2015年01月19日



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「フランシスコ法王が第三次世界大戦の開始を宣言」という報道よりも中国の食品安全監査報告のヤバさが気になる昨今



開戦報道が駆け巡った1月16日

今年になってからは、いろいろと物騒なことが続いていまして、 少し前の記事で、

「第三次世界大戦が侮辱画から始まるとは誰が想像しえたか」
 2015年01月14日

というような、物騒なタイトルの記事などを書いたりしていたのですが、2日ほど前に下のような報道が、アメリカの UPI 通信社のツイート・フィードに投稿されました。

ww3-begun-pope.gif

▲ 2015年1月16日の米国 UPI 通信社のツイッターより。


そして、続けざまに、やはりアメリカのニューヨーク・ポストのツイート上に、下のように「アメリカの空母が中国からの対戦艦砲撃を受けた」という「開戦」報道がありました。

ny-post-tweet.jpg
Mashable


私はこれらを見て、「なるほど、第三次世界大戦が始まったのか」と思い、テレビなどをつけてみましたが、特にそのような報道があるわけではなく、食べ物につまようじがどうのこうのといった報道が流されていまして、

「なるほど、今は世界大戦より重要な報道がいろいろとあるらしい」

と妙に納得したりしていたのですが、その数時間後、先のアメリカの UPI 通信社のツイート上に以下のメッセージが投稿されました。

upi-hacked.gif


UPI 通信社のツイッターのアカウントがハッキングされてしまったようです。

そして、アメリカの空母が攻撃を受けたとする報道を流したニューヨーク・ポストのツイート・アカウントもハッキングされていたことが判明しました。

誰がやったのか、とか意図などはわからないですが、通信社や報道メディアのツイッター・アカウントが乗っ取られた場合は、上のような「物騒な報道」などが流されることがあることを知りました。

それにしても、何となく世界中で「サイバー聖戦」的なインターネットの混乱が続いています。

いずれにしましても、報道はハッカーによる投稿で、2015年1月16日には、第三次世界大戦は起きていなかったようです(あるいは起きて、その日に終戦していたか)。

今回の記事は、そういうこととはまったく関係ないですが、現実生活に直接関係することでもあり、人によっては気になるかもしれない報道をご紹介したいと思います。

それは、品質の安全基準の監査をおこなう企業による検査で、「中国の食品加工工場の半数が、国際安全基準をまるで満たしていない」ということが、初めてとなる大規模監査で判明したというものです。

china-food-top.gif

▲ 2015年1月16日の米国 CNN より。


今回は最初にその報道の翻訳をご紹介します。
米国 CNN の記事です。



Why Chinese food safety is so bad
CNN 2015.01.16


中国の食品の安全性があまりにもひどい理由


最新の国際基準での検査での数値は、中国の食品加工工場のほぼ半分が国際的な基準に達していないことを示した。

品質検査専門企業アジアインスペクション( AsiaInspection )が、2014年に中国でおこなった「数千にのぼる工場」に対しての検査と監査によれば、中国国内の食品加工工場の中の 48パーセントが国際基準を満たしていなかった。

アジアインスペクションの副代表マシュー・ラバッセ( Mathieu Labasse )氏は、 CNN の電話取材に以下のように述べた。

「これは明らかにホラーストーリーと言っていいものです」

そして、このように続ける。

「私たちは、今回の監査の中で、衛生基準についての基本的な考えをまったく持たない多くの食品加工工場を発見しました。食品加工を行う作業員たちに食品衛生に関しての何の知識も装備もないのです。手袋さえもしていない。何もないのです」

マシュー氏は、中国の食品工場が国際基準に満たない理由はたくさんあると言う。

いくつかの工場では、消費者の体に危険が及ぶレベルの殺虫剤や抗生物質、重金属といったものが検出され、また、やはり人体に危険なレベルの細菌やウイルスなども検出された。

その他の例では、食品に色や匂いをつけた偽装バッケージや、魚介類の場合は重量を増やすために魚に水を加えて出荷したりしている件も見られた。

中国では近年、海外に輸出した食品に関しての食品スキャンダルが相次いでいる。

最もよく知られた最近のケースは、マクドナルドやスターバックス、そして、ケンタッキー・フライドチキンやピザハットチェーンを含むクライアントに消費期限切れの上に、汚染された肉を販売して非難を受けた出来事がある。

「(中国の食品工場の)意識は改善してきている気配は伺えるのですが、それが現実の改善としては現れていないのが現実です。いつかは改善するのだと思いますが」

マシュー氏は、中国の食品工場の特殊な事情、それは非常に分断された状態で中国全土に食品工場が広がっているのが問題だという。

中国国内には 食品加工工場が 500,000 以上もあり、その 70パーセントが従業員 10人以下の小さな工場だ。そのため、中国当局が食品工場全体をコントロールすることは極めて難しく、また、海外のバイヤーが中国の食品加工の現実を理解することも難しいという。

「マクドナルドのような大企業は、食品工場の裏で実際に何が起きているのかを知らないのです」と、マシュー氏は言う。





というものです。

アジアインスペクションは、国際的な品質基準監査の企業で、中国政府からも公的な認定機関とされていますので、もう少しよい報告書を発表したかったでしょうけれど、これ以上はどうしようもならなかったようです。

実は私は、というか、うちでは2〜3年くらい前から中国産の食材は買わないし、食べないようになっていまして、今もそのままなんです。

何か私的な話となってしまいそうですが、少し書かせていただきます。




回復不能の土地と水質の中で

もともと、中国産の食材を買わなくなっていったのは、食品衛生がどうだとか、中国に対してどうだとか、そういうことではなく、「味」だったんですね。

最初は「乾燥ワカメ」でした。

私はワカメが好きなのですが、生のものはともかく、乾燥ワカメに関しては、安価で売られているのはほとんど中国産です。

それで、以前は何も考えずに安い中国産の乾燥ワカメを買っていたのですが、震災以降、「東北のほうのワカメでも食べるようにしようかな」と思うようになりまして、国産のものを買おうとすると、これが量なども勘案してみますと、中国産の3倍〜5倍くらいの価格のわけです。

かなりひるみながらも買いまして、そして、「中国産と国内産の乾燥ワカメの味の差」というのを初めて知ることになったのです。

「ワカメごとき、どこの産地でも大した差はないだろう」

と思っていたのですが、結果を言いますと、これがもう全然違いました

中国産のワカメの多くには「純粋なワカメとは別の何かの味と風味」があります。それが、食材そのものが原因なのか、加工の過程での問題なのかはわかりませんが、ワカメ本来の味ではない味を必ずといっていいほど感じます。

しかし、国内産のものには、それがまるでなかったのでした。

想像していた以上の味の差にややショックを受けまして、

「他の食べ物もこんな感じなんだろうか」

と思って、いろいろと食べ比べているうちに、自然と中国産を買わないようになっていった感じです。

ただ、一応書いておきますけれど、日本の輸入食材の検査の上では、中国産の食品の安全性が、他の国と比べて特に悪いわけではないです。

これは 2011年の統計ですが、厚生労働省医薬食品局食品安全部の「平成23年度 輸入食品監視統計」にある「生産・製造国別届出・検査・違反状況」という項目です。

生産・製造国別届出・検査・違反状況

国別の届出件数をみると、中国の 633,733 件(30.2%:総届出件数 に対する割合)が最も多く、次いでアメリカの 228,505 件(10.9%)、フランス 195,729 件(9.3%)、タイ 152,299 件(7.3%)、韓国 147,473 件(7.0%)、イタリア 93,757 件(4.5%) の順であった。

また、違反状況をみると、中国の 278 件(22.1%:総違反件数に対する割合)が最も多く、次いでアメリカの 174 件(13.8%)、ベトナム 166 件(13.2%)、タイ 93 件(7.4%)、 イタリア 50 件(4.0%)の順であった。

とあり、中国の 22.1%は他の国と比べると多いように見えますが、届け出件数が 60万以上あり、その中の 278件というのは、違反率そのものは 0.1%に近いような非常に低い数であることを示していて、全体の平均値よりも違反の率は少ないです(全体の違反率は 0.5パーセント程度)。

とはいいましても、私の中ではすでに厚生労働省の数値の話はあまり関係ないのですね。

人間はどうしても感覚的なものに左右されます。

「ショックを受けるほど味に差がある食べ物」がいくつかあったことによって、次第に感覚的に、どんどん中国産を受けつけなくなっていきました。

それに加えて、この「感覚的」という部分は最近の報道でも刺激されます。

たとえば、昨年から発表され始めた「中国の土壌や水の汚染」に関しての様々な報告やレポートなどもそうです。

ch-soil-pollution.jpg

▲ 2014年4月18日のウォール・ストリート・ジャーナルより。

上の記事には、

中国の土壌汚染の範囲は長らく国家秘密として守られてきた。しかし、最近明らかになった政府報告書は、同国の農地の汚染や食糧供給の実現性をめぐる根深い警戒感を裏付けるものとなった。

政府高官は報告書の中で、耕地の5分の1近くが汚染されていると指摘している。

とあり、これまでは、中国では「自国の土壌汚染のレベルについては国家機密」として、外部に発表されなかったのですが、最近になって次々と中国の土壌と水質汚染の報告書が出されています。

これらのことと関係するのかどうかはわからないですが、「多少は関係しているのかもしれない」と思うことに、この 30年ほどのあいだでの、「中国でのガンの発生率の飛躍的な増加」があります。

ガンの種類にもよりますが、中国でのガンの発生率が、この 30年間で 300バーセント増加だとか、400パーセント増加だとか、そういう指数関数的に増えている統計が最近相次いで発表されています。

その結果、現在、中国は世界で一番のガン大国となっています。
優れた東洋医学の発祥地なのに、及ばないようです。

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▲ 2014年2月13日の日本経済新聞「がん発症、中国が突出 肺がんは世界の36%」より。


また、現在の中国には「ガン村」と呼ばれる、非常にガン患者の発生率が多い地域があります。このような場所は狭い特定の地域と思われるかもしれないですが、その点在地域は非常に広いです。

中国のガン村がある場所(2013年)
Cancer-Village.jpg
Global Voices

こういうようなことが、荒れた環境と共に、あるいは「食品」と関係している部分が少しでもあるのだとすれば、非常に多くの食材や加工食品を中国からの輸入に依存している日本にも、「まったく関係がない」とは言えない面もあるのではないかと思ったりもするのです。

土壌だけではなく、中国では水質も全土にわたり汚染されていますが、中国の水質汚染が他の国と異なるのは、「薬物の汚染」が他の国と比較にならないほど高いレベルだということです。

中国の川や湖「158種の薬物汚染」、垂れ流し社会のツケは将来に
サーチナ 2014.05.08

華東理工大学と同済大学、清華大学の所属機関が共同で作成し、このほど発表した研究報告によると、中国各地の川や湖などの地表水を調べたところ、抗生物質やホルモン剤など医薬成分158種が検出された。

報告によると、検出された薬物のうち抗生物質は68種、非抗生物質類は90種だった。検出例の上位10位まではいずれも抗生物質だった。

先進国における検出濃度が水1リットル当たり20ナノグラムであるのに対し、1グラム当たり数百ナノグラムが検出されるなど、「けた違いの汚染状態」を示す抗生物質もあった。

中国の川や湖で抗生物質汚染が進んでいる原因のひとつとしては、同国が「世界最悪の乱用大国」であることが挙げられる。

西側国家では、抗生物質の生産量は薬品類の30%程度だが、中国の場合には70%に達するとされる。

中国では、淡水養殖において、魚、カニ、エビなどに大量の抗生物質やホルモン剤を投下しているのが現状で、そういうものを食べる人間にも、多少ではあっても「魚類と共にそれらの薬剤も体内に取り入れている」という可能性も強くなります。

そして、現状では、中国のこれらの「荒れた環境」と、先にご紹介しました「食品衛生へのずさんな取り組み」の傾向が急激に改善される見込みはなさそうです。

それはたとえば、中国人の作家が中国語で書いた著作で、中国本土では当局に販売が差し止められ、その後、日本語版が出た『中国の危ない食品―中国食品安全現状調査』という本の Amazon のレビューに書かれてある、

この本の最大の指摘は、「中国で食品の偽装に手を染めている人は、全く罪悪感を持っていない」という点にあると思います。

というような記述でもわかるとおり、中国の人々の意識がそういうようなことである以上、状況が改善していくというようには思えないのです。



自分の国で作って自分の国で加工するという当たり前のことが薄れた国の行く末は

最近、いくつかの本などを読みまして、「食物と人体の関係の重要性」について、私自身は、以前よりも食物と人体の関係に意識的になっている部分がほんの少しあります。

それでもまあ、私らのような先のそれほどない年寄りはもうどうでもいいんですが、やはり、子どもとか若い人たちなんですよね。若いほうがさらに食べ物からの影響が大きいものでしょうし、現在の食品流通メカニズムを考えると、今後も含めて、何となく心配です。

かつては見られなかったほど多くの子どもたちが何らかのアレルギーを持ち、あるいは、かつてあまりなかったような子どもたちの疾患が、時に大流行したりしています。

もちろん、それらの要因は食べ物だけでないことは確かにしても、「自国で食べ物を収穫して、自国で食品加工する」という習慣を失う一方だったこの数十年間の我が国の状況とも時間軸で照らすと、一致している部分もあるように思います。

輸入だとか輸出だとかいうものは、世界が本格的に荒れてしまった場合は一瞬で消滅してしまう可能性のある仕組みでもあるわけですし、「日本産の食品を日本で加工する」という方向にもう少し向かえばいいかなとは、わりと本当に思います。

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