2015年01月03日



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NASA の科学者が発表が示唆する「2015年はミニ氷河期への入口」 : しかし、どのみち、私たちは氷河期の中で生まれて、氷河期の中で死んでいく



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Frozen

今回のタイトルの「どのみち、私たちは氷河期の中で生まれて、氷河期の中で死んでいく」というのは奇妙な響きだと思われるかもしれないですが、このあたりは、スノーボールアース - Wikipedia の下の記述で納得していただけるのではないかと思います。

地球はその誕生以来何度か氷河期と呼ばれる寒冷な気候に支配される時代があった。現在判明しているもっとも古い氷河期は南アフリカで発見された約29億年前のポンゴラ氷河時代で、最も新しいものは現在も続いている「新生代後期氷河時代」である。最近約一万年は氷河期の中で比較的温暖な間氷期とされる。

というように、

> 現在も続いている

の表記がありますように、現在の地質科学では、現在を氷期と氷期の間の「間氷期」という位置にあるとしているようで、つまり、結局は「今の有史時代というのは、ずっと氷河期の中だった」といえそうで、そのことをタイトルに記したのでした。

そういえば、冒頭に、アナと(省略)の光景からお借りしたものを載せていますが、先月、奥さんが DVD を借りてきて、初めて家族で見たんですね。

それなりに面白かったですけれど、ああいう「サイキック氷攻撃能力を持つ姉と、平凡な妹の話」だとは予想していませんでした。

それにしても、こういうミニ氷河期っぽい映画がヒットするのも、人々の心の中に「来たるべく氷河期時代への心の準備」と関係あるのかな、と思ったりもした次第です。そもそも映画の原題「 FROZEN 」は、名詞だと「氷結期」ですしね。タイムリーだと思います。

映画ではエルサ王女は心を開きましたが、人生はいろいろとありますから、今はまた心を閉ざしてしまっているのかもしれず、そんなエルサ王女が「氷アターック!」と叫びながら(そんなかけ声はなかっただろ)、地球を凍らせているのかもしれないですね。

そして、そのせいということもないのでしょうが、日本も世界も天候が大変なことになっています。




日本の大雪。そして世界の大雪

日本各地でえらい大雪が続いていることが報じられているのですが、これが平年の同時期と比べて、どのくらい激しいものなのかを示す図が気象庁のウェブサイトに掲載されています。

snow-anomaly-2015.gif
積雪の深さ 平年比 2015年1月3日7時00分

地図上の四角いドットのうち、

赤の部分が平年の 200パーセント以上の積雪量

紫の部分が平年の 300パーセント以上の積雪量

を示しているのですが、日本海側は、赤と紫ばかりとなっていて、通常の2倍から3倍の大雪が降っている地域が多いことがわかります。通常の3倍というのは尋常なことではないです。

というより、気象庁の区分の最高値が「 300パーセント以上」までしかないので、もしかすると、400パーセントだとか、あるいは 2000パーセントだとかの地域もあるかもしれません。

というのも、「普通だと積雪があまりない場所」も各地で大変な雪となっているからです。
京都などでは、60年ぶりの大雪となっているようです。

京都市中京区で61年ぶり21センチの積雪
産経ニュース 2015.01.03

kyoto-20150103.jpg

冬型の気圧配置が強まり、元日から3日未明にかけて京都市内は大雪に見舞われた。京都地方気象台によると、京都市中京区では3日午前0時、昭和29年に41センチを観測して以来、61年ぶりに20センチを超える21センチを記録した。

市内で観測史上歴代4番目の積雪という。

とのことですが、この地域の方向にお知り合いがいるのですが、

「正月休みのはずなのに、雪かきで終わり……(T_T)」

と嘆いてらっしゃいましたが、同じような方々もたくさんいらっしゃるかもしれないです。

私の住む埼玉でも、昨年の2月に歴史的な大雪が降り、その時には自分の住む建物の雪かきは(他の住人の方々が誰もやらなそうでしたので)私がやったんですが、「雪かき道具がない」ことに、その時にはじめて気づいたりしました。

北海道に住んでいた頃には、当たり前にどの家にもあった、スノーシャベルや、「ママさんダンプ」と呼ばれる除雪道具が用意できずに苦労しました。ママさんダンプは下のようなものです。

mamasan-dump.jpg
tenki.jp

この「ママさんダンプ」は通称ですが、それが正式名だといっていいほど、それ以外の呼称を聞いたことがありません。私の子どもの頃から雪国での必需品です。「一家に1台」と言いたいですが、実際には、一家に2台や3台あるのが普通でした。

もっとも、最近は高齢化が進んだせいもあり、北海道などでは、力の不要な電気やガソリン駆動の除雪機が多く使われているようです。


そして、この各地の大雪なんですけど、とりあえず直近は雪が収まっても、この冬全体として考えてみますと、まだまだ続きそうな感じはあります。

これは気象予測的な考えに基づくものではないです。

少し前の記事、

小惑星の地球への突入から始まった2014年の最後の日々に「世界の海氷面積が観測史上最大」に
 2014年12月31日

でもふれましたように、以下の3つの理由などにより、雪にしても寒さにしても、今後増していくのではないかというような気配はあります。あくまでも「気配」であって、予測でも断定でもありません。

1. 北半球全体の積雪面積が過去最大で、現在も増加し続けていること

Northern-Hemisphere-snow5.gif
・ラトガース大学 全球降雪研究所( Rutgers University Global Snow Lab

2. 海水の表面温度が高いままなこと

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NOAA

3. 太陽活動の低下と火山噴火の増加で地球の寒冷化が進行していること

下は 2012年 1月29日のデイリーメールの記事で、 次の太陽活動周期である「サイクル25」は極めて弱い太陽活動となり、そのため、「地球がかつての極小期のような寒冷化に向かう可能性が高い」と、NASA の科学者が主張しているという内容のものです。

nasa-frozen.gif

▲ 2014年12月29日の英国デイリーメールより。


NASA の科学者の予測では、次の太陽周期は、1790年から1830年まで続いたダルトン極小期と呼ばれる寒冷化を伴った極小期より太陽活動が弱くなる可能性が 92パーセント以上あるとしているのだそう。

このデイリーメールの記事にある予測グラフは、かなり衝撃的なものです。

cycle25-level.gif


グラフの右端の下に「 25」とあるのがサイクル25で、ほんのちょっとだけ山型になっていますが、デイリーメールで紹介される科学者たちは、次の太陽活動周期のサイクル25は全体を通してほとんど活動しないと予測していることがわかります。

この科学者の予測が正しい場合、私たちは今後、「経験したことのない寒冷期」に突入する可能性があります。

火山噴火と寒冷化については、過去記事、

西暦1750年頃に「何らかの理由」で小氷河期の入口の手前から救われた人類。しかし、今回はどうなる? 太陽と火山噴火の増加が作り出す地球冷却のシステム
 2014年11月08日

などに記したことがありますが、そこで、

火山灰の分子が、太陽光の地球への到達を遮る

ということが研究によりわかったことを書いたりしています。

そして、現在、大雪は日本だけではなく、北半球の非常に広い範囲に影響を与えています。

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雪に覆われる北半球

Tripoli-snow-2015.gif

▲ 2014年12月31日のリビアのメディア alwasat より。


上の報道は、リビアの首都のトリポリで大晦日に雪が降ったということを報じているものです。
リビアは北アフリカの下の位置にあります。

n-africa-2015.gif


そして今、この北アフリカのリビア、チュニジア、アルジェリアや、あるいは地中海に面したギリシャ、そして、トルコなど、本来温暖な地域の各地で、雪、あるいは大雪が降り続いています。

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▲ 2014年12月30日の Hurriyet Daily News より。


上の記事は 12月30日のもので、まだ予測の段階でしたが、年明けに実際にトルコでどのくらい雪が降ったかといいますと、1月2日の現地メディアによりますと、多い地域で 53センチの積雪があった場所もあったりと、かなりの大雪となっているようです。

そして、トルコの雪は現在も継続しているようですので、さらに積雪が増える見込みのようです。

また、北アフリカに関しては、気温が通常では考えられないほど低い上に、天候も荒れていて、雪が降らない場所でも、大雨による洪水が起きていることが、アルジャジーラなどで報じられています。

北アフリカの悪天候に関してのアルジャジーラの記事をご紹介いたします。



Cold and wet in North Africa
Aljazeera 2015.01.01


寒くて雨の多い北アフリカ


cold-wet-northafrica.jpg

▲ 12月31日にトリポリでは 12月の平均雨量の 20パーセントに相当する雨が1日で降った。


ギリシャ、トルコ方面から周回してきた強い寒気を含む大気が、地中海沿岸の北アフリカに季節外れの寒さと荒れた天候をもたらしている。この数日、リビアとチュニジアでは、気温が二桁に届かない状態が続いている。

マルタ共和国では、豪雨と雹(ひょう)を含む非常に激しい悪天候に見舞われ、浸水被害、雹による凍結の被害が起きている。

マルタ南東部のルアでは大晦日の最高気温が 7℃までしか上がらないという記録的な低温となった。
最低気温は 2℃まで下がった。

チュジニアのチュニスでは、気温が 6℃にまで下がった。それに加えて、チュニスでは、深刻な強風が吹き荒れていて、体感気温はそれよりもはるかに低かったと思われる。

リビア北部では、過去最悪級の悪天候による大雨のために洪水が発生している。
また、最高気温も 11℃までしか上がらなかった。




他にもアメリカや、ヨーロッパの各地で大雪や寒波の報道が相次いでいますが、日本を含めて、今シーズンの冬の今後が気になるところです。場合によっては、ママさんダンプ購入という悲壮な決意もしなければならないかもしれません。

いずれにしましても、新年早々、日本各地が雪の混乱で大変で、予想外の大雪に見舞われている地域の方々は、お正月休みどころではない方もいらっしゃると思いますが、お体など気をつけて作業されて下さい。

エルサ王女がまた心を開きますように。

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(T_T)