・インフルエンザ・ウイルス。Medical News Today
インフルエンザワクチン効果60%の実相
クリスマスイヴの翌日から子ども(小3)の学校の冬休みが始まったのですが、何しろ私の住む埼玉県は以下の状況。
▲ 2014年12月25日の NHK 「全国で初 埼玉県でインフルエンザ警報」より。
子どもに、
「昨日、クラスでどのくらい休んでいる子がいた?」
ときくと、
「3人くらい。助さん(仮名)と角さん(仮名)と、お銀ちゃん(仮名)」
とのこと。
私 「え? お銀ちゃんも?」
子 「そう」
私 「クリスマスの日にインフルエンザだなんてかわいそうに」
お銀ちゃん(仮名)は、近所に住むうちの子どもと同じクラスの女の子で、うちの子が、学校を休む時に連絡や宿題などを伝えてくれるために家に来てくれるため、わりとよく話をする子です。
それで、私が「え?」と言ったのは、1ヶ月くらい前、うちに連絡帳を届けにきた時に下のような会話をしたことがあったからでした。
私 「インフルエンザが流行ってるけど、大丈夫?」
お銀「昨日、予防注射したから大丈夫」
私 「予防注射したんだ」
お銀「私、注射すっごく嫌いなんですよ。でも、頑張ってやってきた」
私 「それじゃ、大丈夫だといいね」
しかし、結局、インフルエンザにかかってしまったようです。
インフルエンザワクチンの効果は、「スタンリー・キューブリックとT氏のふたりの亡霊に…」という記事に「注射タイプのインフルエンザ・ワクチンの有効率」についてのわかりやすい図を載せたことがあります。
・インフルエンザワクチンの発症予防効果について
まあ、その効果云々はともかく、わりといつもうちの子のことを気にかけてくれている女の子が、せっかくのクリスマスの日にインフルエンザとはなあ、と思った次第です。
男の子でも女の子でも、小学3年生くらいだと、クリスマスは楽しみで楽しみで仕方ないはずですし。
そういえば、ワクチンに関して、先日、下のような報道がありました。
インフル:ワクチン、小児に効果大 流行のA香港型で6割
毎日新聞 2014.12.25
この冬に流行中のA香港型インフルエンザについて、15歳以下の小児でワクチンの効果が予想以上に高いことが、慶応大の研究グループの調べで分かった。接種を受けた小児の約60%に発病を抑える効果が見られるという。
グループ代表でけいゆう病院小児科の菅谷憲夫医師は「予想外の結果だ。未接種の人は早めにワクチン接種を受けてほしい」と呼び掛けている。
この記事の中の、
> 接種を受けた小児の約60%に発病を抑える効果が見られるという。
というのは、何だかものすごく効果の高い感じに見えるのですが、グラフで見れば、その「実相」がわかります。
それこそ、製薬会社のグラフを用いたほうが信用性があると思いますので、アステラス製薬の「インフルエンザワクチンの接種」というページからご紹介します。
そこに「インフルエンザワクチンの有効率60%とは」ということについて、グラフで示されています。
・上段の1組が 40人全員がワクチンを「接種しなかった」グループ
・下段の2組が 40人全員がワクチンを「接種した」グループ
となっていて、その差は上のグラフの通りなんですが、これを「ものすごい効果だ」と感じるか、「大した効果ではない」と感じるかは、各自で違うと思いますので、そのことには言及しませんが、いずれにせよ、これが「予防効果 60パーセントの実相」です。
もちろん、統計の取り方はいろいろとあり、実際に効果的なのかもしれないですし、「ほとんど意味のないものかもしれない」ですし(高齢者にはほとんど効果がないことはわかっています)、個人の判断に委ねられているものだと思います。
それにしても、上の毎日新聞の報道で、医師の方が、
「予想外の結果だ」
と言っているのは、ややアレですが。
よほどワクチンは効かないものだと自覚してらっしゃったというような雰囲気が……。
以前、近所の小児科の先生が、
「どうやったって、(インフルエンザに)かかる時にはかかりますよ」
と言っていましたけれど、これが真実に近いのかもしれません。
あと、日本では、RSウイルスというものも5週連続で過去最高の患者数を記録しています。
RSウイルスの患者増続く…4週連続で最悪更新
読売新聞 2014.12.24
乳幼児の重い肺炎や気管支炎の原因となるRSウイルスの流行の拡大が続き、国立感染症研究所は24日、1週間あたりの患者数が4週連続で過去最悪を更新した、と発表した。
小児科のある全国約3000医療機関が報告した患者数は今月8〜14日で8180人に達し、前週の6851人を大きく上回った。2003年の調査開始以降、初めて8000人を超えた。
この RSウイルスは、小さな子どもや、高齢者などでは重症化することもあるものらしいんですが、流行期はまだまだ続きますから、今シーズンは記録的な患者数となり、先月の日刊ゲンダイにあった「インフルより怖い 「RSウイルス」パンデミック秒読み危機」などという派手な表現も、あながち間違いではない状況になりつつあるのかもしれません。
少しも上昇グラフは衰えていないエボラ出血熱患者数
最近はあまりメディアなどでは報道されなくなりましたが、西アフリカのエボラ出血熱の流行は、その主要流行地がリベリアからシエオラレオネに移っただけで、下のグラフように、患者数の発生上昇の曲線はまったく衰えることなく上がり続けています。
・Ebola virus epidemic in West Africa
このグラフは、人数ではなく、「その国の人口に対して、エボラ患者が何パーセントいるか」を示したもので、その国家に与える影響を考える上では、実数よりもわかりやすい面があります。
グラフでは文字が小さくなっていて見えにくいですが、2014年4月1日時点では、エボラ患者の人口に対する比率は、ギニア、リベリア、シエオラレオネで、共に「 0.001%」程度か、それ以下でした。
しかし、12月9日の時点では、
・リベリア 人口比患者数 0.19%
・シエオラレオネ 人口比患者数 0.13%
・ギニア 人口比患者数 0.02%
となっています。
大したことのない比率に見えるかもしれないですけれど、リベリアの 0.19%というのは、日本の人口約 1億2700万人の場合にたとえると、25万人程にのぼる率となるわけですが、たとえばですが、
「日本で致死率 50パーセント以上の感染症が 25万人に感染する」
というようなことになれば、これは「国家レベルの厄災」といえるものとなるわけだと思いますが、リベリアやシエオラレオネはそのような事態に陥っているということになりそうです。
WHO 集計の 12月14日時点の世界(ほとんどが西アフリカの上記3カ国)でのエボラ患者数は 1万 8,590人となっています。10月17日は 9,668人でしたから、2ヶ月間で倍増している計算になります。
死者は 7,288人となっていますが、集計には曖昧な部分があり、患者数、死者数共に、実際の数はこれよりもかなり多いとされることが WHO から公式な声明として出されています。
特に、現在はシエオラレオネがひどい状態で、時には数日で 500人くらいずつ患者が増えていっているという状況になっているようです。
・Ebola virus epidemic in West Africa
もっとも、アフリカは、
・タイムリーな黒点の姿と「 X 100,000 クラス」の超特大スーパーフレアの存在
2014年10月21日
という記事にも書いたことがありますが、さまざまな国で「国家的レベルの厄災」としての感染症が、エイズを筆頭に他に多々あることも事実です。
・Vox
アフリカでの2012年の死亡原因
1位 エイズ 108 万 8000人
2位 呼吸器疾患 104万 9000人
3位 下痢症 60万 3000人
病気といえば、先月の、
・ブルガリア政府が国家機密を解除し公開された「ババ・バンガの2015年の予言」の内容
2014年11月24日
という記事で、ブルガリアで機密指定文書とされている、著名な予言者ババ・バンガの 2015年の予言のうちの一部が公開されたことを記しました。
その中に、
ウイルスの蔓延が収まらない。ワクチンが作り出され、「最悪期は脱した」とする騒がしい声明が出されるだろうが、逆にウイルスはそこから突然変異による新しいウイルスの形態を獲得し、ウイルスが勝利する。
シベリアとオーストラリア以外の全世界がウイルスで汚染される。
という記述があったことを思い出しました。「ウイルス」とあるだけで、それがどんなウイルスなのかはわかりませんが、相変わらず感染症に関しての報道は連日のようにあります。
アメリカでは、「リステリア症」という感染症の患者が発生していることが大きく報道されています。
年間500名が死亡しているアメリカのリステリア症と患者数が100万人を超えたチクングニア熱
▲ 2014年12月25日の Empire State Tribune より。
アイスクリーム会社の製品とありますが、正確には「キャラメルアップル」というもので、リンゴの周囲にキャラメルがかかっている下のようなお菓子ですね。
・Fox News
アメリカ疾病予防管理センター( CDC )の報告によりますと、アメリカ 10州で、29人が発症して入院しているとのこと。
ところで、私はこの、リステリア症という病気がどんなものなのか、よく知りませんでしたが、調べてみると、
妊婦とその胎児を主として狙うバクテリア
という、ちょっとイヤな感じのバクテリアであることを知りました。
下は、横浜衛生研究所の「リステリア症について」というページからです。
アメリカ合衆国では、毎年約2500人が重症のリステリア症となり、そのうち、約500人が死亡していると推定されています。アメリカ合衆国では、毎年約5000人が食物由来の感染症で死亡していると推定されていますので、そのうち約10%がリステリア症によることになります。
ということで、アメリカの食品関連の死者としてはかなりの部分を占めるものであるようです。
横浜衛生研究所のこのページでは、リステリア症にかかりやすい人を挙げていますが、その一部は下のようになります。
リステリア症になりやすいのは、以下に示す人たちです。 リステリア症になりやすい人がリステリア症になった場合の致死率は20-30%と高いです。
・妊娠している女性 : 健康な成人より20倍リステリア症になりやすいです。
・胎児・新生児 : 妊娠中の感染は、妊娠している女性よりもおなかの中のこども(胎児)に深刻な影響を与えます。
・エイズ患者 : 正常な免疫機能の人たちより300倍リステリア症になりやすいです。
などがありまして、エイズ患者など免疫の弱っている人たちや高齢者などを除くと、若い年齢でリステリア症になりやすいのは「妊婦」が主のようです。
日本での患者発生は少ないようですが、食品安全委員会の資料によりますと、日本の重症リステリア症の発症数は「年平均 83例」とあり、少ないながらも、発生はしているようです。
妊娠されている方などで気になる方は、横浜衛生研究所のページや厚生労働省のサイトに、予防のための方法などが記載されていますので、ご覧になっておいてもいいかもしれません。
それにしても、今回のアメリカのリステリア症の流行の源は「キャラメル・アップル」で、とても細菌に汚染されていることを気にして食べるようなものではないです。
今年 2014年は、本当に様々な感染症が拡大した年で、東南アジアや中国などで、過去最大クラスのデング熱の流行があったり、また、中南米を中心として、やはりデング熱と同じ蚊を媒介して起きるチクングニア熱の患者数が 100万人規模のとんでもない大流行となったりしています。
▲ 2014年12月24日の withnews より。
チクングニア熱はデング熱より症状が重く、場合によっては、関節痛などが「1年間以上」も続くことがあるそうですので、海外旅行に行く方で、中南米や、アメリカでも南部のほうに行かれる方は蚊に刺されない注意は必要だと思われます。
現在の中南米のチクングニア熱の流行は、2013年の暮れ頃から始まっていますので、約1年間、拡大し続けているということになるわけですが、日本などの場合では「冬になれば、蚊が生息できなくなり、流行は終わる」という状況があるわけですが、中米のように、年中、蚊が生息でき得る地域では、流行の終結がいつになるのかわからない面があります。
そして、同じように、「この1年間拡大し続けている病気」として、
・病気の時代 : 致死率が 20パーセント台となっている中国の H7N9 の真相の謎。そして、カザフスタンで感染が拡大する謎の眠り病にタラビッチの予言した「未来」を思う
2014年01月30日
という記事で、今年1月のカザフスタンの報道で、
「眠り続ける奇妙な病気」が人々に蔓延している村がある
ということをご紹介したことがあります。
この1年間増加し続けていたカザフスタンの「原因不明の眠り病」の患者数
それは下のような出だしの報道でした。
カザフスタンの小さな村の住民たちは、日中、突然深い眠りに入ってしまう奇妙な病気の流行に直面している。医師たちもこの不思議な現象を説明することができないでいる。
この病気にかかると、文字通り「人々は歩きながら眠りに落ちる」というような状態になることをロシアのタス通信は伝えている。
この疾患は、14歳から70歳までの、少なくとも十数人が、医療センターに赴き、それぞれが同じ症状を訴えたことが昨年から報告されている。それぞれに接触はなかったという。
原因も治療法もわからないこの病気の患者の数が顕著になり、1年経とうしている現在、なお、患者は増加し続けているということを知りました。
・IB Times
その記事をご紹介して締めたいと思います。
1年前は、「十数人」だった、この病気の患者が「 600人」にまで増えています。
病気の原因はわかっていませんが、地元の人は、この村の近くにかつてあった旧ソ連の秘密施設であったウラン採掘場と関係があるのではないかと考えているそうです。
しかし、そのウラン採掘場が閉鎖となったのは今から 20年以上前で、今になって、しかも、この1年間で唐突に患者数が増える理由がわからず、どうも複雑な原因がありそうですが、やはり「謎の奇妙な病気」としか言えない部分があります。
インターナショナル・ビジネス・タイムズの記事となります。
600 in Kazakhstan Village Suffer from Strange 'Brain' Disease that Makes Them Fall Asleep for 'Days'
International Business Times 2014.12.16
カザフスタンの村で、「何日間も眠ってしまう」奇妙な「脳」疾患により人々が苦しめられている
最近、ロシアで放映されたロシア・トゥディのドキュメンタリーによれば、カザフスタンの小さな村で、「眠りに落ちてしまう」奇妙な病気に苦しめられている人たちの数が 600人以上と、予想外に多いことがわかった。
カザフスタンの小さな村カラチ( Kalachi )では、10人に 1人の村民が、予期せぬ白昼の眠りに落ちていることがわかった。その中には何日間も眠り続ける人たちもいる。
ドキュメンタリーによれば、この病気は無差別に村民たちに襲いかかり、現在のところ、いかなる治療法も存在しない。
この「眠り病のパンデミック」が最初に村に現れたのは数年前のことだった。
しかし、現在では、カラチのほぼすべての家庭がこの病気による影響を受け始めている状況になってきている。
9月の始めの新学期の初日には、子どもたちが次々と眠りに落ち始めた。少なくとも、その日の1日だけで、8人の子どもが眠りに落ちた。
別の例では、少なくとも 60名がほぼ同時に眠り、救急隊員により搬送された。
この不可解な疾患の原因を見つけるための試みは長きにわたり続けられているにも関わらず、現時点でも原因はまったくわかっていない。
これまで、ウイルス学者、放射線科医、毒物学者を含む科学者や医療専門家たちのグループが村を訪れ、研究を続けているが、原因の特定には至っていない。
もし、このまま治療法が見つからない場合、二度と目を覚ますことができなくなる日が訪れるのかもしれないと、地元の人たちは恐れている。
この症状に苦しむ少年の父親は、以下のように語る。
「たとえば、彼を起こそうとするとします。すると、目を開けたがっているようなのに、目を開けることができないのです」
眠りにつくだけではなく、記憶喪失、めまい、吐き気などの症状がある人もいる。
中には、幻覚を見る人もいる。
症状をもつある女性は、「まるで、鉄のブーツを履いているかのように足が重く感じて、しかも、足の力が弱まっていて、足を動かすのが難しいのです。それに、めまいがして、酔っている時のように舌がもつれるのです」と言う。
ある患者は1週間以上眠り続けたという。
原因は突き止められていないとはいえ、村人たちは、20年以上前に閉鎖された旧ソ連の極秘施設だったウラン採掘場に関係があると考えている。