2014年11月11日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




太陽活動の過去と現在のデータが示す「新しい極小期」の到来の可能性と、新しい小氷期時代の始まりの可能性



サイクル23とサイクル24の「期間」のデータが示すこと

太陽活動のレポートを更新して掲載し続けている Solen.info に興味深いグラフがありました。

下のグラフです。
日本語はこちらで入れています。

cycle-comparison.gif
Solar Terrestrial Activity Report


約 11年ごとに繰り返される太陽活動周期(サイクル)の直近の4つのサイクルの黒点数を時系列を同じくして比較したものです。

それぞれのサイクルは以下のようなものです。

サイクル21 1976年6月から1986年9月まで(期間は10年3ヵ月)
サイクル22 1986年9月から1996年5月まで(期間は9年7ヵ月)
サイクル23 1996年5月から2008年12月まで(期間は12年6ヵ月)
サイクル24 2008年12月から現在進行中


上のグラフを見て、まず明らかにわかるのは、現在のサイクル24が、直近の活動の中で全体として最も黒点数が少ない、つまり活動の弱いサイクルだということです。

しかし、そのことについては、過去記事、

太陽活動が「過去200年で最も弱い」ことが確定しつつある中で太陽活動は復活するか
 2013年10月21日

など何度か記したことがあり、現在の太陽活動が最近の数百年では例を見ないほど弱いものだということは、2013年の時点で確定的な事実となっていました。

なので、太陽活動が弱いことはすでに明らかなことだとして、そのこととは別に、グラフの曲線に「興味深い他との違い」が見られるのです。

太陽活動周期は、約 11年のサイクルで黒点数が増えていき、また減っていくということを示すサイクルですが、新しいサイクルのスタートは「最も太陽活動が弱い時(太陽活動極小期)が確認された月」からカウントが始まります。

約 11年とはいっても、1755年に「サイクル1」として番号がつけられ始めてからの太陽活動の周期の時間にはバラツキがあり、最も期間の短かったのは、1766年から 1775年までのサイクル2で、この時には「9年ちょうど」で太陽活動周期が終了しました。

そして、最も長かったサイクルは、1784年から 1798年までのサイクル3で、このサイクルは 13年 7ヵ月も続きました。

なお、今の前の太陽活動周期のサイクル23は「それ以来長い活動周期」で、12年 6ヵ月続きました。

そして、上のグラフを見ますと、次のことに気づきます。

通常のサイクルだと活動周期開始後から 50ヵ月くらいまでに最も黒点が多い活動最大期に達し、そこから徐々に黒点数は減り、60ヵ月頃から加速度的に黒点は減っていく。

しかし、現在のサイクル24は通常だと活動が落ち始める 50ヵ月目あたりからさらに上昇を続けていて、60ヵ月を越えてもまだ上昇し続けている。

他のサイクルのグラフを見ますと、黒点の最大期間が 20ヵ月間くらいの間続いた後に、活動は減少に転じていますので、もし、現在のサイクル24がいまだに太陽活動の最大期に向かっているとすれば、黒点数が落ち始めるまで、もう少し時間がかかることになりそうです。

どうも、このグラフを見る限りは、今回のサイクル24という太陽活動周期は、1784年から 1798年まで、13年 7ヵ月続いたサイクル3のように「長い太陽サイクル」になる可能性があります。

ここで、昨年 2013年 12月の、

地球は黙示録モードに突入:ヨーロッパに「史上最大級の暴風雪」が近づく中で、各地に出現するVサインは何への勝利の意味か
 2013年12月04日

という記事でご紹介した、東京大学 宇宙線研究所の宮原ひろ子さんという方が 2008年に書かれた「中世の温暖期と近世の小氷期における 太陽活動と気候変動」という資料的論文の中にある下のフレーズを思い出します。

cycle-22.gif


つまり、

前回のサイクルの期間が長いと、次のサイクルの太陽活動が弱くなる。

という傾向が過去にはあったのです。

現在のサイクルの前のサイクル23は上にもありますように、「 12.6 年」という長い期間続きました。そして次のサイクル、つまり現在のサイクル24は、宮原ひろ子さんが「長いサイクルの次のサイクルは弱い太陽活動となる」と予測された通りに「過去数百年で最も弱い太陽活動」のまま進行しています。

そして、さらに、過去の小氷期とも重なった、太陽活動極小期もその直前には「サイクルが長かった」と記されています。

下のグラフは 1790年から 1830年まで 40年間続いた「ダルトン極小期」と呼ばれる黒点の数が少なかった際の活動周期で、この極小期の間は、やはりサイクルが 13年に伸びていた時期が続いていたことがわかります。

Dalton-Minimum.gif


そして、続けて下のように書かれています。

11-13.gif


何が言いたいかと申しますと、前回のサイクル23の期間は 12.6年と、過去 200年ほどの間で最も長い活動周期でした。そして、現在のサイクル24が、もし現在のグラフが示しているように「サイクルの期間が長くなる可能性がある」とした場合、さきほどあげました、

「ダルトン極小期のような過去の極小期と似たサイクルの連続となる」

ということになります。

これはつまり、

再び太陽活動の極小期に入る前ぶれといえる可能性がある

ということです。

過去の太陽極小期には、地球上の平均気温は数十年にわたり低下したのですが、ダルトン極小期の場合、その途中で、1816年にインドネシアのタンボラ山の大噴火があり、そのためだけなのかどうかわかりませんが、1816年は「夏のない年」と言われました。

この年に関しては、夏のない年 - Wikipedia で説明されています。

世界中で異常な寒さが観測されただけではなく、

・穀物価格の急騰
・飢餓や伝染病の発生
・死亡率が上昇


などが世界中で起きたことが書かれています。

現在の太陽活動のサイクル24が終了するまでは、あと何十ヵ月もかかりますので、最終的に現在のサイクル24がどうなるのかはわからないですが、サイクル24が 13年間、あるいはそれ以上の長いサイクルになった場合、過去の極小期のパターンとかなり一致してくることになります。

そして、太陽活動と加えて、先日の、

西暦1750年頃に「何らかの理由」で小氷河期の入口の手前から救われた人類。しかし、今回はどうなる? 太陽と火山噴火の増加が作り出す地球冷却のシステム
 2014年11月08日

という記事での、アメリカのマーク・サーカス医師のブログの「なぜこんなに早く寒くなり続けている?」という内容についての記事。

記事の大まかな概要としては、

・ロシア科学アカデミーの科学者たちが 2006年に「地球は 2012年から 2015年の間に寒冷期に入るだろう」という予測をプレスリリースで発表したこと

・その地球の寒冷期の主な要因は太陽活動の縮小にあり、寒冷期は 2055年頃まで続くとしたこと

・しかし、そこには、寒冷化の要因として「火山噴火の増加による太陽光の遮断の影響」は含まれていないこと


などが書かれており、サーカス医師は、最近の大気中への火山灰の分布についての研究結果から、「最近の火山噴火の増大も地球の寒冷化に大きく関係するのではないか」ということを述べています。

このことについては、米国エネルギー省が所有する国立研究所であるローレンス・リバモア国立研究所
の気候科学者も、地球の成層圏のエアロゾル(大気中に浮かんだ微粒子)の最近 10年間の増加により、「すべての温暖化の要因を打ち消して、地球を寒冷化に導く可能性がある」というようなことを述べていたということも書かれていました。




太陽からの放射量そのものは過去からほとんど変化していないという事実

さきほど掲載しました、東大宇宙線研究所の宮原ひろ子さんによる「中世の温暖期と近世の小氷期における 太陽活動と気候変動」の中に下のようなページがあります。
赤いカコミと赤い文字はこちらで入れたものです。

sun-beam-01.gif


気候の変動に関係しているのは、宇宙線が 15パーセント、紫外線が 3パーセント、とあり、日射量は何と 0.1パーセントの関与しかないことがわかります。

紫外線も太陽からのものですので、それが 3パーセントありますが、合わせても、太陽からの直接的放射の影響というのはその程度のようなのです。

太陽の日射量の変動が気候の変動に関わる率は低いということ?

しかし、少し考えまして、この意味を私が取り違えていることに気づきました。

上の「日射量の変動」というのは、「太陽からの地球への日射量そのものの変動」についてのことで、これは「太陽変動」と呼ばれていて、 Wikipedia には、

太陽変動とは、太陽からの放射量の変化を指す。

(長期間の太陽変動について)解釈可能な変化も近年の議論の結果、現在から2000年前まで0.1パーセント前後の幅でしかないことが判明した。

と書かれていて、太陽からの放射量そのものは、長期間で見てもほとんど変化していないものだということがわかってきています。

同時に、2006年に科学誌ネイチャーに発表された報告書によれば、

1970年代の半ばから、太陽の輝度について純増が見られず、太陽の熱出力の変化が過去400年に渡って地球温暖化に対する影響をほとんど与えていない。

という研究結果も出されてもいます。

結局、太陽の放射量そのものは、ずっと過去に遡っても、ほぼ変化していないということのようです。

しかし、地球(地表)が受ける太陽の放射量は確かに変化しているのです。

たとえば、1600年代後半に約 30年間も太陽に黒点がほとんど出なかったマウンダー極小期に地球が受けた太陽の放射量は異常に少ない状態が続いていたことが、先の資料にある下のグラフでわかります。

maunder-sun-beam.gif


Wang とか Lean というのは研究者の名前のようですが、マウンダー極小期は、30年間も日射量が少ない状態が続いていたことが、どちらの研究結果でもわかります。

そして、それらの中でも「影響の大きなもの」として、さきほどの東大宇宙線研究所の資料には、

「銀河宇宙線 15%」

とあります。

宇宙線の量の変化の方が、太陽変動よりも地球の気候に大きな影響を与えているということのようです。これはどうしてかというと、やはり、同じ資料にある下のグラフでわかります。

宇宙線量の変化と地球の「雲」量の変化の相関関係
cosmic-ray-clouds.gif


つまり、

「宇宙線が増えると、地球の雲が増える」

のです。

くもりの日が増えれば、必然的に気温は下がる傾向に向かいます。それに加えて、火山噴火などで大気中の汚染が進めば、さらに気温に影響するはずです。

この「宇宙線と雲の関係」は過去に何度か記事にしたことがありまして、ご参考いただけると幸いです。

「銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている」 : デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係
 2013年09月05日

「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
 2011年08月26日

この「雲と宇宙線」のことに興味を持ったのは、宇宙線が地球の雲を作り出すことに関係しているとした場合、「地球の天候が、宇宙からの直接的なコントロール下にあるということのひとつの証となる可能性がある」からです。

そしかし、この宇宙線の発生源はどこかというと、

「それはわからない」

のです。

宇宙から地球に来ているものや観測されるものの発生源は多くがわからないです。

天文学で知られている中で最も明るい光の現象である「ガンマ線バースト」というものがあります。

このガンマ線バーストの発生源の研究はかなり進んでいますが、それでも、2011年の時点では下の通りです。

fermi-g5.jpg

▲ 2011年09月11日の記事「ガンマ線バーストの発生源の3分の1は完全に不明」より。


ガンマ線バーストはともかくとして、宇宙線は「地球を通り抜けていくほど微小な物質」であるけれど、「物質」ではあり、だからこそ、雲の生成の他にも、地球の多くの現象に影響を与えているのではないかという説は数多くあります。

しかし、それを証明するのは並大抵のことではないと思うと同時に、「宇宙線がどこからやってくるのか」ということも多分ずっとわからないと思われます。

しかし、地球の天候は、(すべてではなくとも)確かに太陽と宇宙からの直接的影響を受けて変動していくものであることは確認できます。

たとえ、私たち現在の人類が「宇宙のことを何もわかっていないのも同然の状態」であるとしても、数千年の(地球規模で見れば短い)データを見るだけなら、この先の地球は、多分、極小期や、それに近い太陽活動に近づいていることが見てとれます。

そして、それらのデータは、結果として、地球は小氷期を含む寒冷化に向かっているかもしれないという可能性がかなり高いことを示唆しているのかもしれません。

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