2014年12月16日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




スノーマゲドン2014年 : 異常な量と早い時期の大雪に世界が見舞われている理由



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▲ 2014年12月8日のカナダ Mayerthorpe Freelancer より「スノーマゲドン」というタイトルの大雪の報道。カナダのアルバータ州にあるメイヤーソープという町。アルバータ州などでは、11月の終わり頃から激しい雪と、場所によって、マイナス 30度クラスの寒波が続いているのだそう。




「雪よ降れ!」と歌えた時代を懐かしんで

アルマゲドンをもじった言葉は「オバマゲドン( Obamageddon )」などを含めて、いろいろとありますが、最近の欧米のメディアでは、上にあります「スノーマゲドン( Snowmageddon )」とか、「アイスマゲドン( Icemageddon )」など、雪や寒さに関してのものをたくさん目にします。

そのくらい「アルマゲドン的な大雪」が早い時期から各地を襲っています。

ところで、12月25日生まれの近代物理学の祖アイザック・ニュートンの誕生日を祝う祭典として有名なクリスマスが近いですが(やめろって)、クリスマス・ソングとして有名な曲のひとつに、ヴォーン・モンローというアメリカの歌手による 1946年の「レット・イット・スノー!」(原題は Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! )という曲があります。

確かに名曲ではあっても、やや古いこの曲が広く知られているのは、 1988年のアメリカ映画『ダイハード』と続編の『ダイハード2』の両方で、ラストシーンに流されたことが影響しています。

Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!



そんなこともあり、1980年代のアクション映画が好きだった中年世代は、ほぼ全員がこの曲を知っていて、クリスマスに暗い顔でこの歌を口ずさんだり、あるいはこの曲を聴くと、「血が騒ぐ」という人も多いです。

まあ、映画のダイハードの話はともかくとして、この「レット・イット・スノー!」は下のような感じの歌詞なんです。

外は吹雪いて寒いけれど、家の中は暖炉で暖かい
行くところがあるわけでもなし
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!


こんな歌を歌われてしまったせいなのかどうか、曲の発表後の 68年後の北半球の 12月は下のような有り様となってしまいました。ヴォーン・モンローさんにも現在の地球の光景を見ていただきましょう。

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・ヴォーン・モンロー(1911-1973年)


世界各地の2014年12月

トルコ

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▲ 2014年12月13日のトルコ英字メディア Daily Sabah より。



韓国

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▲ 2014年12月15日の韓国 kado より。



ロシア

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▲ 2014年12月12日のロシア Vesti より。



インド

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▲ 2014年12月14日のインド英字メディア Indian Express より。



イギリス

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▲ 2014年12月12日のイギリス Pressand Journal より。


他にもいろいろとあり、キリがないんですが、日本を含めて、とにかく「大雪の報道」は多いです。

この大雪の責任を、ヴォーン・モンローさんに押しつけるのは酷な気もしますが、それにしても今年はすごい。

何がすごいかというと、量もですけど、

時期が早い

のです。

たとえば、日本も、すでに地域的にはとんでもない大雪に見舞われていますが、特に激しい新潟の下の報道などで、今年の大雪の「時期的な異常性」がわかります。

記録的大雪で死者 16日は東京も雪の恐れ
YTV 2014.12.15

15日、積雪が全国1位となった新潟県津南町へ。町には、いたるところに大量の雪が積もっていた。道路脇に積まれた雪の高さを測ってみると、約180センチ。15日、津南町では最大で積雪190センチを記録。12月の中旬としては、最も多い積雪となった。

住民「12月中にこれだけ降るのは初めてですね」
「初雪から短い期間で、これだけ積もるのはすごい」
「(車の)ワイパーが1本折れました。こんなの初めてですよ」

日本海側を中心に各地で降った激しい雪。寒波の影響で、12月としては記録的な豪雪となった。週末から続く大雪で、82センチの積雪(平年の約4.6倍)となった青森市。

地元の住民「本当に困りますよね。今年、早くって」

この記事に出てくるような、

12月の中旬としては、最も多い積雪」とか「平年の約 4.6倍」という文字や、地元の人々の「12月中にこれだけ降るのは初めてですね」という言葉などで、今年の雪の量と早さがおわかりになると思います。

そして問題は、

「大雪が早い時期から始まったからといって、春が早くやって来るわけではない」

ということで、一般的には、北海道や東北の雪国でも、本格的な雪のシーズンは1月から2月くらいで、つまり、この冬は「平年より長い期間、雪と直面し続けなければならない可能性が高い」という状況になりそうだ、ということです。

そして、12月16日午前、気象庁は、北海道などを中心として「数年に一度の猛吹雪の恐れ」があると会見で述べています。

気象庁会見 “ 数年に一度の猛吹雪 ” の恐れ
YTV 2014.12.16

met-japan-snow.gif気象庁は16日午前、緊急の会見を開いて、急激に発達する低気圧の影響で大荒れの天気になるとして、警戒を呼びかけている。

気象庁は会見で、急激に発達する低気圧の影響で、17日にかけて北海道地方を中心に猛烈な風が吹いて、「数年に一度の猛吹雪」になる恐れがあるとしている。

車の運転が困難になるほどの猛吹雪となる他、最大瞬間風速が30メートルを超える地域もあり、交通機関に大きな影響が出る恐れもある。

気象庁によりますと、下のように、北海道に向けて2つの低気圧が進んだ後、「1つにまとまって」非常に勢力が強くなるという気象現象を見せようとしているようです。

blast-hokkaido.jpg
北海道新聞


何となく私の実家の位置を地図にマーキングしてみましたら、直撃コースですね。

うちの実家は一昨年の大雪で屋根が破壊されていて(ヒーター付きの屋根でしたが、降雪の速度に溶ける時間が追いつかず、屋根が崩壊)、そのような被害があちこちでありました。

そんな冬でも、こんな早くから「猛吹雪」なんてことはなかったわけで、東北と北海道の今回の冬にはかなりの懸念を持ちます。

そして、もし、このような大雪の状態が冬の終わりまで間断なく続くようなことがあったとすれば、いかな雪国でも、経済を含めて、必ず疲弊します。

激しい大雪というのは、流通を含めて、一時的に経済的な動きがほぼ止まる状態となるわけで、そんな状態が数ヶ月間の冬のうちに何度もやってくれば、いろいろな意味で、「ミニ崩壊」に至りかねないとさえ思います。

どうするよ? ヴォーン・モンローさんよ。(もう許してやれよ)

いや、そう簡単には許せない理由もあります。

それは、私は「この大雪の状態は多分続く」と考えているからです。





世界で大雪が続くと考えられる理由

どうして、「大雪の状態が多分続く」と考えるのかというと、それは昨日の、

太平洋が爆発する? あるいは地球の海がデッドゾーンと化す?: 海水温度の上昇で膨大な量のメタンが太平洋の海底から噴出している
 2014年12月15日

とも関係することですが、

現在、海の表面温度が高い

からです。

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・Bob Tisdale – Climate Observations

吹雪のような激しい雪が降るためには、

・雪となるための水分
・低い気温
・低気圧


などの条件が必要かと思われます。

海水の温度はそれらのいくつかと関係します。

たとえば、海水温 - Wikipedia には、

海水温が水の蒸発量に非常に関わりが深いことから、気象学の観測対象とされ、気候学においても重要視される。

という記述や、

海水温は、台風などの熱帯低気圧の発生とその勢力に関係しているとされている。

などがあり、確定した学説ではないにしても、海水温が天候に大きく関係している可能性は非常に強いと思われます

そして、海水の表面温度が上がると、「蒸発によって大気中の水分量が増える」ので、雨量が多くなる傾向になるとも思われます。

実際に、ここ数年の洪水の多さはすさまじいもので、過去記事で、世界や日本の「歴史的な洪水」に関する記事を何度くらい書いたことかと思います。

また、今年は日本に関しては、特に雨の多い年でした。

気象庁に「日本の異常気象」というページがあり、そこによりますと、今年の11月から12月は平年より雨量が多い地域が大変に多くなっています。

rain-2014-11.gif
気象庁

上の分布で、白、水色、青の地域は、平年比 100%以上雨量が多かったことを示します。

これを見ると、東北の一部と北海道が平年より雨量が少なかった以外は、日本列島の多くが、平年比で 100%以上の雨量があったことがわかります。

今年の夏はもっと極端で、気象庁の「平成26年8月の不純な天候について」というページもあり、

2014年8月は、西日本を中心に記録的な多雨・日照不足になった。また、7月30日から8月26日にかけては各地で大雨が発生した(「平成26年8月豪雨」)。

と記載されています。

そんなわけで、少なくとも、日本では多くの地域で「雨が降りやすい状況」となっているということが言えるかと思います。ただし、全世界を見れば、アメリカのカリフォルニアや、ブラジルなど激しい干ばつが続いているところもあります。

そして、たとえば、台風の勢力は「海水温が高いほど発達しやすい」ということを考えても、「荒れる天気」というのは、海水温が高いほうが起きやすいと考えてもおかしくはないかとも思います。

その海水温は、過去 100年くらいの間に年々上がっていて、今年 2014年は、1880年からの観測史上で最高の海水温平均値を記録しました。下は海水面温度の平年比を示したもので、黄色、オレンジ、赤は、すべて平年より海水の表面温度が高い海域です。

sea-temperature-777.gif
Science Daily

そして、昨日の記事に書きましたように、海の表面だけではなく、海底の海水温度も高く、そのために大量のメタンが海中にも大気中にも放出されていることがわかりました。

もう、これはですね……気候に関しては荒れる要素が満載だと思います。

さらに、これに追い打ちをかける事象があるとすれば、

太陽活動が急速に弱くなる

ことがあります。

太陽活動が弱くなりますと、地球に到達する宇宙線の量が増えるため、「雲」が発生しやすくなり、すなわち、くもりの日が多くなり、日射量が減った場合は、

・雨
・低い気温


という条件がさらに整いやすくなります。

これは、「宇宙線がある場合に大気中の雲粒が大きなまま保たれる」ことをデンマーク工科大学の研究で突き止められたことなどもあり、宇宙線が雲を形成するメカニズムのほうはわからなくとも、事実として、宇宙線と雲の生成に関係があることは明確だと思えます。

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▲ デンマーク工科大学のヘンリク・スヴェンスマルク( Henrik Svensmark )教授の実験データ。2013年9月5日の記事「銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている : デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係」より。


ですので、ただでさえ弱い太陽活動ですが、これから太陽活動が一気に弱くなっていきますと、雨や雪が今より多くなる要因となると考えられます。

地球の気候にはいろいろなものが関与していて、そのシステムは複雑であり、単純なことは決して言えないものですが、

・高い海水温度
・弱まる太陽活動


このふたつだけでも、十分に、地球の天候が大荒れになる要素となりうると考えることは、それほど的外れでもないのではないかとも思います。

そして、それに加えて、

・世界中で火山活動が増えていて、広範囲での気温の低下が予測される

ということもあります。

先日の記事、

「2015年は地獄の真っ只中」:デンマークの投資銀行サクソバンクによる 2015 年の「アウトレージな予測」から見る来年の世界
 2014年12月12日

のデンマークの投資銀行サクソバンクの大胆予測には、「火山噴火が穀物生産を直撃」という項目があり、これは、1日に3万5千トンの火山ガスを噴出し続けているアイスランドのバルダルブンガ火山の火山ガスの二酸化硫黄の影響で、ヨーロッパの天候が寒冷化していく可能性について書かれてあります。

火山の噴火は、世界でも、そして、日本でも増えています。
今年はもしかすると、近年で最多クラスの火山噴火の起きた年となっているかもしれません。

火山噴火の多発は、雪の要因のひとつである、「低温」と関係します。

これで、前のほうに書きました、吹雪などの荒れた雪模様を作り出す条件である、

・雪となるための水分
・低い気温
・低気圧


が出そろったのではないでしょうか。

そんなこともあり、もしかすると、私たちは今シーズンの冬、あるいはその先の冬も、経験したことのないような雪や、あるいは寒さを経験することになる可能性が高いと思います。

そして、春になり、雪が雨に変わる頃には、今度は洪水。

考えると気が滅入りますが、こういう時こそ、「レット・イット・スノー!」でも歌ってリラックスしたいところです(もっと降ったらどうすんだよ)。

そんなことはともかく、猛吹雪が警戒されている地域の方は本当にお気をつけ下さい。昔は雪に慣れている人々が住む雪国ではあまりなかった「吹雪による死」というのが昨年あたりから発生していて、もう今までとは吹雪の度合いが違うと考えられるとよろしいかと思います。

もはや地球は完全に変わりました。

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