2014年11月12日



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探査機ロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から受信した「謎の信号」をめぐり展開する様々な説



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▲ 2014年11月11日の Examiner より。



クリム・チュリュモフさんとスヴェトラナ・ゲラシメンコさんのお二方に恨みはないですが

最近、物忘れが激しくて、今回の「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」なんてのも、今まで何度も記事でその名前を書いているのに、どうしても覚えることができません。

チュリ……くらいまで覚えるのに数日かかっているのが現状で、こんなことになったのも「彗星は第1発見者の名前がつけられる」という決まり事のせいでもあるんですね。この彗星を 1969年に最初に発見したのが2人の天文家で、その2人の名前が、

・クリム・チュリュモフさん
・スヴェトラナ・ゲラシメンコさん


という、どこの国の人だかしらないですが、もともとが難解な名前を持つふたりが発見したせいで、このようなことになっています。

もうこうなったら、2人のフルネームを全部くっつけて、

「クリム・チュリュモフ・スヴェトラナ・ゲラシメンコ彗星」

とでもしたらどうだ? ああ?(誰に怒ってるんだよ)

……とかも思ったりもいたしますが、まあしかし、この「発見者の名前がつけられる」ということで、オーストラリアのアマチュア天文家テリー・ラブジョイ( Terry Lovejoy )さんが見つけた4つの彗星はすべて「ラブジョイ( Lovejoy )彗星」なんて素敵な名称がついたという過去もあります。

love-joy-12-15-01.jpg


ラブジョイ彗星に関しては、

史上最大の太陽接近型彗星「ラブジョイ」の太陽からのサバイバル
 2011年12月16日

など何度か取り上げたことがあります。
ラブジョイ彗星は興味深い動きをするものが多かったです。

しかし、今回の主役は、エコエコアザラク系の名称を持つチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星です。

まあ何度も書いていれば、覚えるかもしれないですしね。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

(意地にならなくていいから)




「歌」をうたっていたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

欧州宇宙機関( ESA )の探査機のロゼッタが、そのチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道に到達した頃、

「彗星は強烈な悪臭を放っている」ことが観測されたことから改めて思う「宇宙塵も彗星の母体も生き物」で、さらに言えば宇宙はすべてが生き物かもしれないという感動
 2014年10月27日

という記事を書いたことがあります。

comet-smell-002.gif

▲ 2014年10月14日の米国ニュー・サイエンティストより。



このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、名称も難解ですが、形も難解というか奇妙で、下のような形をしています。

Churyumov-Gerasimenko-003.jpg
・ESA


この彗星は形状も興味深いですが、上の過去記事にあるように「強烈な匂い」を放っているということもロゼッタに搭載されている ROSINA と呼ばれ分析計のデータによりわかりました。

このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、

・硫化水素
・アンモニア
・シアン化水素
・ホルムアルデヒド
・メタノール
・二酸化硫黄


などが混合した「すさまじい悪臭」を発しているのです。

そして、無機物と有機物が混合しているという点で、「ただの無機的な氷のかたまりなどではない」ということもわかります。

そして、今度は、匂いだけではなく、この彗星は「音」を発していたことがわかったのでした。

正確にいうと「信号」です。

そして、探査機ロゼッタは、今日 11月12日に、人類史上初めてとなる「彗星への着陸」を試みます。以下は、ITmedia ニュースの記事です。

人類初の彗星着陸へ 探査機「ロゼッタ」、12日に着陸機投下
ITmedia ニュース 2014.11.11

欧州宇宙機関の彗星探査機「ロゼッタ」は日本時間の11月12日午後5時半ごろ、着陸機「フィラエ」をチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に向かって投下する。成功すれば人類史上初の彗星着陸となる。

ロゼッタは2004年3月に打ち上げられ、途中で電力を節約する「深宇宙ハイバネーション」に入り、今年1月に2年7カ月ぶりに再起動。総距離60億キロという旅を経て8月に同彗星に到着した。

ロゼッタは周回しながら同彗星の観測を続け、いよいよ着陸機・フィラエの投下に挑む。着陸ポイントは公募によって「アギルキア」と名付けられた。

さて、着陸に関してはともかく、この「信号」なのですが、欧州宇宙機関は、ロゼッタから送信されたデータを受信して、すぐにこの音を、サウンドクラウドというインターネット上で音楽などを公開するサイトにアップしました。

欧州宇宙機関は、アップした音源にに下のように「歌う彗星( A Singing Comet )」と名付けています。

singing-comet.gif
Soundcloud

上に書いてある内容は以下のようなものです。プラズマ・コンソーシアム( Plasma Consortium )というのが何かわからなくて、そのままカタカナにしています。

歌う彗星

探査機ロゼッタのプラズマ・コンソーシアム装置( RPC )は、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星が宇宙空間に向けてミステリアスな「歌」を放っていることを明らかにした。この「歌」の原因だが、彗星の環境での磁場の振動により「歌」が作られているように考えられる。

それらの音は、人間が一般的に聞き取ることができる 20ヘルツから 20キロヘルツよりはるかに下の周波数である 40から 50ミリヘルツの周波数だ。今回アップしたものは、人間の耳にこのサウンドが聞こえるようにするために、録音の際に周波数を増している。

というわけで、ここにアップされている音はそのままのものではないようですが、どんなものか興味のある方もいらっしゃると思いますので、欧州宇宙機関がアップしたものをそのまま貼っておきます。

左上のボタンを押すと再生が始まります。




聴いてみますと、「音程」も「音質」もかなり頻繁に変化していて、欧州宇宙機関が「歌」と表現した気持ちもわかります。

それで、その音の原因は、欧州宇宙機関は、

「磁場の振動により起きているのではないか」

ということを書いています。

この彗星は地球から「4億キロメートル」離れた場所を飛んでいて、そこがどんな環境なのかを想像することは難しいですが、「磁場の振動」という表現が出てくるということは、「磁場が存在する」ということでいいのでしょうかね。

しかし……巨大とはいえ、たかだか4キロ程度の天体に、クリアな信号を出すほどの磁場が存在し得るのですかね。そのあたりの科学的なことはさっぱりわかりませんので、とりあえず、ESA の言うことを素直に聞いておくことにします。




地球や宇宙の音や信号の正体

こういう「音」や、あるいは「信号」、「電波」は巨大な天体ならどこでも発生していて、たとえば地球そのものも様々な周波数の音や信号を発しています。

木星からの信号も有名です。

木星電波 - Wikipedia

1955年、バーナード・バーグとケネス・フランクリンは、木星から発せられた断続的な22.2メガヘルツの電波信号を検出した。研究によって、木星は3種類の電波を発していると判明した。

あるいは、さらに「遠くからの宇宙の信号」といえば、

110億光年の彼方の宇宙から 10秒ごとに正確なサイクルでシグナルが発信されている

ということが判明したこともありました。

これについて、マンチェスター大学での調査が始まったことについて、

銀河系外の宇宙から 10秒周期に発信されている電波信号の存在の探査が始まる
 2013年07月08日

という記事に書いたことがありますが、わりといろいろなところから「信号」は来ているようです。

しかし、その発生源が生じる原因について、正確にわかったことはないようで、いろいろと「謎だらけ」というのが宇宙というもののようでもあります。

今回のチュ…………(考えるんじゃない、感じるんだ)……チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の音に関しても、磁場で説明できるものなのかどうかは今のところ何ともいえないわけで、諸説出てくることかと思います。

謎の音……というと、「地球」の謎の音についても、

世界中で響き渡る音から「ヨハネの黙示録」の天使のラッパを考える
 2012年02月21日

をはじめとして、過去にずいぶんと書きました。

最近はブームも去ったようで、 YouTube などへの投稿は減ったようですが、しかし報道ベースでは、特にカナダとアメリカでは一貫して「謎の音の報道」が常になされています。

insane-noise-top2.gif
Extinction Protocol


しかし、地球の「音」については今回は余談ですので、ここまでとしておきます。

そんなわけで、冒頭の Examiner の記事をご紹介します。

この記事は一種の陰謀論系の内容で、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星彗星から発信されている音は自然のものではなく、この彗星に知的生命体がいる可能性について書いています。

そのあたりの考え方は人それぞれですが、「磁場のない宇宙空間での生物と生命の関係性」についての私の考えは、わりと最近の記事、

人類は本当に「ヴァン・アレン帯を通過して月に行ったことがあるのだろうか?」という疑問を各地で噴出させている NASA の次世代宇宙船オリオンのミッション
 2014年10月31日

に書いていますが、やはり、強力な磁場と大気を持たない天体に(微生物以外の)生命が滞在するということは大変に難しいことではないかと思ってはいます。

それでも、彗星にそのような、知的生命のようなものがいるかもしれないというロマンを持つことも決して悪くないと思いたいところもあります。



Mystery signal from Rosetta comet confirmed by European Space Agency
Examiner 2014.11.11

探査機ロゼッタが着陸する彗星から謎の信号が発せられていることを欧州宇宙機関が確認

欧州宇宙機関(ESA)は本日、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星( 67P/Churyumov-Gerasimenko )から謎の信号を受信したことを確認した。その音はライブストリーミングサイトで公開され、記事で、ESA は、この信号を「謎の歌」と表現した。

以前から探査機ロゼッタには「本来のミッションがある」という噂があった。そのミッションとは、20年前に地球で受信した信号を確認するために、ロゼッタを彗星に派遣したというものだ。

11月12日にロゼッタは彗星への着陸を試みる。この模様はライブストリーミングで世界に公開される。

しかし、今回の ESA の「信号」に関しての発表は、人類初の彗星への着陸ということ以上に驚きであったといっていい。

ESA は以下のように記事で述べている。

「探査機ロゼッタのプラズマコンソーシアム装置( RPC )は、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星が宇宙空間に向けてミステリアスな「歌」を放っていることを明らかにした。この「歌」の原因だが、彗星の環境での磁場の振動により「歌」が作られているように考えられる」

メディア「 UFO サイトニング・デイリー( UFO Sightings Daily )」は、9月29日に「 NASA はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から 20年以上にわたって、ラジオ信号を受信していた!」と題する記事を掲載した。

記者のスコット・ワリング( Scott Waring )氏は、探査機ロゼッタの本当のミッションは、この NASA が 20年前に検出した信号の調査だと ESA の匿名の内部告発者が語ったことを記している。

ワリング氏と同じような主張をする人たちは他にもいたが、彼らは多くのメジャーメディアから非難された。ハフィントン・ポストの記者、マイケル・ランドル( Michael Rundle )氏は、以下のように述べる。

「もし、彗星が電波を発しているのならぱ、なぜ、これまで誰もそれを拾うことができなかったのか。そして、それが NASA によって傍受されたのなら、なぜ、 NASA は自ら宇宙の調査ミッションを行わずに ESA がそれを行ったのか」

今回、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から信号が出ていることが確認されたことによって、ワリング氏が正しかったことになる。

ESA はこの信号は、磁場の振動によって起きるとしているが、大きな問題は、この音が ESA が主張するように、自然現象として作られたものなのか、それとも、あるいは知的生物によって作られた可能性があるのか、ないかだ。

ロゼッタが 9月10日に撮影した写真には、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面に、無線タワーのようにも見えるものや、 UFO といえる可能性がある物体が写っている。 ESA の匿名の内部告発者はこの彗星の写真の背後にはいくつかの謎があることを示した。

もし、今回の彗星からの信号が、20年前に NASA が検知したもので、そして、探査機ロゼッタがその調査のために向かったのだとすれば、 NASA も ESA も、その信号を自然現象を越えたものだと確信していたと考えることもできなくはない。

もし、知的生命体がこの地球に彼らの存在をアナウンスしたいと思っているのならば、遠く離れた彗星から放たれる美しい歌は「ファースト・コンタクト」の優雅なフォームを現している。


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