒すために必要ならば、われわれが保持するあらゆる武器を用いなければならないのです。控えるべきだとは思いません。

この敵を倒すために、言いたくはありませんが、私たちは私たちの武器庫にある全ての、地獄のような武器を、必要ならば用いなければならないでしょう。もし必要ならばわれわれの持っている大量破壊兵器を使用して、敵を破壊しようではありませんか。

というようなことを言っていた人でもあるようです。

そのような人が代表にいるキリスト教系チャリティ団体の宣教師としてリベリアに派遣されていたのが、ケント・ブラットリー医師兼宣教師だった、と。

だからどうした、というような特別な意味はないのですけれど、ともかく、

ケントさんの「キリスト教の宣教師」という肩書きがほとんどの報道になかった

ということの意味は知りたいです。

宣教師という職業自体は秘密にするようなものではないはずですし。

それと共に、

エボラウイルスが突然変異により空気感染する能力を獲得した場合「 120万人の死者が出る」と予測する計量経済学者
 2014年09月16日

という記事にあるような懸念も出ている中、3000人のアメリカ兵がリベリアに向かってから数週間から数ヶ月のあいだくらいの動きには注意が必要かもしれません。

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